時は少し戻って、旅人たちがデビドラモンと戦っていた頃。
旅人たち二人と同じようにドルガモンもまた戦っていた。ただし旅人たち二人とは違い、戦っている相手は敵のリーダーとも言うべき相手なのだが。
「『キャノンボール』!……おりゃあ!」
「グッ……!」
己が突進しながら放った鉄球を軽々と避けたデビモンに向かって、ドルガモンは突進の勢いを保持したままに体当たりする。
鉄球を避けたデビモンもこれには予想がつかなかったのか、ドルガモンの体当たりの直撃を受けた。
吹き飛ぶデビモンに向かって、ドルガモンは追い打ちとばかりに鉄球を吐き続ける。
デビモンにはその鉄球は避けられたものの、戦いは間違いなくドルガモンの優位で進んでいた。
「っく……なるほど。なかなかやるようだな」
「負け惜しみをっ!」
連続で放たれる鉄球をデビモンはこともなさげに避ける。
だが、それはドルガモンも予測していたこと。馬鹿正直に放っても当たらないであろうことはドルガモンだって分かっている。
「ふん!効く……グッ……なに?」
突然背後に生じた衝撃にデビモンは顔を顰める。発生した衝撃自体はたいしたことのないものだ。だが、意識の死角に生じた衝撃は、デビモンの集中を乱し、デビモンにホンの少しの隙を作り出す。
そしてその隙を見逃すドルガモンではない。
「『パワーメタル』!」
「っぐぁ!」
ドルガモンの攻撃を受けて、デビモンは吹き飛んだ。
だが、攻撃を受ける直前にデビモンは体を反らして、ドルガモンの攻撃の直撃を避けていた。
それを見たドルガモンは舌打ちする。ドルガモンは今の攻防で決めるつもりだったのだ。
わざわざ、空中打ち上げ落下鉄球などという面倒くさい技まで使って隙を作り出したというのに決まらなかった。
その事実から、ドルガモンも理解する。目の前の悪魔は間違いなくただの野心を持っただけの愚か者ではない。その野心に見合った力と経験を持つ持ち主だということを。
「流石にやるな!それでこそ我が手駒となるに相応しい」
「お前は何を言ってるんだ!『メタル――!」
「……ふん!」
「っぐ……」
さらに追撃しようとするドルガモンだが、デビモンに見つめられた瞬間、ガクンと体の力が抜ける。
体が動かない。逆らうことができない、否、デビモンに逆らおうと思う気が起きない。
自身に起きた異常を感じながらも、ドルガモンはどうこうすることができなかった。
「ぐぐぐ……」
「ほう?まだ逆らうか」
「ぐぐ……ぬヌヌ……アアア!」
声がする。何も考えるなと。ただ我に従えと。
“嫌だ”とそんな感情をドルガモンが思う間もなく、体が勝手に動く。しばらくしてドルガモンはそんな感情を持っていたことを忘れた。
やがてドルガモンの体が勝手に動くということはなくなった。
ただ、デビモンの言う通りに動いていればいいのだから。勝手に動くという表現自体が間違いなのだ。デビモン様の言う通りに――。
とそこまで考えて。違和感を覚えたドルガモンは“ちょっと待て”と思いとどまった
今、自分は何を考えたと。今、自分はどう行動しようとしたと。
「アアア……マて……くそ……」
「……」
ここで覚えた違和感を見逃すなと。ドルガモンは己に言い聞かせて。
感じた違和感を元に、聞こえる声を振り払い、勝手に動く体を押し止めて。割れそうになる頭と自我を必死につなぎ止めて。ドルガモンは己を探す。
「……ふん。興ざめだな」
一方でそんなドルガモンを見てデビモンは冷めていた。
己のマインドコントロールを打ち破ろうとしているということは気に入らないが、そういう輩はいないことはないし、そもそも効かない輩もいる。
そんなことでいちいち感情的になり取り乱すほど、デビモンは愚かでない。
元々デビモンはドルガモンを操り、旅人と戦わせるつもりだった。味方との悲劇的な戦闘。そんな光景を高みの見物として、デビモンは彼らを嘲笑おうと考えていたのだ。
だが、デビモンは自らの技を抗うドルガモンを見て、それは不可能だと悟る。
