ウルトラリリカルキュアファイト   作:JINISH

32 / 44
今回は新しいオリジナルキャラクターが出ます。


新たなる遭難者

真理奈とクレインからミュータントについての話やユグドラシルの残党の計画についての話を聞いたなのは達は、クレインと協力体制を結ぶことになる。

そんな中、ライハは回復を終え、病院から抜け出す。

それに気づいた真理奈はライハを捜索することにし、クレインはなのは達と共にスバル達と合流することになった。

一方、なぎさ、ほのか、ひかりはライハが気を失っている所を目撃した。

 

「お待たせ!」

 

なぎさとほのかは公園のベンチに座っているひかりと未だ目を覚まさないライハの元に駆け付けた。

 

「なぎささん。ほのかさん。」

「袋の食べ物、沢山ポポ。」

 

なぎさの手にはコンビニに売ってあるパンや牛乳パックが沢山入ってある大きなビニール袋を持っている。

 

「いや~、実は私もお腹空いてて・・・」

「もう、なぎさったら・・・」

「朝、食パン5枚も食べたのに食い意地張ってるメポ。」

「うるさい!」

 

なぎさはメップルの辛辣な発言に怒る。

その様子を鴉と雀が見た後、何処かへ飛び去って行った。

 

 

 

 

 

その頃、はやてとフェイトは偶然忍び装束の兵士、つまりユグドラシルの残党の兵士2人が使役するホシイナーとナケワメーケと一戦交えていた。

 

「くっ!なんて小娘どもだ!」

「撤退する!」

 

ユグドラシル兵は煙玉を使って、フェイトとはやての視界を遮らせ、撤退した。

 

「逃げられてもうたか。」

「逃げ足が速いね。」

 

フェイトとはやてはユグドラシル兵の撤退を許してしまう。

 

「ここはウチが。フェイトちゃんは彼らを追って。」

「了解。」

 

フェイトは先程撤退したユグドラシル兵を捜索し、はやてはホシイナーとナケワメーケを相手にする。

 

「今のウチ、体縮んでもうたからブラスターは危ない。ここは氷結魔法で動きを止めて、一気に仕留めるか。」

 

はやては夜天の書を出し、呪文を唱える。

 

「仄白き雪の王、銀の翼以て、眼下の大地を白銀に染めよ。」

 

はやてが呪文を唱えてる時、4つの立方体が展開される。

 

「来よ、氷結の息吹、アーテム・デス・アイセス!」

 

はやては呪文を唱え終えた後、4つの立方体から吹雪が発生する。

ホシイナーとナケワメーケはその吹雪により、氷漬けにされた。

 

「クラウ・ソラス!」

 

はやてはクラウ・ソラスを放ち、氷漬けにされたホシイナーとナケワメーケを一網打尽にする。

これによってホシイナーとナケワメーケは浄化された。

 

「これで全滅やな。フェイトちゃんを追わんと。念話も通信も使えへん以上、追うしかあらへんな。」

 

はやてはホシイナーとナケワメーケを倒したのを確認した後、フェイトの元へ向かう。

そのフェイトはユグドラシル兵を捜しているが、見失ってしまった。

 

「いない。彼らは一体何者なの・・・?」

 

フェイトは周囲を見渡しながら、ユグドラシル兵の事を考える。

その時、フェイトは何かを見つけたのか、表情が強張っている。

フェイトが見つけたのは、ウルトラマンゼロであった。

 

「あの時の巨人!?今度は何をやろうとしている!?」

 

フェイトはゼロを追おうと、ライトニングフォームからソニックフォームにフォームチェンジする。

はやてはその事に気付かず、ただ周囲を見渡すしかなかった。

 

「さっきの忍者さん達だけやなく、フェイトちゃんまで見失ってもうた。1人はきついな・・・ん?」

 

はやてはフェイトとはぐれて困ってた所、鷹と鳩3羽が揃って飛んでいく所を目撃する。

 

「あの鳥達、変やな?鷹は鳩の天敵やったはずやのに。」

 

はやては鷹と鳩が一緒に飛んでいる所を見て、おかしい事に気付く。

何故なら、猛禽類である鷹が、害鳥と言える鳩と仲良く飛んでいるなんて有り得ないからである。

 

