ライハの行方を追うため、チェイサーディスクで探索させた真理奈。
そのライハは小泉公園でなぎさ、ほのか、ひかりに看取られていた。
ライハの居所を知った真理奈、ヴィヴィオ、アインハルトは小泉公園へ向かう。
その頃、咲と舞、のぞみ達はプリキュアになって、ユグドラシルの残党が放ったホシイナーとナケワメーケと対峙した。
その最中に空間の歪みによって現れたシャリオ・フィニーノとエクセル・ロータスと出会う。
ブルーム達とドリーム達はホシイナーとナケワメーケを浄化し、シャーリーとエクセルにプリキュアの事やこれまでの経緯を伝える。
「つまり話を纏めると、最近ミッドチルダで起きた行方不明者続出はその空間の歪みの影響で起こった出来事で、私達がいるのは、プリキュアって言う美少女戦士が活躍していた世界で、なのはさん達はこの世界で無事だと分かった。でも空間の歪みによってこの世界に迷い込んだのは、六課メンバーだけじゃなく、ウルトラマンっていう正義のヒーローも同じような出来事だった。今は空間の歪みが起きている原因や元の世界に戻れる方法を探っているけど、重要な手掛かりは掴めていないとそう言う事ね?」
エクセルは長々と話を整理して、咲達に確認する。
「その通りよ。」
「うわ・・・最悪なんですけど・・・」
かれんはエクセルが整理した話を肯定し、そのエクセルは落胆する。
「でも、なのはさん達が無事でよかった・・・」
シャーリーはなのは達が無事であることを知って安心する。
「なのはさんとスバルさん達は、ゼロさんの無実を証明するために、ユグドラシルの残党を捕まえに行ってます。ヴィヴィオさんとアインハルトさんは真理奈さんと一緒にいますからすぐ会えますよ。」
うららはなのは達とヴィヴィオ達の事を話す。
「分かった。ありがとう、なのはさん達を守ってくれて。」
「アタシ達も協力するわよ!」
シャーリーとエクセルは咲達にそう言う。
〈マスター、我々に接近するエネルギー反応をキャッチしました。〉
「えっ!?」
「ホシイナ~!」
エクセルはブレイブハートから何かが近づいて来る事を聞くと、空からカモメホシイナーが飛んできた。
「ホシイナー!」
「前の奴と違くない!?」
〈どうやら、あの球体が魔獣にさせたのでしょうね。〉
「ナ~ケワメ~ケ~!」
ブレイブハートはホシイナーの性能を分析した途端、別の方向からカラスナケワメーケが飛んできた。
「ナケワメーケもいます!」
「じゃぁ、この近くにユグドラシルが!?」
うららはカラスナケワメーケの方に指を指す。
くるみはカモメホシイナーとカラスナケワメーケを見て、ユグドラシルの残党が近くに潜んでいるのではないかと推測する。
そして、その推測は当たる。
「!?シャーリーさん、危ない!」
エクセルは飛行魔法でシャーリーを抱えて飛行する。
エクセルは着地し、シャーリーを下ろす。
「あ、ありがとう。」
「いえ。」
エクセルはすぐに振り向くと、先程までシャーリーがいた場所に手裏剣が突き刺さっていた。
その時、エクセルは気配を感じ、目の前に魔法陣を展開する。
魔法陣に手裏剣が弾かれ、そのまま地面に落ちる。
「そこか!」
〈アクセルシューター。〉
エクセルはブレイブハート経由でアクセルシューターを放つ。
標的は木の上。
その木の上から2人の忍び装束の兵士が飛び降りる。
「我々の奇襲攻撃を躱すとはなかなかやるな?」
「いきなりなにすんのよ!?」
「これ以上、貴様らの好きにはさせん!」
ユグドラシル兵は懐から目玉が付いているダイヤ状の物体を出す。
「行け!!オルトロス!」
ユグドラシル兵は目玉付きのダイヤを先程飛び降りた木に貼り付ける。
すると、ダイヤは木に吸い込まれ、その木は見る見るうちに大きくなり、ダイヤが吸い込まれた位置に目玉がカタツムリのように浮かび上がり、その隣にダイヤ状の嘴が浮かび上がる。
「オ~ルトロ~ス!」
謎の怪物が雄叫びを上げる。
「な、なにこれ~!?」
「もしかして、ホシイナーのボールとナケワメーケのダイヤを組み合わせて生まれた怪物?」
のぞみはホシイナーでもナケワメーケでもない生み出された怪物を見て驚きを隠せず、舞は目の前の怪物を見て、ホシイナーとナケワメーケが一つになった怪物なのではないかと推測する。
「その通りだ。このオルトロスはドクターライトリーとドクターレフティーの手で、ホシイナーとナケワメーケを上回る怪物を作り出したのだ。」
ユグドラシル兵は召喚した怪物をオルトロスと呼び、オルトロスについて説明した。
「それがどうしたって言うの!?ボトムやトラウーマを倒した私達がこんなのにやられるわけないでしょ!?」
