遊戯王GX ふたりぼっちの僕たちは   作:未OCGのアルカナフォース達に未来を!

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ようやく十代と主人公のデュエルです。


13話 ひとりぼっちと英雄と

 デュエルアカデミア本校の代表を選出する大会もいよいよ大詰め。明日は僕と遊城君がデュエルして、その勝者がノース校の代表とデュエルすることになる。

 遊城君は万丈目君や深月を倒すほどのデュエリストだ。

 

『くーやーしーいー!』

『あはは。お疲れ様、深月』

 

 電話越しの深月が叫ぶ。

 皆の前ではしっかり握手していたけどやっぱり悔しかった様で、さっきからそれしか言っていない。

 

『だってせっかくアリアとエレジー揃えたのよ?貫通ダメージは防げないけどさぁ……』

『アリアとエレジーが出せればほぼ勝ちとは言え、貫通能力持ちの入っているデッキは少なくないからね。そろそろ対策が必要かな?』

『そうねー。一応何枚か候補は考えてるけど……って!今は遊陽優先!どうするの?明日のデュエル』

『うーん、いつも通り、かな』

『いつも通り?』

『うん。三沢君用に入れてたカードを何枚か抜いて、既存のカードの枚数を調整するかな』

『それで大丈夫なの?』

『まぁ、これで頑張ってみるよ』

 

 正直な話、デュエルアカデミアの代表になることに興味はない。けど彼は深月を倒した相手だ。

 

『それじゃあ明日頑張ってね、遊陽』

『うん。絶対に仇は取るからね』

 

 

 

「えー、いよいーヨ、我がデュエルアカデミアの代表者が決定するノーネ。まずはオベリスクブルー寮代表、シニョール遊陽!」

 

 クロノス先生に名前を呼ばれたので、僕はデュエルフィールドに向かう。昨日や一昨日よりも多くの生徒が試合を見に来ていた。

 

「そしーて、オシリスレッド代表……シニョール十代……ナノーネ」

 

 相変わらずの贔屓っぷりだ。遊城君は僕の前に立ち、話始める。

 

「あの廃寮以来だな。あのときから、お前とデュエルするのを楽しみにしてたぜ」

「僕もだよ。深月の仇はしっかり取らせてもらうから」

 

 クロノス先生は僕達2人を交互に見て、頷く。

 

「それでは、デュエルを始めるノーネ!」

 

「「デュエル!!」」

 

遊陽 VS 十代

 

「僕の先攻、ドロー!僕は【エッジインプ・トマホーク】を攻撃表示で召喚!」

 

 僕のデッキの中では高いステータスを誇るモンスター。様子見から布石の用意までこなしてくれる頼れるモンスターだ。

 

攻1800

 

「【トマホーク】の効果を発動。デッキから【エッジインプ・シザー】を墓地へ送り、このターンこのカードは【エッジインプ・シザー】として扱うよ」

 

エッジインプ・トマホーク→エッジインプ・シザー

 

「さらに【融合徴兵】を発動。融合デッキの【デストーイ・シザー・ベアー】を遊城君に見せて、デッキから【ファーニマル・ベア】を手札に加えるよ」

 

 うん。これで取り合えず次のターンには動けそうだ。

 

「僕はこれでターンエンドだよ」

 

 

遊陽 LP4000 手札5

モンスター:エッジインプ・トマホーク

魔法・罠:無し

 

 

「俺のターンだな、ドロー!よっし!俺は【カードガンナー】を召喚だ!」

 

 ヒーローじゃないモンスター?……いや、そう言えば深月の時にもカードカー・Dとかいうモンスターを使っていた。ヒーロー一色と言うわけではないのだろう。

 両腕が銃口のおもちゃのような機械が現れる。

 

攻400

 

「【カードガンナー】の効果を発動!デッキの上からカードを3枚まで墓地へ送り、送った枚数につき500ポイント攻撃力をアップするぜ!俺は3枚を墓地へ送る!」

 

 遊城君のデッキから3枚のカードが飛び出し、カードガンナーに装填される。

 

攻400→1900

 

「バトル!【カードガンナー】で【エッジインプ・トマホーク】に攻撃だ!」

 

