遊戯王GX ふたりぼっちの僕たちは   作:未OCGのアルカナフォース達に未来を!

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1人と独り


7話 ひとりとひとり

「……ここはお城かな?」

「凄いでしょー」

「実物を見るのは初めてだよ。ここに来る機会は無かったしね」

 

 僕と深月が立っているのは、オベリスクブルー寮の前。

 目の前に建っているのは城と見紛うほど立派な建物だ。

 

「ラーイエローでも十分だったのに、ここまで来ると流石にオーバーかな……」

「まぁ、そうよね。私もまだ馴れないわ」

「……それじゃあ、自分の部屋にいってくるね」

「うん。外で待ってるから」

 

 深月と別れ、男子寮の自分の部屋へ。

 空き部屋があった様で、僕の使う部屋は万丈目君が使っていた部屋とは別のものだ。

 

「広いなぁ……」

 

 備えつきのテレビや空調、椅子や机その他もろもろ。全てが一級品であることが分かる。少なくとも学生への待遇では無い。

 

「これに慣れちゃうと、卒業するのが怖そうだなぁ……」

 

 そう思ってしまうほどに設備が整いすぎていた。

 僕はとりあえず鞄を置き、デュエルディスクとデッキだけを持って深月の待つ外へと向かう。

 その途中、前から3人組の男子生徒が現れた。

 

「鏡泉君」

「やぁ、黒野君!まずはブルー寮への昇格おめでとうと言っておこう!」

「ありがとう」

 

 相も変わらず芝居がかった口調だけど、それでも嘘をついているようには見えない。

 

「流石鏡泉さんに勝っただけはあるっすね!」

「……祝福する」

「2人もありがとう」

 

 万丈目君の取り巻きは万丈目君が負けた後、彼を見放していったらしいが、2人はそういうことはしていない様だ。まぁオシリスレッドかラーイエローかって違いはあるのかもしれないけど。

 

「次の実技授業でこそ、ボクは君に勝利して見せる!首を洗って待っていたまえ!」

 

 ハッハッハ!と大声で笑いながら去っていく。

 あの実技授業でのデュエルが悔しかったのか、度々ボクにデュエルを挑んできていた。

 勝つのは僕だけど、段々とハンデスで狙い撃って来るカードがキツくなってきているから、僕が負けるのは時間の問題かもしれない。

 彼のデッキは性質上、相手のデッキを知れば知るほど強くなっていくからなぁ……。

 そんな事を考えながら寮を出ると、深月が壁にもたれ掛かりながら待っていた。

 

「お待たせ深月」

「ぜんぜん!それじゃ、さっそくデュエルしようか!」

「そうくると思ってたよ」

 

 そのためにデッキとディスクを用意したのだ。

 

「じゃあ、ちょっと着いてきて」

 

 深月に手を引かれ、アカデミアの校舎へと入っていく。到着したのは、万丈目君とも戦ったデュエルフィールドだ。

 

「ここは……」

「デュエルフィールド。使われてないときは、申請さえすれば誰でも使っていいんですって」

「申請はしたの?」

「勿論よ!」

 

 僕らは互いのデッキを交換し、シャッフルした後返す。

 

「そういえば、ここに来てから遊陽とデュエルするのは初めてね」

「確かにそうかも。……主に鏡泉君が何度も勝負を挑んできたからだけど……」

「あはは、面白いわよね、彼」

 

 デュエルフィールドの両端に立ち、構える。

 

「それじゃあ、始めようか」

「負けないわよ?」

 

「「デュエル!!」」

 

遊陽 VS 深月

 

「僕の先攻、ドロー」

 

 悪くない手札だ。でも相手は深月。油断はできない。

 

「僕は【ファーニマル・ドッグ】を召喚」

 

攻1700

 

「【ドッグ】の効果で、僕はデッキから【エッジインプ・シザー】を手札に加えるよ」

 

 イヌのぬいぐるみは僕のデッキに噛みつき、1枚のカードを引っ張り出してくる。

 

「さらにカードを1枚セット。ターンエンド」

 

 

遊陽 LP4000 手札5

モンスター:ファーニマル・ドッグ

魔法・罠:セット

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

 深月のデッキは、天使族モンスターを大量展開し物量で押しきるデッキ。強固な耐性を持つモンスターが多く、僕のデッキとの相性は良くない。

 

「私は【ジェルエンデュオ】を召喚するわ!」

 

 深月の真上に空いた雲の輪っかから、2人1組の天使が舞い降りる。

 

攻1700

 

