遊戯王GX ふたりぼっちの僕たちは 作:未OCGのアルカナフォース達に未来を!
「フフフ、これで先ずは1人ね」
カミューラは丸藤先輩の人形を愛しげに見つめる。
「さて、昨日は鍵を持っていなかったから、もう1人相手をしてあげるわ?さぁ、死にに来るのは誰?」
カミューラが私達を嘲るように笑う。
「デュエルをするのは俺さ!でも、死んだりはしないぜ!」
「いいや、俺様だ!」
遊城君達が、我こそはと名乗りをあげる。でも、
「あら、私モテモテねぇ、嬉しいわぁ」
「……まって!遊城君も万丈目君も三沢君も!……皆、デッキの構築を読まれてるかもしれないわ」
「……深月の言う通りだ。僕達は夜からデッキの調整を初めて、僕達のデッキを覗くコウモリに気づいた。でもそれを連絡する前にクロノス先生がデュエルを始めてしまったから、他の皆にはそれを伝えられて居ないんだ」
「……じゃあ、お前と星見以外は……」
「十中八九、デッキの内容を見られているわ」
チッ。
カミューラの舌打ちだ。彼女は私を、仇を見るかの様に睨んでいる。
「貴女やっぱり厄介ね、お嬢さん。良いわ、次の相手は貴女にしてあげる!」
「……っ!違う、覗き見に気づいたのは僕だ!消すなら僕の方から――」
「……良いわ、あなたのイカサマを見破った私が相手になるわ!」
「深月!」
カミューラの矛先が遊陽に向かないように、彼の声を遮って叫ぶ。
私の腕をつかみ引き留めようとする遊陽を払い、さっきまで丸藤先輩の立っていた場所に登る。
「あら、勇気あるのねお嬢さん。大人しく鍵を渡せば、見逃してあげても良いのよ?」
「……ううん。降参なんてしないわ!」
「あらそう。残念だわぁ。でも貴女も綺麗な顔をしているし、私のコレクションにしてあげても良くってよ!」
「「デュエル!!」」
深月 VS カミューラ
「私の先攻、ドロー!来なさい、【ヴァンパイア・ソーサラー】!」
攻1500
「さらに魔法カード【ヴァンパイア・デザイア】を発動!デッキから【ヴァンパイア】を墓地へ送り、ターンの終わりまで自分のモンスター1体を墓地へ送ったモンスターと同じレベルにするわ」
カミューラのデッキからヴァンパイア・ロードが墓地へ送られる。そのレベルは6だ。
LV4→6
「レベルを変更した……?」
「……そっちはオマケだね。カミューラの目的は、ヴァンパイア・ロードを墓地へ送ること……かな」
「フフフ、さぁ、どうかしらねぇ?」
遊陽が呟く。
確かに、ヴァンパイアはアンデット族のデッキ。従って墓地から蘇生する手段に長けている。と言うことは、切り札であるヴァンパイアジェネシスへの布石かな……?