 カードガンナーから3枚のカードが放たれ、それは鋭い刃のようにトマホークを切り裂いた。

 

「くっ……」

 

LP4000→3900

 

「カードを1枚セットして、永続魔法【強欲なカケラ】を発動。これでターンエンドだぜ」

 

 遊城君の隣に、強欲な壺の下から3分の1が現れる。

 強欲なカケラはコントローラーの通常のドロー毎にカウンターを乗せ、カウンターが2つ以上乗った状態で自身を墓地へ送り2枚ドローするカードだ。早いところ処理してしまいたいけど、僕のデッキに魔法・罠カードを破壊できる手段は少ない。

 

 

十代 LP4000 手札3

モンスター:カードガンナー

魔法・罠:セット 強欲なカケラ

 

 

「……それじゃあ、始めようか」

「おっ!来るか!」

「僕は手札の【ファーニマル・ベア】の効果を発動。このカードを墓地へ捨て、デッキから永続魔法【トイポット】を1枚自分フィールド上にセットし、発動!」

 

 僕の背後に巨大なガシャポンが現れる。

 

「墓地の【エッジインプ・シザー】は手札を1枚デッキの上に戻し、墓地から守備表示で特殊召喚出来るよ」

 

守800

 

「さらに【融合賢者】を発動。デッキから【融合】を手札に加えるよ」

「な、なんかすげー手札のカードが入れ替わるな」

「そういうデッキだからね……僕は【融合】を発動。手札の【エッジインプ・チェーン】と【ファーニマル・ラビット】を融合!全てを縛れ、沈黙のケダモノ!おいで、【デストーイ・チェーン・シープ】!」

 

 小さな羽を持つウサギのぬいぐるみは遊城君に向け一礼し、鎖に絡め取られバラバラになる。鎖の魔物はその一片も逃がすことなく捕まえ、溶け合い、新しい姿へと変わる。

 

攻2000

 

「来たな!黒野の融合モンスター!」

「まだだよ!僕は融合素材となった【チェーン】と【ラビット】の効果で、デッキから【デストーイ・ファクトリー】を手札に加え、墓地の【ファーニマル・ベア】を手札に戻すよ」

 

 これで次の融合素材が揃った。遊城君もそれに気づいているようで、どんなモンスターが出てくるのか心を踊らせている。

 

「僕は【デストーイ・ファクトリー】を発動!墓地の【融合徴兵】を除外して、手札の【ファーニマル・ベア】とフィールドの【エッジインプ・シザー】を融合!」

 

 2度目の融合召喚に観客達が盛り上がる。

 

「全てを切り裂け、戦慄のケダモノ!おいで、【デストーイ・シザー・ベアー】!」

 

 ピンク色のクマのぬいぐるみをハサミが切り裂き、残骸と刃物は1つになる。

 

攻2200

 

「ひ、ひとりでやってるッス……」

「連続融合召喚……流石だな」

「その調子よー!遊陽ー!」

「じ、十代ー!きばれよー!」

 

 シザー・ベアーの攻撃力はお世辞にも高いとは言えない。けどその弱点をシザー・ベアー自信の効果で補うことができる!

 

「バトル!僕は【シザー・ベアー】で【カードガンナー】を攻撃!モンスターイート!」

 

 シザー・ベアーが玩具の兵隊を持ち上げようとする。

 

「させないぜ!リバースカードオープン!【攻撃の無力化】!攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる!」

 

 突如現れた渦がバリアの様に割って入り、シザー・ベアーの腕を遮る。

 

「躱されちゃったか。僕はカードを1枚セット。ターンエンドだよ」

 

 

遊陽 LP3900 手札0

モンスター:シザー・ベアー チェーン・シープ

魔法・罠:トイポット デストーイ・ファクトリー セット

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 遊城君がドローしたことで、強欲なカケラのカウントが1つ進む。

 

強欲なカケラ0→1

 

「俺は【カードガンナー】を守備表示に変更し、効果発動するぜ」

 

 3枚のカードがカードガンナーに装填される。しかし守備表示のカードガンナーがその攻撃力を活かすことは無い。

 

攻400→1900→守400

 

「そして頼むぜ相棒!俺は【ハネクリボー】を守備表示で召喚だ!」

『クリクリー!』

 

