今日も今日とて家で筋トレをしている。試験が終わってから約1週間が経った。
今日はベンチプレスにて400kgを上げているところだ。俺は全然上げられるがベンチプレスの台がギィギィいっている。...そろそろ買い替えの時か。
「菜木ー、通知きてるわよー!」
母さんである
「おー、結果どうだったー!?」
「自分で見なさーい!」
母さんが教えてくれると思ったが流石に教えてくれないか、今は結果よりも筋トレがしたいんだが仕方ない。
一度中断して茶の間に向かう。茶の間の机にはもう開かれている封筒が落ちていた。
「なんだかんだ言って見てるじゃん」
「見てるけど教えないわよ。自分で見てドキドキ感を味わいなさい」
なるほどそういうことなら、袋の中身を広げると一枚のメダルが出てくる。
確か...映像投影機、そんな感じの名前だ。
おっ、裏側にスイッチみっけ。スイッチを軽く押す。
『私が投影された!』
「おお!オールマイト!映像からでも素晴らしい筋肉がわかる!」
『私が投影されたということは察しがいい人は気づくかな?今年から私は雄英高校の先生を務めることになった!早速だが、鬼道少年の結果を発表しよう!』
オールマイトが先生だって!?入学したらあの筋肉のつけ方を教わらなくては!!
おっと、今は通知のことだ。合格だとは思うがやはり緊張してしまう。
『筆記試験は合格。実技試験は敵Pが50P、これでもう合格だが...そこに!審査制の救助Pを加算して合計76P!見事合格だ!少年よ、学校で待ってるぞ!では!』
「...合格した。やったぞ母さん!合格だ!」
念願だったヒーローの第一歩をようやく踏み出すことができる。
柄にもなく飛び跳ねて喜んでいたが、母さんの顔は暗い。
「菜木、あなたはどうしてヒーローになりたいの?やっぱりお父さんの敵討ちなの?」
父さんの敵討ち、父さんは俺が小さい頃に敵と戦って負けて死んだ。確かに父さんが死んでしまったことは悲しかった。
「母さん、俺は一度敵討ちを考えたが今は違う。ヒーローになってたまたま父さんを殺した奴が出てきたなら俺が捕まえたいがそんなことどうでもいい」
「そうだったの?」
「ああ、俺の今の目的はただ一つ...この筋肉を全世界に見せつけるためだ!筋肉の良さを広める!」
そう言いフロントダブルバイセップスを決めながら母さんに見せつける。
一度溜息を漏らしながらも母さんは微かに笑った。
「お父さんってね。すっごい戦いが好きだったの」
「そうなのか?」
「うん、小学校から幼馴染でね。菜木みたいに体を鍛えてたの。将来の夢は何でも倒すプロヒーローだったからね。でも、菜木も知っての通り父さんの個性はヒーロー向きじゃなくてね。それで考えたのが鬼道流だったの」
それは知っている。脳のリミッターを常に制御して戦うことで、普通の増強系個性のヒーローと変わらず戦うことが出来る。
「菜木がヒーローになるって言うなら、しっかり教えなきゃいけないの。その鬼道流の使い方を」
「?いや、父さんの部屋で見つけたノートにすべて書いてあるのだろう?」
「あれはね、私が貸したノートなの。お父さんの旧姓は
あまりの衝撃の事実に驚きを隠せない。確かノートには高校のときから鬼道流を訓練していたと書いてあった。
つまり、母さんの話からそれよりも前に母さんが鬼道流を使っていたことになる。
「まあ、詳しい鬼道流の使い方は入学してから教えるわ」
「入学してから?」
「お母さん、プロヒーロー復帰と同時に雄英に勤めることになったからよろしくね」
「はあぁぁ!?」
母さん、驚くことが多すぎだよ...てか母さんプロヒーローだったのかよ。
おまけ(重要)
ここは雄英高校の校長室、椅子には根津校長と鬼道波奈が座っていた。
「お久しぶりです。根津さん」
「久しぶりだね。今日は重要な話があったんだ」
「何でしょうか?あ、もしかしてうちの菜木が試験の時に何か失礼なことを!?」
「いや、そんなことじゃないんだけど」
少し興奮気味な波奈を鎮めつつ話を続ける。
「...プロヒーローに戻らないかい?」
「...なるほど、戻って雄英高校の先生になってほしい。こんな感じの内容ですか?」
「君は察しが良いよね。その通りなんだけど、どうかな?やっぱり龍樹くんのことをまだ考えているなら、無理にとは「良いですよ」って良いのかい!?」
即答に驚いた根津、波奈がヒーロー界から居なくなったのは龍樹と結婚してからだ。子育てを大事にするためにヒーロー界から居なくなり、大切な人が敵からやられその恐怖で復帰しないのかと思っていた。
「いやー、ぶっちゃけ復帰出来るならしようと思っていたんですよ!人を助けるのも好きだし、でも菜木が高校に入るまではやめとこうと思っててやっと高校入るじゃないですか?だから、復帰します!あっ、復帰の手伝いしてくださいね」
「あ、ああ良いよ。てっきり龍樹くんのことで復帰しないのかと思ってたよ」
波奈からはハテナマークしか出てこない。ハッと思いついたかのように話し始める。
「ああ!夫から貰ってる手紙のこと話してませんでしたね」
「手紙?」
「そうです。あの現場に向かう前に書いた手紙なんですけど、『死んでもあんまり気にしないでくれ。強い敵と戦って死ぬんなら本望だからよ!』って書いてあったので、楽しめたならいいんですよ」
こうして、鬼道龍樹の死は別に悲しい話ではなかった事が分かった。
根津は驚きのあまり固まっていたが、まぁ復帰してくれるなら良いかと考えるのをやめた。
今回見えやすいように間を開けてみました。こちらの方が見えやすい感じならこれからはこっちで行きます。