「フェイトちゃんには申し訳ないけど、あの鳥達を追ってみよか。」

 

はやては鷹達の後を追う。

 

 

 

 

 

一方、真理奈はチェイサーディスクをサーチドライバーにセットし、調査結果を調べるも、成果は挙げられなかった。

次のチェイサーディスクで調べてみるも、「外れか・・・」と言って、ディスク状態のチェイサーディスクをアタッシュケースにしまう。

 

「これで140枚目だね。」

「すでに遠くの地に行ってしまったのでしょうか?」

「いやいや、流石にそれはないって。あいつには電流のダメージが残ってるし、病み上がりで無理したら体が持たないし。おっ、戻って来たか。」

 

真理奈は開いている窓を見ると、別のチェイサーディスク2体が来て、2体の内1体がディスク状になり、真理奈の方に飛んでくる。

真理奈はそれをキャッチし、即座にサーチドライバーにセットして、再生した。

 

『朝、食パン5枚も食べたのに食い意地張ってるメポ。』

『うるさい!』

『でも、この子の目が覚めないんじゃ、何もできないミポ。』

『この子から感じた異質な物って何なの?』

『分からないミポ。でもドツクゾーンのような闇の力を感じないミポ。』

 

真理奈は録音された声を聞いて、声の主はなぎさ達だと確信する。

そして、なぎさ達の会話から『異質な物』を聞いて、真理奈はもしやと思い、推測する。

 

「今の話、あいつの事かな・・・?」

「声だけじゃわかりませんね・・・」

「映像で調べてみるか。」

 

真理奈はチェイサーディスクをサーチドライバーに嵌めたまま、ノートパソコンの差込口に嵌めて、映像を出す。

真理奈達が見たのは、なぎさ達がライハの看病をしている所である。

 

「アタリみたいね。しかも、なぎさ達と一緒とは好都合だわ。」

「よかった~・・・」

「場所は小泉公園か。早速行こう。」

「残り8枚はどうするの?」

「なに。放っといても帰ってくるさ。それより、伊佐薙が起きる前に会いに行かないとね。」

 

真理奈は2体のチェイサーディスクをアタッシュケースに入れ、別のアタッシュケースを手に持ち、ヴィヴィオとアインハルトと一緒に小泉公園に向かう。

 

 

 

 

 

同時刻、ミッドチルダではなのはを初めとした行方不明者が続出し、原因を調査しているものの、未だ調査が進んでおらず、難航している状況である。

 

「シャーリーさん!なのはさん達の行方がまだ分からないんですか!?」

 

ピンクのポニーテールの女の子が、眼鏡をかけたロングの茶髪の女性に詰め寄る。

その眼鏡の女性はシャリオ・フィニーノ。

通称『シャーリー』と呼ばれ、フェイトの執務官補佐を兼任しつつ、通信とデバイスの制作・整備の主任を任されている。

機動六課時代にはよくサポートしていた。

 

「お、落ち着いて、エクセル!」

 

シャーリーは、突っかかって来た少女、エクセル・ロータスに落ち着くように諭す。

 

「でも、シャーリーさん・・・!」

「心配なのはわかるけど、焦っても何も解決できないよ。」

 

シャーリーはエクセルを何とか宥める。

 

〈マスター、冷静に。エースオブエースと呼ばれた彼女がそう易々と堕ちたりはしません。〉

「ブレイブハート・・・うん、そうだよね。こんな時くらい落ち着かないと・・・」

 

エクセルを慰める青色の宝玉、いや、デバイスのブレイブハート。

その時、エクセルとシャーリーの周囲の空間が歪み始めた。

 

「な、なによこれ!?」

「空間が歪んで・・・ッ!?」

 

エクセルとシャーリーは周囲を見渡すと、空間の歪みが強くなり、その場から2人が消えた。

 

 

 

 

 

同じ頃・・・

 

「ホシイナ~!」

「ナ~ケワメ~ケ~!」

「ハァァァァッ!!」

 

