ウルトラリリカルキュアファイト   作:JINISH

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今回は、あのウルトラマンが帰ってきます。


ネクサスの帰還

ヴィヴィオ達が訪れたノアの石像が建てられているバラージ王国の地下で、ネクサスの変身に必要なエボルトラスターと、ルルイエでのガタノゾーアとの戦いの後、行方知らずになっていたストーンフリューゲルが現れた。

その直後に貴族風な謎の男と土ノ魔王獣・マガグランドキングの石像がヴィヴィオ達の前に現れる。

マガグランドキングが長年の眠りから覚めたように封印が解かれ、ヴィヴィオの前に立ちはだかる。

ヴィヴィオは謎の男をアインハルト達に任せ、オーブに変身し、マガグランドキングを相手にした。

 

「やれやれ・・・私に構っている場合ではないと言うのに・・・」

 

その謎の男はアインハルト達に追いかけられ、地上への出入り口の手前の広場に足止めされていた。

ちなみにアインハルトは既にセットアップし、トーマもリアクト状態になり、リリィもトーマの中にいる。

 

「どなたかは存じませんが、あの怪獣を連れて、この城を壊そうとしているあなたを見過ごせはしません。」

「誤解しているようだが、あれは私が起こしたのではない。私が何もしていなくてもいつ封印が解かれてもおかしくない所まで来たのだ。大きな事態が起こらないよう、多くの怪獣を倒してきた巨人に倒させてもらおうと態々ご足労しただけだ。」

 

アインハルトは貴族風な男を引き留めるが、貴族風な男はアインハルト達に誤解だと告げ、マガグランドキングを連れ出した理由を教える。

 

「お話はあの怪獣を撃退後に聞かせてもらう。それまで大人しくさせてもらおうか。」

 

トーマは貴族風な男の言い訳を流しながら、投降を呼びかける。

 

「聞く耳持たないとは、無粋だな。これでは管理局の『海』と『陸』の二の舞だな。」

 

貴族風な男はやれやれとジェスチャーする。

アインハルトとトーマとリリィは管理局の『海』と『陸』を聞いて、警戒を強める。

 

「まぁ、いい。せっかくここまで来たんだ。3人にも付き合ってもらおう。」

 

貴族風な男は2枚のカードを出し、アリアとライラに向けて投げた。

そのカードはアリアとライラの前に止まる。

 

「え?」

「白紙のカード?」

 

アリアとライラが見たのは何も描かれていない白紙のカードである。

2人は拍子抜けになったと思った瞬間、カードが怪しく光り出す。

 

「なっ!?なに!?」

「す、吸い込まれる!?」

 

アリアとライラは2枚のカードに吸い込まれていき、白紙だったカードはアリアとライラの姿が描かれていた。

 

「アリアさん!ライラさん!」

「心配するな。ゲームに巻き込まれないように安全な所に招待したまで。ゲームが終わったら解放するぞ。」

 

アインハルトは今の光景を見て心配かけるが、貴族風な男は後で解放するから心配するなと言い出す。

貴族風な男は51枚のトランプのカードをバラ撒く。

すると、51枚のカードが人間大まで巨大化し、ドーム状に取り囲む。

 

「ルールを説明しよう。52枚のカードの中から♠の『10』、『J』、『Q』、『K』、『A』の組み合わせを揃えれば君達の勝ちだ。但し、組み合わせが間違えればペナルティを与える。タイムリミットは5分だ。」

 

貴族風な男はアインハルトに曰くゲームの説明をした後、自身を巨大な♠の『A』のカードに変わり、51枚のカードのドームに紛れ込む。

 

「おい!誰もゲームをやるなんて言ってないぞ!?」

 

トーマはカードのドームに紛れている貴族風な男にそう言う。

 

『フフフ、君達の実力を見てもらう、と言う解釈にしておいてくれたまえ。』

 

貴族風な男はアインハルト、トーマ、リリィにそう言った直後、トランプのドームの周りに茶色の魔法陣を囲う。

 

『これで君達はゲームを断ることはできない。召使い達、そして彼女を助けたければ、このゲームに参加するがいい。』

 

貴族風な男は飄々とした態度でそのように諭す。

 

「トーマさん、どうやら拒否権はないようです!」

「あぁ、もう!分かったよ!やればいいんだろ!?やれば!?」

 

トーマはイライラした口調でそう言う。

 

『やる気になってくれて何よりだ。では、ゲームスタート!』

 

