生き残った軍人と潜水艦   作:菜音

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このお話は潜水艦の元となったお話です。
基本的に潜水艦の世界設定はここから来ています。
続編からはこの設定が濃くなるので色々あって消してしまった物を要約しました。
ただ、必読ではなく本文でも説明はあるので見たくない方は飛ばし貰って構いませんが、今後の新作にもこの設定が使われる予定なのでできれば存在だけは知ってて欲しいです。


Again, to that sea 再びあの海へ
縮小版 (必読ではないです)


 

 

 

 

世界は平和を維持していた。

 

中国と日本、アメリカなどが険悪な状況になり、再び戦争が、それも世界を巻き込む世界大戦が始まると予想されていたがどうにか話し合いで解決する事ができ事なきを得たのだった。

人同士の争いもほとんど終結し、今までにない平和な時を人類は過ごしていた。

 

 

彼らが出現するまでは・・・・・・

 

 

その年の3月にマリアナ諸島沖で行われたアメリカ、中国、オーストラリア、フィリピンの4ヵ国によるアメリカの新兵器のお披露目会も兼ねていた合同軍事演習が行われたが、これに参加していた艦隊が全て行方不明になる事件が発生した。各国は周辺諸国にも協力を得て徹底的に捜索をしたが手掛かりすら見つけることができなかった。

 

 

同年の6月に大西洋にて未確認生物が目撃された。

この事は話題になり、学者達は新種の生物の発見に喜んだりもしていた。各国はイギリスに拠点を置いて調査隊を送ったが誰一人戻って来なかった。

 

それからさらに1ヶ月後、彼らは人類に突如として攻撃を仕掛けてきた。その最初の犠牲となったのは調査隊の拠点が置かれていたイギリスだった。

 

まるで軍艦のような姿をしていることから深海悽艦と名付けられた彼らに対抗するべく各国は国連の名のもとに団結したがまるで歯が立たず人類は制海権を全て失い、各国は分断され自国の防衛だけで精一杯になってしまった。

 

欧州を襲った深海棲艦の艦隊はインド洋を制圧、アジアに侵入を始める。

 

これに対して中国を先頭にアジア諸国はアジア連合軍を結成、深海棲艦に戦いを挑み阻止を目論むがアジア連合軍は壊滅的被害を受けアジアへの侵入を許す。

 

当時日本の自衛隊はこの戦いに参戦しておらず戦力は温存されていたが、各国は壊滅的打撃を受け頼みの綱だったアメリカが本国に撤退してしまった為、日本は自力で国を守らざるを得なくなり自衛隊は国防軍へと変わり軍備を整え沖ノ島を最終防衛ラインとして深海悽艦を迎え撃ったが国防軍は惨敗、日本はシーレーンを完全に失ってしまった。

 

日本は新たに油田が発見された等で資源には困っていなかったが食糧はほぼ輸入に頼っていた為たちまち食糧不足が問題になり滅ぶのは時間の問題だった。

 

そんな絶望的な状況の中、ついに深海悽艦の艦隊が日本本土に迫り近海に残りの戦力をかき集めて最後の抵抗を試みた戦いにのぞむ、しかし戦いはすでに劣勢だった。

 

 

更に太平洋からも深海棲艦の侵略が始まる。

両方からじわりじわりと押し寄せる敵の大軍‥‥

 

 

そんな海戦の最中、

 

ある1隻の護衛艦が敵の攻撃を食らい轟沈寸前になった。この時艦橋にいた者は1人の士官を除いて全員既に息がなかった。

 

彼も覚悟を決めた。そんな時だった。

 

不思議なことが起きた。なんと目の前に小さなヒトがいたのだった。妖精とも呼ぶべき愛くるしい存在が心配そうにこちらを見てくるのだった。

 

 

当時その艦の士官だった黒瀬 凪人は自分は死に際に幻覚を見ているのだと思った。

 

すると妖精は一言喋った。「適性があります。近くにドロップを確認。」

 

黒瀬は何の事かと思ったがどうでも良かった。

 

どうせすぐに敵にトドメを刺されて終わるのだからと。

敵は口を開き魚雷を打つ構えをとった。その時だった。

突然光の玉が海から現れた。光は形を変え人の姿となりやがて1人の少女が現れた。

 

 

「いくよ!」

 

少女は一言そう言うと背中に纏う砲を敵に向かって放ち敵は断末魔を叫びながら海へ沈んでいった。

 