 クリボーという有名なモンスターに天使の羽が生えたモンスターだ。

 

守200

 

「ターンエンドだ」

 

 

十代 LP4000 手札3

モンスター:カードガンナー ハネクリボー

魔法・罠:強欲なカケラ(1)

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 ハネクリボーは破壊されたターン戦闘ダメージを0に出来るモンスター。でもチェーン・シープならその効果の発動を封じることはできる。……でもここは、シザー・ベアーの強化を優先しよう。

 

「バトル、【デストーイ・シザー・ベアー】で、【ハネクリボー】を攻撃するよ。そしてこの瞬間、リバースカードオープン!【奇跡の軌跡(ミラクルルーカス)】を発動!」

 

 カードの効果を受けたシザー・ベアーが輝く。

 

攻2200→3200

 

「ターン終了時まで【シザー・ベアー】の攻撃力は1000ポイントアップし、このターン2回まで攻撃ができるよ。その代わり【シザー・ベアー】の戦闘で遊城君はダメージを受けず、1枚ドローできる」

「おっ、ドローできるのか!」

「さぁ、攻撃を再開だよ!モンスターイート!」

 

 シザー・ベアーはハネクリボーを掴み、口に放り入れた。

 

「【シザー・ベアー】は戦闘破壊されたモンスターを攻撃力1000アップの装備カードにするよ!」

「だけど1回墓地へ送られるから、【ハネクリボー】の効果は発動するぜ!このターン俺は戦闘ダメージを受けない!」

 

 ハネクリボーを飲み込んだシザー・ベアーがひと回り大きくなる。

 

攻3200→4200

 

「続けて、【カードガンナー】にも攻撃!モンスターイート!」

 

 食べ足りないのか、シザー・ベアーはカードガンナーにもその手を伸ばし、口に入れる。

 

攻4200→5200

 

「【カードガンナー】が戦闘で破壊されたことで、俺は1枚ドローするぜ」

 

 遊城君に2枚のドローを許してしまったか。次のターンにはカケラの効果でさらに2枚ドローされる。それでも、攻撃力4000超えはそう簡単には撃破できないだろう。

 

「これでターンエンドだよ」

 

攻5200→4200

 

 

遊陽 LP3900 手札1

モンスター:シザー・ベアー チェーン・シープ

魔法・罠:トイポット デストーイ・ファクトリー カードガンナー ハネクリボー

 

 

「俺のターンだ!ドロー!」

 

強欲なカケラ1→2

 

「【強欲なカケラ】のカウンターが2つになったことで、そのカードを墓地へ送り2枚ドローするぜ!」

 

 遊城君の手札が8枚にまで膨れ上がる。

 

「さぁ、ここからがヒーローの反撃だぜ!魔法カード、【融合】発動!手札の【スパークマン】と【クレイマン】を融合し、現れろ!【E・HEROサンダー・ジャイアント】!」

 

 轟く雷鳴と共に、大柄な男のヒーローが現れる。

 

攻2400

 

「さらに魔法カード【融合回収】を発動して、墓地の【スパークマン】と【融合】を手札に戻すぜ。そしてもう一度【融合】を発動だ!」

 

 2回目の融合が発動される。遊城君はあまり連続融合してくるイメージは無かったけど、手札が多ければそんな芸当も可能か。

 

「今度は【スパークマン】【フェザーマン】【バブルマン】の3体を融合だ!来い!【E・HEROテンペスター】!」

 

 フィールドに嵐が吹き荒れる。その風のカーテンの中から、翼を持つヒーローが登場した。

 

攻2800

 

「カードを1枚セットし、【テンペスター】の効果を発動!自分フィールドのカード1枚……今セットしたカードを墓地へ送ることで、俺のモンスター1体は戦闘破壊されなくなるぜ。俺が選択するのは【テンペスター】自身だ!」

 

 セットされたカードが消え、テンペスターの周りを風のバリアが包む。

 

「そして【サンダー・ジャイアント】の効果を発動!1ターンに1度手札を1枚捨てることで、【サンダー・ジャイアント】の攻撃力より低い元々の攻撃力を持つモンスターを破壊する!」

