また、キャラ崩壊や口調や一人称が違う、文章が拙い等お見苦しい点は多々あります。
それらが苦手な方はブラウザバックをして下さい。
このギルガメッシュはFF世界を一通り巡った人物となります。
「チクショウ……やらかした……。」
南西諸島沖の戦いから翌日、俺は執務室の机に向かっている。
相手は始末書、何故こんな事に……。
-前日-
「提督ッ、ボードッ!?サーフボードはッ!?」
帰投してから数時間後、輸送機を含め整備をしていた明石が顔色を変えて俺の部屋のドアを蹴破って来た。
せめてノックはして欲しいぜ。
「ん?ジャンプしたらどっか行った。」
「ヌォオオオオオオオオオッ!!??なんて事をォオオオオオッ!?!?」
膝から崩れる明石、しばらくは顔は俯いていたが、次第に肩を震わせて笑い声が漏れ始める。
「あ、あの……明石さん……?大丈夫……デスカ?」
不意に悪寒が走り、嫌な予感が頭の中を埋め尽くす。
この感覚……知ってるぞ。
「フフ……フッ……ねぇ提督?」
「アッハイ。」
確か、バッツ達と決着をつけようとした時の事だ。
握った剣が偽物と気付いた瞬間の……あの取り返しがつかないと直感した感覚に似ている。
「……正座。」
「ハイ……。」
「アレって作るの大変なんですよぉ〜?」
「ハイ……。」
「わざわざアクティブバリアをですねぇ、小型化させてまでボードに積んだんですよぉ〜。」
「ハイ……。」
こうして向こう数時間後は明石の苦労話と説教を聞く羽目となり、翌日には紛失したボードの費用と素材を大本営に請求する為の始末書を書く事になった。
-現在-
「大本営が納得する紛失の仕方……壊れて爆発四散したとか……。」
ダメだダメだ、破片を要求されて詰む。
素直に無くした……は正当な理由にならなそう。
深海棲艦に盗まれた……もっと問い詰められるな。
「……無理だぁあああッ!!!」
正当な理由ってなんだよッ!
無くなったもんは無くなったんだよッ!
その時、コンコンコンッと扉をノックする音がした。
「……開いてるぜ。」
「提督、失礼しますね?」
入って来たのは古鷹だった。
元々、叢雲と一緒に鎮守府を案内する約束だったが、ボード事件の後始末で無くなってしまった。
「すまない、約束を違えちまって。」
「いえ、私なら大丈夫ですよ。お気になさらないで下さいね?」
おぉ……優しさが身に染みる……。
せめて……せめて何か詫びをしなくては……。
「そうだ、約束を違えた詫びも含めて、歓迎祝いをやろう。」
「え、よろしいのですか?」
「おう、受け取ってくれ。」
懐に仕舞ってあるアイテム袋に手を突っ込む。
古鷹に合いそうな物は……お、これなんか良いんじゃないか?
「俺様が持ってても宝の持ち腐れだからな、きっと似合うぞ。」
渡したのは小さなピンクのリボン。
受け取った古鷹は嬉しそうにお礼を言った。
「わぁ〜、可愛いですね!ありがとうございます!」
うんうん、喜んで貰えるとあげた甲斐があると言うものだ。
そう言えば大淀と明石と間宮さんにはまだ何もあげてなかったな。
「良いってことよ。それよりも何か物を失くしたときの正当な理由って心当たりないかー?」
「正当な理由……ですか?」
しばらく考え込む古鷹、そして前置きで「正当か分かりませんが」と置いた。
「回収が出来ない場所に落ちた……とか?」
「回収が出来ない場所……なるほど。」
そうだな……どの道、あのサーフボードは海の藻屑になってるだろう。
ならば、最初から海の底に落ちて回収不可、渋々置いてきたという事にしよう、そうしよう。
「助かった、何とかなりそうだ。」
「それなら良かったです。」
テキトーに書類を書き上げ、クリアファイルに差し込む。後は明石に渡すだけだ。
「あ、そう言えば俺に何か用があったのか?」
「あ……廊下を歩いてたら叫び声が聞こえきたので……。」
「oh……それは失敬したぜ。」
これは恥ずかしいが、まぁいいや。
さっさと明石に渡してこよう。
「よし、俺は工廠に行ってくるから、ゆっくりするなり、自室に戻るなり自由にしてくれ、じゃ。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
