Befehl C   作:如月鏡月

8 / 13
今回も短いです
ごめんなさい
文字数が書けないんですw

追記
ルビが上手く振れていなかったので修正しました(2018/5/15)





ACT-5

少女は、夢を見ていた。あの戦闘から未だ一度も目を覚ましていない少女は、夢を見ていた。正確に言うならば、自身のうちの世界、心象にいた

そこは何もない真っ白なドームであった。そこに一人の少女が座っていた

「やっぱりここはこうなんだ」

突如、誰もいないはずの空間で、少女に声がかかる

「誰ですか!?」

振り向くと、そこには少女自身が立っていた。否、目の色だけが違う。少女と違って、彼女の目は緋色であった

()()で、()()だよ。」

定番のセリフ、しかし理由が少女にはわからなかった

「あなたは何ですか?」

「僕は君の中にいる一人目だよ」

そう彼女は言った

「どういうことですか?」

「君が二人目、つまり後付けされたほうってこと」

「?」

「それはどういう・・・」

「ついてくればわかるよ」

そう言って彼女は歩き出す。少女もつられて後を追う。

すると、突然風景が変わった

「ここは?」

「マニュスクリプト家秘蔵のホムンクルス工場、だよ」

「!?」

周囲に並ぶ無数の培養カプセル。ざっと300体分はあるであろう

「なぜ、こんな量のホムンクルスを・・・」

「もちろん、根源に至るためだよ」

彼女は答える

「正確に言えば、魔術の研鑽のためだけどね」

「それはどういう意味ですか?」

まるで見当もつかない少女には理解ができない

「僕らはそれ用ではないからね、君が知らないのも仕方がないよ」

「?」

彼女は続ける

「マニュスクリプト家の魔術は、代々魔術の貯蔵のみに特化していることは知っているよね?」

「はい、それはもちろん」

「問題はそこからだよ。その貯蔵の方法が酷い」

さらに彼女は言葉を続ける

「どんな魔術であっても、それを必ず一度は自身の肉体で受けなければならないということ。魔術回路に触れるだけでも読み取ることはできる。でも、それをするにしてもその会得者の経験苦痛、苦悩等のすべてをたった数秒に圧縮して体験するという地獄だ。僕たちの家の魔術の研鑽の過酷さは、他の魔術師を見ても群を抜いているといってもいい。なぜなら、生まれてから死ぬまで強固な強化魔術だけで強化した肉体のみで幾重にも重ねられる呪いや、魔術を受け続けなければならないんだから」

「・・・」

少女は絶句した

「なぜそこまでして、と思う?でも、それを思ったところで僕らには何もできない。なぜなら、生まれると同時に一番最初にかけられる魔術が目的を果たすまでは死ぬなという命令だけで動く人格を植え付ける精神支配系の魔術だからなんだよ」

「」

「そうして植え付けられた人格が君なんだ」

少女にはもう何もできなかった。自分が自身の意思で家のためにと思って行動していたことがすべて家に仕組まれていたことであったからだ

「私は、」

「うん?」

「わたしは、どうすれば」

少女の率直な気持であった。何もわからず、何も求められず、何も知らなかった少女の精いっぱいの言葉であった。

「僕に君の肉体を貸してほしい」

彼女は言った

「君がこのまま生きていたとしても、君が何を求めているかという問いの答えは多分出せないと思う。だから代わりに僕が戦う。君のためにも、彼らのためにも」

そういって彼女は培養液のカプセル群を指さした。

「僕には願いがある。だから僕の戦いを見ていてほしいんだ。君が、望みを見つけるために」

その言葉に偽りは無かった。そのことに少女は確証が持てた。なぜなら、

()()で、()()、ですか)

「分かりました、あなたに私の肉体を貸しましょう。いえ、返すといったほうが正しいでしょうか。ともかく、がんばってくださいね、あなた(わたし)

「うん、もちろんだよ」

「ところで、あなたの望みは何ですか?」

「僕?僕の望みはね、

 マニュスクリプトを終わらせる(君たちを救う)ことだよ」

 

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