FAIRY TAIL【十代目レイヴマスター】   作:神爪 勇人

5 / 10
第5話 シルバとエレナ

俺達の5倍ほどある大きさの岩の巨人・・・・・・ゴーレムは腕を振りかぶり、突っ込む俺達を薙ぎ払おうとする。

だが、

 

「遅すぎだっての‼」

 

そんな鈍重な動きで、飛び回るドラゴン(ポム)相手に修行してた俺達に当たる訳がない。

容易く左右に別れて避けた俺とエレナは攻撃に出る。

 

「らあっ‼」

「えいっ‼」

 

俺の拳が、エレナの蹴りがゴーレムの顔面に直撃するが、

 

「痛ぇっ!?」

「硬ぁッ!?」

 

思いの外硬い身体に、俺の拳が悲鳴を上げた。

エレナも足を押さえて呻いている。

魔法も無しに素手でぶん殴るのは無理があったか。

 

「むーん」

 

ゴーレムは再び拳を振るって来るが、動きはやはり鈍重。

避けるのは簡単。

だが、身体が硬くてこっちの攻撃は通らない。

なら、やっぱ魔法を使わないと攻撃は通じないか。

 

魂上昇(アッパーズ)‼」

 

エレナは自身が唯一使える魔法、身体強化系魔法を使用し駆け出す。

先程よりも遥かにスピードが増し、その加速力でゴーレムを翻弄する。

そしてすれ違い様に打撃を加えていく。

 

「む、むんっ?」

 

一撃で倒せるほどの破壊力はないが、ゴーレムが仰け反り始めた。

そしてエレナの足払いで、後ろに倒れかける。

 

「今よ、シルバ‼」

「OK‼」

 

俺は高く跳躍し、ゴーレムの上を取る。

 

地竜黄塵(ちりゅうこうじん)‼」

 

滅竜魔法。

俺が主に使う魔法。

様々な魔法を使う魔竜ボムが、俺に教えた魔法。

かつて存在した魔界の種族・・・竜人族(ドラゴンレイス)が使っていた武術を魔法で再現したもの。

そして【地竜黄塵(ちりゅうこうじん)】は、その両足で相手を踏み砕く技。

その一撃は地面を陥没させ、大きなクレーターを造り出すほど。

ゴーレムは俺に踏み潰されて、粉々に砕け散った。

 

「うしっ、いっちょ上がり‼」

「よゆーよゆー‼」

 

エレナと勝利のハイタッチ。

初の実戦だったが、まぁ、こんなものだ。

俺とエレナの実戦は、初勝利を飾ったのだ。

 

◆◆◆

 

「なーんて様だいっ‼」

 

ダンッ‼と、両のテーブルを拳で叩くバーバラ。

デビルマ全書の解読を進めながら監視水晶を見ていたのだが、結果はバーバラの望んだモノにはならなかった。

 

「なんてガキ共だい! 流石はマグババアんとこのガキ共ってところかい!?」

 

舌打ちと共に、バーバラは指を鳴らす。

そしてゾロゾロと大きなゴーレムが部屋の奥から姿を現す。

 

「ゴーハチがやられちまったよ! ゴーイチ、ゴーニ、ゴーサン、ゴーシ、ゴーゴ、ゴーロク、ゴーシチ、アンタ等総がかりで捕らえてきな‼」

「「「あいよ‼」」」

 

名を呼ばれたゴーレム達が、揃って駆け出した。

 

.




『大雑把な解説』
魂上昇(アッパーズ)
運動能力を一気に高める身体強化系の魔法。
今現在エレナが使える唯一の魔法。
原作の読み切りでもマグ婆さんから教わった【封印解放(シルト・ルーン)】以外の魔法は【魂上昇(アッパーズ)】しか使っていない所を見るにマジでこれしか使えないのかも。

地竜黄塵(ちりゅうこうじん)
原作ではRAVEでレットが使用のドラゴンレイスの体術技。
今作では主人公の滅竜魔法として登場。
足で相手を踏み砕く。その一撃は地面を陥没させる。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。