貴族風な男はゲーム開始を宣言する。

 

「銀十字、トランプの絵柄やあいつの居所を特定できるか?」

〈分析不能。敵性存在の確認不可。このカードには魔力を遮断する効能を確認しました。〉

「トランプの絵柄さえも特定できないのか・・・」

 

トーマはこのゲームを早く終わらせるため、銀十字の書を頼りに分析しようと思ったが、貴族風な男を見つけ出すこともトランプの絵柄を割り出すこともできないことを知った。

 

『それはそうとも。透視などというものはイカサマだからね。だから真剣に探してもらわないと。』

 

貴族風な男はトーマと銀十字の書の会話を聞き、そのように言う。

 

「仕方ない、こうなったら破れかぶれだ!」

 

トーマは銀十字の書のページを5枚出し、そのページからエネルギー弾を放つ。

そのエネルギー弾は5枚のカードに命中する。

すると、トーマが命中させた5枚のカードが瞬間的にトーマの目の前に現れる。

 

「うわっ!?びっくりした!」

 

トーマは突然目の前に現れた5枚のカードに驚くも、カードの絵柄を見る。

しかし、トーマが選んだカードの組み合わせは♠の『8』と『10』、♣の『7』、♢の『10』、♡の『7』のツーペアだった。

その時、目の前のカードがトーマの前で爆発を起こす。

 

「どわあぁっ!?」

「トーマさん!?」

 

トーマは爆発の衝撃によってアインハルトの元へ吹き飛ばされ、アインハルトはトーマに心配をかける。

 

「大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ・・・」

『カードがいきなり爆発するなんて・・・』

 

トーマは頭を抑えながら大丈夫だと答える。

リリィはトーマが選んだカードが爆発することに驚く。

 

『だから言っただろう。組み合わせを間違えればペナルティを与えると。あと4分20秒。見つけられるかな?』

 

貴族風な男は楽しそうに言う。

 

 

 

 

 

 

その頃、オーブはトーマ達が謎の男を追っている間、マガグランドキングと対峙していた。

 

「アクセルスマッシュ!」

 

オーブはマガグランドキングにアクセルスマッシュを繰り出した。

マガグランドキングはバーンマイトのオーブのアクセルスマッシュを受け、後退る。

しかし、マガグランドキングはお構いなしにオーブにマガ一閃を繰り出す。

 

「うわっ!あぅっ!」

 

オーブはマガグランドキングのマガ一閃に怯む。

マガグランドキングは右腕の大鋏でオーブに一撃を与える。

マガグランドキングの強烈な一撃により、オーブは吹き飛ばされる。

マガグランドキングは続けて、胸部からマガ穿孔を発射する。

オーブはマガグランドキングの攻撃により大ダメージを負う。

 

「ストビュームバースト!」

 

オーブはマガグランドキングにストビュームバーストを放つ。

マガグランドキングはオーブの技を受けるが、大したダメージとは言わなかった。

 

(防御が固い!)

 

オーブはマガグランドキングの防御力に苦戦する。

その時、オーブの周囲の地面から3体の怪獣が現れる。

その内1体はゴルザで、他の2体はドリルのような口先をした怪獣と鋸状の角を持つ昆虫のような怪獣もいる。

前者の怪獣は地底怪獣テレスドン。

地底人が地上制服の為に送り込んだ尖兵である。

ウルトラマンエックスの世界で局地的な地震を発生させたこともある。

後者の怪獣は磁力怪獣アントラー。

隕石が落下した直後にバラージの街に現れた宇宙怪獣である。

初代ウルトラマンのスぺシウム光線を耐えられるほどの頑丈な体の持ち主である。

 

「ええぇっ!?増えちゃった!?」

 

オーブはゴルザ、テレスドン、アントラーの参戦により、焦り出す。

ただでさえ、マガグランドキングだけでも苦戦しているのに、更に3体の怪獣まで現れては余計に苦戦してしまう。

オーブは目の前にいるマガグランドキングや背後に近づいて来るゴルザ、テレスドン、アントラーに警戒するように目を配る。

 

 

 

 

 

 

その様子を貴族風な男はカードの中から見ていた。

 

『おやおや。乱入とは空気の読めない・・・』

 

貴族風な男はゴルザ、テレスドン、アントラーを見て呆れた表情をする。

トーマとアインハルトは次々とカードを選ぶが、いずれも違う組み合わせで、爆発によるダメージを受ける。

 

「ハァ、ハァ・・・クッソ・・・!」

「思うようにいきません・・・!」

 

トーマとアインハルトは爆発によるダメージで息が乱れる。

 

『あと20秒。それまで♠のロイヤルストレートフラッシュ、完成できるかな?』

 

貴族風な男はトーマとアインハルトの様子を見て、楽しそうに言う。

 

(ヴィヴィオが危ないんだ・・・!こんな所で倒れるわけにはいかない!)

