ぴかりが丘のどこかに潜んでいる黒幕を捜す為、二手に別れるエレメント達。
エレメント、スバル、ティアナはライハを陰で動かした忍び装束を纏った黒幕を捜し出した。
黒幕が放ったホシイナーに苦戦するエレメント達だが、突然乱入してきた軍服の女性の手助けにより、ホシイナーを浄化することに成功するエレメント。
その女性はアルバトロス王国から来た、クレイン・ホワイトウィンドと名乗る。
一方、シルフィー、エリオ、キャロはライハの首輪から流れる電流のスイッチはぴかり神社にあることを知り、そこに向かう。
そこで、シルフィーの能力により、リモコンのスイッチを切り、商店街にいるライハの首輪の電流を停止することに成功する。
その後にエレメント達が合流してきて、ライハの首輪を外した。
シルフィーが持っていたリモコンには、首輪の鍵が収納されており、その鍵で首輪を外したとの事。
まのんは変身を解いた後、真理奈にライハの事で聞きたいことがあると告げ、彼女をライハが入院している病院に向かわせた。
その後、まのんはライハを病院に搬送させ、スバル、ティアナ、エリオ、キャロと共にその病院に駆け付けた。
その病院で、ライハの状態を聞いた所、全身の怪我や打撲は予想より治まっており、首の方にもレントゲン写真で調べたが、信じられないことに見る見るうちに回復していたという。
想像を超える回復力に、ライハは並の人間ではない事にまのん達は悟る。
ただ、目を覚ます様子はなく、しばらく様子を見るとの事だった。
まのん達はライハが寝かしている病室にいる。
「あの子、一体何なの?あれだけダメージを負わせてこんな短い時間に完治だなんて・・・」
「うん。戦闘機人でも完治するのに相当時間かかったよ。」
「それに、スバルさんに殴り飛ばされた時、僕達の写真が落としてましたし・・・」
「首輪の事もありますし・・・」
スバル達はライハの事を話し合っていた。
「う~ん・・・それはお姉ちゃんから聞いてもらうとして・・・まさかキュアシルフィーがレンちゃんだったなんて・・・」
まのんもライハの事で気になるが、レンの方に振り向いてそう言う。
まのんが言ったように、目の前にいるレンがキュアシルフィーだと言う事実を発覚した。
まのん達が病院に行く前、レンも変身を解いた。
その時にまのんはキュアシルフィーの正体が、近所に暮らしているレンだったことに驚きを隠せなかった。
「アハハ。やっぱり驚くよね?実はぴかりが丘におおもりごはんっていう店があるって聞いて、一度食べてみたいなって思って、ぴかりが丘に来たんだよ。」
レンはまのんに事情を話す。
「あ、アハハ・・・そうだったんだ・・・」
まのんはレンの事情に苦笑いする。
「失礼します。」
病室の外から女性の声を耳にするまのん達。
その女性はクレインである。
今のクレインは流石に軍服姿で来るわけにはいかず、白のシャツの上にデニムベストを羽織り、短めの黒いジップレザースカートを着こなした私服で、まのん達の前に現れた。
「あ!クレイン!」
「レンちゃん。もう、勝手にどこかに行っちゃダメですよ?」
レンはクレインが入ってきた途端、妹が姉に甘えるように抱きつく。
(うわ、C'est cool(かっこいい)・・・)
(流石にあの格好では来ないか・・・)
まのんはクレインの私服を思わず見惚れ、ティアナはまのん同様にクレインの私服を見て、最初にクレインが着た軍服じゃないことに苦笑い気味に安心する。
「皆さん、真理奈さんがこちらに来られました。特別個室でマヤさんとお待ちしています。」
クレインはまのん達に真理奈とマヤは特別個室で待っていると伝える。
まのん達は真理奈とマヤが待っている特別個室に向かう。
しばらく経ち、まのん達は特別個室に入り、ソファーに座っている真理奈とマヤと対面する。
「お姉ちゃん!」
「あぁ、まのん・・・って、すばる!?なんでいんの!?」
真理奈はまのんの後ろにいるスバルを見て、驚いて目を見開く。
「いや、なんでって・・・」
「お姉ちゃん、このスバルさんはなのはさんと同じ別の世界から来たの。ティアナさんやエリオさん、キャロさんも。」
「え?あ、あぁ、昨日まのんが言ってた高町達と同じ境遇の奴ね?ったく!名前だけじゃなく人相まで同じだから紛らわしいったらありゃしないわ!」
真理奈にそう言われたスバルは苦笑いする。(ティアナ達も同然だが・・・)
「それにしても特別個室の利用なんてよく許可取れたわね?」
「まぁね。プロノーン・カラモス経由でダニエルの主治医に頼んで、1時間の利用を許してくれたわ。まのんが言ってた患者の見舞いはしないけどね?」