「現在の数値ではなく、元々の攻撃力を参照する効果……!」

「【デストーイ・シザー・ベアー】の元々の攻撃力は2200!消え去れぇっ!」

 

 サンダー・ジャイアントは雷を弾の様にして打ち出し、シザー・ベアーを感電させる。

 

「せっかく攻撃力を上げたのに……!遊城君も凄いわね」

「いいぞー!アニキー!」

 

 一気にひっくり返った盤面に、再び会場が盛り上がる。

 

「バトルだ!【サンダー・ジャイアント】で【デストーイ・チェーン・シープ】を攻撃!ボルティック・サンダー!」

 

 サンダー・ジャイアントは雷を纏い、ヒツジのぬいぐるみを殴り付ける。

 

「くっ……」

 

LP3900→3500

 

「でも【チェーン・シープ】は1ターンに1度、攻撃力をアップさせて蘇る!」

 

 上空から伸びた鎖が地面に突き刺さり、チェーン・シープの体を引き揚げる。

 

攻2000→2800

 

「問題ないぜ!【テンペスター】で【チェーン・シープ】を攻撃!【テンペスター】は自らの効果で、戦闘では破壊されない!」

 

 テンペスターの起こした嵐がチェーン・シープを吹き飛ばす。チェーン・シープも負けじと鎖を伸ばして巻き付けようとするが、それは風のバリアに阻まれてしまう。

 

「チェーン・シープを一方的に破壊したか!」

「……三沢君はどっちの応援をしてるのよ」

「どっちもだ!とても良いデータになるぞ!」

「さ、流石は秀才なんだなぁ」

 

 ……さて、困った。手札は1枚。相手フィールドには上級モンスターが2体。どうしたものか……。

 

「これでターンエンドだぜ!」

 

 

十代 LP4000 手札0

モンスター:サンダー・ジャイアント テンペスター

魔法・罠:無し

 

 

「僕のターン、ドロー!……よし。僕は【デストーイ・ファクトリー】の効果を発動。墓地から【融合賢者】を除外し、手札の【エッジインプ・ソウ】と【ファーニマル・ウィング】を融合!」

 

 僕の目の前に天使の翼が現れる。エッジインプ・ソウはそれを引きずり込もうとして、すぐにやめる。ソウの体はドロドロに溶けていき、それがファーニマル・ウィングを飲み込んだ。

 

「全てを引き裂け、狂乱のケダモノ!おいで、【デストーイ・ホイールソウ・ライオ】!」

 

 翼の面影などはカケラも無い。全身から丸鋸の飛び出たライオンのぬいぐるみが吼える。

 

攻2400

 

「そして墓地の【ファーニマル・ウィング】の効果を発動!【トイポット】が存在するとき、このカードと他の【ファーニマル】を墓地から除外することで、1枚ドロー出来る。僕は【ファーニマル・ベア】を除外して1枚ドロー」

 

 ドローしたカードは、虚栄巨影。これでホイールソウ・ライオの攻撃力を補える。

 

「さらに【トイポット】を墓地へ送ることで、追加で1枚ドローできるよ。そして【トイポット】が墓地へ送られたとき、デッキから【エッジインプ・シザー】か【ファーニマル】と名のつくモンスターを手札に加える。僕は【ファーニマル・ライオ】を手札に」

 

 これだけ揃えば十分か。僕はドローしたカードをデュエルディスクに置く。

 

「僕は【エッジインプ・DTモドキ】を召喚!その効果でフィールドの【ホイールソウ・ライオ】のステータスをコピーするよ」

 

 僕のフィールドに出てきた赤ん坊のような玩具の塊は、その影を伸ばしホイールソウ・ライオの形を真似る。

 

攻1300→2400

 

「【ホイールソウ・ライオ】の効果発動!相手フィールド上のモンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!【テンペスター】を破壊させてもらうよ!ジェノサイド・ソウ・アドバンス!」

 

 無数の丸鋸が雨のように降り注ぎ、テンペスターを破壊する。風のバリアは効果破壊にまでは対応していない。

 

LP4000→1200

 

「くっ、【テンペスター】!」

「バトルだよ!【ホイールソウ・ライオ】で【サンダー・ジャイアント】を攻撃!」

「同じ攻撃力での相討ち狙いか!?」

「違うよ!速攻魔法、発動!【虚栄巨影】!モンスターの攻撃宣言時、選択したモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