「さらに永続魔法【ヴァンパイアの領域】を発動。カードを1枚セットし、ターンエンドよ!」
カミューラ LP4000 手札2
モンスター:ヴァンパイア・ソーサラー
魔法・罠:ヴァンパイアの領域 セット
「私のターン、ドロー!」
……良し。すごくいい手札だ。
「私は魔法カード【独奏の第1楽章】を発動するわ!デッキからレベル4以下の【幻奏】を1人呼び出すわ!来て、【幻奏の音女アリア】!」
私の目の前に五線譜が溢れだし、それがリボンの様に空中に巻き付き、人の形を作り出す。
攻1600
「さらに、【マシュマカロン】を守備表示で召喚!」
『マシューッ!』
私のフィールドに、ピンク色の柔らかいマカロンが現れる。
守200
「さらに永続魔法【コート・オブ・ジャスティス】発動!私のフィールドにレベル1の天使族モンスター……【マシュマカロン】が存在するとき、手札の天使族モンスターを特殊召喚できるわ!来て、【幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト】!」
私の頭上に現れた光輪から、1人の音姫が降り立った。
攻2600
「さらに【モーツァルト】の効果で、手札から【幻奏の音女エレジー】を特殊召喚するわ!」
モーツァルトが指揮棒を振るい、更なる音女が現れる。
攻2000
「【エレジー】の効果で、私の天使族モンスターの攻撃力は300ポイントアップするわ」
アリア攻1600→1900
モーツァルト攻2600→2900
エレジー攻2000→2300
「出た!星見さんの大量展開コンボッス!」
「これで深月のフィールドの幻奏と名のつくモンスターは、戦闘・効果で破壊されず、その対象にもできないわ!」
「幻魔の扉をほぼ無力化したと言うことか!」
そう。幻魔の扉の効果は、聞いていた限りは効果によって相手モンスターを全て破壊した後、デュエル中に1度でも使われたカードを召喚条件を無視して特殊召喚する。
だからカミューラが幻魔の扉を発動しても、破壊されるのはマシュマカロンだけ。そして特殊召喚できるのもマシュマカロンだけ!
「チッ……!」
「行くわよ、バトル!【幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト】で、【ヴァンパイア・ソーサラー】を攻撃!」
「リバースカードオープン!【ヴァンパイア・シフト】!私がフィールド魔法を発動しておらず、私のコントロールするモンスターがアンデット族のみの場合、デッキからフィールド魔法【ヴァンパイア
古城が揺れる。ボロボロだった壁や装飾は修復されていき、かつての栄華を取り戻していく。
「それなら【ヴァンパイア・ロード】に攻撃するわ!」
「モンスターの攻撃宣言時、手札の【ヴァンパイア・フロイライン】は特殊召喚できるわ!」
豪華なドレスに日傘を差した、深窓の令嬢と言う言葉のふさわしいヴァンパイアが現れ、私に向けて礼をした。
守2000
「新しい【ヴァンパイア】……!」
「【フロイライン】の効果発動!アンデット族モンスターが戦闘を行うとき、ライフポイントを100の倍数、最大3000まで支払うことができるわ!」
LP4000→1000
「っ、一気に3000ポイントも……!?」
「そして支払った数値分、戦闘を行う私のモンスターの攻撃力はアップするわ!」
守1500→4500
「反撃よ、【ヴァンパイア・ロード】!」
フロイラインがロードに抱きつき、耳元で何かをささやく。するとロードは急激に巨大化し、筋骨粒々とした姿へ替わる。
ロードは普段の上品な立ち振舞いからは想像もできないような荒々しい仕草で、襲いかかってきたモーツァルトを殴り返した。
「きゃぁぁっ!?」
LP4000→2100
「そして私のヴァンパイアが戦闘ダメージを与えた事で、【ヴァンパイアの領域】の効果を発動!私は与えた数値分ライフを回復!」
LP1000→2900
「……全部とはいかなかくても、支払ったライフの大半を回収された……!」
「さらに【ヴァンパイア・ロード】が戦闘ダメージを与えた時、カードの種類を1つ宣言し、そのカードを貴女のデッキから墓地へ送るわ!私が宣言するのは、罠カード!」
「……私は、【幻奏のイリュージョン】を墓地へ送るわ」
体が痛い。サイコショッカーの時よりも、ずっと痛い。