確かにそんな光景を見ることができないのはデビモンにとって残念極まりない。
だが、ここでムキになれば己の技を破れられ、逆に自分が返り討ちになる可能性がある。戦闘では敵わないことは先の一連の攻防で明らかだ。
デビモンとて馬鹿ではない。引き際くらい見極めることができる。むしろ、そういう技能はこのような世界では必須だ。
「ふん!『デスクロウ』!」
デビモンの伸縮自在の黒い腕がドルガモンへと迫る。禍々しい黒く鋭い腕がドルガモンを貫こうとして――。
「ガァアアアアア!」
咆哮と共にドルガモンに躱された。
「何っ!?」
今度こそ、デビモンは驚愕の声を上げた。
ドルガモンは未だ術中にあるはずなのだ。ドルガモンはまだデビモンのマインドコントロールを完全に破った訳ではない。だというのに、ドルガモンはデビモンの攻撃をこともなさげに躱したのだ。
これにはデビモンも驚からずにはいられない。
「グルル……マケルカァアアアアア!」
「っく!そういうことか!」
先ほどまでの理性的な戦い方とは違う。獰猛で野生的な獣のような戦い方。
急に戦い方が変わったドルガモンに若干気圧されながらも、デビモンはどこか納得した。
今のドルガモンの在り方は獣のソレに近い。理性とは関係のない、本能という部分で戦っている。
先ほどのデビモンの攻撃に、ドルガモンの中にある本能が目ざとく気づき、自己防衛のために出てきたような感じなのだとデビモンは悟った。
デビモンのマインドコントロールは相手の理性を操る。洗脳と言い換えてもいいだろう。
理性ではなく本能で動くものに対しては、デビモンのソレは無意味だ。
極希にだがそういった本能が強く、本能だけで行動することができるようなデジモンがいることをデビモンは知っている。代表的な例はスカルグレイモンなどのアンデット系デジモンだろう。戦闘系のデジモンはその傾向が特に強い。
「オォオオオ!」
「っく……おのれッ!」
驚くべきは、そのような者たちとは違い、ドルガモンは本能
理性と本能で戦う。言葉にすれば当たり前のようにも思えること。
だが、今のドルガモンは、デビモンのマインドコントロールを撥ね退けるほど強い本能で行動しながらも、我を失わないほどには理性を残しているというある意味矛盾した状態なのだ。
本能という名の感情と理性という名の大義を盾としてデビモンに戦いを挑んだ者はいた。理性も何もなしに、本能の命ずるままにデビモンを襲った者がいた。だが、こんな矛盾した状態で行動する者にデビモンは出会ったことがない。
今確かにデビモンは恐れを抱いていた。今まで知らなかったその未知に。そして恐れはデビモンの体を凍てつかせ、致命的なまでの隙を作り出す。
「ガァアアア!『パワーメタル』!」
「グッ……」
本能が理性という名のリミッターを解除したためか。より強力になって放たれたドルガモンの鉄球を、デビモンはギリギリで避ける。
だが――。
「ッ!」
避けた先でデビモンが見たもの。
それはデジモンの避けた先へと先回りして攻撃動作へと移っているドルガモンの姿だった――。
「『メタルキャノン』!」
果たして。ドルガモンの攻撃はデビモンに直撃した。
直撃すると同時にドルガモンにかけられていたマインドコントロールの力がなくなった。
それはデビモンにその余裕がなくなったからか、それともデビモンが倒れたからか。
「……グルル……ハッハッ……はあ~……疲れた」
しばらく待ってもデビモンは起き上がって来ない。
“終わった”とそう考えて、ドルガモンはハッとする。
まだ、戦いは終わったわけではないのだ。むしろ、一対一で戦っていた自分よりも、複数の相手と戦っている旅人たちの方が苦労しているだろう。
急ぎ旅人たちの方へと向かおうとして、ドルガモンは背後に感じた気配に振り返った。
「マダダ……ワレハ……」
「こいつ……まだ!」
立ち上がったデビモンは体のあちこちが傷だらけで、目も焦点が合っていない。どう贔屓目に見ても瀕死の状態だった。