古鷹と別れ、執務室を後にする。
明石にも何か用意してあげないとなー。
-工廠-
扉を数cm開け、中を伺う。
明石の奴、もう怒ってないと良いけど……。
「何コソコソしてるんですか。」
「おわッ!?」
後ろから掛けられた声に驚いて変な声が出る。
慌てて振り返ると、むすっとした明石だった。
「いやー、あのですね……書類書ケマシタヨ?」
緊張で声と手が震える。
明石はクリアファイルを受け取り、中の書類を確認した。
「……腑に落ちない点は残りますが、いいでしょう。次からは気を付けてくださいね。」
「あぁ、悪かった。そのお詫びも込めて、これをやるよ。」
そう言って結晶体の石を渡す。
受け取る明石は怪訝な顔をした。
「……綺麗ですが……この石はなんですか?」
「『エネルギー結晶体』って言う素材だ、道具や武具より、こっちの方が喜ぶと思ってな。」
「エネルギー結晶体……?」
目に見えて明石の眼の色が変わり、マジマジと結晶体を見つめる。
「提督、この結晶体の成分は分かりますか?」
「えッ!?成分ッ!?」
しまった……俺も良く分からないアイテムだから全然分からない……。
仕方ないから、正直に言う事にしよう。
「あー、すまん。詳しくは分からん……。」
「ほう、正体不明!実に結構ですよ!腕の見せ所です!」
あれ……なんかめっちゃテンション高くない?
予想以上の喜びように、逆に俺様が恥ずかしい。
「良いですよー、非常に良い!じゃ、私は工廠に籠りますんでッ!」
そう言って工廠に運ばれたトラックの荷台に篭ってしまった。
あれも工廠になるのか……。
何はともあれ、明石の機嫌も直ったようだし、良しとしよう。
「さて、この後はどうするか。」
ぐ〜〜ッ。
不意に腹の虫が鳴る。
時計を見ると針は正午を大きく過ぎていた。
「……取り敢えず、飯にすっか。」
忘れないうちに間宮にも歓迎プレゼントを渡さないといけないしな。
-食堂-
食堂に入ると良い香りが漂う、この香りはカレーだな。
「いらっしゃいませー、あっ提督さん!」
「おう、昼飯を頂きに来たぜ。カレー頼めるか?」
「かしこまりました、少々お待ちくださいね。」
間宮さんは厨房へ戻り、俺は適当に席に着いた。
実はこの前の大淀が作ったカレー以来、大好物になったんだよなぁ〜。
こう、肉とも魚とも野菜とも異なる風味が中々新鮮でクセになる。
間宮さんの料理を心待ちにしていると、厨房からパキーンッと鉄の乾いた音が響いた。
駆けつけると、付け合せのサラダを作っていた間宮さんがオロオロとしている。
「どうした?大丈夫か?」
「すいません、包丁が折れちゃって……。」
折れた包丁を脇に置き、切った野菜の処理をする。
それにしても、腹部から綺麗に真っ二つに折れたな。
「長年使ってた包丁なので、寿命だったのかもしれないですね。」
「そっか、直せるなら直してやりたいが……。」
流石に鍛治までやった事はないな……。
覚えて損はない……か?
「そうだな……代わりになるかどうか分からねぇが……使ってくれ。」
懐から出したのは布に包まれたほうちょう。
切れ味は身をもって体験済みだ。
「まぁ……よろしいのですか?」
「あぁ、歓迎プレゼントだ。」
「でしたら……ありがたく頂戴しますね、ありがとうございます。」
間宮さんは一度、ほうちょうを丁寧に洗い、また野菜を切り始める。
ザクザクと心地の良い音とリズムを刻み、あっという間にサラダが出来上がった。
「この包丁すごいですね、野菜がスッと切れちゃいます。」
「暇があれば研いでたからな、しばらくは切れ味は落ちないんじゃないか?」
最も、研いだのは俺じゃ無いが。
その後は間宮さんの絶品カレーを食べ、大淀を探すことにした。
-鎮守府内 浜辺-
探すこと約1時間、浜辺で天龍と一緒に所を発見した。
どうも、天龍が何か大きい物を大淀に見せてるようだ。
「よぅ、何してんだ?」
「提督じゃん、見てくれよこれ!」
そう言って見せつけるのは、人1人が入っても隙間がある大きな亀の甲羅。
何の変哲も無い素材ではあるが、何かあるのか?