「バトル!【ジェルエンデュオ】で【ファーニマル・ドッグ】に攻撃!」

「攻撃力は同じ。だけど……」

「【ジェルエンデュオ】は戦闘では破壊されない。破壊されるのは遊陽の【ファーニマル・ドッグ】だけよ!」

 

 ファーニマル・ドッグはジェルエンデュオに噛みつこうとするが、その直前に現れたバリアに寄って攻撃を防がれ、そのまま放たれた光線を受け破壊される。

 

「っ、リバースカードオープン!【ファーニマル・クレーン】!破壊された【ドッグ】を手札に戻し、1枚ドローするよ」

「て、手札が増えてく……私はカードを1枚セット。ターンエンドよ」

 

 

深月 LP4000 手札4

モンスター:ジェルエンデュオ

魔法・罠:セット

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 ジェルエンデュオは戦闘では破壊されず、天使族かつ光属性モンスターを生け贄召喚する際2体分の生け贄とすることが出来るモンスター。だけどコントローラーがダメージを受けると自壊するデメリットを持っている。つまり攻撃表示であれば、戦闘耐性は無いも同然。

 

「僕は魔法カード【融合徴兵】を発動。【デストーイ・シザー・ベアー】を見せ、【ファーニマル・ベア】を手札に加えるよ。そして魔法カード【融合】を発動!」

「来るわね、遊陽のエースモンスター!」

 

 僕のフィールドに現れる桃色のクマとハサミが、1つに融け合い新たな姿へと変わる。

 

「全てを切り裂け、戦慄のケダモノ!おいで、【デストーイ・シザー・ベアー】!」

 

 体中からハサミが飛び出したクマのぬいぐるみが現れる。口のなかにある赤く光る2つの眼が、ジェルエンデュオを睨み付けた。

 ジェルエンデュオが自壊したとしても戦闘破壊した扱いではないから、シザー・ベアーの装備にすることはできないのが残念だ。

 

攻2200

 

「さらにまた、【ファーニマル・ドッグ】を召喚するよ。今回手札に加えるのは、【ファーニマル・ラビット】だよ」

「早いところ決着をつけないと手札がどんどん潤って行くわね」

「サーチカードは沢山入れているからね。さて、バトルだよ。【デストーイ・シザー・ベアー】で【ジェルエンデュオ】を攻撃!」

 

 シザー・ベアーの腹部のハサミが巨大化し、ジェルエンデュオを挟み込む。

 

「させないわ!リバースカードオープン、【光子化(フォトナイズ)】!相手モンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分光属性モンスター1体の攻撃力をアップさせる!」

 

 シザー・ベアーの体から光が溢れだし、ジェルエンデュオがそれを吸収し巨大化する。

 

攻1700→3900

 

「攻撃力3900……」

「攻撃力がアップするのは次の私のエンドフェイズまでよ」

 

 それでも次のターン、シザー・ベアーの破壊は免れないだろう。

 

「僕はこれでターンエンドだよ」

 

 

遊陽 LP4000 手札5

モンスター:デストーイ・シザー・ベアー ファーニマル・ドッグ

魔法・罠:無し

 

 

「私のターン、ドロー!……うん、良いカードね!まずはバトルよ。【ジェルエンデュオ】で【デストーイ・シザー・ベアー】を攻撃!デュオ・ゴスペル!」

 

 2体の歌声がデストーイ・シザー・ベアーを襲い、破壊する。

 

「くっ……」

 

LP4000→2300

 

「そしてバトルを終了。私は【ジェルエンデュオ】の効果を発動し、2体分の生け贄とすることで、手札からモンスターを生け贄召喚するわ!」

 

 ジェルエンデュオは僕に手を振りながら雲の輪っかの中へと吸い込まれていき、代わりに新しい天使が降りてくる。

 

「いでよ、至高の天才!【幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト】!」

 

 深月のデッキのエースモンスター。攻撃力は低く、効果も相手フィールドに影響を与えるものではない。

 

攻2600

 

 でもその効果は強力だ。なぜなら彼女のデッキは、大量展開を行う幻奏デッキ。特殊召喚されたことにより様々な効果を発揮するモンスターが目白押しだ。中でも一番厄介なのは……。

 

「私は【プロディジー・モーツァルト】の効果を発動。手札から光属性の天使族モンスターを1体特殊召喚するわ!来て、【幻奏の音女アリア】!」

 

 モーツァルトの音色によって、新たなる幻奏の少女が呼び出される。

 

守1200

 

 ……そう。これが一番厄介な幻奏のモンスター。

 

「特殊召喚した【アリア】がフィールドにいる限り、私の【幻奏】と名のつくモンスターは戦闘では破壊されず、効果の対象にもならないわ!」

 

