バラージ王国にゴルザとメルバとガルラが現れ、なのはとユーノは窮地に追い込まれる。
その時、なのはとユーノのピンチから救ったのはゼロと初代ウルトラマンとセブンだった。
ゼロはゴルザを、初代ウルトラマンはガルラを、セブンはメルバを対峙する。
ゴルザとメルバとガルラを討伐した後、なのはとユーノとコンタクトする。
トランプ共和国に向かっている最中、シンとダンはなのはとユーノから初代ウルトラマンとの邂逅について聞いた。
~~~~~回想~~~~~
なのはとユーノがハヤタ、つまり初代ウルトラマンと邂逅したのはPT事件が解決してから1ヶ月経った頃、つまり、なのはとユーノが時空の歪みによって幼くなった時と同じ姿だった時の事である。
なのはがある少女との再会を信じて、ユーノによるコーチで魔法の練習をした時、謎の光に包まれ、何処かへ消えてしまった。
なのはが目を覚ました時はどことも知れない怪しい部屋だった。
「ここは・・・どこ・・・?」
なのはは周囲を見渡すが、誰もおらず、何かの装置のようなものがポツリと置いてあるだけだった。
この時になのははユーノがいないことに気付く。
「ユーノ君?ユーノ君、どこ?」
「ユーノ君の事は心配いらない。」
なのははどこからか声が聞こえ、もう一度周囲を見渡す。
すると装置の近くに黒くずんぐりとした体と耳の尖った悪魔のような顔をした何者かが現れた。
その正体は悪質宇宙人メフィラス星人である。
フジ・アキコ隊員の弟サトルに『地球人の心への挑戦』と称して地球を売り渡す要求を行なった宇宙人である。
要求を断られた挙句、初代ウルトラマンと戦うも、地球人の心に負け、退散される。
なの、このメフィラス星人はその時のメフィラス星人とは別人である。
「あっ!?」
「驚かしてすまなかったね?私はメフィラス星人フェレス。ここは私の円盤の中だ。ユーノ君はこことは別の部屋に居座ってもらってるよ。」
なのははレイジングハートの力でセットアップしようとするが、何の反応もなかった。
「私は暴力は嫌いでね。君のデバイスの機能を停止させてもらったよ。」
「そんな・・・」
なのははレイジングハートがフェレスによって機能を停止されたことを知ってショックを受ける。
なのははフェレスに対する警戒心を強くした。
「落ち着きたまえ。先も言ったように危害を加えるつもりはないのだ。ただ、君に話がしたいだけでね。」
フェレスはなのはを宥めた後、なのはにこの部屋に連れてきた理由を話す。
「私は数多くの宇宙に渡り、君達が住んでいる地球で次元を揺るがす程の事件が起きているのを知った。そして、君のお友達と共にその事件を解決したことも知った。その功績は称えるべきだろう。しかし、今の君は地球には存在しない力を持っている。そんな君を時空管理局が放っておくはずがない。場合によっては君のお友達のように犯罪者になってしまうだろう。」
フェレスの言う通り、なのはが持つ魔力は地球にはない力だ。何時までも地球にいさせるわけにはいかないだろう。
「そこでだ。私は君をそうならないように、地球とは別の世界で活動できるよう導こう。別の部屋にいるユーノ君も話しておく。」
なのははフェレスの言ったことに驚く。
フェレスが言うには地球から離れろと言っているのだ。
「どうだね?私と共に別の世界で数多くの事件を解決してみないかな?」
「そんなの嫌です!」
なのははフェレスの要求を拒否する。
「そうだろうね?君が生まれ育った星を見捨てるはずがない。しかし、これをご覧?」
フェレスはなのはが自分の要求を拒否することをお見通しだったのか、装置を操作し、周囲の空間を変える。
なのはが見たのは地球人が火星へと移り、新たな基地を建て、防衛チームの活動を行なっている光景、そして、広大な宇宙に進出し、資源の輸送や惑星開拓を行なっている光景である。