「中身空っぽだけど、でけぇカメだッ!こりゃUMAに違いねぇぜ!」
「だから、こんな大きな亀はありえません。作り物ですよ。」
「あ〜〜、うん、そうだな。」
そうか、この世界だとカメはここまで大きく無いのか。
と言うか、モンスターらしいモンスターって深海棲艦を除いたら、全く見かけないな。
「兎に角、そんなに大きなガラクタは必要ありません、捨てなさい。
「まぁ、なんだ……取り敢えず工廠に持っていけば良いんじゃないか?」
「そーだそーだ、だだっ広く部屋なんだし、甲羅くらい置いたって良いじゃねぇかー!」
「提督、天龍さん、工廠は倉庫ではありますけど、ゴミ箱ではありませんよ。」
「世の中、何が役立つか分からないもんだぜ?これやるから、許してくれよ。」
大淀に100枚ほどの紙を渡す、大きさはカードと同じくらいか。
表面には複雑な模様と『ブリザド』の文字が書かれている。
「これは……一体?」
キョトンとして紙を見る大淀、天龍も物珍しげに見ている。
「大体100枚あるから、1枚だけ抜いてみな。」
「はぁ……。」
大淀は言われた通りに1枚引き抜く。
「次に天龍の方へ向けて、書かれてる文字を詠んでみろ。」
「おいおい、何をする気だ?」
「えーっと……『ブリザド』」
言葉にした瞬間、大淀の指に挟まった紙が消失して周りに魔力が満ちる。
それと同時に天龍の頭上には冷気が集約し、氷塊となって形成された。
「……え?」
「……は?」
いきなりの出来事に理解が追い付かない大淀と天龍。
後は重力の赴くまま、氷塊は天龍に落下した。
「ィデッ!?」 -259
ゴチンッと音がなった気がするが、アクティブバリアがあるし大丈夫だろう。
「天龍さん!?大丈夫ですか!?」
「ぉおお……何とかな……。」
「ほい天龍、取り敢えずこれを飲むんだ。」
「今度は何だ……うぇ、苦い……。」 500
天龍はハイポーションを受け取って飲み干す。
若干、口元から垂れたハイポーションをハンカチで拭き取る大淀の姿はお母さんみたいだ。
「良薬口に苦しって言うだろ、痛みは引いたか?」
「……あ、ホントだ!全然痛くねぇ!」
一気に明るい表情になる天龍。
まぁ、俺はハイポーション嫌いだからエリクサーしか飲まないんだけどな。
「それで提督、今のは何ですか……?」
「前に魔法が使えるか聞いただろ?それは魔力が無くても使える魔法……『擬似魔法』って言うんだが、それなら使えると思ってな。」
「これが……魔法。」
「いーなー、俺にもくれよー。」
「悪い、もう無い。」
「ちぇー、無いなら仕方ない。」
「実験台にした事も兼ねて1つ借りって事で。」
「よし、貸した。」
実際は作れない事もないけど、道具から魔力を抽出して紙に宿すって工程が凄く面倒くさい。
「あと大淀、1回使う事に1枚消費するから覚えておけよ。」
「つまり、あと99回使える訳ですね。」
「無駄遣いするなよ?」
艤装が無い大淀にとって、今ある武器は14cm砲だけだから、少しでも補えると思ったが天龍の反応を見るにあまり期待は出来ないな。
もう少し、有効打になりうる魔法を見つけられれば良いんだが……。
この日は浜辺を最後に自室へ戻った。
-自室-
大本営ってとこから物資が届くのは数日後。
それまでは在り来たりな日常を過ごすこととなる。
毎日、命を張るよりかは何倍もマシだが、せめて鈍らない様に訓練や練習だけでも出来る環境を整えないと。
「訓練……訓練な〜。」
人もいなけりゃ資源もない。
艤装を動かすにも燃料は必要だし、砲撃訓練も弾薬が必須。
出来る訓練と言えば体力作りか陸上での近接戦ぐらいか。
「時間が勿体無いが……どうしたものか。」
悶々と悩んでいると、部屋にノックが掛かる。
前は叢雲だったが、今夜は誰だ?