 この効果が強力なのだ。シザー・ベアーの攻撃力は戦闘破壊を介して強化されるが、アリアの影響下ではそれができない。かといってホイールソウ・ライオによる効果破壊を狙っても、その効果の発動には相手モンスターを対象に取る必要があるためこれも出来ない。

 つまり僕のデッキに、今の深月のフィールドを処理できるカードはほとんど無いのだ。

 

「ついに来ちゃったか……」

「遊陽のデッキがこの子に弱いのは知ってるわよ!ターンエンド!」

 

 

深月 LP4000 手札3

モンスター:プロディジー・モーツァルト アリア

魔法・罠:無し

 

 

「僕のターン」

 

 さて、時間を稼ぐために守りを固めるべきか。

 

「ドロー!」

 

 ……うん。このカードはアリアを処理できる数少ないカードだ。だけどこのままでは発動出来ないだろう。このカードを発動するには、深月が幻奏以外のモンスターで攻撃してくる必要がある。

 

「僕は【融合回収】を発動。墓地の【融合】と【ファーニマル・ベア】を手札に戻すよ」

「また来るのね、融合!」

「うん。【融合】を発動!手札の【エッジインプ・チェーン】とフィールドの【ファーニマル・ドッグ】で融合!全てを縛れ、沈黙のケダモノ!おいで、【デストーイ・チェーン・シープ】!」

 

 キリキリと鎖が音をたてる。ハムの様に縛られたヒツジのぬいぐるみが、ケタケタと不気味な笑い声をあげる。

 

守2000

 

「融合素材となった【エッジインプ・チェーン】の効果で、【デストーイ・ファクトリー】を手札に加え、発動するよ」

 

 物々しいベルトコンベアやクレーンの揃った、魔玩具生産工場(デストーイ・ファクトリー)が僕の背後に現れる。

 

「このカードは1ターンに1度、墓地の【融合】または【フュージョン】と名のつく魔法カードをゲームから除外し、【デストーイ】と名のつく融合モンスターを融合召喚出来る」

「永続魔法……毎ターン融合してくるつもりね」

「まぁ、そういうデッキだからね。僕は【融合徴兵】を除外し、手札の2枚目の【エッジインプ・チェーン】と【ファーニマル・ラビット】を融合!おいで、【デストーイ・チェーン・シープ】!」

 

 僕のフィールドにもう1体のチェーン・シープが現れた。

 

守2000

 

「【ファーニマル・ラビット】が融合素材として墓地へ送られたとき、墓地の【ファーニマル】と名のつくモンスターを手札に戻せるよ。僕は【ファーニマル・ドッグ】を回収。カードを1枚セット。ターンエンドだよ」

 

 

遊陽 LP2300 手札3

モンスター:チェーン・シープ チェーン・シープ

魔法・罠:デストーイ・ファクトリー セット

 

 

「私のターンね、ドロー!」

 

 深月のフィールドにはモーツァルトがいる。おそらくこのターンで大量展開してくる筈だ。

 

「まずは【アリア】を攻撃表示に変更するわ」

 

守1200→攻1600

 

「よし!私は【プロディジー・モーツァルト】の効果を発動!手札からモンスターを特殊召喚するわ!来て、【幻奏の音姫ローリイット・フランソワ】!」

 

 モーツァルトの音色に惹かれ、さらなる最上級モンスターが現れる。

 

攻2300

 

「【ローリイット・フランソワ】の効果を発動!1ターンに1度、墓地の天使族・光属性モンスター1体を手札に戻すわ。戻ってきて、【ジェルエンデュオ】」

 

 ……よし。きっと深月はジェルエンデュオを召喚してくるはず。そうすれば万が一モーツァルトが撃破されても、フランソワで回収し、ジェルエンデュオを生け贄に再び召喚出来るからだ。

 

「そして私は、手札に加えた【ジェルエンデュオ】を召喚するわ!」

 

攻1700

 

「さらに手札の【幻奏の音女ソナタ】は、自分フィールド上に【幻奏】と名のつくモンスターが存在するとき、手札から特殊召喚出来るわ!」

 

 綺麗な歌を口ずさみながら、4人目の音女が降臨する。

 

攻1200

 

 これで深月のフィールドには5体のモンスター。相も変わらず凄まじい展開能力だ。

 

「そして特殊召喚された【ソナタ】は、自分フィールド上の天使族モンスター全ての攻撃力・守備力を500ポイントアップさせるわ!」

 

モーツァルト攻2600→3100

アリア攻1600→2100

フランソワ攻2300→2800

ジェルエンデュオ攻1700→2200

ソナタ攻1200→1700

 