この一体の撃破、彼女の一声が日本、いや人類の反撃の瞬間でした。彼女の助けを借り、どうにか生還できた黒瀬は指令部に呼ばれた。

 

指令部は妖精と少女たちの事を知っていた。

彼女達は艦娘と呼ばれ過去に沈んだ船がこの世に人として生を受けた姿であり、深海悽艦に対抗できる存在だった。彼女達は妖精の力で生まれるが生を受けて力を発揮するには適性者が必要だった。

 

彼は指令部から彼女達の提督になりこの絶望的な状況を打開せよと命を受け、鎮守府が作られた。

 

手探りの状態から始まり最初は失敗が多かった鎮守府の運営も軌道に乗り、更に戦力が揃いついに日本周辺海域の制海権を奪還し、その後も次々と海域を取り返しMl、AL、FS海域を敵を制圧し、深海海域に攻め入る足場が出来上がり、苦しい戦いで犠牲を出しながらもついに敵を中枢にまで追い詰めた。

 

鎮守府は敵の抵抗が僅かながらある西方海域に哨戒艦隊と敵の反抗艦隊が来ても迎撃可能な戦力を配置した上で提督自らイザナギ艦隊と呼ばれる主力艦隊と前衛、支援艦隊を従えて決戦に望んだ。攻略艦隊から伝わる報告では敵の防衛ラインも全て攻略し、残るは敵の中枢泊地のみ、とあり勝利は目前だと確信した指令部は歓喜し、国民は彼らを英雄と讃えたのだった。

 

 

泊地への空爆が行われ敵の艦隊はほぼ壊滅状態であり、残すは中枢悽姫を叩けば終わる。

 

そう連絡が入りいよいよ長きに渡る深海悽艦との戦いに終止符が打たれる、誰しもがそう思った。再び通信が入り勝利の報告を信じていた指令部が連絡役の艦娘から聞いたのは誰も予想していない内容だった。

 

「報告します‥‥。我が艦隊は中枢悽姫の破壊に失敗、‥‥被害は甚大です。繰り返します。我が艦隊は中枢悽姫の破壊に失敗‥‥被害は甚だi‥‥」

 

ここで通信が途絶えてしまった。

 

攻略艦隊は壊滅の報と同時に西方海域に大規模な反抗部隊が進攻を開始、防衛艦隊も奮闘むなしく撃破され太平洋からも敵の巻き返しが始まり再び海は支配されていった。

 

作戦失敗により主力艦隊と提督を失った鎮守府は機能が完全に停止し、希望が絶望へと刷り変わってしまった。

 

こうして、中枢攻略作戦「終作戦」は何故失敗したのか、勝利目前で何があったのか、原因は謎に包まれ、その真相は誰にもわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

中枢攻略作戦「終作戦」の失敗後、再侵略を開始した深海棲艦の魔の手は再び日本近海に迫っていた。

 

今度は艦娘を警戒してなかなか攻めてこないが鎮守府は提督不在と生き残った艦娘がほぼいない、いても重症で動けないと機能を完全に失っていた。

 

 

護衛艦ありあけの艦長の白神 衛史は提督だった黒瀬の親友であり、行方不明の友の身を案じていた。

 

 

彼は偵察任務に受け小笠原諸島南部海域を進んでいると、何やら黒いものを運ぶ敵駆逐艦を発見する。

 

 

これを敵の斥候だと捉え本部に報告するが白神は敵が運んでいるものが気になった。曳航でほとんど反撃できない駆逐艦を仕留めた白神達は敵の運んでいた黒い黛のようなものを入手、切り開いて見ると中には衰弱しきった艦娘 榛名がいたのだった。

 

彼女はかの作戦の主力、イザナギ艦隊に所属していた艦娘で彼女から詳細を聞こうとしたが、彼女はあまりに強いショックとストレスでその時の記憶を失っていた。

 

彼女を連れて本土に帰還中に敵の潜水艦の攻撃を受ける。

 

絶体絶命に陥ったが、白神に適正を認めた妖精によって艦娘 神通がドロップする。彼女の活躍により潜水艦は撃破される。

 

 

榛名を無事に連れて帰った白神達は国防軍のトップの桜田元帥に呼ばれる。そこで彼は行方不明の黒瀬の代わりに提督になって欲しいと頼まれる。国のため友の無念のために彼はありあけの部下達と共に鎮守府に着任する。