「宇宙は無限に広く、しかも素晴らしい。今見せた映像の他にも怪獣と一緒に暮らしている惑星もあり、地球と他の惑星と平和条約を結んだ惑星もある。君は魔導士だ。私と共に大宇宙に進出すれば、君の才能を人間の何倍、何百倍も引き延ばすこともできる。他の望みも思うがままだ。私にはそれを実現できるだけの力がある。どうだね?この星から離れて、全宇宙の救世主にならないかね?」
フェレスはなのはにそう言う。
「お断りします!」
なのははフェレスの申し出を断る。
フェレスは不機嫌の表情になりながら、元の空間に戻し、なのはに尋ねる。
「聞き分けのない子だね?何故私と共に宇宙に出ると言えんのだ?私と共に宇宙に出れば、望みさえすれば罪無き者たちを救えるのだぞ?さらに言えば罪を犯した馬鹿どもを裁き、平和な世界に成り立つこともできるのだぞ?それでも断るというのか?」
「私とユーノ君だけ地球から離れて強くなったって、誰よりも長生きしたって、全然嬉しくもありません!それに私は、私が住んでいる地球は大切なお友達が帰ってくるのを待ってるんです!その子を裏切るようなことなんてできません!それだけじゃありません!地球には私の友達がいるし、家族もいるんです!私がその人達から離れ離れになってから心配してくれました!そんな人たちを見捨てるなんて絶対に嫌です!」
なのははフェレスの申し出を断る理由を述べる。
「・・・ほざくな!」
フェレスは逆上し、なのはを一瞬に消し去った。
なのはは無重力空間の部屋に移動されている。
「なのは!」
なのはは近くに声が聞こえ、そちらに振り向くと、ユーノがいた。
そのユーノは人間の姿になっていた。
「ユーノ君!」
なのははユーノがいたことに喜びの表情に変わる。
その時、無重力空間の部屋の窓の向こうからフェレスの声が聞こえる。
「私を怒らせたな!?私はあらゆる手で欲しいものを手に入れてきた!見るがいい!」
フェレスは装置を操作し、なのはとユーノに映像を見せる。
なのはとユーノが見たのは何もない月の上である。
その月面に両手に鋏を持ち、セミのような顔をした宇宙人がいた。
その正体は宇宙忍者バルタン星人である。
分身能力や脱皮による復活等、忍者のような多彩な能力を持つ宇宙人である。
20億3000万の仲間と共に地球を侵略しようとした。
「なにあれ!?」
「あれも宇宙人なのか!?」
「彼はバルタン星人。何度か地球侵略を行なってきた宇宙人だ。私が命令するだけで地球を制圧することも可能だ。君が住んでいる地球は君の返事にかかっている。なのは君、今からでも遅くはない。隣にいるユーノ君と共に地球から離れ、殺戮や略奪を行なう愚か者どもを制裁すると言うんだ!」
フェレスはなのはに要求を申し続ける。
「いやです!私の大切な場所を離れるわけにはいきません!それに、仲間の宇宙人を利用して地球を侵略する、そんな脅迫をするあなたを許すことなんてできません!」
フェレスはなのはの返答に増々不機嫌になる。
その時、円盤内が揺れ始めた。
「ふぇっ!?」
「なに!?」
「な、何事だ!?」
フェレスは装置を操作し円盤の外の映像を流す。
なのはとユーノ、そしてフェレスが見たのはバルタン星人の前に怪光を放った赤い球体がゆっくりと下りていく所である。
そして、その赤い球体が眩しいぐらいの光を放つ。
すると、その光から初代ウルトラマンが現れた。
「な、なにぃっ!?ウルトラマン!?この宇宙に来ていたとは!?」
「ウルトラマン?」
なのはとユーノはフェレスの口から発した言葉に首を傾ける。
初代ウルトラマンはバルタン星人に対して身を構え、その直後に走り出す。
バルタン星人は忽ちのうちに分身を作る。
「フアッハッハッハッハッ!いくらウルトラマンと言えども、これだけの数では太刀打ちできまい!」
フェレスは今の戦況を見て、勝ち誇っている。
初代ウルトラマンは一体のバルタン星人に八つ裂き光輪を放ち、そのバルタン星人を爆散させる。
しかし、バルタン星人は数え切れないほど多く、しかも分身を繰り返している。
「頑張って!ウルトラマン!」