 1体1体の上昇幅が少なくても、数が揃えばその効果は単純に5倍だ。

 深月のフィールドの総攻撃力は2500ポイント……最上級モンスター1体分並みの強化がなされた。

 

「さぁ、一斉攻撃よ!【アリア】で【デストーイ・チェーン・シープ】を攻撃!」

 

 アリアの歌声が、ヒツジの体を内部から破壊していく。

 

「っ、【デストーイ・チェーン・シープ】は1ターンに1度、破壊されても攻撃力を800アップさせて蘇る!デストーイ・バックアップ!」

 

攻2000→2800

 

「でもそれで、このターン【チェーン・シープ】の蘇生効果は発動できないわ!」

 

 そう。デストーイ・チェーン・シープの自己再生能力は、カード名で回数を共有する。つまり1度自己再生を行った今、もう1体のチェーン・シープは自己再生能力を発動できないのだ。

 

「続けて、【ジェルエンデュオ】で守備表示の【チェーン・シープ】を攻撃するわ!」

「それを待っていたよ!リバースカードオープン、【びっくり箱】!攻撃してきたモンスター1体を対象として発動!その攻撃を無効にした上で相手モンスター1体を選んで(・ ・ ・)墓地へ送り、そのステータスの高い方の数値分攻撃力をダウンさせる!」

「っ!【アリア】の効果で守られているのは【幻奏】と名のつくモンスターのみ。【ジェルエンデュオ】なら対象にすることが出来る。そして……」

「【びっくり箱】の墓地へ送る効果は、対象をとらない効果。【幻奏の音女アリア】にも有効だよ!」

 

 意気揚々と攻撃を仕掛けようとしたジェルエンデュオの目の前で、プレゼントボックスが爆発する。ジェルエンデュオが放とうとした光線はあらぬ方向へ――アリアへ向けて飛んでいき、その体を貫く。

 フレンドリーファイヤを行ってしまったジェルエンデュオは意気消沈してしまい、攻撃力を下げる。

 

攻2200→600

 

「【アリア】が!……やってくれたわね!【フランソワ】で守備表示の【チェーン・シープ】を攻撃!」

 

 チェーン・シープは無抵抗に破壊される。そしてその鎖が巻き戻されることは無かった。

 

「続けて、【モーツァルト】で【チェーン・シープ】を攻撃!グレイスフルウェーブ!」

 

 モーツァルトの奏でる音圧がチェーン・シープを押し潰す。

 

「くっ……」

 

LP2300→2000

 

「最後に、【幻奏の音女ソナタ】で直接攻撃よ!」

 

「うわぁっ!」

 

LP2000→300

 

 僕のライフは風前の灯だ。なんとあのワイトの攻撃でライフが尽きる。

 ……火の粉には耐える。

 

「~~っ!あとちょっとだったのに!ターンエンドよ」

 

 

深月 LP4000 手札2

モンスター:モーツァルト フランソワ ジェルエンデュオ ソナタ

魔法・罠:無し

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

 ……もう僕の戦法を妨害するアリアはいない。後は必要なカードを引き当てるだけだ。

 

「僕は魔法カード【魔玩具補綴】を発動!デッキから【エッジインプ・ソウ】と【融合】を手札に加える。そして【エッジインプ・ソウ】を召喚!」

 

 僕の前に現れるのはカミソリにも似た姿を持つエッジインプ。

 

守1000

 

「【エッジインプ・ソウ】の召喚に成功したとき、手札の【ファーニマル】を1体捨て、2枚ドロー出来る!僕が捨てるのは【ファーニマル・ベア】だよ」

 

 来た!この勝負貰ったよ、深月!

 

「そして手札から1枚、デッキの一番上か下に戻す」

 

 僕のフィールドにはデストーイを融合できるデストーイ・ファクトリーがあるから、融合には今用は無い。僕は融合をデッキの一番下に戻した。

 

「手札を入れ替えたわね」

「サーチとサルベージが多いから、どうしても手札が固まっちゃうんだよね。でもお陰で良いカードがドローできたよ」

「やるわね……」

「僕は【デストーイ・ファクトリー】の効果を発動。墓地から【融合回収】を除外し、フィールドの【エッジインプ・ソウ】と手札の【ファーニマル・ドッグ】を融合!全てを引き裂け、狂乱のケダモノ!おいで、【デストーイ・ホイールソウ・ライオ】!」

 

 ノコギリに引き裂かれたイヌのぬいぐるみは縫い直され、ライオンのぬいぐるみへと生まれ変わる。

 

攻2400

 