それでも遊陽を危険な目に会わせるわけには行かない。カミューラはまた、私達の誰かに幻魔の扉のコストを肩代わりさせるだろう。なら、幻魔の扉を発動させることなく勝たなくちゃいけない。
「さらに【ヴァンパイア帝国】の効果発動!デッキからカードが墓地へ送られたとき、デッキの【ヴァンパイア】1体を墓地へ送り相手のカードを破壊できるわ!消えなさい、【コート・オブ・ジャスティス】!」
カミューラのフィールドに墓地へ送られたヴァンパイア……ヴァンパイア・グレイスが現れる。グレイスは無数にコウモリに分裂し、私の頭上の光輪を破壊する。
「っ!【エレジー】で守備表示の【ヴァンパイア・ロード】に攻撃するわ!」
「ダメだよ深月!またフロイラインの効果が!」
「アハハ!ターン中の回数制限など無いわ!再び【フロイライン】の効果を発動!」
LP2900→100
フロイラインは、再びロードに抱きつき囁く。
守1500→4300
「っ……!」
LP2100→100
「そして【領域】の効果でライフが回復するわ!」
LP100→2100
「そんなに攻撃して大丈夫なのかしら?もうライフポイントが100しか残ってないわよ!」
「でも、あなたのライフは削れたわ!私はカードを1枚セット。ターンエンド」
深月 LP100
モンスター:アリア モーツァルト エレジー マシュマカロン
魔法・罠:セット
「おほほ!私のターン!守りを固めてもムダよ!私は永続魔法【威圧する魔眼】を発動!その効果により私の攻撃力2000以下のアンデット族モンスターは、相手プレイヤーに直接攻撃できるわ!」
「……っ!」
「【ヴァンパイア・ロード】を攻撃表示に変更し、【ソーサラー】と共に【威圧する魔眼】の効果を付与するわ!」
2体のモンスターの視線が強まり、私のモンスター達は怯んでしまう。私も足が震え始める。
……怖い。
「さぁ、苦しんで死になさい!【ヴァンパイア・ソーサラー】でダイレクトアタックよ!【ヴァンパイア帝国】の効果で、その攻撃力はダメージ計算時のみ500アップする!」
攻1500→2000
ソーサラーが私の体を掴み、首に噛みつこうとする。
幻奏達は私を守ろうとしてくれているが、あまりの恐怖で動くことができていない。
「深月……!」
遊陽の声が聞こえる。
……大丈夫。私はまだ、負けないよ!
突如私とソーサラーの間にバリアが現れ、ソーサラーの牙を遮る。
「何ですって!?」
「永続罠、【スピリットバリア】!私のフィールドにモンスターが存在する限り、私が受ける戦闘ダメージは0になる!」
これが私の考えた答え。このカードがある限り、貫通効果も直接攻撃も怖くない!
「……なるほど、あの夜に新しく入れたカードなのね」
「やっぱり、これは把握していなかったみたいね」
「道理でライフを削っていくと思ったわ。カバーできるカードを握っていたのね。私はターンエンドよ」
カミューラ LP2100 手札1
モンスター:ロード ソーサラー フロイライン
魔法・罠:ヴァンパイアの領域 威圧する魔眼 ヴァンパイア帝国
「私のターン、ドロー!」
スピリットバリアがあるかぎり、ヴァンパイア・フロイラインの効果を使われても私のライフは減らない。もう領域とのコンボは使わせない!
「手札の【幻奏の音女ソナタ】は、フィールドに【幻奏】が存在する時、手札から特殊召喚できるわ!」
攻1200→1500
「さらにその効果で、私の天使族モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップ!」
アリア攻1900→2400
モーツァルト攻2900→3400
エレジー攻2300→2800
マシュマカロン守200→700
ソナタ攻1500→2000
「くっ……!」
「行くわ!【プロディジー・モーツァルト】で【ヴァンパイア・フロイライン】を攻撃!グレイスフル・ウェーブ!」
モーツァルトの奏でる音が衝撃波に変わりフロイラインを襲う。
「っ、【フロイライン】の効果!ライフを1400支払うわ!」
LP2100→700
守2000→3400
フロイラインの守備力がモーツァルトの攻撃力と並ぶ。戦闘破壊は失敗だ。
「でも、【エレジー】で【フロイライン】を攻撃よ!もうライフを払っても守れないわ!」
エレジーとフロイラインの差は800ポイント。カミューラのライフではその差を埋められない!