 

 

部下達の助けや榛名のサポートでどうにか鎮守府を一から立て直そうとする白神の元に緊急指令がやって来る。近海諸島に深海棲艦の艦隊が侵入してきたのだ。

 

白神達のおかげで前以て予知できていた海軍は防衛線を展開、これの支援の要請が来たのだ。

 

白神率いる新成鎮守府は参戦、敵旗艦の撃破を狙う。

しかし、その敵旗艦は深海化したイザナギ艦隊のメンバーである霧島だった。

 

 

彼女は鎮守府に榛名の引き渡しを求めた。

 

しかし、それを拒む彼女を撃破したと思ったら彼女の深海化が解けてボロボロな霧島が現れ彼女を保護した。

 

旗艦を失った深海棲艦は撤退した。

その日の晩、榛名は毎日見るあの戦いの悪夢を見るがいつもと内容が違っていた。

 

 

 

 

 

それからも各地で白神達と艦娘達は戦闘を続け海域を解放していった。その際に深海化したイザナギのメンバーが彼らを阻むが、Ml海域でイザナギ艦隊の旗艦だった蒼龍を撃破してついに再び敵中枢基地までの足場を得たのだった。

 

 

蒼龍の撃破でついに敵が執拗に榛名を狙う理由が判明した。榛名はあの戦いの最中でこの戦争の核心をつく重要な事を知ってしまった。そして、どういう訳か深海化したイザナギ艦隊がその記憶の封印を解くギミックになっていたのだった。

 

蒼龍の撃破でそれらを全て思い出したと期待したが、記憶はまだ完全ではなかった。

 

 

そんな時に日本近海で深海棲艦の通商破壊部隊が侵入しており民間の船が多数襲われていた。

 

急いで救援に向かう鎮守府、ところが敵は予想以上に多く急いで向かわせた神通の水雷戦隊だけでは持ちこたえられなかった。

 

ところが、敵は空爆によって沈められていくのだった。

はじめは味方が来たと思ったそれは正体不明の艦娘部隊による攻撃だった。

 

 

彼女達はイギリスで作られた技術を元に日本のモダニズム主義者達の組織、「同盟」が作り上げた擬似艦娘達だった。

 

 

ここでのモダニズム主義とは、深海棲艦のような過去の亡霊に現在を生きる自分達が振り回され脅かされるのはあってはならないと唱え、同じく過去の存在である艦娘も深海棲艦同様にこの世界から排除するべき存在だとしており、彼女達の手を借りずに深海棲艦と戦うべきとと主張を続けていた。

 

 

しかし、艦娘以外に対抗手段がないのにそんな事が可能ではないことは彼も分かっていた。

 

だから彼らは作り上げてしまった。

艦娘と同等のに戦える駒を。

 

 

同盟は擬似艦娘「特装兵」の装備を増産、短期間でそれを装備する少女を集め訓練したのだ。

 

その短期間訓練の内容もそうだが、集め方もとても人道的ではない。

 

彼らは政府や軍に加盟者がおり、その権力を活用した。

例えば、難民を受け入れる際に適齢の女子がいる家族は受け入れて欲しければ兵役に差し出すように強要したり、深海棲艦の攻撃によって親をなくした孤児など施設に入れると称したのだ。

 

難民や孤児ならいくらでもいる。

それが彼等の考えだった。

 

 

鎮守府の奮闘によってできた時間を使いこれだけの準備を整えた彼らは今回の戦闘でテストが完了したため、次の計画へと策を始めた。

 

 

襲撃から少しして、白神達は榛名が思い出した情報を共に行動を開始していた。

 

彼女によれば中枢で戦った中枢棲姫はギミックによって守られていたのだ。そして、こちらの情報は敵に筒抜けになっていて伏兵が用意されていたのだ。

 

敵は中枢棲姫が倒されない事を利用してあえてこちらを中まで誘い込んで伏せていた艦隊が退路を塞いだ。

 

それ同時に提督を乗せた指揮艦と護衛部隊を強襲したのだ。戻ろうにも退路は既になく、敵の援軍も現れて挟まれてしまった。これがあの戦いの真相だった。

 

なぜ情報が漏れていたのかなどまだ分からないことはあるがそれは一旦棚に置かれた。

 

 