くるみはユグドラシル兵にそう言い切る。
「いずれにしても、これ以上見過ごすわけにはいかないわ。」
「みんな、行くよ!」
「YES!」
のぞみ達はキュアモを、くるみはミルキィパレットを構える。
「舞、私達も!」
「えぇ!」
フラッピとチョッピはクリスタルコミューンとなり、咲と舞はそれを手に取る。
「プリキュア・メタモルフォーゼ!」
のぞみ達はキュアモの3つのボタンを押す。
のぞみ達は光に包まれ、バラをイメージしたコスチュームを纏い、のぞみはキュアドリームに、りんはキュアルージュに、うららはキュアレモネードに、こまちはキュアミントに、かれんはキュアアクアに変身する。
「大いなる希望の力!キュアドリーム!」
「情熱の赤い炎!キュアルージュ!」
「はじけるレモンの香り!キュアレモネード!」
「安らぎの緑の大地!キュアミント!」
「知性の青き泉!キュアアクア!」
「希望の力と未来の光!華麗に羽ばたく5つの心!YES!プリキュア5!」
ドリーム達は変身を完了する。
「スカイローズ・トランスレイト!」
くるみはミルキィパレットをタッチペンでスイッチを押すと、周りに青いバラが包み込む。
それによって、青いバラをイメージしたコスチュームを身に纏い、ミルキィローズに変身する。
「青いバラは秘密のしるし!ミルキィローズ!」
ミルキィローズは変身を完了する。
咲と舞はクリスタルコミューンの先端を回す。
その後、二人は互いに手を繋ぐ。
「デュアル・スピリチュアル・パワー!」
咲と舞はクリスタルコミューンを前に翳し、先端から光が放出し、その光に包まれる。
咲は花をモチーフにしたコスチュームを、舞は鳥をモチーフにしたコスチュームを纏う。
「花開け大地に!」
「羽ばたけ空に!」
咲はキュアブルームに、舞はキュアイーグレットに変身する。
「輝く金の花!キュアブルーム!」
「煌く銀の翼!キュアイーグレット!」
「ふたりはプリキュア!」
「聖なる泉を汚す物よ!」
「アコギな真似はお止めなさい!」
ブルームとイーグレットは変身を完了する。
「すごい・・・本当の魔法少女って感じだね・・・」
「はじけるレモンの香りって・・・何、その前口上・・・?」
シャーリーとエクセルはブルーム達が変身するところを見て、それぞれの感想を述べる。
「って、そんなこと言ってる場合じゃないわ!ブレイブハート!私達も行くわよ!」
〈はい、マスター。〉
エクセルはブレイブハートにそう言う。
「ブレイブハート!セットアップ!」
エクセルはブレイブハートを空に掲げる。
エクセルは、ブレイブハートから発する光に纏い、ピンク色のバリアジャケットを身に纏う。
そのバリアジャケットは、なのはがスバル達を教導していた時に身に纏ったバリアジャケットと酷似しているが、なのはのと違うのは、オーバースカートの下が短パンだという事である。
「エクセルさんも変身しました!」
「かっこいい~!」
ドリームはエクセルの変身した姿を見て、目がキラキラしている。
「プリキュアでもない貴様が、オルトロスはおろか、ホシイナーもナケワメーケも敵わんぞ!」
ユグドラシル兵はエクセルに対してそのように見下す。
「そんなの、やってみないと分かんないでしょ!行くわよ、みんな!」
「YES!」
「なんでアンタがしきってるわけ!?」
ルージュはエクセルがしきってるのをツッコむ。
しかし、そうは言ってられず、ブルーム達は達に立ち向かう。
その頃、なぎさ達は目が覚めたライハの面倒を見ている。
ライハは袋の中のパンは全部食べ尽くし、最後にペットボトルのお茶を飲んだ。
「物凄い食べっぷりね・・・」
「なぎさも大食いだけど、この子もすごい大食いだメポ。」
「ちょっと!散々嫌味を言わないでよね!」
ほのかはライハの食べっぷりに苦笑いし、なぎさとメップルはまた口げんかする。
「お~い!」
なぎさ達は突然声をかけられ、振り向くと、真理奈とヴィヴィオとアインハルトが来た。
「真理奈。」
「ヴィヴィオさん。アインハルトさん。」
「相変わらずうるさいほど言い合ってるわね?」
「なぎさが大食いなのがいけないメポ!」
「デリカシーないっての!ていうか、アンタに言われたくないわよ!」
なぎさとメップルは再び喧嘩する。
「でも、こんなところで何してんの?」
「それが、この公園でお腹が空いている人が倒れてたもので、コンビニのパンを食べさせてあげてたんです。」
ひかりは真理奈の質問に対し、ライハの方を振り向きながら答える。
「あの子?」
「はい。」
真理奈はライハの方に指を指してひかりに尋ねる。
ひかりは肯定する。
(あの二人・・・)
