遊戯王GX ふたりぼっちの僕たちは   作:未OCGのアルカナフォース達に未来を!

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お待たせしました、2話です。今回は  君の出番です。


2話 秀才・三沢大地!

 本州からヘリに乗って数時間。僕達は雑談しながら過ごしていた。

 

「改めまして、ラーイエローへの合格おめでとう、遊陽!」

「ありがとう。寮のランクを上げられる試験もあるみたいだし、頑張ってオベリスクブルーを目指すよ」

「うん。待ってるよ!」

 

 アカデミアへの交通は、船かヘリコプターの2択。僕と深月は空を飛ぶ乗り物に乗ったことがなかったのでこれ幸いとヘリコプターを選択した。

 ……正直海は苦手なので、ヘリコプターに乗れて助かった。

 機内にアナウンスが流れ、周囲の生徒たちが沸き立つ。どうやらデュエルアカデミアが見えてきたらしい。

 

「見て見て!凄い火山!」

 

 窓際に座る深月は興奮気味に窓に張り付いている。僕も彼女の後ろから外を見ると、そこにはマグマが爛々と輝く火山と、それを中心とした孤島が存在していた。

 

「確かに凄いね……写真とは大違いだ」

 

 やはり実物には敵わないということか、本物の火山の迫力は僕の想像を大きく越えていた。

 やがてヘリコプターは孤島に近づき、ヘリポートに着地する。

 今まで住んできた都会とは違う。潮の匂い、森の匂い。まるで白亜紀から切り取ってきたかのような大自然に、僕も少しドキドキしてくる。

 

「あの大きな校舎と寮以外にはほとんど建物もないみたいだし、自然一杯って広告は嘘じゃなかったんだね」

「むしろここまで来ると、もう少し建物があってもいい気がするわ……」

「確かに」

 

 そんな風に喋りながら、僕達は目の前の大きな建物……デュエルアカデミアの校舎へと歩いていく。

 校舎に入った僕達は一旦別れ、更衣室でアカデミアの制服を着てから教室へと移動する。

 

「あ、いたいた!おーい!遊陽っ!」

「深月、さっきぶりだね」

「うん!さっきぶりー」

 

 深月は女子だから、入学試験の成績とは関係なくオベリスクブルーに入ることになる。……もっとも、深月の実力なら何の問題もないだろう。

 オベリスクブルーの制服を着た深月の姿は……何と言うべきか……とても綺麗だ。

 ただスカートが短いし袖は無いしで無防備過ぎる気もする。

 

「似合ってるよ、深月」

「そ、そうかな?遊陽も似合ってるよ!」

「嬉しいな。でも、僕もいつかはオベリスクブルーに行くから、この制服は着なくなっちゃうけどね」

「ほんとに来てよね?楽しみにしてるんだから」

 

 2人揃って教室に入り、校長先生のありがたい話を聞く。

 鮫島という名字のこの先生は、確かサイバーデッキの使い手だった気がする。

 所謂サイバー流のデュエリストを見たことは無いけど、この学校には帝王(カイザー)と呼ばれるサイバー流のデュエリストがいるらしい。

 

「――以上です。それでは皆さん、充実した学園生活を送ってください」

 

 おっと。考え事をしていたらありがたい話が終わってしまった。隣にいる深月は立ったままうつらうつらと船を漕いでおり、話を聞いてはいないだろう。

 僕は深月の肩を叩き彼女を起こす。

 

「深月、終わっちゃったよ」

「え、あ、あれ!?寝ちゃってた!?」

「うん。まぁ長旅で疲れてただろうし、仕方無いって」

「う~……寝ちゃった……こんなはずじゃあ……」

 

 深月は根は真面目だから、入学早々居眠りしてしまったことを悔いているのだろう。

 

「まぁ、次からは気を付けよう」

「うん……起こしてくれてありがとね」

 

 校長先生のお話の後は、それぞれの寮でもブリーフィングがあるらしい。

 僕らは校舎の出口で別れ、一旦それぞれの寮へと移動した。

 

「やぁ、君が黒野遊陽か?」

 

 イエロー寮に向かう途中、後ろから走ってくるような音が聞こえ、声をかけられた。

 

「えっと……?」

 

 振り向くと、オールバックの髪形をした好青年的な印象の男子生徒が立っていた。

 

「おっと、まだ名乗ってなかったな。俺は三沢大地。君と同じラーイエローの新入生さ」

「三沢君……?そういえばヘリコプターの中で噂されてたような……筆記・実技試験共に1番のスーパー優等生」

「スーパーだなんて凄いものじゃないさ。君のデュエルを試験会場で見てから、ぜひ君とデュエルしてみたいと思ってな」

 

