季節は巡り、春になる。今日は高校初日ということで筋トレは軽く済ませて朝飯を食べる。
母さんからのメモで「先学校いってるね☆」とあったが、このメモからも分かる通り雄英高校の先生になった。
誰もいない家だがいってきますと声を掛け、家を出ると
「おはよ」
「おお、中々似合う制服姿じゃねえか」
「...ありがと」
家の前には響香が立っていた。響香も無事に雄英高校を合格したらしく、今日からも共に登校する。
「そういえばあの話本当だったの?」
「朝から母さん居なかったし、本当だろうな。これで担任とかだったら俺はどういう顔すれば良い?」
「笑えば良いと思うよ」
他人事のような反応にちょっとショック受けてしまう。俺とお前は腐れ縁じゃないか。もうちょい考えてくれよ。
教室に着くともう既に何人かは座っていた。席順は決まっているようで自分の席に向かう。後ろには既に赤髪の男が座っていた。
「おはよう、俺の名前は鬼道菜木だ。お前は?」
「おはよう!切島鋭児郎だ。今日からよろしくな!」
軽く挨拶を済ませてから椅子に座る。響香の方を見ると意外と周りと話しているようで安心する。
持っていたバックから30kgのダンベルを取り出し、いつものように筋トレを「待て待て待て!なんだそれ!?」始められなかった。
後ろの切島が声を掛けて来たようだ。
「なんだそれって、ダンベルだが?」
「いや、ダンベルってのは分かるけどここは隣や後ろの同級生と交流しようって思わねえの?」
「?ああ、なるほど。切島は良い奴だな」
「あ、ああ、分かってくれてよかったぜ」
「俺は筋肉と交流してるからよ。大丈夫だ」
「...何にも分かってねぇー」
切島はとても悩んでいる雰囲気だったから触れずに、いつも通り筋トレを始める。周りからの目線が少々気になるが、これは中一の時にも味わった目線だな。まぁ気にしないでおこう。
教室内もほとんど席が埋まり、なんか前の席の方で喧嘩をしているようだが気にせず筋トレしていると、
「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け」
「....」
「ここは、ヒーロー科だぞ」
「相澤くんもいきなりそんなこと言わずにもっとフレンドリーに行こうよ」
「...波奈さん、調子が狂うんでやめてもらえますか?」
教室の入り口にいたのはねぶくろをかぶった男と、母親がいた。
嘘だろ...もしかしてうちのクラスの担任なのか?
チラリと響香を見ると「ご愁傷様です」とでも言いたいような顔をしていた。
もう絶望しかないです。
大変遅くなってしまい申し訳ございません。
大体あと1週間くらいは毎日投稿できませんのでご了承ください。