ただ青い春を想う   作:畑の蝸牛

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久しぶり、どうしたんだよ。

電話が鳴った。会社か?・・・いいや。休みの日にかけてくるような無粋はすまい。つーか働きすぎだから休めと言われた休日だ。電話をかけてくるのはKYでしょ。じゃあ、まぁ、会社からでは無いとして。いったいぜんたい地球上の誰が俺の携帯に電話なんかしてくるんだ。えーーーと、俺の電話番号を知ってるのなんか限られてるよな。あ、そうか間違い電話。そうじゃないとこんな微妙な時間からかけてこないよなー。よし出よう。3コール鳴らして切らないのは、相当の頑固だぞ・・・で、表示は?

「黒崎」

・・・・・・間違いでは無さそうだな。

「はいもしもし?こちら佐藤の携帯になりますが」

「お、佐藤!ひさしぶり〜!俺だよ俺!分かる!?」

「顔も覚えてない親の友達か詐欺の方ですか」

「あー!それそれ!いかにも佐藤って感じ!対応甘くないんだよな!」

俺の知る限り、黒崎はこんなキャラでは無かったはず。

「え、なに。ストロングゼロでもキメたの?」

「キメちゃいねぇよ!・・・部屋の掃除してたら懐かしくなってよぅ」

えーーー、無駄にクール決め込んでた黒崎くんはどこへ・・・。でもまぁ、なんかのフシに発作的に懐かしくなったりするよな。ちょっとほっこりした。

「とすると、アルバムでも見つけたか?」

「あ、あぁ・・・まぁ、そんなところだな」

妙に歯切れが悪い。最初はテンション爆アゲだったのに。・・・探りいれるか?

「なら。アルバムのフリースペース、見たか?」

「あ、あー!見たよ見た!で、電話番号とかみんなの書いてあってな!それで懐かしくなって、そう1今よ」

「だから電話した、と」

「そうそうそう!・・・・・・そいえば、おまえ今なにしてんの?」

露骨に話題を逸らして来やがった。まぁ、いいけど。別に。

あとから散々無惨に掘り返してやろう。

「会社員」

「いや、そうじゃなくて」

「サラリーマン」

「そうでもなくて!ふつう何の会社やってるかだろ?」

「飲料」

「何の!?」

「くっくく・・・もしかしたら貴様も口にしているかもしれないな・・・」

「こわっ!?」

ついついネタに走ってしまう。黒崎は、あのころと変わらずにボケやすい、ボケをぶつけてもしっかり返してくれる安心感がある。

特に仲間内でツッコミ役に回りやすい俺としては、ありがたい存在だったことを思い出した。

「住所を寄越せば、お中元としてくれてやろう・・・」

「お、おう。期待しとくぜ」

びっくりするだろう黒崎を想像するだけで笑えてくる。さぞかし恐縮しうるだろう。上等な箱で送ってやろう。

「・・・・・・あのさ」

「なんだよ。ようやく本題か?」

「ああ」

なんでバレてんの!?とか、あのころだったら言っていただろうに。いつのまにかいくらか落ち着いてしまったらしい。ちょっと残念。

「あの子がいま、何をしているか知ってるか」

「どの子だよ」

「知ってるだろ?」

「まぁ、言わんとしている人物はわかる。けど、俺は力になれそうもない」

「そうか・・・・・・じゃあな」

「待て、切るな。いつもいつも気が早いんだよ。お前は・・・」

「あ?どういうことだよ」

「知らないことはボクにおまかせ♪と、言えば?」

「羽田か」

ぜったい今、苦い顔をしている。ニヤリと口角が上がるのがわかった。

「羽田がいま働いてる所なら知ってる。そこから先は」

「そっちに聞け、と」

「そういうこと。メアド変えてないよな?」

「あぁ。・・・よろしく」

気が進まなそうな返事。想定通りだけど。

「じゃあ切るぞ」

「またな」

「おう」

電話が切られる。果たして、黒崎はメインターゲットまでたどり着けるんだろうか。是非ともがんばってほしい。馬に蹴られそうな所行だけれど、そういう手順になってんだ。悪く思うなよ。

あ、そうだ。メールしておこう。

「黒崎のヤツ、近々そっちに現れるかもなw」

 

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