生き残った軍人と潜水艦   作:菜音

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CB様、誤字報告ありがとうございます!
また、早速感想を下った方々本当に有難い御言葉感謝します。



嘆く軍人、変身するカナ 2日目

 

 

 

翌日から私とカナは海猫荘の大掃除をした。

 

 

今まで1人でやっていたけど1人増えただけでも大違い、作業効率は上がり数年に渡って溜まった汚れや埃がみるみる消えていく。

 

 

掃除をしていると昔みんなで暮らしていた時の思い出が出てきたりなど思ったよりも楽しいものです。

 

 

カナが高い所の窓を拭こうとして届かなくて必死にジャンプしたり、

 

(あまりに必死で可愛いのでしばらく見ていたが台を出してあげた)

 

 

かつて作ったボールプール部屋を掃除しようと思ったら中からカナが飛び出てきたり、

 

(びっくりして尻餅をつきました)

 

 

などと楽しくやっていると、

 

 

 

「これは‥‥」

 

忘れもしないあの決断を下した日

 

 

その前日までソラがもふもふしていた亀のクッションだ。ここはソラの為に作ったもふもふ部屋。

 

彼女はほぼ毎日この部屋でもふってました。

 

 

 

そして、そんなソラを外に連れ出していくのがマシロだったと‥‥

 

 

 

私は無自覚で泣いていた。

 

 

ここに至るまでの掃除でもあの二人との思い出が甦る事がしばしばありました。それでも一番あの二人の印象が強いこの部屋に数年ぶりに足を踏み入れた事によって、この部屋にいるはずのヌシがいない事に何とも言い難い寂しさを覚えてしまった。

 

 

 

「ソラ‥‥、マシロ‥‥。」

 

 

私はあの二人は無事だと信じている。

しかし、それと心配なのは別である。

 

どうにかしてあの二人の安否を確かめたい、出来ることなら今すぐにでも探しに行きたい。しかし、現実問題それは無理な話である。

 

 

深海棲艦との戦争が終わったとは言えまだそんなに経っていないこんな時期に軍属の人間が国外に行くなど出来ない。地域によってはまだ散発的に小競り合いが起きている地域もあるのだ。危険度が高い。

 

危険なのは覚悟はできている。だがもし仮に海外に出ても費用がない、それに少しなら情報のあるマシロならまだしも全く情報も手掛かり無しに出ても同じ個体が存在する深海棲艦から自力で見つけるなど不可能に近い。

 

 

職務、安全性、費用、情報

 

 

これらの問題を解決しなければどうにもならない。

 

私は無力だ‥‥

 

こんな自分が嫌になる。そもそも私に力があればあの時別れずに済んだかもしれないのだ。

 

 

「マスターこっち終わったよ?マスター?」

 

隣の部屋を任せていたカナが様子を見に来たようだ。

いけないいけない。どうやら相当長い間停止していたようだ。

 

「ごめんカナ。こっちはまだ終わってない‥‥」

 

「しょうがないな~♪手伝ってあげる♪」

 

こうしてカナと二人で掃除を済ませた。

その間軍人の顔は終始笑顔だったが内心は何も出来ない事に対して嘆いていた。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

それからしばらく島でカナと二人っきりで過ごしていたが二人が現れる事はなかった。

 

 

私はそろそろ休暇が終わるので日本本土に戻らないといけない。

 

最初はカナをここに残すことも考えたがカナが、

 

「い~や!マスターと離れたくない!」

 

と、珍しく駄々をこねるので一緒に帰る事にしました。

 

 

しかし、深海棲艦の彼女を堂々と連れて行くわけにもいかないので‥‥

 

「可愛い‥‥」

 

あまりに可愛いので口を押さえて堪えています。

これが親馬鹿というものかな?

 

 

 

 

服装は白と黒のロングスカートに青いパンプスを着せて上に白いミニコートを着せてみました。長い黒髪はストレートのままでも捨てがたいのですがばれにくくするため編んでみました。

 

まぁ、そもそもの話ですが

 

艦娘は常に潮風に当たったり、海水を浴びたりする為髪が傷んでいたり、匂いが取れなかったりする。

 

なので見る人が見れば一目で艦娘とわかったりするものだ。それが深海棲艦ともなればバレバレかもしれない。

 

なので常に帽子を被っててもらう。

 

 

元々見てくれは他のカ級とは比べ物にはならないし、服装もバッチリ、折角の黒髪を隠すのは忍びないが念のため帽子で隠して変身完了!