榛名は中枢棲姫を守るギミックの存在、そして、その場所を知ってしまった。だから敵は榛名を奪い返そうとした。この情報を便りに鎮守府は三ヶ所の海域に向かった。それら海域はかつて黒瀬が轟沈させてしまった艦娘が怨霊となっていた。

 

 

そして、最後の海域、AL海域最深部にて現れた夕立の亡霊を倒した時、その存在の消滅の際に彼女の意識が戻った。

 

彼女は自分を倒してくれた事に礼を述べると彼女達に最後の願いを言い残し消えていった。

 

「お願い‥‥あの子を、助けて。そして伝えて。ゴメンなさい、でも提督さんを許してあげてね、そして自分自身もねって‥‥」

 

 

最後に、夕立は深海棲艦は沈んだ3人の提督や仲間を思う気持ちを利用することで姫を守るギミックを成していたと言い残すと静かに消えていった。

 

これを聞いた白神達はこの時点でその意味がわからなかった。

 

 

そののち、白神は榛名などの主だった者を連れて太平洋に浮かぶ孤島に向かった。

 

この時、彼らは周辺を固めた後、いよいよ深海棲艦が本格支配している海域に突撃するつもりだった。この孤島はそのための基地を建設中だった。

 

 

 

しかし、その道中で嵐にあい白神と榛名、神通など数名を乗せた船が他の船達とはぐれてしまった。

 

 

そのはぐれた先で白神達は深海棲艦の艦隊に出くわして戦闘態勢に入ろうとしたが、様子が変だった。

 

彼女らは戦闘の意志がないことを示し、白神と艦隊旗艦の深海海月姫と対話した。そして、その席まさかの行方不明の黒瀬が姿を現した。

 

あの戦いで敵に囚われていた所を海月姫に匿われていたらしい。

 

深海海月姫によると、深海棲艦は人間との最終決戦を行い残らず殲滅するべしとする強硬派とそこまでしたくない穏健派で別れていた。

 

彼女はどちらでもない中立派であり、ある事情で黒瀬に手を貸していた。その事情とは、黒瀬の仕掛けたあの作戦はかなり前から情報が漏洩しており、強硬派はそれを利用し、自分達の立場を高めたのだ。

 

 

実は中枢棲姫は平和主義であまり戦いを長引かせたくなかった。しかし、それを快く思わない強硬派はあえて前線を手薄にして黒瀬達に攻めさせて中枢棲姫の首元までその刃を差し向けたのだ。

 

いくら優しい人でも首に刃物を向けられて穏便に済ませられる人はいない。例え本人が許しても回りの忠臣達は黙っていなかった。

 

これを受けた中枢棲姫は強硬派に戦闘に関する全権を与え戦いを容認してしまった。穏健派は隅にやられ発言力はなくなってしまったのだ。

 

そして、強硬派はある存在から情報提供を受けて恐ろしい兵器を作り上げていたのだった。

 

 

超ドーラ砲

 

 

かの列車砲が島サイズになった島丸ごとを1つの巨砲にしたもので、原子力をエネルギーにして発射するこの攻撃は太平洋全域はもちろん、大陸内部までを捉える常識が通じない兵器だった。

 

その建造は今まさに佳境にあり、完成すれば中枢基地の攻略はまず不可能になり、人類に勝ち目はなくなってしまう。

 

 

しかし、深海海月姫は原子力を使う事と姫を蔑ろにされたことに我慢ができなかった。

 

 

こんなとんでも兵器を作れる存在など彼女らしかいない。そう、妖精さんだ。

 

一方で黒瀬も方も作戦の前からある案件を追っていた。

同盟がイギリスなどと手を組み何かを企んでいることやそれにある妖精が関わっているではないかと。

 

 

二人の持つ情報とその後の深海側での調べでついにこの戦いを元凶を突き止める事ができたのだった。

 

 

「黒い妖精」と呼ばれる妖精さん達がこの戦争を引き起こしたと言っても過言ではないと黒瀬は言った。

 

彼女らはイギリスをはじめとする国々に海底での資源開発を行える最新技術を与え、さらに最も掘れる場所を教えた。

 

しかし、それらの海は数多の怨念、深海棲艦が眠る場所でもあった。海底環境を滅茶苦茶にされ目を覚ました深海棲艦は元々持つ人間への憎悪で人間を襲いはじめる。

 

やがて人間側も抵抗しはじめそれが更に彼等の憎悪を増していった。

 

これを見た他の妖精さん達は慌てて対抗手段を用意しようとしたのが艦娘だった。

 

