FAIRY TAIL【十代目レイヴマスター】   作:神爪 勇人

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第7話 シルバのネックレス

ババア・・・・・・間違えた(間違えてないかもしれないが)。

このオカルティック城の主、バーバラが登場し、俺とエレナは身動きを封じられる。

お互いクロスカウンターの姿勢で止まったままだ。

気合を入れるが、身体はピクリとも動かない。

 

「くっ・・・・・・」

「動けない・・・・・・ッ」

 

俺達の動きを封じたことで上の立場をとれたと見たらしきバーバラが怪しく笑った。

 

「キヒヒ・・・・・・いい子にしてれば殺しやしないよ」

「チィッ・・・・・・つか、この魔法解けよ!」

「そうはいかないよ。おっと私の眼は見ない方がいいよ・・・私の眼はねぇ、睨んだだけで相手を石化させることが出来るのさ」

 

「まぁ、目を合わせなければ金縛り程度で済むけどねぇ」と勝手に補足説明をするバーバラに、俺達は言ってやる。

 

「お前の魔法の解説とかどうでもいいんだよ! さっさと解けやクソババア‼」

「そうよ! 早く解きなさいよ妖怪ババア‼」

「年長者に対する口の利き方を知らないガキ共だね‼ 石にしちまうよ‼」

「クソババア‼ ウンコババア‼」

「バーカ、アッホ、マーヌーケ、お前の婆ちゃんデーベーソ‼」

「待てエレナ、婆ちゃんじゃなくて母ちゃんだ。婆ちゃんはコイツだぞ」

「え、じゃあ・・・・・・この婆ちゃんはデベソ?」

「誰がデベソだいクソジャリ共があああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼‼‼‼」

 

ババアは憤慨しながら「なんて礼儀のなってないガキ共だよ!」と唾を吐く。

汚いな。

 

「用が済んだら解いてやる‼ 私の質問に答えなっ‼」

「誰がテメェなんかにスリーサイズを答えるか‼」

「んなもん聴いてねぇし微塵も興味あるわけないさね!?」

「いいや嘘だね! 俺知ってるぜ‼ ババアは誘拐した子供を捕えて食う気なんだ! 性的な意味で‼」

「未成年に手なんて出すわけ無いだろうマセガキがああぁぁぁぁぁっ‼‼」

「え、マジか、このババア・・・・・・青年なら手を出すってのか!?」

「うわ、マジ? 歳考えなよ・・・・・・」

「こ、の、ガキ共・・・・・・ッ‼」

 

怒りによって震えながらも、埒が明かないと判断したのか、ババアは本題に入る。

 

「デビルマ全書の中に『ユースゥー』っていう悪魔がいるだろうっ‼ そいつの項目と召喚方法を教えなっ‼」

「・・・・・・は?」

 

一瞬言ってる意味が分からず硬直するが、どうやらあの書物に封じられている悪魔を召喚しようとしているらしい。

だがしかし、あの書物に何の悪魔が居るのか、それと召喚方法なんて俺は知りもしない。

なんせ本の存在すら知らなかったしな。

 

「おいエレナ、お前分かるか?」

「分かるわけないじゃん、馬鹿なの?」

「こんな状況じゃなけりゃぶん殴ってるとこだぞオイ・・・・・・」

「何をコソコソ話してんだい‼ さっさと答えな‼」

 

ババアに視線を戻して正直に答える。

 

「知らん」

 

言った瞬間、俺とエレナの手足が石化していく。

 

「ちょっと待て! 目見なきゃ石化しないんじゃねぇのかよ!?」

「んなもん魔力を更に強く込めればいいだけさね」

 

手足から徐々に石化範囲が広がっていき、侵食してくる。

 

「ちょっとシルバ! 何とかしてよ!?」

「出来るか! お前こそ何とか出来ねぇのかよ!?」

「出来ないから言ってんのよ馬鹿っ‼」

お前(バカ)に言われる筋合いねぇよ‼」

「ゴチャゴチャ言ってないで答えるんだよっ‼ ユースゥーの項目は!?」

「待て! 本当に知らねぇんだって‼」

「てか、そのユースゥーって悪魔呼び出して何する気よ!?」

 

エレナの問いに、ババアは「決まってるだろ?」と笑った。

 

「若返らせて貰うんだよっ‼ ピッチピチにねっ‼ ユースゥーは時を操る悪魔! 若返りの力を使えるんだよっ‼」

「・・・・・・はぁ、まぁ、歳だもんな?」

 

子供の俺達には分からないが、歳をとると若返りたいという悩みを持つようになるのだろう。

 

「さあ! もう最後だよ‼ ユースゥーの項目を教えな‼」

「・・・・・・って、言われてもな」

 

このババアが若返ろうが悪魔を呼ぼうが知ったこっちゃねぇが、知らないのは本当だ。

 

「マジに知らねぇんだが・・・・・・」

 

さてどうしようかと悩んだところで、エレナが深々と溜息を吐いた。

そして大きく息を吸い込んで、

 

