堕天使の祝福   作:シュン@ヨハネ

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第3話:レンち〜

「それで、橘・・・廉さんでしたっけ?」

 

「はい・・・」

 

と先ほど迫られていた女性、黒澤ダイヤ(くろさわだいや)の前に正座させられている廉。

また彼の周りにも他の女性らも取り囲むように集まっている。

 

「先ほどはすみませんでした。初対面の方にああいう行動をとってしまい」

 

「い、いえいえ。大丈夫です」

 

謝るダイヤに手を横にブンブンと振りながら話す廉。

 

「それで、善子さんとはどういう関係ですの?」

 

「だからヨハネだってば!」

 

とダイヤの言葉にツッコミを入れるのは先ほど廉が驚きながら話しかけたお団子の髪型が特徴の津島善子(つしまよしこ)もとい、津島ヨハネ。

その彼女のツッコミをスルーしつつ廉は話し出した。

 

「ヨハ…善子ちゃんとは小学校の時の同級生です」

 

「なんで言い換えたの…え?」

 

「あれ?覚えてない?ほら近所で良く遊んだでしょ?」

 

と話す廉にヨハネは廉を見ながら過去の記憶を思い起こしていた。

だが彼女は思い出せない。

 

「えぇっと…」

 

「善子ちゃん覚えてないずら?」

 

と隣で聞いてくる語尾に方言をつけて話す女性は国木田花丸(くにきだはなまる)

ヨハネと同い年の一年生である。

また花丸の隣にいる先ほど廉とぶつかり叫び声を挙げた女性の名は黒澤ルビィ(くろさわるびぃ)

ヨハネや花丸と同じ一年生で、ダイヤの妹だ。

 

「まぁ小学校でも4年生くらいから遊ばなくなっちゃったしなぁ。よく川辺で走ってたんだけど。レンち~って言って」

 

と話す廉。

その言葉にヨハネはピンと来た。

 

「レン…ち~…あぁ!!レンち~!チビのレンち~だ!」

 

「チビは余計だよチビは…」

 

 

と思い出したヨハネに対し苦笑いを見せながら話す廉。

 

「うわ懐かしぃ…ってか、なんで突然遊びにも来なくなったのよ?」

 

「あぁ、まぁ色々あってね~」

 

と苦笑いを浮かべながら話す廉にヨハネは“ま、良いけど”と言って問い詰めるのを止める。

 

「OH~、ボーイフレンドではないのデスか~」

 

と残念そうに話すのは小原鞠莉。

金髪の髪でスタイルの良い三年生である。

 

「だから違うってば!」

 

「でもぉ、当時はそういう感情があったりしてぇ~」

 

と話しながらヨハネに絡む鞠莉に対しヨハネは引きはがそうとしながら怒る。

 

「当時でも無いわよ!」

 

「んふふ~、そういう事にしときましょ♪」

 

と言いヨハネから離れる鞠莉。

するとダイヤがふとある疑問を廉にぶつける。

 

「でも何で、廉さんは善子さんの事をヨハネと言いましたの?」

 

「あぁ、その時からずっとヨハネヨハネって言ってて、俺最初本当にヨハネって名前だと思ってたんだよね。でも学校で聞いたら善子って名前でしょ?でもまぁ、ヨハネで慣れちゃってたから」

 

「フッ。流石はレンち~…いえ、我がリトルデーモンといった所かしら。」

「そういうのはいいずら」

「ちょっと!?何でよ!?」

 

と話をぶった切る花丸に怒りながらツッコミを入れるヨハネ。

このやり取りを見て廉は笑う。

 

「でもまさか、ヨハネちゃんがAqoursに入ってるなんて…見て似てるなぁとは思ってたけど」

 

「あれ?私たちの事知らない感じ?」

 

「知らない訳ではないけど、詳しくは無いんだよね。友達とかが見たりしてるのをを横で聴いたりとか。なんか申し訳ない…」

 

と千歌の言葉に申し訳なさそうに話す廉。

彼自身は興味が無いわけでは無いのだが、周りの人の話やネットニュース等で知っている程度である。

 

「なるほど。善子さんとの関係の事は分かりました。では、何故貴方は此処に?」

 

「あぁ、朝早く起きたもんでランニングに来たんです。それで此の場所が気になって上がったんです。そしてここに落ちてたバットで素振りしてたら丁度…」

 

「えっと、ここまではどうやって来たんですの?」

 

「え?走ってです」

 

「えっと…家はどの辺?」

 

「ちょうどリバーサイドから少し南に行った所ですね」

 

と話す廉。

彼女たちは頭の中で簡単に計算した。

 

「まさか…走って此処まで来たと?」

 

「えぇ。俺も此処来るの初めてだったので海がキレイでした」

 

と笑顔で話す廉に彼女たちは驚いた。

 

(え?走って…来たの?!)

(ここまで!?)

(千歌ちゃんあの時どの位時間かかった?!)

(私あの時自転車だから分かんない!!)

 

とコソコソと話す彼女たちに廉は?マークを頭の上に出しながら首を傾げる。

 

「へぇ~君結構走れるんだね~。気持ちいよね~」

 

「ですよね!なんか清々しかったです」

 

と意気投合しだすのは果南。

そんな二人を見て他のメンバーはこう思ったであろう。

 

(男版果南ちゃん…)

 

しばらく和気あいあいと話すが、廉は徐にスマフォを取り出すと時間は8時を過ぎており廉は慌てて立ち上がる。

 

「ヤバッ!じゃあ俺は行きます。練習の邪魔しちゃってゴメン」

 

と言いながら走りだそうとする廉に千歌が呼び止める。

 

「もし時間とか都合着いたら。ここに来てもいいよ~。」

 

「でも迷惑じゃ」

 

「ううん。そんなこと無いよレンち~。ね、善子ちゃん♪」

 

「な、何で私に聞くのよぉ?!」

 

「え~、だって~」

 

とニヤニヤと笑いながら話す千歌にヨハネは不機嫌そうにするも、少し恥ずかしそうに言う。

 

「ま、まぁ。別に良いけど…」

 

「…ありがとう♪じゃあまた来るね」

 

と言い手を振りながら階段を降りていく廉。

その廉の後姿を彼女たちは手を振りながら見送るのであった。

 

「さ、私たちも練習再開ししよっか」

 

と言う千歌。

 

「あれ?果南ちゃん?」

 

と果南がジッと廉を見つめていくことに気づいた曜が問いかけると、果南は顎の下に手をやりながら話した。

 

「ん~…どっかで見た事あるなぁ…廉君」

 

「女の子にいそうだよね~」

 

「もう千歌。そういうんじゃ無くて…でも何処かで見たような…」

 

と話す果南だが、思い出せない為練習へと戻っていくのであった。

 

 

次回へ続く

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