 

トーマはフラフラになりながらも立ち上がり、シルバーハンマーを5回発射する。

5枚のカードが命中され、その5枚のカードがトーマの前に現れる。

トーマが選んだのは♠の『10』、『J』、『Q』、『K』、そして♡の『A』だった。

よってトーマの目の前のカードが爆発される。

 

「ぐあっ!」

『トーマ!』

 

爆発のダメージを受けたトーマを、中で心配かけるリリィ。

 

『タイムオーバー。』

 

貴族風な男はそう言うと、アインハルト達の周囲のトランプカードが消え、残り一枚となったカードがゆっくりと下りて、そのカードが高速で回転した直後、貴族風な男が姿を現す。

 

「今のはいい引きだったよ。もし最後に選んだカードが♠の『A』だったら私の負けだった。」

 

貴族風な男はトーマに褒める。

トーマとアインハルトはそんなことをお構いなしに貴族風な男を睨みつける。

 

「そんなに睨まなくても解放するつもりだ。」

 

貴族風な男は指を鳴らした後、2枚のカードが怪しく光り出し、その光からアリアとライラが現れる。

 

「うぅ・・・いったい何が・・・」

「助かったのでしょうか?」

 

アリアとライラはゆっくりと目を開け、周囲を見渡す。

 

「アリアさん!ライラさん!」

「!アインハルト様!トーマ様!」

 

アインハルトに声をかけられたアリアとライラはアインハルト達の元に駆け付ける。

 

「大丈夫ですか!?」

「えぇ。大丈夫です。」

「俺も大丈夫。」

 

アインハルトとトーマはアリアに心配掛けられるが、大丈夫だと答える。

 

「それにしても、人質をこんな簡単に解放するなんて・・・」

 

アインハルトは貴族風な男を見てそう言う。

 

「?何を言ってるんだね?私はあの時、ゲームが終わったら解放すると言った。私に勝てたら解放するとは言っていない。」

「・・・は?」

 

トーマは貴族風な男が言ってることに頭を傾げる。

 

「私が2人をカードに入れたのは、今やっていたゲームでカンニングするようなルール違反をさせないようにしたからだ。カードの絵柄を覗かれたらゲームにならないだろう?」

 

貴族風な男はアリアとライラをカードに閉じ込めた理由を言い出す。

 

「そんな理由で?」

「あぁ。私はルールを守る主義でね。」

 

貴族風な男はアインハルトの質問に答える。

その後、メダリオンを出して指パッチンする。

すると、貴族風な男の足元に茶色の魔法陣が現れる。

 

「あっ!待て!」

「私はこう見えて忙しいのでね。君達は魔王獣を何とかするがいい。」

 

貴族風な男はトーマに飄々とした態度で流す。

 

「ま、ゲームを楽しませてもらった褒美だ。自己紹介はしておこう。私はヴェント。ヴェント・フォルクスワーゲン。ヴァベルの騎士の一人だ。また会おう。」

 

貴族風な男は自らの名前をヴェント・フォルクスワーゲンと名乗り、更に自分がヴァベルの騎士の一人だとトーマ達に告げ、光に包まれた後、姿を消した。

 

「逃げられたか・・・」

「ヴァベルの騎士、ヴィヴィオさんのお母様が仰っていた組織・・・」

 

トーマとアインハルトはヴェントが消えた場所を見つめる。

しかし、地響きと衝撃音を聞いて我に返る。

先の衝撃音を聞いたアインハルト達はその方角に振り向くと、オーブがマガグランドキング達に苦戦している状況を目の当たりにする。

 

「ヴィヴィオ!」

「ヴィヴィオさん!」

 

アインハルトとトーマは今の状況を見て危機感を感じる。

 

「トーマさんは休んでてください!行きますよ、ティオ!」

『にゃぁん!』

 

アインハルトは中にいるティオに語り掛け、オーブの元へ飛翔する。

トーマはアインハルトに休むよう言われたが、黙っているわけにもいかず、アインハルトの後を追いかけようとする。

 

(ヴィヴィオが危ないのに、自分だけ休んでいられるか!)

