遊戯王GX ふたりぼっちの僕たちは   作:未OCGのアルカナフォース達に未来を!

26 / 43
こちらは前回の続きです。是非前回をお読みいただいてからこちらも読んでいただけると嬉しいです。


25話 三幻魔復活!(2) 降雷、命を打ち砕き

「ふはははっ!これが【神炎皇ウリア】だ!【ウリア】の効果を発動!1ターンに1度、相手のセットされた魔法・罠カードを破壊する!トラップディストラクション!」

 

 ウリアがその口から炎を吐き出し、遊城君のセットカードを燃やしていく。

 

「何だって!?……だけど、俺のセットした【ヒーローバリア】は発動タイミングを問わないカードだ!」

 

 遊城君が発動させようとしたのだろう。セットされたカードが起き上がるが、その効果を発揮することなく消えていく。

 

「なっ……!?」

「愚か者めが!【ウリア】の効果に対して魔法・罠カードを発動することは出来ない!」

 

 反撃を許さない、三幻魔の圧倒的な力。

 

「さぁ行け【ウリア】よ!【ランパートガンナー】を攻撃だ!ハイパーブレイズ!」

 

 ランパートガンナーは炎を操るヒーロー。しかし普段使っている炎とは火力が違う。その耐熱性に長けた鎧すら、ウリアの前には無力。

 

「うわぁぁぁっ!!」

「きゃぁぁぁっ!?」

 

LP4000→3000

 

 体が熱い。ランパートガンナーと同じように、炎に焼かれているような感覚。

 

「何よ、これ……」

「ククク、儂は永続魔法【補給部隊】を発動し、ターンエンドだ」

 

LP7500→8000

 

 

影丸 LP8000 手札0

モンスター:神炎皇ウリア

魔法・罠:魔法吸収 補充部隊 補給部隊

 

 

「わ、私の、ターン」

 

 カードを引こうとした手が震える。

 ……怖い。

 あのモンスターが、怖い。あの瞳で見つめられる度に、自分がもう既に焼き付くされた灰なのではないか、そんな錯覚を覚える。

 

「……ドロー!」

 

強欲なカケラ(1)

 

 あのモンスターが恐ろしくて、考えが纏まらない。何を、どうすれば良いのか。次のターンを凌げるのか、いや、そもそも、何を発動すれば……?

 

「落ち着けよ、星見」

「……遊城君」

 

 震えが止まらない私に声がかけられる。遊城君はウリアを向いたまま、笑って言う。

 

「俺達、あの大徳寺先生だって倒したんだぜ?俺達なら大丈夫さ」

「……ふふ、そうかもね。ありがとう、遊城君」

 

 ……うん。まだ怖くて怖くてたまらない。それでも頭はまだ回る。何をすれば良いかは、分かる。

 

「このターンで倒してあげるわ!【神炎皇ウリア】!」

「ふははは!冗談を言うな!」

「冗談かどうか、その目で確かめてよね!私は速攻魔法【光神化】を発動!このカードは手札の天使族モンスターを、攻撃力を半分にして特殊召喚するわ!来て、至高の天才!【幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト】!」

 

 私の目の前に光が溢れ、類稀なる才能を持つ音姫が現れる。

 その体は淡い光を湛えてはいるが、半透明でありすぐに消え去ってしまいそうだ。

 

攻2600→1300

 

「【プロディジー・モーツァルト】の効果発動!手札から天使族・光属性モンスターを特殊召喚できるわ!来て、【幻奏の音女タムタム】!」

 

 大きな銅鑼を携えた少女が私のフィールドに現れる。

 

「【タムタム】が特殊召喚に成功し、私のフィールドに【幻奏】と名のつくモンスターが存在するとき、デッキから【融合】を手札に加えるわ。私は、ルール上【融合】として扱うカード、【置換融合】を手札に加えるわ」

 

 タムタムがその銅鑼を鳴らすと、フィールドに赤と青の渦が現れる。

 

「【置換融合】を発動!このカードはフィールドの融合素材モンスターを融合させるわ!【プロディジー・モーツァルト】と【タムタム】を融合!」

 

 2人が渦に飲まれ、新たな姿へと生まれ変わる。

 光神化で呼び出したモンスターはターンの終わりに破壊されてしまうけど、融合素材にしてしまえば問題はない!