 

 

それこそ艦娘にでも睨まれない限りばれないはず!

 

 

 

 

そう思ってた私にいきなりの試練が待っているのだった。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥」あせあせ

 

「‥‥‥‥」びくびく

 

 

「美琴さん!お久しぶりですわ」

 

 

日本本土の港。神戸港に降りた私達を待っていたのはいきなりの艦娘、しかも顔見知りのと再会だった。

 

 

彼女は重巡洋艦の熊野です。

そういえば、航空巡洋艦とかになったとか‥‥

 

 

私は国防陸軍と鎮守府の仲を円滑にする為にコミュニケーションを取るという仕事をしていてよく鎮守府には足を運んではお喋りをしたり、カウンセラーを頼まれたりと色々関わっていて何人かよく話す子が出来て彼女もその1人である。

 

 

「き、奇遇だね~、ここで会うなんて!」

 

私はカナを後ろに隠した。

 

「そうですわね。今日はたまたま用事で来てましたの」

 

「そ、そうなんだ~」

 

ここは鎮守府のある呉に近いからなぁ‥‥

何か用頑張ってあって来ている子がいてもおかしくないか‥‥

 

 

「最近お見かけしませんけど、美琴さんは今までどちらに?」

 

「ええっと、休暇で南の方の島に‥‥」

 

あっ、これ世間話を続けてから切り上げてからのさよならまで持ってけば私の後ろに隠れているカナの事に触れずにいけるのでは?

 

「南の島?!バカンスですか?うらやましいですわ!」

 

よし!いける!

 

 

 

「ところで後ろの子は美琴さんのお子さんか何かですの?」

 

5秒と持たずにアウトか‥‥

 

 

「貴女確かまだ独身と伺ってましたけど?」

 

「ええっと‥‥」

 

不味いのであります!

普段この子こんなに鋭く無いのにどうして今日に限って~!!

 

 

「はじめまして!私はカ‥‥加奈子って言います!」

 

私が窮地に立ってると今まで後ろに隠れていたカナが出て来て喋り始めました。

 

 

「えっ?」

 

「あら!加奈子ちゃんと言うの?私は熊野と言いますわ。よろしくね」

 

「うん♪よろしく」

カナスマイル♪

 

「それで加奈子ちゃんは‥‥」

 

「私はねぇ。マ‥‥、ママに拾われたの!」

今マスターって言いかけた‥‥

 

「ひ、拾われた?!」

 

「私、両親が亡くなっちゃって‥‥1人だったのをママに拾ってもらったんだ!」

 

「まあ!加奈子ちゃんは戦争孤児なの?大変でしたわね‥‥」

 

あ、熊野が泣き出した。

 

「うん、だけどね。今はママのおかげで寂しくないよ?」

 

「そうなの‥‥」

 

えーっと?なにこれ?

 

 

「美琴さん!」

 

「は、ハイ!」

 

「この子の事、大切にしてあげてね‥‥それでは‥‥」

 

熊野はそれだけ言うと涙をハンカチで拭きながら去っていきました。

 

 

 

「‥‥‥‥カナ?」

 

「マスター!やりました」どや!

 

 

なにやっちゃってくれましたの?この子は?

 

 

即席にしては中々良い作り話に名演技

(あながち嘘ではないし実際に私の子供のつもりだからフリでもないけど‥‥)

 

 

悪い子だな‥‥

 

 

「まぁ、おかげで助かった‥‥」

 

でも偽名を名乗る必要まであったかな?

まぁ念には念を入れてかね‥‥

 

 

娘の成長ぶりを見せつけられる形になり、いきなりの試練を無事に乗り越えた私達は他の知り合いに出会す前に先を急ぐことにした。

 

 

 

「ところでカナ?今更だけど、どうして私の事をマスターって呼ぶの?」

 

「うん?ママって呼んでもいいよ♪」

 

「えっ!ほんと‥‥」

 

ここで私の言葉は止まってしまう。

考えてもみろ、こんな可愛い娘にママと呼んでもらえるなんて最高だと思うが逆にキュンと来すぎて死ぬような気がしないでもない。

 

だから‥‥

 

 

「やっぱり今のままでもいいかな‥‥」

 

 

少しは自重しておこうかな。

 

 

「ふ~ん♪そっか‥‥」

 

(実はママって呼ぶのちょっと恥ずかしいだけと言えないよね‥‥)

 

軍人の判断にほっとするカナであった。

 

 

 

 

 





前作のあとがきの後から欲求不満の子がうるさいです。
どうします?

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