 

黒い妖精もイギリスに擬似艦娘の技術を与えていた。イギリスの研究機関が細々とその研究が続いていた。

 

そして、今度は同盟に手を貸している。

 

 

黒い妖精の目的は人間と深海棲艦がどちらかが、いや両方が潰れるまで戦わせそれを高みの見物をする事だった。

 

 

この事実を知った白神達は急ぎ仲間と合流して日本に戻ると事態は急変していた。

 

 

なんと桜田元帥が暗殺されかけ行方不明に、更に海軍の指揮権を同盟の党首の萩原に奪われてしまった。

 

萩原は鎮守府を封鎖する事を宣言し、勝手に動いたものを軍規違反で反逆者とするとした。

 

 

萩原は白神達がギミックや下準備を終えるのを待っていて、更に戦いの準備を整えていた。

 

黒い妖精から得た情報で超ドーラ砲がハワイの近くにある事や中枢棲姫が視察に来ることを知っていた。

 

 

これを完成する前に、更に中枢棲姫も一緒に始末しようと画策した。

 

しかし、流石に同盟も特装兵を数を揃えただけで中枢を落とせるとは考えていなかった。数は膨大だが、空母が数艦と後は巡洋艦と駆逐艦がほとんどだったのだ。

 

 

だが切り札として同盟側も黒い妖精からで技術提供で艦娘の艦搭機に配備できるサイズの小型原爆を作ってしまったのである。

 

 

この事態に白神達は陸軍大将濱崎がいざと言うときの為に桜田元帥から預かっていた言付けを白神に渡す。それを貰い鎮守府の地下の秘密施設の存在を知る。そこには終作戦で黒瀬が作った指揮艦、艦娘母艦の二番艦が泊められていた。

 

それに白神と部下達、そして榛名や艦娘達乗り込み封鎖された鎮守府を脱出する。またその際にかつて白神が艦長だった護衛艦ありあけも軍から抜け出して合流した。

 

 

脱出した彼等が向かったのは嵐のため行けなかった孤島の基地だった。まだ建設中であるため奴等に利用されず放置されているらしい。さらそこに黒瀬と海月姫やその配下や今の上層についていけない深海棲艦が集まった。

 

 

日本のいる知り合いからの情報で日本艦隊が出撃したと報が入った。全戦力が前線基地に集結を始めているようだ。一方で深海棲艦側もこの動きを察知して前衛を展開、艦隊が集まりつつあるらしい。

 

しかし、これも強硬派の策謀だった。

強硬派のリーダーの戦艦水鬼はここでわざと人間に中枢棲姫を倒させるつもりだ。

 

彼女を死なせて自分が主導権を握る。そして姫が殺されたとなれば例え穏健派でさえもはや黙っていない。深海棲艦が一丸となって人類に憎しみを抱き攻め滅ぼす。

 

 

じわじわと迫る決戦の時

 

白神達はこの戦いに介入し、黒い妖精達の企てを阻止することに決めた。

 

 

超ドーラ砲が破壊されなければ人類に未来はない。

 

中枢棲姫を倒されたら終わりなき戦いが始まる。

 

 

こんなシナリオを止めるためには中枢棲姫を国防軍からも深海棲艦からも守るしかない。

 

平和主義である彼女を守り強硬派の戦艦水鬼を倒し、超ドーラ砲を破壊し、なおかつ特装兵の機動部隊を叩き原爆を使わせない。

 

 

無勢の白神 黒瀬達に厳しい戦いになりそうである。

 

 

 

 

 

 

 

大戦に向け準備を進める最中に彼等の基地が攻撃を受けたのだった。攻めて来たのは強硬派の深海棲艦の艦隊である。

 

 

これを榛名・神通の艦隊が迎撃に出た。

 

その敵艦隊を指揮していたのはなんと黒瀬の初期艦にしてケッコン艦である真のイザナギ艦隊旗艦である深海化した時雨だった。

 

 

駆逐聖姫と名乗る彼女は恐ろしく強く榛名達でさえ太刀打ちができなかった。しかし黒瀬の存在を知ると彼女は退却していった。

 

 

2つの勢力は遂に衝突した。

 

特装兵部隊は深海側の前衛を突破して超ドーラ砲を目指すが超ドーラ砲の砲身がそちらを向いていた。味方がまだいるにも関わらず砲を発射、突撃していた艦隊が一瞬にして薙ぎ払われた。この一撃で突撃した部隊は全滅、後ろの備えも損害を受ける。