横浜みなとみらいでブルームとイーグレットとドリーム達はホシイナーとナケワメーケと対峙していた。

ホシイナーはタコと合体し、ナケワメーケはイカと合体していた。

タコホシイナーとイカナケワメーケはブルーム達に墨を吐き出すが、彼女達はそれを躱す。

ブルームとイーグレットはタコホシイナーに精霊の力をエネルギー弾にして至近距離で放つ。

ドリームはプリキュア・シューティング・スターを繰り出し、イカナケワメーケに突撃する。

タコホシイナーとイカナケワメーケはその攻撃によって、海に吹き飛ばされる。

その様子をユグドラシル兵が見ていた。

 

「くっ!やはり戦い慣れてるプリキュア相手に並のホシイナー共では役に立たんか!」

「足止めにもならないぞ!」

 

2人のユグドラシル兵はタコホシイナーとイカナケワメーケがプリキュアに圧されているのを憤慨する。

ユグドラシル兵はすぐにその場から離れる。

 

「ラピ!?」

「何か出るチョピ!」

 

ブルーム達はフラッピとチョッピの反応に「えっ!?」と驚き、周囲を見渡す。

その時、プリキュアがいる所の傍らに空間が歪み始めた。

ブルーム達はそれに気付く。

その歪んだ空間からエクセルとシャーリーが現れる。

 

「な、なんなのよ今の・・・」

「・・・!こ、ここって管理外世界の地球じゃない!?どうして私達がここに・・・!?」

 

エクセルとシャーリーは顔を覆っていた腕を下げる。

シャーリーは地球の事を知っている為、地球に来たことに戸惑う。

 

「あの子達・・・!」

「もしかして・・・!」

 

ブルームとドリームはエクセルとシャーリーが現れた時、二人はなのは達と同じミッドチルダの者だと気付く。

 

「って、シャーリーさん!?背が縮んでますよ!?」

「え?え、えぇっ!?ど、どういうこと!?」

 

シャーリーはエクセルに指を指されたと思ったら、自分の手を見ると、小学生と同じ位の手の大きさになっており、自分の体が縮んでいたことに気付き、驚きを隠せなかった。

 

「ホシイナ~!」

「ナ~ケワメ~ケ~!」

 

シャーリーとエクセルは今の咆哮を聞いて振り向くと、ブルーム達が吹き飛ばしたタコホシイナーとイカナケワメーケが戻ってきていた。

 

「なあぁぁぁぁぁっ!!?」

「バ、バケモノ!?」

 

タコホシイナーとイカナケワメーケは触手でシャーリー達を叩きつけようとする。

 

「プリキュア・ファイヤー・ストライク!」

「プリキュア・サファイア・アロー!」

 

ルージュとアクアはそれぞれの技を放ち、タコホシイナーとイカナケワメーケを吹き飛ばす。

 

「大丈夫!?」

 

アクアはシャーリーとエクセルに大丈夫かと尋ねる。

 

「う、うん!」

「ていうか、あんた達何なの!?」

「お話は後で!ローズ、この子達を!」

「えぇ!」

 

ローズはアクアに言われ、シャーリーとエクセルを守るように前に立つ。

 

「大地の精霊よ。」

「大空の精霊よ。」

 

ブルームとイーグレットは必殺技の準備をする。

 

「今、プリキュアと共に!」

「奇跡の力を解き放て!」

「プリキュア・ツインストリーム・スプラッシュ!」

 

ブルームとイーグレットはタコホシイナーに合体技を放つ。

タコホシイナーはブルームとイーグレットにより浄化される。

 

「クリスタル・フルーレ!希望の光!」

「ファイヤー・フルーレ!情熱の光!」

「シャイニング・フルーレ!はじける光!」

「プロテクト・フルーレ!安らぎの光!」

「トルネード・フルーレ!知性の光!」

 

ドリーム達は互いのキュアフルーレの剣先を重ねる。

 

「5つの光に勇気を乗せて!プリキュア・レインボー・ローズ・エクスプロージョン!」

 

ドリーム達は合体技をイカナケワメーケにぶつける。

イカナケワメーケはドリーム達により浄化される。

 

「すっごい・・・」

「あぁもう!一体何なのよ!?」

 