 

 ホイールソウ・ライオが巨大化する。

 

攻2400→3400

 

 そしてその膨れ上がった質量でサンダー・ジャイアントを叩き潰した。

 

「うわぁぁっ!!」

 

LP1200→200

 

「これで終わりだよ!【エッジインプ・DTモドキ】で、ダイレクトアタック!ジェノサイド・ソウ!」

 

 DTモドキの影が丸鋸を遊城君に飛ばし、大きな爆発を引き起こした。

 

「や、やったか!?」

「遊陽……!」

 

 決着は着いた。そんな空気が会場に流れる。しかし、

 

LP200

 

「いいや、まだ俺は負けてないぜ!」

「……遊城君のフィールドにセットされたカードは無く、手札も0枚。一体どうやって……」

「俺は【DTモドキ】の攻撃宣言時、墓地の【ネクロ・ガードナー】の効果を発動したのさ。このカードをゲームから除外し、相手からの攻撃を1度だけ無効にするぜ」

「【カードガンナー】の効果……かな」

 

 惜しかった。残る1枚の手札はファーニマル・ライオだから、これ以上は動けない。

 

「……ターンエンドだよ」

 

ホイールソウ・ライオ攻3400→2400

DTモドキ攻2400→1300

 

 

遊陽 LP3500 手札1

モンスター:ホイールソウ・ライオ DTモドキ

魔法・罠:デストーイ・ファクトリー

 

 

「お前、やっぱりスゲェよ!ずっとワクワクしっぱなしだぜ」

「ワクワク?」

「あぁそうさ!次はどう動こう、相手は何をしてくるだろう、そして俺のデッキが、俺に応えてくれるのか。このデュエルの何もかもが楽しいぜ」

「……ライフポイントは残り200。フィールドには何のカードもなく、手札はこのターンのドローで1枚。それでも、楽しい?」

「あぁ!俺は絶対に諦めない。俺の仲間達がいるからな!行くぜ、俺のターン、ドロー!」

 

 遊城君はドローしたカードを確認し、ガッツポーズする。

 

「よっしゃぁ!俺は魔法カード【ホープ・オブ・フィフス】発動!墓地の【E・HERO】を5体デッキに戻して2枚ドロー。そしてこのカード以外にフィールド・手札にカードがない場合は、代わりに3枚ドローするぜ!」

「ここに来てドローソース……!」

「墓地の【バーストレディ】【フェザーマン】【バブルマン】【スパークマン】【クレイマン】をデッキに戻し、3枚ドロー!」

 

 バーストレディはカードガンナーの効果で墓地へ送られていたのだろう。ホープ・オブ・フィフスのイラストに書かれた5人の戦士達が遊城君の元に戻っていく。

 

「さらに俺は魔法カード【貪欲な壺】を発動!墓地の【サンダー・ジャイアント】【テンペスター】【カードガンナー】【ハネクリボー】【フレンドッグ】の5体をデッキに戻し、2枚ドローだ!」

 

 カードガンナーの墓地肥やし効果がここに来て効いてきている。それにしても連続でドローカードを引き当ててくるなんて。彼はやっぱりただ者ではないのだろう。

 

「さぁ、行くぜ!フィールド魔法【フュージョン・ゲート】を発動!このカードは融合素材モンスターをゲームから除外し、【融合】無しでモンスターを融合召喚するフィールド魔法だ!手札の【エッジマン】と【ワイルドマン】を融合!来い!【E・HEROワイルドジャギーマン】!」

 

 手札から現れた二人の戦士が、雷雲の様な黒い渦に吸い込まれていく。

 そして深月を倒したあのヒーローが、戦いの舞台に現れる。

 

攻2600

 

「【ワイルドジャギーマン】は、相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できるぜ!行け!【ホイールソウ・ライオ】と【DTモドキ】に攻撃だ!」

 

 ワイルドジャギーマンは左腕の刃でDTモドキを切り裂き、右手の大剣でホイールソウ・ライオを真っ二つにする。

 

「くっ……!」

 

LP3500→3300→2000

 

「カードを1枚セット。これでターンエンドだ!」

 

 