エレジーの歌声が令嬢を包み込み、光へと変え消し去った。
「くっ……!」
「確か【ヴァンパイア帝国】の効果で、ダメージ計算時は攻撃力が500アップするのよね。それなら私は【アリア】で【ヴァンパイア・ソーサラー】を攻撃!」
アリア発する声の波がソーサラーを襲う。
攻1500→2000
「ぐ、ぐうぅぅうっ!」
LP700→300
「でも【ヴァンパイア・ソーサラー】は、相手によって破壊されたときデッキから新たな【ヴァンパイア】を手札に加えるわ。私が手札に加えるのは、【ヴァンパイアジェネシス】!」
「遂に来たわね……ターンエンドよ」
深月 LP100 手札0
モンスター:アリア モーツァルト エレジー ソナタ マシュマカロン
魔法・罠:スピリットバリア
「私のターン!……フフ、たかだか効果破壊への耐性だけで私の切り札を封じたと思っているのでしょうけど、甘いわ!」
「なっ!?」
「さぁ見るがいい!永続魔法【闇の護封剣】を発動!相手モンスターは全て裏側守備表示となり、表示形式を変更できない!」
私の周囲に黒い剣が突き刺さる。囲まれた幻奏の音女達の体が黒く染まり、識別が不可能になる。
「……裏側表示のカードは、その効果を発揮できない……今、深月のモンスターは、あらゆる破壊に対して無力だ」
「その通りよ!さらにたとえ表側表示になったとしても、貴女のモンスターからは『特殊召喚した』という情報が失われている……もうあの布陣は完成しないわ!」
私のフィールドの5体のモンスターは動けない。そんな私を前に、カミューラが高らかに笑う。
「さぁ、覚悟するがいいわ!私は魔法カード【幻魔の扉】を発動!」
カミューラの背後に扉が現れ、私のフィールドの裏側表示モンスター達が吸い込まれていく。
「そしてそのコストは……貴女と仲の良い彼にお願いするわね!」
「っ!遊陽!」
最も恐れていた事が起きてしまう。カミューラの分身が遊陽に向かって飛ぶ。
「さぁ、貴方の魂を幻魔に預けるが良い!」
カミューラの伸ばした手は遊陽を掴む――
「なぁっ!?」
直前に、何かに弾かれる。
遊陽の長い髪が風に吹かれたように持ち上がり、普段は見えない彼の耳が見える。
その耳には、金色のイヤーカフがついていた。
カフから黒い霧が溢れだし、カミューラの分身を押し返す。
ここにいた皆が、その光景に驚愕していた。
「カミューラと同じ、闇のアイテム……なのか?」
三沢君が、信じられない物を見たように呟く。
「な、何故貴方がそれを……っ、まさか!」
「僕は大丈夫だよ!だから勝って、深月!」
「……うん!さぁ、どうするのカミューラ?発動した以上コストは支払って貰うわ!あなた自身の魂をね!」
幻魔の扉から現れた白い霧がカミューラの体を包み込む。
「おのれ、おのれぇぇっ!……良いわ、勝ってやる!勝てばこんなコストは関係無いのよ!私は誇り高きヴァンパイアの魂を幻魔に預け、貴女の墓地から【幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト】を特殊召喚するわ!」
幻魔の扉が1度閉じ、再び開くと共にモーツァルトが現れる。その色は普段よりも少し暗い。
攻2600
「でも、こっちも負けないわ!【マシュマカロン】が戦闘・効果で破壊されたとき、手札・デッキ・墓地から同名モンスターを2体まで特殊召喚できる!」
幻魔の扉の隙間から、ピンク色のスライムがにゅるりと出てくる。私の前まで戻ったマシュマカロンは、その体を震わせ2体に増える。
守200×2
「【スピリットバリア】のせいで直接攻撃してもムダね。ならば私は【ヴァンパイアロード】をゲームから除外!現れよ、我らが高貴なる一族の始祖!【ヴァンパイアジェネシス】!」
ヴァンパイア・ロードの筋肉が盛り上がり、原初の姿を取り戻す。
攻3000
「バトルよ!2体のモンスターで、その雑魚共を攻撃!」
攻撃力の高い2体の前に、マシュマカロン達はなす術なく破壊されていく。
「勝つのはこの私よ!ターンエンド!」
カミューラ LP300 手札0
モンスター:ヴァンパイアジェネシス 幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト
魔法・罠:ヴァンパイアの領域 威圧する魔眼 闇の護封剣 ヴァンパイア帝国