 

その惨劇を見た萩原は恐怖に駆られ遂に原爆部隊に攻撃命令を出した。

 

 

白神達はこの乱戦に既に紛れていて、遠くに待機する空母機動部隊を発見する。原爆を搭載した爆撃機を運用する空母特装兵達とそれを死守する機動部隊だ。

 

この機動部隊は本土近海で見たあの艦隊だ。

 

旗艦のイラストリアは艦娘に恨みを持つ少女である。

 

「あなた達なんていなければ!!」

 

翔鶴を旗艦とする機動部隊が攻撃を開始する。

それに応戦し、敵機動部隊も発艦を開始する。

 

激しい航空戦に勝ったのは翔鶴達だった。

神通と配下の水雷戦隊が肉薄する。

 

「行きますよ!」

 

「くっ!み、みんな!イラストリアさんを守って!」

 

 

敵旗艦のイラストリアを守ろうと護衛の駆逐艦が応戦するが撃破される。

 

その敵駆逐艦を見て艦娘達は胸を痛めた。

 

彼女らは本来は自分達が守るべき者、あるいは守っていた者達でした。イラストリアのような者はむしろ少数である。中には見覚えのある子もいて必死で旗艦を守るその子を倒した神通の隊の駆逐艦達は苦しさで胸を押さえ、中には倒した敵を抱えて泣き崩れる者もいた。

 

そのまま空母を攻撃、敵の爆撃機を一機足りとも飛ばせなかった。

 

 

その頃白神は榛名やわずかな手勢のみを連れて島への上陸を試みようとしていた。

 

ここで再び駆逐聖姫が立ち塞がった。

 

しかし、彼女の相手は黒瀬が引き受けたのだった。黒瀬は海月姫と配下の艦隊を使い駆逐聖姫と戦うことになってしまった。

 

 

確かに駆逐聖姫は強かったが黒瀬の指揮された艦隊はどうにか渡り合えていた。

 

そして、ようやく彼女を轟沈寸前までに追い詰めた。

そんな彼女を嘲笑うかの如く戦艦水鬼が現れた。

 

 

戦艦水鬼は得意気にこれまでの事をしゃべり始めた。あの作戦で情報を漏らしたのは時雨だったようだ。

 

彼女は前の戦いで僚艦の夕立を失ったのだ。

それを提督である黒瀬は悔いた。

 

自分の失敗で嫁の姉妹を沈めてしまったと、しかし、時雨は彼を責めなかった。むしろ夕立が沈んだのも提督がそれで苦しんでるのも全て自分のせいだと思い始めた。

 

あの時一番近くにいたのに

 

あの時一番助けられる位置にいたのに

 

今提督が苦しんで自分に負い目を感じているのは自分のせいだ

 

 

 

この自責は日々念が強くなり、姉妹を失った喪失感も合わさり彼女の苦しみはより強いものとなった。

 

またこの時に時雨はある事実を知ってしまった。

 

もし深海棲艦が滅び戦争が終われば艦娘はこの世に存在できなくなる。

 

これは戦争が終われば提督とも永遠に会えなくなる事を意味し、夕立を失ったばかりの時雨にはとても耐えられないものだった。そこにつけこんで時雨に取引を仕掛けてきたのが戦艦水鬼だった。

 

 

彼女は時雨に終作戦の情報を教え協力する代わりに提督の命を保証し、夕立を生き返らせると言ったのだった。

 

夕立と提督とまた一緒にいられる世界の為に、時雨はこの誘いに、悪魔の誘惑に乗ってしまった。彼女はイザナギの旗艦を駆逐艦である事を理由に蒼龍に引き継ぎ自分は提督の護衛部隊の指揮を取った。いとも簡単に護衛部隊が狙われたのは彼女が手引きしたからである。

 

 

しかし、戦艦水鬼は約束通りに黒瀬の命を取らなかったが生かして幽閉することで駆逐聖姫となった時雨を従わせる事にした。

 

更に夕立を生き返らせる件も自我のない怨霊として深海棲艦となり利用されていたこと、そして、彼女が消え行く際に言った言葉を駆逐聖姫、時雨に伝えると彼女は泣き崩れた。

 

そして、黒瀬や夕立達、そして彼女の裏切りによって死んだ仲間達へ

 

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい‥‥‥‥」

 

