報告が遅れてますが軍人さんが本編に登場しました。
温かく見守ってください。また本編中には‥‥
休暇の申請は思ったほど簡単に取れた。むしろ休みが溜まってるから「どうぞどうぞ!是非とも!」って言われたよ。
まぁ、どのみち休みを先延ばしにしていたらそのうち担当者から勧告を受けて是が非でも休まされていただろうから丁度良いだろう。
それで俺は週末に久しぶりの休暇を取ることにした。
今では休暇を取ってもすることないし、一人身だし、友人もほとんど戦死したから遊ぶこともないからな、ぶっちゃけ暇だし、趣味もないからやることないのでずっと仕事してた。逆に仕事するなと言われてもな、暇を持て余してしまうだけだ。
なので俺は思わぬ窮地に陥っていた。
「ユウをどこに連れていってあげればいいんだ?」
遊びを知らないからどこに行けば正解か分からないのだ。休暇は明後日からだぞ!!ど、どうすれば‥‥
こんな時は1人で悩まず誰かに聞いてみようか!
とりあえず俺は同僚達に相談することにした。
同僚A「えっ?女の子と出掛けるからどこが良いかって?うーん、わかんねーな。だが、とりあえず俺が言えるのは、リア充は爆発しろ!」
同僚B「お、お前が女子とか?!あ、あり得ないんだけど!!」
同僚C「無難に買い物とかでいいんじゃ?えっ?なら何処に行けばいい?さぁ?」
結局、有効な情報が得られなかった。
「うぐぐ、どうしたものやら‥‥」
「あれ?どうかしましたか?」
俺が悩んでいるのを見て話しかけて来たのは他でもなく休暇を申請した担当の女性職員だった。
「実はだな、もらった休暇でツレを連れて行きたいのだが、どこに行けばいいのか‥‥」
「それって彼女さんとかですか?」
「まぁ、厳密には違うがな。」
「そうですね。あんまりにも思いつかないのであれば彼女さんにどこ行きたいか聞いてみればどうでしょうか?」
「!‥‥き、君は、天才か!?」
「いえ、そんなに思い詰める程でもないと思いますが?」
というわけで帰宅後にユウに直接聞くことにした。
「行きたい場所?」
「と言うよりも何かしたいこととか見たい物はないかと思ってな。」
多分場所を聞いても深海棲艦の彼女に分かるわけがないからな。
「それじゃあ‥‥あそこ!あそこがいい!」
「あそこ?」
「ええっと‥‥あっ!今ちょうどやってる。」
彼女に言われてテレビを見た。CMだな。
これは‥‥
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さて、とうとう訪れた休暇の日だ。
休暇はなんと5日間だ。まるでゴールデンウィークだな。まぁ、担当からはもっと休めとも言われたがな。
ゴールデンウィークと違って人も普通だから混まないだろう。あんまり人が多いとユウが心配だ。
今から行くのは都市部から車で20分ほどの所だ。
「着いたぞ、ユウ。」
「隊長、この帽子は?」
ユウには角を隠す為につばの大きな帽子(キャペリン)を被せている。おしゃれにもなるだろうしバレないだろう。
「ここにいる間は絶対にはずすなよ。それよりも着いたぞ。」
「ワァ~!」
やって来たのは水族館だ。
テレビでここのCMをやっていたのだが、ユウは前々から気になっていたらしい。
「こらこら、あまりはしゃぐと‥‥」
「ワァ~あっ、っととと!」
「よいしょっと!」
案の定、ユウが段差に気付かずにコケかける。俺はすかさず彼女をかかえた。
「あ、ありがとう、隊長。」
「全く、気を付けろよ。」
俺はあまりこの手の分野について知らないが、近年水族館の利用者が多いらしい。
深海棲艦との戦争が始まり海を奪われた為、海の生物を見る機会が減ったためなどと言われている。また、一時期海に出られなかったので、漁業ができなかったため水族館の設備を使って食用の魚を養殖する計画もあったらしいが焼け石に水だったようだ。