「バッカらし~! そんな事のために盗みなんてしたの? まぁ、アンタみたいなババアに知ってても教えないけど」

「おい」

 

ただでさえ金縛りが解けねぇのに、更に石化し始めている今のこの状況で挑発は・・・・・・。

 

「・・・・・・どうやら、余程死にたいようだねぇ‼」

 

言って、ババアの眼光が煌めく。

俺達の身体を侵食する石化のスピードが上がっていき、

 

「って、おい! ちょっと待て! マジで待って!?」

「ヤバイ石になる!? シルバ、任せた‼」

「挑発したのお前だろうがっ!?」

 

コイツ、自分で煽っておきながら俺に助けを求めんなよ‼

手足から腕や太腿、更には胴体まで石化していき、とうとう首にまで伸びてきた。

これはマジでヤバイ・・・・・・。

首にぶら下げているネックレスまで石と化し、もうここまでかと諦め始めた時――――――ネックレスが淡く輝き出す。

 

(何だ・・・・・・?)

 

俺が拾われたときには既に持っていた、十字の剣の様な形をしたネックレス。

それが白い光を発している。

その光は徐々に強く発光し、俺の身体を蝕む石化を払っていく。

まるでベリベリと塗装の様に石が剥がれていき、俺の身体は元の状態に戻った。

 

「何が・・・・・・」

 

起きた?

少なくとも、俺は魔法を使っていない。

未だに石化が解けないエレナは身体強化の【魂上昇(アッパーズ)】しか使えない。

このババアが解く理由がない。

なら、やはり・・・・・・このネックレスが?

 

「マジックアイテムだったのか、コレ?」

 

具体的にどんな効果があるのかは知らないが、このネックレスが石化を解いたのは確かだろう。

首から外し、石化するエレナに翳す。

・・・・・・だが、元には戻らない。

何だ? 翳すだけじゃダメなのか。

 

「ど、どーいうことだい!? 何でアタシの魔法が!?」

 

俺の石化が解けて狼狽するババア。

そうだ、こういう時は大抵術者を倒せば解除されるってボムやマグ婆さんが言ってた。

なら、やることは一つ。

俺はネックレスを握りしめ、駆け出す。

 

「チィッ、こうなったらもう一度石にしてやる‼」

 

ババアの眼光が煌めく。

それに対して、俺は手に握るネックレスを前へ翳す。

すると、ネックレスが先程のように輝き、石化の力を霧散させた。

 

「何だい! そのネックレスは!? 何で石にならないんだい!?」

「知らねぇ! けど関係ねぇっ‼」

 

何でこのネックレスにそんな力があるのかは知らねぇ。

だが、今は都合がいい。

今は、ただそれだけでいい。

 

「とりあえず打っ飛べやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼‼‼」

 

ネックレスを強く握る手を拳に固め、必殺の右ストレートを打ち放つ。

拳がババアの頬を捕え――――――爆発した。

 

「があああああああああっ!?」

「うおっ、爆発した!?」

 

ちょっと予想外の結果に驚き、悲鳴を上げて吹っ飛び地を転がるババアを余所に、思わずネックレスを握る拳に目をやる。

これも、このネックレスの力なのか・・・・・・?

 

「う、おおぉぉぉ・・・・・・」

「あ、生きてた」

 

呻き声を上げながら、ババアはヨロヨロと体を起こそうとする。

 

「お、女を殴るなんて・・・オマケに爆破させるなんて、なんてクソガキだい・・・・・・」

「どーせ、礼儀のなってないクソガキだ」

「憎ったらしいガキめ・・・・・・おっふ・・・・・・」

 

ババアは白目を剥いて、意識を手放し地に伏した。

 

.




『大雑把な解説』
【ユースゥー】
デビルマ全書に記されている悪魔の一体。
若返らせる力を持つらしい。
だからたぶん時を操るんじゃね?と勝手に解釈した。
出番があるかどうかは未定。

聖石(レイヴ)
魔石(ダークブリング)に対抗するべく創られた聖石。
ダークブリングを破壊することができる。
元々はホーリーブリングという名前だったが、レイヴを創ったために死んだとされた製作者のリーシャ・バレンタインを忘れないようにと、彼女の名と姓の最初と最後の文字 (ReshA ValentinE) を取ってレイヴ (RAVE) に改名された。
これを握って何かを殴ると爆発を引き起こす。
石の部分に描かれているのはシンフォニアの紋章である。
作者は単行本の中で、十字のレイヴにも正式な名前があるがそれをいうと物語の結末にかかわるためいえないと発言している。
今も尚、正式名称は不明で、仮称で《十字のレイヴ》と呼んでいる。
現所有者はシルバ。ネックレスにして首からぶら下げている。

ちなみに原作の十字のレイヴに石化を解除する力なんて無いが、対となっているマザーダークブリングがあまりにも強力過ぎる為、色々設定を付け足す予定。
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