 その瞳には熱い闘志が燃えている。まるで向上心の塊のような人物だ。

 

「あ、僕も自己紹介が遅れちゃったね。僕は黒野遊陽。よろしく、三沢君」

「あぁ、よろしくな、黒野」

「僕も君とデュエルしてみたいけど……今はブリーフィングに参加するのが先だね。遅刻はだめだし」

「そうだな。ブリーフィングが終わり次第、デュエルといこうか」

 

 僕と深月は自分達の試験が終わった後は帰ってしまったから、三沢君のデュエルを見ていない。デュエルアカデミアでの初戦、相手がどんなデッキを使ってくるのか楽しみだ。

 しばらく中学校時代の事などを喋りながら歩いていくと、黄色を基調としたオシャレなペンションの様な建物が現れる。おそらくあれが僕らの寮なのだろう。

 寮に入り、食堂に集まる。今夜は新入生歓迎会も行われるようで、食堂のすぐ隣にある厨房ではその準備をしていた。

 そんな中、樺山という大人しそうな先生が立ちあがり話始める。

 

「えー、私がラーイエロー寮長の樺山です。皆さんの入学試験での素晴らしいデュエルは、全て見させていただきました。これから3年間、寮のメンバーは入れ替わりするかもしれませんが、皆で手を取り合い、切磋琢磨し、立派なデュエリストとして成長していってくださいね」

 

 それからは寮のルールや食事、入浴の時間などが伝えられ、解散になる。ほとんどの生徒はまず自分の部屋を見に行くが、僕と三沢君は一旦寮の外にあるデュエルが出来そうな開けた場所へ移動した。

 

「ここに来て最初の相手が受験番号1番なんて、光栄だよ」

「とあるやつから言わせてみれば俺は『2番』だそうだが……まぁいい。君とのデュエル、まずは楽しませてもらおうか」

 

 そう言うと、三沢君はラーイエローの制服のボタンをはずし、広げる。

 制服の内側には、6つのデュエルケースが取り付けられている。

 

「6つのデッキ……?」

「そうとも!速きこと『風』のごとく、静かなること『水』のごとく、侵略すること『火』のごとく、動かざること『地』のごとし!悪の『闇』に『光』さす!これが俺の知恵と魂を込めた6つデッキさ!」

 

 なるほど、あの6つのデッキはそれぞれの属性のデッキなのか。さすがスーパー優等生はやることが違う。きっとそのどれもが緻密に計算なされたものなのだろう。

 

「そして今回君と戦うデッキは……『光』属性だ!」

「光属性?」

 

 光属性デッキといっても、それだけでデッキの内容を推理できるものではない。天使族寄りのデッキや雷族寄りのデッキ。全部まぜこぜのスタンダードに近いデッキも考えられる。闇属性に対するメタ効果を持つモンスターが多いのも特徴かもしれない。

 

「なるほどね。流石は優等生って所かな」

 

 相手のデッキに対して有利なデッキを選ぶ戦法は、自分だけでなく相手のカードの特性を理解していなければ使いこなせない。

 

「それじゃあ、行くぞ!」

 

 光属性デッキをデュエルディスクにセットし、三沢君が構える。

 

「うん。お手柔らかにお願いするよ」

 

「「デュエル!!」」

 

遊陽 VS 三沢

 

「俺の先攻だ!ドロー!」

 

  三沢君が何の考えも無しに光属性デッキを使うとは思えない。闇属性メタを警戒して、デストーイじゃなくてファーニマルによるビートダウンも視野に入れて戦っていこう。

 

「俺は【シャインエンジェル】を召喚!」

「【シャインエンジェル】か……光属性デッキ御用達のリクルーターだね」

 

攻1400

 

 シャインエンジェルは、戦闘で破壊されたとき攻撃力1500以下のモンスターをデッキから特殊召喚する、リクルーターと呼ばれる類のモンスターだ。

 6つの属性それぞれに似た効果を持つモンスターが存在しており、シャインエンジェルは光属性担当。定石とも言える初手だ。

 

「さらに俺は永続魔法【天空の泉】を発動!」

 

 地鳴りと共に、三沢の背後に大きな泉が現れる。

 

「これで俺はターンエンドだ!」

 

 

三沢 LP4000 手札4

モンスター:シャインエンジェル

魔法・罠:天空の泉

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

 僕のデッキは、融合の材料をひたすらサーチして集め、融合モンスターで攻撃するデッキ。だからデッキには上級モンスターは入っていない。おそらく三沢君はそれを読んでこのデッキを『闇属性』だと判断したのだろう。