「【アリア】が居なくなった今、深月のフィールドのモンスターはカード効果の対象とすることが可能。【ホイールソウ・ライオ】は1ターンに1度、相手モンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」

 

 狙うのは当然元々の攻撃力がもっとも高いモーツァルトだ。

 

「僕は【モーツァルト】を対象として効果を発動!その元々の攻撃力……2600ポイントのダメージだ!ジェノサイド・ソウ・アドバンス!」

 

 ホイールソウ・ライオのタテガミから無数の刃が放たれる。

 

「きゃあっ!?」

 

LP4000→1400

 

「さらに深月がダメージを受けたことで、【ジェルエンデュオ】は自壊する!」

 

 ジェルエンデュオ達はダメージを受けた深月を心配しながらもパニックを起こしてフィールドを走り回り、お互いの頭をぶつけて破壊された。

 

「そして魔法カード【デストーイ・リニッチ】を発動。墓地の【デストーイ】と名のつくモンスターを特殊召喚する!おいで、【デストーイ・シザー・ベアー】!」

 

 周囲に大量の綿が現れる。それは僕の目の前で集合し、もう一度クマのぬいぐるみの姿を取る。

 

攻2200

 

「さぁ、バトルだ!【デストーイ・シザー・ベアー】で【幻奏の音女ソナタ】を攻撃!モンスターイート!」

 

 シザー・ベアーがソナタを丸のみにしようと、その体を持ち上げる。

 

「さらに手札を1枚捨て、速攻魔法【アクションマジック-ダブル・バンキング】を発動!このターン自分のモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、続けて攻撃を行うことが出来る!」

「……あっ」

 

 頭の中でライフを計算したのだろう。深月が悟ったような表情になり天井を見上げる。

 シザー・ベアーはソナタを飲み込み、成長する。

 

LP1400→900

攻2200→3200

 

「そして【ソナタ】を失った事で、【ローリイット・フランソワ】の攻撃力は元に戻る!」

 

攻2800→2300

 

「2回目の攻撃!【デストーイ・シザー・ベアー】で【幻奏の音姫ローリイット・フランソワ】を攻撃!」

 

 巨大化したクマは両腕でローリイット・フランソワを締めつけ、腹部のハサミで切り裂いた。

 

「っ、つ、次は負けないんだから~っ!」

 

LP900→0

 

 深月のライフが0になり、デュエルが終わる。

 

「くぅーっ!後300ポイントだったのに!」

「いやぁ、あの時はどうしようかと思ったよ」

 

 深月との戦績は五分五分と言うところだ。だからこそアカデミアでの初戦で勝利できたのはすごく嬉しい。

 

「やっぱり遊陽は強いわね。私も融合とか使ってみようかしら」

「……!それなら、是非これを使ってよ」

 

 確か深月は融合のカードを持っていなかったはず。僕はデッキから融合を1枚取り出し、深月に渡す。

 

「え、いやいや!これじゃ遊陽がデュエルできなくなっちゃうわ!」

「あぁ、それは大丈夫だよ。融合モンスターが多く入ってるパックを買ってるから、融合そのものも沢山持ってるんだ」

「そ、そうなの?それじゃ、貰っておくわね」

 

 えへへ、なんて少し照れた表情で深月は融合のカードを見つめた。

 

「あ、それなら私もお返し!」

 

 深月はデッキケースの中から、1枚のカードを取り出した。

 

「この間偶然パックで当たったの。遊陽って光属性のパックは買わないでしょ?」

「これは……光属性のファーニマルモンスターだ。へぇ、ファーニマルって地属性以外にもいたんだね」

「カードの数が多すぎて、調べても出てこないことあるわよね」

「そうだね。ありがとう。使わせてもらうよ」

「うん!遊陽も今度、融合召喚のコツとか教えてね!」




「「今回の最強カード!」」

幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト
効果/星8/光属性/天使族/攻2600/守2000
このカードの効果を発動するターン、自分は光属性以外のモンスターを特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
手札から天使族・光属性モンスター1体を特殊召喚する。

「私のデッキのエースモンスターね。条件さえ満たしていれば上級モンスターでもノーコストで特殊召喚出来るわ」
「モーツァルト自身は展開を行う効果しか持っていないけど、呼び出すモンスターによっては強固な布陣が完成するね」
「まぁ、それも今回破られてしまったわね……」


何だこいつらイチャイチャしやがって。
と言うわけで7話でした。ブルーになって最初の相手は深月と決めていたので、ここまで書けて良かったです(最終回じゃないですよ?)
それではまた次回以降もお読みいただけると嬉しいです。
ではではー。
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