ライハは真理奈の後ろにいるヴィヴィオとアインハルトを見て、以前ライトリーに見せた写真の10人の内2人を思い出す。
なぎさ達は改めてライハに自己紹介する。
真理奈はなぎさ達にライハの事を話した。
ライハがユグドラシルに口封じされそうになった事、ライハが蛇の細胞を持ったミュータントの事を。
「そんなことがあったんですね・・・」
ひかりは真理奈からライハの事を聞いて、表情が暗くなる。
なぎさとほのかもライハの事で胸が張り裂けそうだった。
「そう言う事だよ。私にパンを食べさせてくれたことは礼を言うけど、もう私に関わるなよ。」
ライハはなぎさ達にそう言って去ろうとする。
「え?あ、ちょっと。待ちなさいよ!」
真理奈は去ろうとするライハの前に回り込んで止める。
「私、アンタに用があるから探しに来たのよ?」
「お前らに話すことはねぇよ・・・!?」
真理奈はライハに詰め寄るが、ライハは話そうともしなかった。
その時、ライハは何かを感じ取ったのか、空を見上げる。
「?どうしたの、アンタ?」
「この感じ・・・」
ライハの胸から紫のリンカーコアを現出させ、その魔力で蛇の姿になる。
「っ!?」
「ライハさん、その姿・・・!?」
「あ、あ、あ、ありえない・・・」
なぎさ達はライハが蛇になったところを見て、驚きを隠せなかった。
「あれが、ミュータント!?」
「ライハさん・・・!」
「マジかよ、まるでケツアルコアトルじゃない・・・」
ヴィヴィオ達もライハの姿を見て、驚きを隠せなかった。
真理奈は今のライハの姿をケツアルコアトルみたいだと言い出す。
「横浜だな・・・!」
ライハはその場から飛び立つ。
「あっ!?ライハさん!?」
「あのバカ!」
真理奈はアタッシュケースに入っている2枚のチェイサーディスクを取り出し、飛び上がっているライハに投げ飛ばす。
その後、真理奈はサーチドライバーを2回吹きかける。
2枚のチェイサーディスクは鳥型に変形し、その後に鴉と雀に変わってライハを追う。
「ちょ、何よあの鳥!?」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
なぎさは雀と鴉に変わったチェイサーディスクに驚くが、真理奈はそれどころじゃないとスルーする。
真理奈はiPadを取り出し、ライハの現在地を調べる。
「チェイサーディスクの視点からして、あの蛇女の行き先を予測すると・・・横浜みなとみらいね。」
真理奈はライハの行き先を調べ上げ、その行き先が横浜みなとみらいであることが判明した。
「ここからだとみなとみらいは遠い。タクシー捕まえてそこに行くしかないけど、6人じゃ全員乗れないわね・・・」
真理奈は一刻も早くライハの後を追いたいが、タクシーの利用は定員4名までなので、全員は乗れない。
「大丈夫、私達は変身してそこに行くわ。」
「真理奈達はタクシーでみなとみらいに向かって。」
なぎさ達はプリキュアに変身して、横浜みなとみらいに向かうと言い出す。
「え?あぁ、うん。(幸い、この公園には人がいないから、変身しても問題ないかも・・・)行こう!」
「うん!」
「はい!」
真理奈とヴィヴィオとアインハルトは公園から離れ、近くのタクシー乗り場に向かう。
「よし!横浜みなとみらいまでひとっ跳びだよ!」
なぎさとほのかはハートフルコミューンを手に、ひかりはタッチコミューンを手に取る。
なぎさとほのかはプリキュアハートをハートフルコミューンにセットして手を翳した後、ハートフルコミューンが光となって天高く飛ぶ。
「デュアル・オーロラ・ウェイブ!」
なぎさとほのかは互いに手を繋ぎ、掛け声を上げると、光に包まれる。
その光の中から、なぎさは黒い衣装を纏い、キュアブラックに、ほのかは白い衣装を纏い、キュアホワイトに変身する。
「光の使者!キュアブラック!」
「光の使者!キュアホワイト!」
「ふたりはプリキュア!」
ひかりはタッチコミューンに手を翳す。
「ルミナス・シャイニング・ストリーム!」
ひかりは掛け声を上げた後、金色の光に包まれ、三つ編みの髪が解かれる。
ひかりはピンクの衣装を纏い、シャイニールミナスに変身する。
「輝く命!シャイニールミナス!光の心と光の意志、総てをひとつにするために!」
ブラック達は変身を終えた後、ジャンプしてライハの後を追う。
真理奈達もタクシー乗り場で停まっているタクシーを捕まえ、横浜みなとみらいに向かうようお願いし、そこに向かう。
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
これからもよろしくお願いします。