「まだやるか!」
「アァアア……マダダ……ワレハ……オレサマハ……」
「ッ!『メタルキャノン』!」
ゆらりと歩くデビモンに異様な雰囲気を感じたドルガモンは間髪いれずに攻撃を仕掛ける。
これはまずいと。デビモンのその姿にドルガモンの中の危機察知能力が警鐘を鳴らしているのだ。
だが――。
「キエテタマルカァ!」
「ッ!」
放たれた鉄球を食らいながらも、デビモンはこともなさげに歩く。
そのデビモンの体にまとわりつくような闇。ドルガモンはその現象を知っている。多少の違いはあるが、今、目の前で起きようとしている現象。
あれは――。
「デビモン……進化。――スカルサタモン!」
進化だ。
赤黒い骨で出来た上半身に、その中に見える黒い玉。赤黒の杖を持つ悪魔のようなそのデジモン。完全体のスカルサタモンだ。
突然の事態に焦り、ドルガモンが戦闘態勢に入ったのとほぼ同時に。
スカルサタモンが消えた。
「なっ!……こっち!?」
「ハァッ!」
刹那、死角からもたらされたスカルサタモンの攻撃を、ドルガモンはなんとか躱す。
だが、躱すことができたのは、完全に感だった。
進化したので当然とも言えるのだが、急激に上がったスピードでもたらされた攻撃を前に、若干気を抜きかけていたドルガモンは冷や汗を垂らす。
「ククク……」
「ッ!まずっ!」
「カァ!」
だが。
気を引き締め、現状を認識し、打開策をねる間もなくスカルサタモンは戦闘を開始する。
消える敵。さまざまな方向より繰り出される攻撃。
今、ドルガモンはそれらすべてを避けることができている。だが、地力で劣っている以上、やがて限界が来るだろう。
いつかのウェンディモンのように空間を跳躍する転移系の能力で消えるのではないということが救いといえば救いだ。スカルサタモンは確かに速い。だが、ドルガモンが目で追えないほどの速さではない。
もっとも。問題は目で追えるからといってドルガモンの体がついていけるとは限らないということなのだが。
「っく……」
「先ほどまでの威勢はどうした?これで終わりか?」
「舐めるな!『キャノンボール』!」
舐めているのか。態々目の前に現れて話すスカルサタモンにドルガモンは鉄球を放つ。
だが、スカルサタモンはその手に持った杖で、こともなさげに向かい来る鉄球を砕いた。
その顔は拍子抜けしたような表情だ。
「こんなものか。先ほどの俺様はそれほどまでに弱かったということか」
「っく……」
「興ざめだな。残りのカードを獲りに行くか」
踵を返して立ち去るスカルサタモンに向かってドルガモンは襲いかかる。
だが、その瞬間。
振り返ったスカルサタモンはドルガモンにその杖を向けると、杖の先の宝玉から光を放った。
「ふん……『ネイルボーン』」
「がっ!」
すでに攻撃態勢に入っていたドルガモンがその攻撃を避けることができるはずもなく。
光を浴びたドルガモンは自身に起こった異常に困惑する。体が動かないのだ。先ほどのようにマインドコントロールされたわけでもない。ただ、体が動かない。声を発することもできない。
そんなドルガモンを見届けることもなく、スカルサタモンは立ち去る。
歪む視界の端に立ち去るスカルサタモンの姿を捉えながらも、ドルガモンは動くことができなかった。
だが――。
「えっ!?」
突如、ドルガモンの視界が暗く染まる。そのことをドルガモンは疑問に思った。今現在自分は体が一ミリたりとも動かせないのだから目を閉じることができるわけがないのだ。
体が動かせないということは口も動かせない。だというのに声を出すこともできる。
既視感どころではない、まるでいつかの焼き回しのような光景に、ドルガモンは気味の悪さを通り越して呆れを感じられずにはいられない。
「また……?」
以前と違うのは、ここには正真正銘自分しかいないことだろうか。
そんなことを考えながら、ドルガモンは“さて、どうするか”と思い悩む。