ティアナに特別個室の使用について話した後、ライハのお見舞いはしないと突き放す真理奈。
「あ、アンタね・・・」
「すみません。お姉ちゃん、人の悪口が多いから・・・」
「うっさい。」
真理奈はまのんに言われて、「放っとけ。」と言わんばかりの表情になる。
「まぁ、それよりもよ。その患者の事なんだけど、まず彼女の名前は伊佐薙ライハって言ってね、9年前に彼女を除く家族は病気や交通事故で亡くなられて、学校にも行けず、友達もいない独りぼっちの身なのよ。」
真理奈はまず、ライハの素性を話す。
「そのライハが蛇に変わったり、手術もいらないほどの回復力からして、その子は恐らくミュータントよ。」
「ミュータント?」
真理奈はライハの事をミュータントだと言い出す。
まのんは真理奈の発言に首を傾ける。
「ミュータントは動植物の特徴を併せ持った実験動物よ。コウモリでもハエトリソウでも何でもいい。それらの動植物の細胞を人に移植することで、バケモノになっちゃうのよ。施設の調査によれば、大人100人、子供300人程の人材を実験台にされたみたい。」
真理奈はまのん達にミュータントの事を説明する。
「っ!?」
「それじゃあ、ライハは蛇の細胞を?」
キャロは真理奈の説明を聞いて鳥肌が立ち、ティアナはライハが翼蛇になった訳を解釈する。
「えぇ。2年前に。しかも更なる突然変異で、翼と両腕も突然変異した結果でできたみたい。でも、動植物の細胞だけじゃ、ミュータントに変貌できないはずなのよ。実験記録によれば、動植物の細胞に細胞促進剤を混ぜ込んで、直接人に移植したけど、ほとんどの人はそれに耐えられず、死に至ることもあったのよ。ミュータントになれた奴は極僅かな人だけ。」
真理奈は手提げバッグからファイルを取り出し、ファイルのページをまのん達に見せる。
まのん達が見たページは、ミュータントになった時に顕現した謎の発光体の事だった。
「これなんだけどね。人がミュータントになる時、人の中にある霊視反応が活性化して、それが原因なのか、外に漏れ出す感じにして、変貌を遂げたという事になるかな。」
「そういえば・・・」
スバルは真理奈の説明を聞いて、ライハが蛇の姿から人間の姿になった時の事を思い出す。
ライハが人間の姿になった時、胸から紫の発光体が浮かび上がっていた。
「人の中にある霊視反応・・・リンカーコアの事ね・・・」
「リンカーコア?」
まのんはティアナの口からリンカーコアという単語を聞き、なんなのか聞いてみた。
「あたし達魔導師が持つ魔力の源だよ。」
「大気中の魔力を体内に蓄積したり、体内の魔力を放出したりするのに必要な器官よ。次元犯罪者を捕らえたり、災害救助をするのに欠かせないものなのよ。」
スバルとティアナはまのんにリンカーコアの事を説明した。
「つまり、動植物の細胞を移植する時、リンカーコアって奴にも影響を受けて、ミュータントになったという事か・・・運がいいのか悪いのかは別にして、ミュータントも皮肉なものね・・・」
「お姉ちゃん、そんな言い方はないでしょ?」
「冗談よ、冗談。」
まのんは真理奈がまた悪口を言ったので叱る。
「まぁ、話を戻すとして、ミュータントを作った場所はここ東京と大阪、北海道、高知、鹿児島の5ヵ所。具体的にどんな細胞移植を施したのかは分からないけど、外国から来た人も含めて実験材料にされたみたいよ。」
「ひどい・・・どうしてそんな・・・」
キャロはミュータントを作った理由が気になった。
「400人の大人子供を攫って、ミュータントに改造した理由は、砂漠地帯や氷の世界のような厳しい環境に耐えられる肉体を作る為みたいよ。そのためにも、被験者の首に電流を流すシステムを施した首輪をかけ、外に出させないようにいろいろやってくれたわ。更に質の悪いことに、戦争の道具に使うために裏取引をしたとも聞く。全く吐き気がするほど外道な連中よ。」
真理奈はキャロにミュータントを作った理由を述べる。
「ひどすぎる・・・」
「えぇ・・・命を何だと思ってんのよ・・・!?」
スバルとティアナはミュータントを作った者達に憤る。
「ま、結局、それを企てている違法研究者達は警察、自衛隊、それからイルマ財閥を含めた12の企業グループの特殊部隊によって一斉検挙されたけど、肝心のミュータントにされた被害者は、実験中に拒絶反応を起こしたショックで死亡及び自殺したって話。生存を確認できたのは、大人子供400人中たった20人だけ。その内15人は行方を掴めてないけど、アンタは知らないの?」
真理奈は当時の事件について話した後、クレインに残りのミュータントの行方について聞く。