 

トーマはディバイダー996を杖代わりにして立ち上がる。

その時、トーマの目の前にストーンフリューゲルが現れる。

 

「なっ!?」

『さっきの石が!?』

 

トーマとリリィは、突然目の前にストーンフリューゲルが現れて驚く。

その直後、ストーンフリューゲルがトーマを覆い尽くすように光を放つ。

 

「うわぁっ!?」

 

トーマはストーンフリューゲルから発した光に目を瞑る。

しばらくの後、トーマは目を開けると、地下の洞窟の中ではなく、何もない異空間にいた。

 

「うわっ!?何だここ!?」

「虚数空間とは違うみたい・・・」

「リリィ!?いつの間にリアクト・オフを!?」

「え!?ホントだ!」

 

トーマとリリィは今いる空間に驚き、更にトーマはリリィが外に出ていることに驚く。

リリィも驚きを隠せなかった。

その時、トーマとリリィの前に赤い発光体が現れ、闇から現れるように姿を現した。

その姿は胸にY字型の発光体を備わり、両腕に刃のような物がある銀色の巨人である。

その巨人の名はウルトラマンネクサス。

姫矢准、千樹憐、弧門一輝等のデュナミストが変身するスペースビーストを次々と倒してきた光の巨人である。

闇の巨人であるダークメフィストや、あらゆるスペースビーストが合体したイズマエルを倒した経歴を持つ。

 

「ウルトラマン!」

「この巨人がクリシスが変身したっていう・・・」

 

トーマとリリィはネクサスの出現に驚く。

ネクサスはトーマとリリィに手を翳すと、小さな光が現れ、トーマの元に飛んでいく。

トーマはその光を受け取ると、光がエボルトラスターとなる。

 

「これは!?」

「あの台座に現れた!?」

 

トーマとリリィはそれに驚く。

その時、怪獣の咆哮が耳にし、振り向くトーマとリリィ。

そこにはオーブがマガグランドキングとゴルザ、テレスドン、アントラーの連携に苦しんでいる状況が映っている。

 

「ヴィヴィオ!」

「トーマ、このままじゃ!」

 

トーマは今の光景を見た後、手に持っているエボルトラスターを見る。

 

「やるしかない!行くぞ、リリィ!」

「うん!」

 

トーマはエボルトラスターを引き抜く。

それによって、エボルトラスターから光が発し、トーマとリリィを包み込む。

一方、オーブはマガグランドキング達に追い詰められる。

テレスドンはオーブの背後からデプス火炎を放とうとする。

 

「ヴィヴィオさん!後ろ!」

 

駆け付けたアインハルトはオーブにテレスドンが攻撃してくることを伝えるが、時すでに遅し、たった今テレスドンがオーブにデプス火炎を放つ。

その時、テレスドンの火炎が突如、発射された光線によって打ち破られ、そのままテレスドンに命中される。

テレスドンは今の光線を受け、爆散される。

 

「えっ!?」

 

アインハルトはテレスドンが倒されたことに驚く。

 

「今のは?!」

 

ヴィヴィオは振り向くと、マガグランドキングの背後にネクサスがいた。

 

「あれは!」

 

ネクサスはエナジーコアの前に腕を掲げると、体の色が赤くなり、ジュネッスへとタイプチェンジした。

 

「ヴィヴィオ、大丈夫か!?」

「えぇっ!?もしかして、トーマなの!?」

 

オーブはネクサスの変身者がトーマであることに驚く。

 

「トーマさんが、ウルトラマンに!?」

 

アインハルトもオーブ同様驚愕する。

 

「とにかく、話は後にしよう!今は!」

「う、うん!」

 

オーブとネクサスは囲まれているマガグランドキング、ゴルザ、アントラーを前に身構える。

ネクサスは戦闘に入る前にフェーズシフトウェーブを放つ。

それによって、オーブ、ネクサス、マガグランドキング、ゴルザ、アントラーは光のドームに包まれ、消えていった。

 

「ヴィヴィオさん、トーマさん・・・」

 

オーブ達が消えた場所を見つめるアインハルト。

オーブ達の戦いはある空間にいる者しか分からない。

メタフィールドという空間にいる者しか・・・




ようやく投稿できたけど、今まで投稿した中で文章が最長だと思う・・・

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