自身が死にかけているのは間違いないだろう。だが、どうすればこの状況を脱することができるのかが思いつかない。
もちろん、ドルガモンには諦めるという選択肢はない。
「……んぬ?」
そんな中で、ドルガモンはあるものを見た。
暗闇の中でも光り輝くそのナニカ。
ドルガモンはそのナニカを、目を凝らして見てみる。だが、暗闇の中でも、眩しくなるくらい光り輝くそれをドルガモンはうまく見ることができない。
「どなた~?」
そのナニカはドルガモンの質問にも答えない。
元から答える気がないのか、答えることができないのか、そもそも生き物ではないのか。
だが、なぜかドルガモンはそのナニカは生き物のような気がしてならないのだ。
正確に言えば、生き物の形をしているように見えるというだけなのだが。
「……無視ですか……そうですか」
質問に沈黙で返すそのナニカをドルガモンはすでに生き物として認識していた。
思わず現状も忘れて、怒りたい気分になるドルガモンだが、グッとそれを我慢する。今はそんなことをしている場合ではないのだ。
「……ふんぬ!」
とりあえずそのナニカを無視することに決めたドルガモンは、この状況を脱するために気合を入れてみた。
だが、当たり前だが何も起こらない。
本格的に今の状況にまいってきたドルガモンは、少し気分転換したい気になって――。
「あれ?」
そこで初めて、光り輝くナニカが先ほどとは形が変わっていることに気づいた。
否、形が変わっているのではなく、そのナニカが体勢を変えたのだ。まるで伏せて眠っていた竜が起き上がったかのように。
「……ッ!」
直後。ドルガモンは感覚でそれを理解する。
目の前にいたナニカは眠っていたのだと。そして今、ナニカは起きたのだと。
“これってオレのせい?……もしかして、うるさかった?”とドルガモンは若干焦りながら、そのナニカを見る。
先ほどまでとは違う。はっきりと見ることができるそのナニカ。
近くにいるだけで震え上がってしまいそうなほどの重々しく強大な雰囲気。まるで大樹を思わせるような強い生命力の気配。そしてなにより――。
「っく……」
近くにいるものすべてを壊してしまいそうな圧倒的な破壊の気配。
ここまでくればコレが何かドルガモンとて気づいている。
かつて自分やもう一人の自分が恐れたもの。解決したかのように見えて未だ解決していないソレ。
自分とは切っても切れない縁にあるだろうソレは――。
「竜の――ッ!」
かつて自分が竜の本能とも言っていたソレ。竜の形を形成しているソレは何をするでもなく、ドルガモンを見ている。
たったそれだけ。だが、それだけのことですでにドルガモンは気が狂いそうになっていた。この震えと恐怖で狂ってしまえばどんなに楽だろうか。この破壊の気配に同調してしまえばどんなにスカッとするだろうか。
そんなことを考えるくらい、その竜の力はドルガモンに影響をもたらしていた。いや、この強大な力こそがドルガモンの本来の力というべきなのだろう。事実、この竜の力はドルガモンの一部なのだから。
そんな中で――、
「……ぬぬぬ……!」
情けないと。ドルガモンは今の自分に対してそう感じていた。
これではまるで数ヶ月前と変わっていないではないかと。そう自分に対して憤っていた。
嘲笑うかのようにドルガモンを見続けるその竜。
ドルガモンも同じように、“お前如きに負ける自分ではない”とその意思を込めてその竜を睨みつけた。
「ああ、そうだよ」
そんな中でドルガモンは思い出した。
今までの旅路を。
ぶっちゃけるとそれは現在進行形で死にかけていることによる走馬灯によるものなのだが、今のドルガモンには知る由もない。
旅人を、あの黒い自分を、謎の声の主を思い出す。皆がいたから、ドルガモンは今までの旅路を乗り越えることができたのだ。
ドルガモンはつい先ほどまで受けていたあの試練で自分が言ったことを思い出す。
自分のことは自分で決めると。ドルガモンはそう言った。