十代 LP200 手札0

モンスター:ワイルドジャギーマン

魔法・罠:セット

 

 

「僕のターン」

「さぁ、次はお前の番だぜ」

「僕の?」

「あぁ!」

 

 今の手札のモンスターではあのヒーローを倒せない。だからこのデュエルの結果は、このドローに賭かっているとも言える。

 

「……なるほどね。確かに僕もワクワクしてきたよ」

「だろ?どれだけ相手を追い詰めても、その次のドローで逆転されるかもしれない。だからデュエルは面白いのさ!」

 

 僕は肩の力を抜くと、デッキに手を置き、カードを1枚引き抜く。

 

「……僕のターン。ドロー!」

 

 ドローしたカードは、魔玩具融合。このカードを使って、墓地のデストーイ3体を……いや。まだあのカード(・ ・ ・ ・ ・)を呼ぶ場面じゃないだろう。それを出さなくても、僕には勝つ手段がある。

 

「行くよ!【魔玩具融合】、発動!墓地の融合素材モンスターをゲームから除外し、【デストーイ】と名のつくモンスターを融合召喚する!墓地から【エッジインプ・チェーン】と【ファーニマル・ラビット】をゲームから除外!融合召喚!おいで、【デストーイ・チェーン・シープ】!」

 

 僕の足元にピンクと水色の渦が広がり、その中からヒツジのぬいぐるみが現れる。

 

攻2000

 

「ここで魔玩具融合を引いたのか!」

「1度チェーン・シープでワイルドジャギーマンを攻撃して、攻撃力2800になったところでもう一度攻撃すれば、遊陽の勝ちよ!」

「そんなっ!アニキ!」

 

 深月の言う通りだ。チェーン・シープの効果によって相手は攻撃宣言時にカード効果を発動できない。これで詰みだ!

 

「バトル!」

「この瞬間、永続罠を発動するぜ!」

「――っ!?」

「発動!【王宮の牢獄】!このカードがある限り、お互いに墓地のモンスターを特殊召喚できない!」

 

 ……あぁ。これは負けたかな。

 

「……流石だよ。遊城君。僕は【ファーニマル・ライオ】を守備表示で召喚。ターンエンド」

 

守1200

 

 

遊陽 LP2000 手札0

モンスター:チェーン・シープ ファーニマル・ライオ

魔法・罠:デストーイ・ファクトリー

 

 

「俺のターン、ドロー!……よし!俺は【E・HEROスパークマン】を召喚!そしてバトル!【ワイルドジャギーマン】で【チェーン・シープ】と【ファーニマル・ライオ】に攻撃!」

 

 僕のフィールドのモンスターは一瞬で全滅する。王宮の牢獄の効果で、チェーン・シープを蘇生させることもできない。

 

スパークマン攻1600

 

LP2000→1400

 

「これでトドメだっ!【スパークマン】でダイレクトアターック!」

 

 スパークマンの放った電撃が僕を襲い、そのライフを消し去った。

 

LP1400→0

 

「マ、マンマミーア……」

 

 クロノス先生が言葉を失い崩れ落ちる。

 会場は大騒ぎだ。天下のオベリスクブルー男子寮がオシリスレッドに負けてしまったのだから。

 

「あはは、参ったよ」

「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」

「……うん。確かに、楽しかったよ。十代君」

「また今度デュエルしようぜ!遊陽!」

 

 僕達はそんな騒ぎを気にすること無く、どちらともなく伸ばした手で握手を交わした。




「「今回の最強カードは?」」

魔玩具融合
通常魔法
「魔玩具融合」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のフィールド・墓地から、「デストーイ」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

「遊陽のデッキの最強の魔法カードね!」
「デストーイ・ファクトリーを除いて最低3枚の消費が必要な融合召喚を、このカードは1枚で行えるよ」
「ただし素材は除外されちゃうから、再利用がしにくくなってしまうことには注意ね!」


13話、VS十代でした。最後に融合召喚しようとしていたのは一体なんだったのか。それは彼のみぞ知る、感じですね。
いよいよ次回からはセブンスターズ編です!
……の前に番外編があるかも知れないですが完全に気分なので未定です。

それではまた次回も、読んでいただけたら嬉しいです!
ではではー。
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