そのためか思ったより客が多かった。
「はわわわっ!」
こんなにたくさんの人間がいる所がはじめてのユウはさっきからこんな感じで魚を見るどころではない。
「落ち着けって。」
「ううっ」
まぁ、ずっとこんな感じだったが、しばらくしたら次第に落ち着きを取り戻して、展示の魚に夢中になりはじめた。
「ふぁ~♪」
「‥‥。」
うむ、ユウは喜んでいるようだ。
だが、なぜ水族館なんだろうか。彼女ら深海棲艦も海にいるのだから海の生き物なんてそんなに珍しくないだろうに。
それをユウに聞いてみたら‥‥
「それって陸に生きてる人間は全ての陸の動物を見たことあると言うのと同じ気がする。」
「な、なるほど。確かにそうだ。」
「むしろ、海上で戦闘をすることが多い私達はその下でどんな生き物が住んでいるのか、知らずに終わる子の方が多いから‥‥」
「ユウ‥‥」
少し重い空気が漂う。
『ご来訪のお客様にお伝え致します。まもなくイルカショーを行います。‥‥‥‥。』
「隊長!イルカショーだって!行こう!」
「ああ。」
俺はユウに引っ張られてイルカショーが行われるイベント会場へと向かった。
イルカショーと言うが、そのイルカショーにはクジラの子供もいた。イルカショーだからイルカが水中からジャンプしたりして芸を披露、その度に水しぶきが上がりびしょ濡れになる。しかし、その子クジラがジャンプした時はその比ではなくずぶ濡れになってしまった。
「あはははは♪」
まぁ、ユウが御満悦のようなので別に良いか‥‥
「楽しいね、水族館♪」
「そうだな。思いの外楽しめてる。」
俺達は水族館の敷地内にあるカフェで一休みしていた。丁度昼頃なのでここでランチだ。
「隊長は何が良かった?私は暗いお部屋のクラゲが綺麗だった!」
「俺か?俺はそうだな‥‥ペンギンかな?」
「えっ?ペンギン?意外‥‥」
「何故だ?」
「てっきりゾウアザラシが腹筋してるの見て"良い訓練だ!"とか考えてるって思ってた。」
「俺を何だと思ってるんだお前は‥‥」
「違うの?じゃあなんでペンギンさんなの?」
「うむ、あのペンギン達、なかなか見事な隊列行進をしていたと思ってな。あの一糸乱れぬ統一された行進、うちの新兵どもよりもできると思ってな!」
「‥‥‥‥やっぱり隊長さんは隊長さんだった。」
「なんだ?」
ランチの後はまだ見ていない所を見て回った。
ユウがマンボウを見てその真似をしたり、ふれあいスペースでヒトデを触ったりととても充実していた。
「隊長、なに見てるの?」
「うむ、ラッコだ。」
「ラッコ?」
「アイツら、石で貝を叩いて割って食べてるだろ?」
「うん?」
「その音がな、一定のリズムが決まっていて、まるで信号のように聞こえてな。その解読をしていた。」
「また何を考えてるの?」
「えーと、なるほどな。」
「‥‥ちなみにあのラッコはなんて?」
ユウは好奇心には勝てなかった。
「それがな。『この餌飽きた』だ。」
「‥‥へっ?」
「楽しかったね♪」
「そうだな。」
水族館を全て回った俺達は水族館から帰っている所だ。その車内でユウと今日の話で盛り上がっていた。
「しかし、まだ休みが残っているな‥‥」
この休暇がゴールデンウィーク並みの事を忘れていた。さて、残りをどう消費するか‥‥
「楽しかったけどイルカショーで髪べとべとだね‥‥」
「そうだな。帰ったら風呂にでも‥‥」
そうだ!
「今から少し距離あるが温泉にでも行くか?そこでさっぱりして美味しいものでも食べるか。」
「うん、行きたい♪」
「よし!決まりだ!」
こうして次の目標が決まったので俺はカーナビをセットする。
彼とユウの休日は始まったばかりです。
近々、外交官さんのその後も書くのでお楽しみに♪