自分で決める。それは決して、目の前にあるような力の塊に流されるようなことを言っているのではない。
力によって自分が決められるのではない。自分によって力を決めるのだ。
「オレのことは……
直後。扉の向こうから何かが解き放たれるような気配とともに。光が世界を照らした。そして、その瞬間に内側から沸き立つ今まで以上に力強い気配をドルガモンは感じて――。
この場を去ろうとするスカルサタモンは、強大な気配を感じて振り返った。
そこには先ほどと変わらぬ動けなくなったドルガモンの姿。あと数秒もすれば死ぬ運命にあるだろうそれを見て、スカルサタモンは“今更何をそんなに恐れすることがある?”と自身に対して不可解な思いを抱いていた。
だが、スカルサタモンはこの直後。その感情は間違いではなかったと知ることになる。
「ドルガモン!」
「何?」
「進化――!」
ドルガモンを光が包む。
数刻前に自身にも起こったその現象。スカルサタモンは目の前で起こっている事態に気が動転する。
それは、ドルガモンは完全に終わったものだと。スカルサタモンはそう思っていたからにほかならない。
一瞬後に光が晴れる。成熟期から完全体になったことで先ほどまでよりも巨大になった体躯と赤と白の体毛。四枚の鋭い翼に槍のついた捻れた尾。
ここにいない旅人にとっては見慣れた姿であろうそのデジモンは――。
「ドルグレモン!」
「……あの状態から進化したのか!」
カードを使って進化した今までとは遥かに違う何かを己の内に感じながら、ドルグレモンはスカルサタモンを睨む。
一方でスカルサタモンもドルグレモンの登場に苦いものを感じていた。それは自分とドルグレモンの間にある力量差を感じ取ったからにほかならない。
「……ふん。確かに進化したことは驚異に値する。だが、その程度。残りのカードを優先させてもらおうか!」
己の動揺を隠して、翼を広げたスカルサタモンは空に飛び立った。スカルサタモンにとってドルグレモンと戦う意義は無いに等しい。それが死を覚悟した戦いになるかもしれないとすればなおさら。
逃げの一手。だが、この行動は生き残る上で大切なことだ。スカルサタモンにとって重要なのはドルグレモンに勝つことではなく、旅人のカードを奪うこと。
であるならば、この場を無理に戦って乗り越えるよりも、逃げて乗り越えることの方が賢い選択だ。
もっとも――。
「逃がすかっ!」
「なっ!」
それが可能であるならば、の話だが。
己を越えるスピードで飛翔し、先回りしたドルグレモンを前にスカルサタモンは驚きを隠せない。
一方でドルグレモンもスカルサタモンを逃がすつもりはなかった。
「お前は逃がさない!旅人にお前の相手もさせない。お前の最後の敵はオレだ!」
「っく……舐めるなっ!『ネイルボーン』!」
逃げ場のなくなったスカルサタモンより放たれた強力な光。先ほどドルガモンだった時のドルグレモンを戦闘不能にした必殺の技。
だが――。
「ふん!」
「何っ!?」
その魔の光もドルグレモンの翼のひと振りで霧散する。
己の一番強力な技を赤子の手を捻るかのように呆気なく破られたスカルサタモンは呆然とするしかない。そしてそれは最も大きな隙。
スカルサタモンはすぐにそのことに気づく。だが、気づいた時にはすべてが遅かった。
「『メタルメテオ』!」
スカルサタモンが最後に見たもの。
それは己の下へと高速で迫ってくる数十メートルを越える巨大な鉄球だった――。
はい。というわけでドルグレモン再進化回でした。
いろいろと疑問に思う方もいらっしゃるでしょうが、カードの進化と通常の進化はもちろん違います。
一応ここでドルグレモンへと進化できたのはドルモンの成長の証だと思っておいてください。はい。
カードの進化と通常の進化の違いについてはまた本編で。予定ですが。
予定なので一応念の為に簡単に言うと、カード進化はズルであり、あくまで未来の前借りということです。