「いいえ、こちらにも行方を掴めていません。仮に掴めたとしても、お教えするつもりはありませんが。」
クレインは真理奈の質問に答えるが、ミュータントの行方については教えないと告げる。
「教えないってどうしてですか!?」
「人間の手に負える相手じゃないからだよ。ミュータントは肉体だけじゃなく、スバル達と戦った時みたいに魔法を使えるから、並の人間じゃ敵わないんだ。それも、プリキュアでも敵うかどうか分かんないくらいに。」
レンはクレインに代わって、まのんの質問に答える。
「そういや、病院の駐車場に停めている車の中でマヤと何か話し込んでたっけ?これは私の勘だけど、河童山で火事を起こしたゼロと、伊佐薙をパシらせた黒幕と関わりがあるって話なの?」
真理奈は今回の襲撃と、山火事の件と繋がりがあるのかという想像をクレインに確かめるように聞いた。
「えぇ。大貝町の四葉ターミナルで、ライハさんが黒幕の首謀者の2人と合流された事を報告を受けました。その内一人が首輪のスイッチを所持しておりました。もう一つ分かったことに、彼女が合流する時、あらゆる獣を操ると言われているオーパーツ・モンスターズルーラーを手に持っていることも知りました。」
「なんですって!?」
真理奈はクレインの話を聞いて驚いた。
「モンスターズルーラー?」
「怪獣にも操れる杖よ。ユグドラシルって言うクーデターをやらかした革命軍が持っていた。あの時一緒に壊したと思ったんだけど・・・」
真理奈はモンスターズルーラーの事をスバル達に聞かせた。
真理奈の話によると、ユグドラシルの一人であるヤマザキ・ヒロユキがモンスターズルーラーを所持し、エボリュウ細胞でゾンボーグに変貌した時にもその杖を持って、当時ティガとして戦っていた真理奈を苦しませた。
しかし、真理奈が変身したティガの奮闘により、ゾンボーグを倒した。
この時にモンスターズルーラーも破壊されたと思っていたが、クレインの話によると、モンスターズルーラーはまだ無事だった事が判明し、ライハは黒幕の首謀者の2人、つまりライトリーとレフティーの命令で、回収したという事である。
「そして、ウルトラマンゼロの件ですが、黒幕が使われていたと思われるログハウスで、血液が入っている試験管が発見されました。試験管に付着していた血液を調べた結果、人間の血ではないことも、その血液の主がウルトラマンゼロに変身するモロボシ・シンさんの血であることも判明されました。」
真理奈達はクレインの証言を聞いて驚きを隠せなかった。
「じゃあ、シンさんを独房に追い詰めたのは・・・」
「えぇ、ライハさんを無理矢理モンスターズルーラーを回収させ、ゼロの姿をコピーできる怪獣を操り、その怪獣を使って、プリキュアを戦わせることで、ウルトラマンをこの世界と妖精の世界の敵に仕立てようとした黒幕、ユグドラシルの残党なのです。」
クレインは山火事を引き起こした元凶がユグドラシルの残党だと告げる。
場所が変わって、横浜の山下公園のベンチであゆみはクリシスにシンがスーパーGUTS・ブラックバスター部隊に逮捕された事や河童山の山火事の事を話していた。
「そんなことがあったんだね・・・ごめんね?私、携帯持ってないから、直接聞かせるようなことさせて。」
「あ、いいえ。いいんです。」
「けどよ、なんとかあんちゃんを釈放させとかねぇとヤバいぜ?」
「うん。僕達もプリキュアの皆もシンのおかげでいろいろ助かってるし・・・」
あゆみ達は今後の事を話し合う。
その時、クリシスは何かを感じ取り、ベンチから立ち上がり、走っていく。
「あぁ、ちょっと、クリシスさん!?」
あゆみはグレルとエンエンが隠れているカバンを持って、クリシスの後を追う。
クリシスは水の守護神像の付近に到着し、辺りを見渡す。
クリシスは近くの茂みの方に寄り、その茂みに手を伸ばす。
あゆみはそんなクリシスを見て驚く。
「ク、クリシスさん!ダメですよ!」
「ちょっと待ってて。」
クリシスは茂みの中から何かを引っ張り出す。
クリシスが引っ張り出したのは、1Lのペットボトル程のサイズの隕石だった。
クリシスはその隕石を持って、あゆみの所に戻った。
「隕石?」
「え?なんであそこに?」
あゆみ達はクリシスが持っている隕石を見つめる。
すると、隕石の中からピンクの毛虫が出てきた。
「ふぇぇっ!?け、毛虫!?」
「体の色からして、ただの毛虫じゃないね・・・」
あゆみはその毛虫を見て後退るが、クリシスは珍しいものを見るようにその毛虫を見つめる。
ピンクの毛虫は何故か寂しがっており、キョロキョロ周りを見渡していた。