 

「今こそ舞台へ、融合召喚!来て、【幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト】!」

 

 鋭い指揮棒で空間を切り裂き、渦の中からマイスタリン・シューベルトが現れる。

 

攻2400

 

「融合召喚か……しかしここまでの魔法カード発動で、儂のライフは回復している!」

 

LP8000→8500→9000

 

「くっ……でも、すぐに取り返すわ!【マイスタリン・シューベルト】で【神炎皇ウリア】を攻撃!」

 

 自分に斬りかかる小さなモンスターに、ウリアは反撃の体勢を取る。

 

「何!?しかし攻撃力はウリアの方が上……!」

「そうかな?【幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト】の効果を発動!お互いの墓地のカードを3枚まで除外し、その枚数1枚につき攻撃力を200ポイントアップさせる!コーラスブレイク!」

 

 理事長先生の墓地から3枚の永続罠カードを除外させる。

 炎を灯す燃料を失い、ウリアの攻撃力はもとに戻る!

 

「くっ、墓地に手をつけられたか……!」

 

ウリア攻3000→0

シューベルト攻2400→3000

 

「攻撃力が逆転したんだなぁ!」

「流石シニョーラ星見ナノーネ!」

 

 シューベルトが指揮棒を構え、ウリアの胴体を貫いた。

 

「ぐ、ぐわぁぁっ!!」

 

LP9000→6000

 

「ぐぅ……しかしウリアが破壊されダメージを受けた事で、【補給部隊】と【補充部隊】の効果が発動。儂は4枚のカードをドローする!」

 

 理事長先生の手札が一気に増えてしまったけど、これで回復された分をある程度削ることができた。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド。【融合再生機構】の効果で【モーツァルト】を手札に戻すわ」

 

 

十代達 LP3000 深月手札3 十代手札1

モンスター:幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト

魔法・罠:強欲なカケラ セット 融合再生機構

 

 

「儂のターン、ドロー!……ククク、まさか【ウリア】がこうも容易く打ち破られるとは……儂の想像以上だ。だがしかし、幻魔は3体存在している!」

 

 理事長の機械が掲げたカードから、凄まじいプレッシャーを感じる。

 

「……まさか!」

「そのまさかだとも!儂は3枚の永続魔法を生け贄とし、2体目の幻魔を召喚させる!」

 

 発動していた3枚の永続魔法が、水晶へと変わり砕け散る。

 そして理事長の後ろから水晶の柱が現れ、その中からラーの翼神竜を思わせる黄金のモンスターが現れる。

 

「愚か者共に裁きの雷を!【降雷皇ハモン】!」

 

 雷を操る第2の幻魔。その巨躯を見上げる度に立ちくらみがしてくる。

 

攻4000

 

「攻撃力、4000だって……?」

「ウリアとは違って、元々のステータスで戦うモンスターなのね……」

「さぁ行け【ハモン】よ!【マイスタリン・シューベルト】を攻撃!失楽の霹靂!」

 

 ハモンの放つ電撃がシューベルトを襲う。

 

「っ!リバースカードオープン!【スピリットバリア】!私のフィールドにモンスターがいる限り、私は戦闘ダメージを受けないわ!」

 

 電撃によって発生した衝撃波が私達にも降りかかるが、それは私の前に現れたバリアに防がれる。

 しかし、

 

「きゃぁあぁっ!?」

 

LP3000→2000

 

 突如私に向け雷が落ちてくる。体が痺れて、立っているのもやっとだ。

 

「なん、で……ダメージが……?」

「それこそが【ハモン】の効果だ!【ハモン】は戦闘で相手を破壊したとき、1000ポイントのダメージを与える!」

「じゃ、じゃあ【スピリットバリア】じゃ、ダメージを完全にカット出来ないって事かよ!」

「そうとも!神にも等しい力を持つ幻魔に、姑息な手段など無意味なのだ!」

 

 ……いや、無意味なんかじゃない。私はこのターン受けるはずだったダメージを半分まで抑えられた。それにハモンが戦闘破壊を介してでしかダメージを与えられないなら、アリアの効果で時間を稼ぐことだってできる。

 

「カードを3枚セットしターンエンドだ」

 

 

影丸 LP6000 手札1

モンスター:降雷皇ハモン

魔法・罠:セット セット セット

 

 

「行くぜ、俺のターンだ!ドロー!」

 

強欲なカケラ(2)

 

 遊城君がドローした事によって、強欲なカケラのカウンターが溜まる。

 

「行くぜ、【強欲なカケラ】の効果を発動!このカードを墓地へ送り、2枚ドローする!」

「手札増強ッスね!アニキ!」

 