 ……先ずは通常通り融合素材を集めていこうか。

 

「僕は【ファーニマル・ドッグ】を攻撃表示で召喚!」

 

 PON!という可愛らしい爆発の中から現れるのは、天使のような羽を持ったイヌのぬいぐるみ。

 

攻1700

 

「【ファーニマル・ドッグ】が手札からの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから【エッジインプ・シザー】か、【ドッグ】以外の【ファーニマル】を手札に加える事ができる!僕は【エッジインプ・シザー】を手札に」

「ほう、来るか?」

「……ううん。まだ、だね。僕は【ファーニマル・ドッグ】で【シャインエンジェル】を攻撃!」

 

 イヌのぬいぐるみは助走をつけて大ジャンプし、シャインエンジェルの頭に頭突きを食らわせる。

 

「くっ……」

 

LP4000→3700

 

「しかしこの瞬間、【シャインエンジェル】と【天空の泉】の効果を発動!まずは【シャインエンジェル】の効果で、デッキから2体目の【シャインエンジェル】を特殊召喚!」

 

攻1400

 

「そして【天空の泉】の効果は、戦闘破壊された光属性モンスターを除外することで、その攻撃力分俺のライフを回復する!」

 

 破壊されたシャインエンジェルは泉の中に吸い込まれていき、その際に発生する水飛沫が三沢君のライフを回復させていく。

 

LP3700→5100

 

 シャインエンジェルを始めとしたリクルーターの弱点は、召喚するモンスターが攻撃表示でなければいけないこと。相手フィールドにモンスターが並んでいたら大ダメージを受ける恐れもある。でもそれをライフ回復によってカバーしているのだろう。

 

「これで三沢君のフィールドにモンスターが残る……生け贄召喚の要員になるのかな?」

「さぁ、それは俺のターンになってみなければな」

「僕はカードを2枚セット、ターンエンドだよ」

 

 

遊陽 LP4000 手札4

モンスター:ファーニマル・ドッグ

魔法・罠:セット セット

 

 

「俺のターンだな。ドロー!俺は【シャインエンジェル】を生け贄に捧げ、【太陽の戦士】を召喚する!」

 

 太陽を象った仮面をつけた屈強な戦士が現れる。

 

攻2100

 

 太陽の戦士……確か闇属性モンスターに対する効果を持っていた気がするけど……。

 

「バトル!【太陽の戦士】で【ファーニマル・ドッグ】を攻撃!コロナブレード!」

 

 太陽の戦士の攻撃によりファーニマル・ドッグが破壊される。

 

LP4000→3600

 

「この瞬間、罠カード【ファーニマル・クレーン】を発動。破壊された【ドッグ】を手札に戻し、デッキから1枚ドローするよ。……やるね、三沢君」

「まだまだこれからさ!俺はターンエンドだ!」

 

 

三沢 LP5100 手札4

モンスター:太陽の戦士

魔法・罠:天空の泉

 

 

「僕のターン、ドロー!……よし。僕は魔法カード【融合】を発動!手札の【エッジインプ・シザー】と【ファーニマル・ベア】を融合!」

 

 ファーニマル・ベアの体を串刺しにしたハサミが溶け、クマの体を覆い隠す。

 

「全てを切り裂け、戦慄のケダモノ!おいで、【デストーイ・シザー・ベアー】!」

 

 全身からハサミの飛び出たグロテスクなクマのモンスター。割れた頭から覗く赤い二つの瞳が、太陽の戦士を睨み付ける。

 

攻2200

 

「さらに僕は【ファーニマル・ライオ】を召喚」

 

攻1600

 

「行くよ、バトル!【デストーイ・シザー・ベアー】で【太陽の戦士】を攻撃!モンスターイート!」

 

 太陽の戦士を丸のみにしようと、シザー・ベアーがおもむろにその手を伸ばす。

 

「甘いぞ黒野!【太陽の戦士】の効果を発動!このカードが闇属性モンスターと戦闘を行う時、攻撃力は500ポイントアップする!」

 

攻2100→2600

 

「っ!?」

 

 やっぱり、闇属性に対するメタ効果だ。

 伸ばされた手を切り払い、太陽の戦士がシザー・ベアーを真っ二つに切り裂く。

 

「ぐっ……」

 

LP3600→3200

 

 少し油断してしまったみたいだ。

 

「僕はこれでターンエンドだよ」

 

 

遊陽 LP3200 手札3

モンスター:ファーニマル・ライオ

魔法・罠:セット

 