「……ねぇ、あなたはどうしてこんな事をするの?」
「……そうね、冥土の土産に教えてあげるわ。……あれは、中世ヨーロッパでの事――」
カミューラは、何があったのかを話してくれた。
中世ヨーロッパ。ヴァンパイア一族は、その高い能力や知性を生かし栄華を極めていた。しかしその力を怖れた人間は兵士を送り込み、ヴァンパイアの虐殺を始めたのだ。
いくら能力で勝っているとはいえ、数は人の方が多く、また途中からヴァンパイアの弱点も判明し、徐々に追い込まれていった。
彼女は、ヴァンパイア一族の最後の生き残りなのだ。
「だから、これは貴女達人類への復讐よ!セブンスターズを纏めるあのお方は、三幻魔復活の手伝いの代償に、ヴァンパイア一族の復興を手助けして下さるの!」
「……なら、あなたは仲間の為に……」
「深月、情に流されちゃダメだよ」
「……うん。分かってるわよ。勝負は勝負。ちゃんと、戦うわ」
かつてカミューラ達に人間がやったことは、許されることでは無いのだろう。
それでも、私にも守りたい人がいる。新しくできた友達もいる。
負けるわけには行かないのは、私も同じだ。
「私のターン、ドロー!」
ドローしたカードを確認する。相手フィールドに伏せカードは無く、手札も0。私のカードを止める存在はない!
「……行くよ!私のフィールドにモンスターが居ない時、【独奏の第1楽章】を発動できるわ!」
「っ、最初のターンにも使ったカード!」
「そうよ!私も負けるわけには行かないの。だからせめて奏でてあげる!あなた達が安らかに眠れるよう、亡き一族へレクイエムを!来て、【幻奏の歌姫ソプラノ】!」
再びフィールドに五線譜が溢れだし、アリアとはまた違った形へと変わる。
攻1400
「【ソプラノ】の特殊召喚に成功した時、墓地の【幻奏】を手札に戻すわ。そして召喚、【幻奏の音女アリア】!」
攻1600
通常召喚したアリアは、その効果を発揮することは無い。それでも十分だ。
「【幻奏の歌姫ソプラノ】の効果発動!私のフィールドから融合素材モンスターを墓地へ送り、【幻奏】と名のつく融合モンスターを融合召喚するわ!」
ソプラノが歌うと、その声は渦になって私の前に広がる。
「【幻奏の歌姫ソプラノ】と、【幻奏の音女アリア】を融合!タクトの導きにより力を重ね、今こそ舞台へ!融合召喚、【幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト】!」
2人の音女が五線譜に変わり、渦に飲み込まれ融け合う。
ナイフの様な指揮棒を振るい、音姫が私の前に降り立った。
攻2400
「何度でも蘇る、眠ることの無い【ヴァンパイア】。でも、もうこれで終わりにしましょう?【幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト】の効果、互いの墓地のカードを3枚まで除外する!【ヴァンパイア・フロイライン】、【ヴァンパイア・グレイス】、【ヴァンパイア・ソーサラー】の3体をゲームから除外するわ!」
シューベルトが指揮棒を振るうと、音がフィールドに溢れ出す。音は1列に並び五線譜を作り出し、墓地に眠る3体のヴァンパイアを包み、消し去る。
「……ありえない、ありえないわ!【ヴァンパイア】は不死の存在よ!」
「……再生力が高くても、寿命が長くても、いつか終わりは訪れるわ。不老不死だなんて、そんな物はありえないの」
3体のカードを除外したことで、マイスタリン・シューベルトの攻撃力は1枚に付き200ポイントアップする。
攻2400→3000
「【幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト】で、【幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト】を攻撃。ウェーブ・オブ・ザ・グレイト!」
シューベルトが指揮棒を振るうのに合わせ、五線譜がフィールドを舞い踊る。
「嘘、嘘、嘘よ!」
「……おやすみなさい、
「嘘よぉぉぉっ!!」
LP300→0
ヴァンパイアジェネシスが倒れたカミューラを支え、ゆっくりと地面に寝かせた後消え去っていく。
「そんな、私が……私がいなくなれば、ヴァンパイアの復興は……!」
ガタン!