 遊城君がドローしたカードを見て呟く。

 

「……これは、星見がくれたカード。【賢者の石-サバティエル】……このカードは、どうやって使えばいいんだ?」

 

 遊城君がドローしたカードを見て頭をかしげていると、猫の鳴き声が聞こえてきた。

 

「ニャーン!」

「ファラオ!?」

「何でここにいるのよ?」

 

 ファラオは何やらふわふわと浮いている光の玉を追いかけてきている。

 人魂?幽霊?そんなことを思いながらその玉を見ていると、それが私たちに語りかけてきた。

 

『十代君、深月君、聞こえるかな?』

「「大徳寺先生!?」」

『その通りだ』

「だ、大徳寺先生、あんた、死んだはずじゃ……」

『と、とにかく今は時間がない!よく聞いてくれ。その賢者の石は、ライフポイント半分をコストとして、君達のイマジネーションの力から、今もっとも欲しいカードへと姿を変えるんだ』

 

 3枚、3つの奇跡。そんな言葉がエメラルド・タブレットに書かれていたはず。

 

「じゃあ、このカードの効果こそが奇跡?」

『そうだ。このカードは1枚につき1つ持ち主の願いを叶え、3つの願いが叶ったとき、その真の力を発揮する』

 

 ……じゃあ、このカードを3枚発動させれば、遊陽を……。

 

『このカードの真の力を使えば、三幻魔を退けることも可能だ。だけど真の奇跡は1回きり。最後の願いを叶えたとき、このカードは消えてしまう』

「……そんな。じゃ、じゃあ、このカードを使えば幻魔を倒せるけど、遊陽を助けられないってこと……?」

『……そうだ』

「そんな……」

 

 世界の危機と、遊陽が天秤に掛かっている。

 遊陽の事を助けられる。また彼と一緒に生きていける。そう、思えていたのに。

 

『すまない。……だけど、もし君たちがその真の力に頼らずとも三幻魔を撃破できれば……うわぁっ、ニャァ!?』

 

 光の玉がファラオに捕まり、飲み込まれる。

 

「お、おいファラオ!?」

「ニャッ!」

 

 そのままファラオは満足げに去っていく。大徳寺先生……ファラオが飲み込んだせいで成仏出来なかったのかな。

 

「ククク……世界を救うか、大切な人を救うか……か。どうだ星見深月。貴様らが負けるように行動すれば、三幻魔の力で遊陽を戻してやってもいいぞ?」

「――っ!」

 

 人工呼吸器に隠されて見えない理事長の口が、ニヤリと笑った気がした。

 

「み、深月……?」

 

 明日香が私の様子を見て、心配そうに名前を呼ぶ。

 

「もちろんお前の命も助けてやろう。犠牲になるのは遊城十代、お前だけだ」

「何だって!?」

「……わたし、私……は……」

 

 サレンダーは出来ない。でも、自爆攻撃だったり、なにも行動しないことでわざと負けることならできる。そうすれば、遊陽を助けてくれる……。

 1体は倒した。もう1体はまだだけど、時間稼ぎならできるし、ステータスが高いだけなら倒すこともできる。

 でも、最後の1体は?

 1体でも強大な三幻魔の、最後の1体。賢者の石の真の力がどんなものかは分からないけど、それを使わずに倒すことができる相手なの……?

 今まで忘れていた不安と焦りが頭の中で渦を巻き、思考を掻き乱す。

 

「星見君……」

「シニョーラ星見……」

 

 もう一度、遊陽に会いたい。

 そうだ。元々遊陽はそうするつもりだったじゃないか。三幻魔の力によって世界を支配して、私を生き残らせて……。

 

「……お断りよ、理事長先生」

 

 全員の安堵する吐息が聞こえてくる。

 

「ここにいる皆は、私の大切な友達よ!遊城君も含めてね!」

 

 私には、遊陽1人が居ればいい。そう思ってた。でも、この学園で1年間すごして、明日香にジュンコ、ももえみたいな友達も沢山できて、皆を守りたいって思えるようになった。

 そう。私は、私達はもうふたりぼっちじゃない。

 

「それに、遊陽を助けるつもりなんて、無いんでしょ?」

「何……?」

「遊陽が教えてくれたわ。その三幻魔の力の源はデュエルモンスターズの精霊!遊陽も例外なくその餌にされる。あなたに従って遊陽の居ない世界で生きるくらいなら、ここで死んだ方がマシよ!」