 

「行くぞ、俺のターン、ドロー!……よし!俺は墓地の【シャインエンジェル】をゲームから除外し、手札の【霊魂の護送船(ソウル・コンヴォイ)】を特殊召喚する!」

 

 墓地からシャインエンジェルが蘇ったかと思えば、その体はすさまじい速度で劣化し朽ちていく。取り残された小さな魂を迎えに、神々しい光をまとった幽霊船が現れる。

 

攻1900

 

「レベル5のモンスターを特殊召喚……?」

「ああ。このモンスターは通常召喚できず、自分の墓地の光属性モンスターをゲームから除外することで特殊召喚できるモンスターだ。さらに俺のフィールドには光属性モンスターが2体!この時、手札の【ガーディアン・オブ・オーダー】は特殊召喚できる!」

 

 2体のモンスターの光に導かれるように、純白の鎧を纏うモンスターが光臨する。

 

攻2500

 

「上級モンスターが3体も……!」

「さぁ、行くぞ!【ガーディアン・オブ・オーダー】で【ファーニマル・ライオ】を攻撃!」

 

 光の戦士から放たれた無数の光は放射線状に広がり、上下左右からファーニマル・ライオを貫いた。

 

「ぐっ……」

 

LP3200→2300

 

「続けて、【太陽の戦士】でダイレクトアタック!」

「それはさせない!リバースカードオープン!【びっくり箱】!相手モンスターのが攻撃してきたとき、そのモンスター以外の相手のモンスターを墓地へ送り、その攻撃力と守備力の高い方の数値分攻撃力をダウンさせる!バイバイ、【ガーディアン・オブ・オーダー】」

 

 突然目の前で爆発するプレゼントボックス。それに驚愕した太陽の戦士は剣を放り投げてしまい、それがガーディアン・オブ・オーダーに突き刺さる。

 

「なに、【ガーディアン・オブ・オーダー】が……!」

 

 光の戦士は突き刺さった剣ごと消滅してしまい、太陽の戦士は戦う力を失った。

 

攻2100→0

 

「っ、ならば【霊魂の護送船】でダイレクトアタック!」

 

 幽霊船はその重量で僕に向かって突進する。ソリッドビジョンだから肉体へのダメージは無いけど、迫力があってかなり恐怖心を煽られる演出だ。

 

LP2300→400

 

「削りきれなかったか……俺はこれでターンエンドだ」

 

 

三沢 LP5100 手札3

モンスター:太陽の戦士 霊魂の護送船

魔法・罠:天空の泉

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 ……このカードは、今ドローしても……うん?

 

「……いや、むしろ来てくれて良かったかな?」

「何をドローしたのか気になる言い方だな」

「あぁうん、ごめんね。僕は魔法カード【融合回収】を発動」

「墓地の【融合】と融合素材モンスターを手札に戻すカードか」

「その通り。僕が回収する融合素材モンスターは【ファーニマル・ベア】だよ」

 

 ……これで必要なカードは揃った。

 

「融合素材にしなくたって、僕の【ファーニマル】達は立派な戦力だよ。僕は手札の【ファーニマル・ベア】の効果を発動。このカードを墓地へ送り、デッキから【トイポット】1枚を自分フィールドにセットする。そしてすぐに発動。出でよ、永続魔法【トイポット】!」

 

 地響きと共に僕の背後に現れる巨大な『ガシャポン』。

 

「融合素材にするのかと思っていたが、どうやら狙いは別なようだな」

「その通り。僕は墓地の【エッジインプ・シザー】の効果を発動。手札を1枚デッキの上に戻し、墓地のこのカードを守備表示で特殊召喚する」

 

守800

 

「そして【トイポット】の効果を発動。手札を1枚……今回は【融合】をコストとして捨て、デッキから1枚ドローし、お互いに確認する。そしてドローしたモンスターが【ファーニマル】と名のつくモンスターだった場合、僕は手札のモンスターを特殊召喚できる」

「【エッジインプ・シザー】を特殊召喚したのはそのためか!」

「それだけじゃないけどね。僕がドローしたカードは【ファーニマル・ドッグ】!そして特殊召喚!」

 

攻1700

 

 再び現れるぬいぐるみのイヌ。最初よりボロボロなのは一度墓地を経由しているからだろうか。

 

「【ファーニマル・ドッグ】の特殊召喚に成功したことで、デッキから【ファーニマル・オウル】を手札に加え、召喚!」

 

 オウル……つまりはフクロウの様なぬいぐるみが何処からともなく現れ、ファーニマル・ドッグの隣に降り立つ。

 