 

「ふははは!そんな約束を信じたの?全て貴方を使う為のデマカセに決まってるでしょう?」

 

「オノレ!!」

 

駆逐聖姫は戦艦水鬼に飛び掛かった。

 

 

「ふん、万全な貴方が相手なら負けたでしょうね。でも。」

 

「ぐはっ!」

 

「手負いの貴方が勝てると思って?」

 

「時雨!!」

 

駆逐聖姫が宙を舞うのを見て黒瀬は艦から飛び降りる。

そして、海へと落ちる駆逐聖姫の元まで泳いでいく。

 

「時雨!時雨!時雨!」

 

「テイ‥トク、ごめんなさ‥」

 

「なら丁度いいわ。貴方ももう用がないから消えて頂戴。」

 

 

戦艦水鬼は主砲を構える。

しかし、戦艦水鬼の艤装が突然爆発した。

 

彼女を襲ったのはこれまで意識がなかったイザナギのメンバー達だった。

 

自分達の提督と旗艦も守る為戦艦水鬼の前に立つ。

 

イザナギ艦隊の実力の前に流石の戦艦水鬼も勝ち目がなく深海へと消えた。

 

戦艦水鬼を仕留めたが既に駆逐聖姫のダメージは限界を超えていた。彼女は最愛の提督と最も深い絆に結ばれた仲間を裏切った事を謝罪し、許されると静かに笑い、みんなに見守なれながら消滅した。

 

 

 

戦場は最終局面を迎えていた。

 

日本国防軍は切り札の機動部隊と原爆部隊を潰され、深海棲艦も仕切っていた強硬派の姫が次々と打たれていた。

 

決め手にかけた両者は遂に奥の手を使いはじめる。

 

 

白神達は島の港湾施設へと侵入した。そこには深海棲艦の長たる中枢棲姫が鎮座している。

 

 

白神は榛名達と共に中へ入ろうとするが、島を破壊するために国防軍が繰り出したネオ・ネルソンと深海棲艦が侵入者を一掃するために封印をといたレ級flagship改が現れた。この二人は激突を始めたが互いに暴走をはじめる。

 

 

榛名達が食い止める隙に白神達は施設に侵入、中枢棲姫と会うことに成功する。

 

 

中枢棲姫にこの戦いを終わらせる意識がある事を知った白神は彼女との対論の末、この戦闘を静めた後に停戦を宣言する事を誓った。

 

 

その後、榛名達は深海棲艦と共闘の末にネオ・ネルソンとレ級flagship改を押さえ込み、超ドーラ砲を自爆させその威力で2艦を撃破することができた。

 

 

それとほど同時に逃げだそうとしていた黒い妖精達は他の妖精さん達にお縄になっており、萩原ら同盟の重鎮が乗る旗艦は海月姫達により沈められた。

 

 

それぞれの戦いを扇動していた者が打たれ、深海棲艦は中枢棲姫から、国防軍は生きていた桜田元帥が生還し、それぞれの軍に停戦を命令、これにより両軍は戦闘行為を停止、退却を開始した。

 

 

白神達も鎮守府に帰還。

 

白神達や軍を離脱したありあけ乗組員の処分はなく、むしろ反逆者である同盟を止めた事に元帥自ら感謝を述べにやってきたほどだった。

 

一部情報が伏せられて深海棲艦との戦争の終わりが国民に伝えられた。鎮守府はその立役者として報じられ、人々は彼等を英雄と呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後

 

陸軍の雪村大佐の活躍もあり停戦・講和会議も無事に成功し、これで遂に日本と深海棲艦の長い戦いに終止符を打った。と思いきやも、

 

 

ところがそうも簡単ではなく、はぐれや強硬派の残党が停戦命令を無視していた。鎮守府の戦いはもうしばらく終わりそうにない。

 

黒瀬が戻ったことで提督をどうするか問題になったが黒瀬には新たに佐世保に作る鎮守府の提督となり、イザナギ艦隊やかつての所属艦娘達と共に着任した。次の主な戦場が西になる事を見越してのことだった。

 

しかし、榛名だけは黒瀬の許しも得て正式に白神の元に配属になった。榛名が珍しく我が儘を言って残ったらしい。それからも彼女は白神の秘書艦を続けた。停戦から一年後に、

 

 

「ケッコンして下さい!」

 

「はい!喜んで!」

 

 

 

 

 

 

 

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