大きな音が聞こえ、幻魔の扉が開く。
「嫌、嫌よ!いやぁぁっ!!」
幻魔の扉から伸びた無数の腕がカミューラを掴み、扉の中へと連れ去っていき……消えた。
「……ごめんなさい。でも、私達も、私達の世界を守らなければいけないの」
カミューラの着けていた金色のチョーカーが地面に落ち、人形になっていた丸藤先輩とクロノス先生が人間に戻る。
「ハッ、な、何が起こっているノーネ!?」
「……体が、動く……」
私は遊陽達の元に降りる。
「……良かった。深月が無事で」
「ありがと、遊陽」
遊陽は優しげな笑みを私に浮かべていたが、三沢君が重苦しそうに口を開く。
「……黒野、あのアイテムは、何だ?」
「……」
遊陽の表情がスッと消え、三沢君を見つめる。
「あれは、恩人から貰ったものって言ってたんだなぁ」
「そんな話をしてたッスけど……今見てみると、あの吸血鬼の持ってたチョーカーに似てるッス」
「……まさかお前も、闇のアイテムを持っているのか……?」
「っ!万丈目君!そんなはず無いわ!遊陽はそんなもの持って無い!」
まるで遊陽がセブンスターズの一員とでも言いたげな皆の視線を遮るように立つ。
「そうだぜ。遊陽が悪いやつな訳無いだろ!あいつとデュエルした俺が言うんだぜ?」
「……そうだな。確かに黒野は良い奴だ。……疑って悪かった」
「……いいや!それでも説明がつかない。セブンスターズじゃなかったとして、どうしてお前はカミューラの能力を免れた?」
「止めてよ万丈目君!」
「すまない天上院くん。だけどこれはハッキリさせておきたいんだ」
万丈目君が私を押し退け、遊陽に詰め寄った。
「……予定よりだいぶ早いなぁ。あの女も余計なことをしてくれる。やっぱりここに深月を連れてくるべきじゃなかったよ」
今まで聞いたことの無いような声。底冷えする、冷酷な声。だけどそれはすぐに、優しさのこもったもとの声へと戻る。
「大丈夫だよ深月?怖いことはしないさ」
「……な、何をいってるの?遊陽……」
遊陽が私の手を掴み、引き寄せ抱き締める。
「ゆ、遊陽!?」
「……改めて自己紹介をしようか。僕は黒野遊陽。深月の幼馴染でオベリスクブルー所属」
遊陽の口が歪む。まるで三日月の様に両端がつり上がる。
「そして、君達にとっては3番目のセブンスターズだよ」
~カード紹介のコーナー~
ヴァンパイア・フロイライン
効果/星5/闇属性/アンデット族/攻 600/守2000
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):モンスターの攻撃宣言時に発動できる。 このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。
(2):自分のアンデット族モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、100の倍数のLPを払って発動できる(最大3000まで)。その自分のモンスターの攻撃力・守備力はそのダメージ計算時のみ払った数値分アップする。
(3):このカードが戦闘でモンスターを破壊したバトルフェイズ終了時に発動できる。そのモンスターを墓地から可能な限り自分フィールドに特殊召喚する。
可愛い。
めっちゃ可愛い。
入れようと思えばほとんどのデッキに入るので、アイドルカード枠にぜひ如何でしょうか?
ライフを最大で3000も払えるので活路への希望と組み合わせても良いかもですね。
今明かされる衝撃の真実。
イチャラブタイムはここまでです。
それではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。
ではではー。