攻1000

 

「モンスターを展開する能力は凄いが、俺のフィールドには攻撃力1900の【霊魂の護送船】がいる。これをどうするつもりだ?」

「こうさせてもらうよ。魔法カード【ミニマム・ガッツ】を発動!自分フィールドのモンスター1体を生け贄に捧げることで、相手モンスター1体の攻撃力を0にする。僕が生け贄に捧げるのは、【エッジインプ・シザー】!」

 

 ファーニマル・ドッグがハサミをくわえると、1回転して勢いをつけ霊魂の護送船へと投げつける。

 

攻1900→0

 

「【太陽の戦士】だけじゃなく、【霊魂の護送船】まで……!」

「バトル!まずは【ファーニマル・オウル】で【霊魂の護送船】を攻撃!そしてこの瞬間、速攻魔法【アクションマジック-フルターン】を発動、このターンお互いが受ける戦闘ダメージは倍になる!」

「何っ!?」

 

 ファーニマル・オウルは上空へ飛び立ち、錐揉み回転しながら幽霊船へと突進し貫く。

 

「く、ぐぅぅっ!」

 

LP5100→3100

 

「だが、【天空の泉】の効果によって墓地の【霊魂の護送船】を除外し、ライフを回復する!」

「【ミニマム・ガッツ】の効果によって攻撃力が0になったモンスターが戦闘で破壊されたとき、その攻撃力分のダメージを与える!」

「そんな効果まで……!」

 

LP3100→5000→3100

 

「そしてこれでトドメだよ!【ファーニマル・ドッグ】で【太陽の戦士】を攻撃!」

 

 武器を失い抵抗できない太陽の戦士を、ファーニマル・ドッグは綿に隠した牙で噛み千切る。

 

「悔しいが俺の負け、か」

 

LP3100→0

 

 三沢君のライフポイントが0になり、ソリッドビジョンが消えていく。どうにか勝つことは出来たけど、すこし危なかったかな。

 

「お疲れ様、黒野。楽しいデュエルだったよ」

「ありがとう、三沢君」

 

 どちらともなく手を伸ばし、握手する。流石は受験番号1番。勉強になるところも多いデュエルだった。

 

「もしよければまた今度、俺とデュエルしてくれ」

「三沢君が良ければ、僕からお願いしたいところだよ」

 

 

 

 ラーイエローは、生徒1人につき1つの部屋が与えられる。

 

「うわぁ、けっこう広いなぁ」

 

 ひとり暮しをするには十分な広さの部屋。これ、オベリスクブルーだとどのくらいの広さになるんだろう。校則で他の寮に行くのは禁止されてるけど、少し気になる。

 僕はデュエルディスクを机におき、ベッドに腰掛ける。

 

「深月の方もブリーフィングは終わったかな?」

 

 僕はポケットから、携帯に似た機械を取り出す。三沢君と寮に戻ったときに樺山先生から受け取ったもので、PDAと言うらしい。これを使って他の生徒や先生と電話ができるそうだ。

 僕はPDAを起動し、深月に電話を掛けた。

 

『……もしもし?深月?』

『あ、遊陽!』

『今は時間大丈夫?』

『うん!やること無くてぼーっとしてたの』

『そうなんだ。どう?オベリスクブルーの部屋は』

『凄いのよこの部屋!まるでホテルみたい!……でも、ここに住むってなると、逆に広すぎるわね……』

『あぁ、やっぱり?イエロー寮でも十分な広さだったから、もしかしたらそうかなって』

 

 ベッドから立ちあがり、窓を開けて外の景色を見る。

 

『あ、そうそう聞いてよ遊陽!私ね、今日明日香さんとデュエルしたの!』

『明日香さん……?』

『そう、天上院明日香さん!』




「今回の最強カードは、黒野遊陽が紹介しますね」

ミニマム・ガッツ
通常魔法
自分フィールド上のモンスター1体をリリースし、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで0になる。
このターン、選択したモンスターが戦闘によって破壊され相手の墓地へ送られた時、
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

「相手モンスターの攻撃力を0にした上で、そのモンスターが戦闘で破壊されれば元々の攻撃力分のダメージを与える強力な魔法カードだよ。発動にはモンスター1体を生け贄に捧げなくちゃいけないけど、これ1枚で勝負が決まることも多いね」


2話でした。本作の過労死枠のエッジインプ・シザー君、1回目の射出。今後もミニマム・ガッツの弾や融合素材として活躍していってくれるでしょう。

それではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。

……次回はようやく彼女の出番です!
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