すみません
次から長く?なるはずです
「あの執行者を退けるとは、流石です。お嬢様」
「ありがとうございます。ですが、何故ここに?」
「お嬢様はご自身の令呪を今は何画お持ちですか?」
「三画ですが、それがどうかしましたか?」
当然少女は聖杯戦争のマスターであり、いまだ令呪を一度も使っていなかったためすべての令呪が掲げた右の手の甲に刻印されていた
「あの執行者が監督役を殺してくれたおかげで、あることができるのです。この死体に魔術を使って一時的に蘇らせることは可能でございますか?」
「ええ、十分未満程度であれば問題ありません」
「では、お願いします」
執事の言葉に従い、監督役であった男を少女は一時的に蘇らせた
「それで、私はどうすればよいのですか?」
「あとは監督役が持つ預託令呪の移譲を強制させればよいのです」
「預託令呪?」
「はい。監督役だけが持つ、過去の聖杯戦争で使われることのなかった予備の令呪です。監督役にはこの令呪の移譲をする権利が与えられているのです」
前回の聖杯戦争である第五次聖杯戦争の折、監督役であった神父はこの預託令呪を用いて聖杯戦争のルールに反して参加していたのだ。失われたはずの彼の遺体だったが、どうやら令呪は無事にというべきか、今は亡き今回の聖杯戦争の監督役に引き継がれていた
「なるほど、では命じます。あなたの持っている預託令呪をすべて私に移譲しなさい」
「了解した」
そして監督役が何節かの詠唱を済ませると、少女の右腕には無数の令呪が新たに刻まれた。それが完了すると、少女は魔術の使用をやめた。すると途端に元監督役の男は即座に死体に戻った
「お疲れ様でございました。これだけの令呪があれば、もはや勝利したも同然でしょう」
令呪とは、強大な魔力の塊。サーヴァントにとっての絶対命令権であると同時に、一時的にサーヴァントの能力を飛躍的に向上させることもできる。これを無数に保有するということはそれだけサーヴァントが強化されるのと同義ともとれる。まして彼女のサーヴァントは前回の正規の《・・・》サーヴァントの中では最強の一角。勝利を確信するのも無理はない
「ええ、ですが油断は禁物です」
これだけの手札を保有してなお、少女は油断しない。あくまで全力を出すまでである
「ごもっともでございます。この後はどうなさいますか?」
「そうですね、城に戻るとしましょう」
自身の城への帰路に着こうとした少女。しかし、それを止める声が夜の空に響いた
「ちょーっと待ったー!!」
数日前に聞いた、あの赤い外套の少女の声であった