なのはは無数のバルタン星人を前に劣勢に追い詰められているように見える初代ウルトラマンに感情の迸るままに叫ぶ。
すると初代ウルトラマンはなのはの声が聞こえたのか、一層力が漲ったみたいに胸を張った。
バルタン星人は鋏から光弾を放つが、初代ウルトラマンはウルトラバリヤーで防ぐ。
接近してくる他のバルタン星人をチョップ、キックをお見舞いする。
その後、初代ウルトラマンはスぺシウム光線で周囲のバルタン星人を一人残らず全滅させる。
初代ウルトラマンがスぺシウム光線の発射を終えた時はもうバルタン星人はいなくなった。
「バ、バカな!?あれだけのバルタンを全滅させただと!?」
フェレスは今の光景に驚きを隠せなかった。
「す、すごい・・・」
「あれだけの数を・・・」
なのはとユーノも開いた口が塞がらなかった。
「メフィラス星人フェレス。これ以上の申し出は無意味だ。お前は負けたのだ。彼女の強い心に。」
初代ウルトラマンはフェレスにそう言う。
フェレスはしばらく沈黙し、無重力空間の部屋にいるなのはの方に振り向く。
なのはの目は誰にも屈することない眼差しをしていた。
フェレスは初代ウルトラマンへの映像の方に振り向く。
「フフフ、どうやらそのようだね。地球人以上の力を見せても彼女は断固拒否し続けました。なのは君が何故、次元を揺るがす程の事件を解決できたのか、たった今、それが分かった気がする。2人を元の場所に戻そう。」
なのはとユーノはフェレスの言葉を聞いて、喜びの表情に変わる。
「なのは君。ユーノ君。一つだけ忠告します。君達が住んでいる地球に大いなる闇が潜んでいます。その闇は滅亡は決して避けられぬ運命。ですが、君達のその諦めない精神が運命を覆すことができるかどうか、宇宙の果てから見守らせてもらうよ・・・さらばだ。」
フェレスは装置を操作する。
すると無重力空間の部屋にいたなのはとユーノが消え去った。
なのはとユーノが目を開いた時は、元居た公園だった。
ユーノの姿はフェレットになっていた。
「私達、助かったの?」
「そうみたいだね・・・」
なのはとユーノは互いに見つめ合う。
「二人とも、よく頑張ったな。」
なのはとユーノは声がした方に振り向く。
そこにはハヤタ・シンがいた。
「あなたは?」
なのははハヤタに尋ねる。
「ウルトラマン。地球での名はハヤタだ。」
その後、なのはとユーノはハヤタの地球での活動と、M78星雲・光の国について聞き、しばらく経った後、ハヤタは地球から離れようとしていた。
「ハヤタさん。もう行っちゃうんですか?」
「我々、ウルトラ一族の使命は宇宙のバランスを保つことだ。どこかでバランスが崩れれば、この地球も影響を及ぼす。」
なのはとユーノはハヤタとの別れに落ち込む。
「心配することはない。そばにいなくても、姿が見えなくても、私達は繋がっている。」
ハヤタはポケットから赤い石を出し、なのはに渡す。
なのはとユーノはその石を眺める。
「これは?」
「ウルトラの星だ。私と君達の絆の証だよ。」
ハヤタはなのはに渡した赤い石をウルトラの星だと教える。
「また会おう。なのはちゃん。ユーノ君。」
ハヤタはベーターカプセルを頭上に掲げボタンを押す。
よってハヤタは初代ウルトラマンに変身し、宇宙の彼方へと去って行った。
「ウルトラマーン!さようならー!」
なのはは宇宙の彼方へ去った初代ウルトラマンに別れの言葉を言う。
~~~~~回想終了~~~~~
なのはとユーノはシンとダンに初代ウルトラマン基いハヤタとの出会いを語った。
「そんなことがあったのか・・・」
「よく信念を曲げなかったな。よく頑張ったぞ。」
「あ、いえ・・・」
なのははダンに褒められ、照れる。
〈マスター。20km先に時空エネルギーを感知しました。〉
「えっ!?もしかしてさっきのような時空の歪みが!?」
「とにかく行ってみようぜ。」
シン達はトランプ共和国へ直行する。
次回はなのはシリーズの2つの作品のあの4人が出ます。