FAIRY TAIL【十代目レイヴマスター】   作:神爪 勇人

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第6話 バーバラ

「――――――にしてもよ」

 

オカルティック城を駆けながら、ふと思う。

 

「こんな森の奥にこんな城があることにも驚きだけどよ、馬鹿みてぇに広いとこだよなぁ」

「ソリャお城なんだから広くて当然でしょ、馬鹿なの?」

「オメェにだけは言われたくねぇわ」

 

何か向かってきた先程と同じゴーレムを7体ボコボコにして城を駆けずり回るが、未だに『デビルマ全書』とやらを盗んだこの城の主の元に辿り着けない。

 

「つか襲ってきたゴーレム以外全然気配ねーな、こっちで道合ってんのか?」

「え、知らないけど?」

「は?」

 

思わず急ブレーキで立ち止まり、エレナも足を止めた。

 

「ちょっと待て、盗んだ奴の居場所知ってるから走ってんじゃねぇのかよ!?」

「だからこの城よ」

「この城の何処に居んだよ?」

「知るわけないでしょ、始めて来たんだから」

「じゃあ何で俺の前走ってたんだよ!?」

「はぁ? シルバが私の前走ってたんでしょ!?」

「いや、お前の方が前だった! 俺より5㎝は前だった‼」

「いや、アンタの方が前だった! 私よりつま先が1cm前だった‼」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

 

イライラするが少し落ち着こう。

此処で言い争っていても仕方がない。

そうだ、よく考えてみたらこの身勝手で我儘でお調子者な脳タリンが道案内とかどだい無理な話なのは冷静になってみれば分かり切っていることだろう。

フッ、そうだ俺、クールになれって、コイツ相手に熱くなったって何の意味も価値もない。

冷静になった所でエレナに向き合って、

 

「はーっ、アンタってホント使えないわねぇ」

「よーし、やっぱぶち殺す‼」

 

いい加減コイツに姉弟子面されんのも鬱陶しいしな‼

 

「今こそ下克上の時! まぁ、実力は元々俺の方が上だがなッ‼」

「生意気な弟弟子をボコって現実を見させるのも姉弟子の仕事よねッ‼」

 

互いに魔力を全身に巡らせ高める。

 

「【魂上昇(アッパーズ)】‼」

「【滅竜奥儀――――――」

 

互いに拳に魔力を集束させて――――――必殺の一撃を放つ!

 

「うぉぉおおおおおりゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼‼‼‼‼」

「――――――――――――天竜虎博】‼‼‼‼‼」

 

互いの拳が同時に繰り出され、その頬に突き刺さらんと交差する。

これは・・・・・・クロスカウンター!

腕の長さ(リーチ)にそこまでの差はない。

いったいどちらの頬に深く突き刺さるのか。

固唾を呑みつつ拳を勢いのまま打ち放ち――――――動きがピタリと止まった。

 

「あ!?」

「え、何っ!?」

 

俺だけじゃない、エレナの動きも止まっていた。

何だ? 何が起きている?

俺のもエレナも気合を入れて身体を動かそうとするがピクリともしやがらねぇ。

これは・・・・・・魔法なのか?

 

「キヒヒ・・・随分好き勝手に暴れてくれたねぇ、ガキ共・・・・・・」

 

カツンと靴音を発てて近づいてくる人物が一人。

それは、髪が無数の蛇の様な形をした、異様な老婆だった。

 

「お前は・・・・・・!」

「おや、アタシを知ってんのかい? まぁ、ここまで来たんなら不思議じゃないが」

 

状況的に、この城の主だろう。

エレナが道すがら言っていた。

このオカルティック城の主、その名は――――――

 

「確か――――――ば、ば、ば・・・・・・バーバア」

「バーバラだよクソガキがぁっ‼‼‼」

 

そうそう、そんな名前だった。

 

.




『大雑把な解説』
【天竜虎博】
原作ではRAVEの主要キャラ、レットの必殺技。
故に滅竜奥儀。気(魔力)を込めた全身全霊必殺の右ストレート。
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