シャーリーはブルーム達の戦いぶりに圧巻され、エクセルはもう何が何だか分からない状況になっている。

ブルーム達は変身を解き、シャーリー達の所に駆け付ける。

 

「大丈夫?」

「う、うん。大丈夫だよ。」

「平気だけど、状況が全然呑み込めないんですけど・・・」

 

咲達に心配されたシャーリー達は平気だと答え、先程のホシイナーとナケワメーケの事や咲達が変身するプリキュアの事を聞く。

 

 

 

 

 

ある少女は夢を見ていた。

その夢は、とある施設での出来事である。

 

「お・・・い・・・おい・・・おい、起きろ。」

 

少女は少年の声を聞き、目を覚ます。

 

「ん・・・ん・・・」

「起きたか。大丈夫か、ライハ。」

「・・・その声・・・健斗か?」

 

目を覚ました少女・ライハは、起こしてくれた少年・健斗にそう言う。

 

「あぁ。達也とアリシアも一緒だ。」

「達也とアリシアも・・・ここは?」

「分からない。変な奴らに薬飲まされて、気が付いたらここにいた。」

 

ライハは健斗にここはどこなのか聞くが、健斗も分からなかった。

 

「くそっ!私達はこのままどうなっちまうんだよ・・・」

 

ライハは今でも泣きそうになりながら、壁に殴りつける。

 

「泣かないで、ライハ。」

「なんとしてでも脱出するんだ。こんな所から。」

 

アリシアと達也はそんなライハを慰める。

しかし、結局脱出することも敵わず、健斗と達也は実験中に拒絶反応を起こして死んでしまい、ミュータントとなったライハとアリシアは元いた部屋に再び閉じ込められた。

 

「ちっくしょぉ・・・健斗・・・達也・・・」

 

ライハは壁に何度も叩きつけ、死んでいった健斗と達也の事を悲しむ。

 

「ライハ、そんなに責めないで。生きていれば、きっと幸せを手に入れられるよ。」

 

ライハはアリシアに励まされるも、彼女の心は晴れることはなかった。

ライハの実家が取り壊された事を白衣の男から聞き、自分の家はもうない事を知らしめられた。

警察や自衛隊等が施設を制圧した頃、アリシアはライハと一緒に施設から出ようと言い出すが・・・

 

「アリシアは行けよ。お前だけでも生きろ。」

「ライハ、どうしてなの?前にも言ったじゃん!生きていれば幸せになることができるって!」

「私の父さんや母さん、兄さんや姉さんは既に死んで、私一人なんだ。その家がなくなってちゃ、帰る場所なんてねぇんだよ。それに、人間を手放しちまった私がそこにいても、避けられるだけだ・・・結局私は・・・幸せになんかなれねぇんだ・・・」

 

ライハはもう、唯一の友人であるアリシアの言葉にも届かず、施設に残ることに決めたのだった。

ライハの夢はここで終わり、目を覚ます。

 

「ん・・・んん・・・」

 

ライハはゆっくりと目を開ける。

 

「あっ!やっと起きた!」

 

ライハは声がした方に振り向くと、隣になぎさが座っていた。

 

「よかった・・・このまま目が覚めなかったら、どうしようかと思ったわ。」

「随分魘されてたけど、大丈夫そうでよかったメポ。」

 

ほのかとメップルはライハが目を覚めたことに安心する。

 

「お前らは・・・それにそのぬいぐるみ、喋ってないか!?」

「メップルはぬいぐるみじゃないメポ!」

「ちょ、メップル!誰かに見られたらどうすんのよ!?」

 

メップルはライハの一言に怒り、なぎさはメップルが大声を出したことに慌てる。

 

「じゃなくてだな、なんで私を・・・」

 

ライハはなぎさ達になんで助けたのかと聞こうとするが、途中で腹の虫が鳴る。

 

「まぁ、とりあえず何か食べなよ。まずはそれからだよ?」

 

なぎさは袋からメロンパンを出して、ライハに差し出す。

ライハは頭が混乱しているものの、なぎさが差し出したメロンパンを手に、袋を破って、メロンパンを頬張る。

余程腹が減っているのか、なぎさが持ってる袋のパン全部食べまくった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。