「ほう……後悔するなよ?」

「残念だったな理事長!それじゃあ行くぜ?俺は【E・HERO クレイマン】を召喚!」

 

 遊城君のフィールドに、1ターン目に回収されたヒーローが現れる。

 

守2000

 

「さらに魔法カード【馬の骨の対価】を発動!自分フィールド上の効果を持たないモンスターを墓地へ送って、2枚ドローできるぜ!」

 

 遊城君がこのターンにドローしたカードは5枚。遊城君は満足げに笑う。

 

「よっしゃあ!行くぜ、俺のヒーロー達!」

 

LP2000→1000

 

 ライフポイント半分が支払われる。遊城君が賢者の石の効果を発動させたのだ。

 

「行くぜ!これが最初の奇跡!魔法カード【融合回収】を発動!墓地から【融合】と【バーストレディ】を手札に戻すぜ。そしてそのまま【融合】を発動!」

 

 手札に戻ったバーストレディとフェザーマンが現れ、融合する。

 

「来い!マイフェイバリットヒーロー、【E・HERO フレイム・ウィングマン】!」

 

 炎と風を纏いながら、遊城君の一番のお気にいりモンスターが現れる。

 

攻2100

 

「さらに【融合再生機構】の効果を発動!手札の【バブルマン】を捨てて、墓地から【融合】を回収するぜ!」

「いっけーアニキ!頑張れー!」

 

 また融合を手札に加えた遊城君。やっぱり彼のデュエルの実力はすごい。私が居ない方が簡単に勝っていたかもしれない、なんて思うほどには。

 

「行くぜ!【融合】発動!【フレイム・ウィングマン】と、手札の【スパークマン】を融合する!」

 

 渦の中から光が溢れ出す。

 

「来い!【E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン】!」

 

 光輝く鎧をまとったフレイム・ウィングマン。遊陽を倒したカードと考えると複雑だけど、今はその背中が頼もしく見える。

 

攻2500

 

「【シャイニング・フレア・ウィングマン】の攻撃力は、墓地の【E・HERO】1体につき300ポイントアップするぜ!」

 

 墓地にいるヒーローはバーストレディ、フェザーマン、フレイム・ウィングマン、バブルマン、クレイマン、ランパートガンナーの6体!

 

攻2500→4300

 

「【ハモン】の攻撃力を上回っただと……!?」

「さぁ行くぜ!【シャイニング・フレア・ウィングマン】で【降雷皇ハモン】を攻撃!究極の光を放て、シャイニング・シュート!」

 

 シャイニング・フレア・ウィングマンは空へと飛び立ち、その体から溢れる光は太陽の様に暗雲に包まれたデュエルフィールドを照らす。

 そのまま拳を構えて急降下し、ハモンの体を頭から一直線に貫く。

 

「くっ……」

 

LP6000→5700

 

「そして【シャイニング・フレア・ウィングマン】がモンスターを戦闘破壊したとき、その攻撃力分のダメージを与える!」

 

 シャイニング・フレア・ウィングマンは生命装置の前に立ち、強烈な光を放つ。

 

「ぐぁぁぁっ……!」

 

LP5700→1700

 

「よっしゃあ!2体目の幻魔、撃破ぁ!」

 

 2体の幻魔を撃破し、私達は勢いづく。

 しかし私達を見る理事長の瞳は、未だ闘志の炎に燃えていた。




~カード紹介のコーナー~

降雷皇ハモン
効果/星10/光属性/雷族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。自分フィールドの表側表示の永続魔法カード3枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。相手に1000ダメージを与える。


2体目の三幻魔、ハモンさんですね。ワールドチャンピオンシップっていうDSのゲームがあったんですけどね、その中でラモンっていうゲストキャラが宝玉獣と一緒にハモンさんを使ってきてビビりましたね。伝説って?
ウリアとは違いコストが永続魔法なので手札が揃えばすぐに出せるのは良いですね。
戦闘破壊した際のダメージも大きめで、いざというときは仲間も守れます。
除去効果は防げませんがね。


2体の幻魔を撃破し、勢いに乗る2人。しかし影丸はついに最強の幻魔を召喚し、十代のエースモンスターを軽々と打ち倒す。そして3つの奇跡が叶うとき、賢者の石がその光を増す。
次回、「三幻魔復活!(3) 幻魔、世界を蹂躙す」


ついにいよいよラビエルさんの出番ですよ皆さん。効果自体はちょっと弱めだと思いますが手札にさえいれば一番出しやすいのかも?
それではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。
ではではー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。