「提督、俺だ。ちょっと良いか?」
「どうぞ、開いてるぜ。」
相手は天龍か、こんな時間に何の用だろう。
扉を開けて部屋に入る天龍、剣の柄に手を置いて、そこら辺にあった椅子に座る。
「昼に貸した借りを取りに来た。」
真剣な眼差し……これは冗談などではないと悟る。
ベッドに寝転がっていた身体を起こし、座って話を聞く。
「そうか、要件は?」
「俺と腕試しをしてもらう。」
腕試し……ははーん、なるほどな。
俺様も気にはなっていたが、それは天龍も同じだった様だ。
お互い、剣を持つ者としての実力を知りたかった訳だ。
「いいだろう、表に出るぞ。」
「おう!」
-鎮守府 周辺-
ここなら騒音も気にならないだろう。
天龍は屈伸をした後に抜刀して構える。
「その剣……何かあるな?」
「バーカ、教えねぇよ。」
そりゃそうだ、ここで教えてもらっては興醒めも良いところ。
真剣勝負に水を差す事はしたく無いし、俺様も真面目にやるか。
引き抜く劔は……『バスターソード』
「いいねぇ、中々そそる武器じゃねえか。」
「お喋りもここまでだ、後は剣が語ろうぞ。」
巨大な劔を構え、時間が静止する。
聞こえるのは風の音だけだ。
「……ハァッ!」
「ッ!」
先に動いたのは天龍。
中段からの薙ぎ払いを剣技で流す。
続く下段の斬り上げ、叩き斬りも峰で受け止める。
天龍が剣を引く前に突き飛ばして体勢を崩そうとするが、逆に勢いを利用されて安全に後方へ逃げられてしまった。
この攻防で分かった事は力で俺様に分があるが、速さは格段に天龍の方が早いって事だ。
どうやら、叢雲と違い天龍は剣技の方も腕がある様だ、再び構える天龍には隙が全く無い。
「……………………。」
「……………………。」
だが、それは良くも悪くも普通。
無闇矢鱈に隙を無くせば良いというものではない。
僅かで良い、ほんの少しだけ死角を作る。
バスターソードの剣身を右後方に、刃を下にして構える。
この構えは移動しやすく、振り上げるだけで正面全域を攻撃できる。
だが、代償として左側がガラ空きとなる。
あいつは必ずそこを突いてくる。
「…………ッ」
読み通り、天龍は一気に駆け込んで俺様の懐へ飛び込みながら剣を突き出す。
ここで薙いでも懐へ逃げられるか躱されるだろう。
であれば、取るべき選択肢は1つ。
[ しらはどり ]
柄を握る左腕を離し、天龍の剣先を思い切り、叩きつける。
白刃取り、なんて大層な名前をしているが、刃を握ったら指がいくつあっても足りないぜ。
目標をズラされた剣は俺様を突くどころか、横から来た衝撃に天龍自身が耐えられず、身体のバランスが崩れる。
「グッ!?」
「終いッ!」
体勢を立て直そうとする脚を掬ってやる。
勢いを殺せず、踏ん張る脚も空中に舞う。
つまり、天龍は盛大に転倒したわけだ。
「グヘッ!」
「王手。」
首筋にバスターソードを添える。
天龍は両手を挙げて「降参。」と言った。
バスターソードを収め、天龍を起こす。
「ちくしょー、良い腕してるぜ。」
「これでも色んな所を渡り歩いたからな、簡単には負けられない。」
天龍も剣を収め、身体に付いた砂や埃を払う。
「ところで結局、剣の秘密って何だったんだ?」
「あぁ、これ?」
再び剣を抜き、前に突き出す。
今度は刃がスライドし、中にある筒が露出した。
「今回は飛び道具を縛ったが、これで近接も砲撃も出来るって事だ。」
「ガンブレードとちょっと違うが……通好みの武器じゃないか。」
「さっすが提督、こいつの良さがわかるか!」
「あたぼうよッ、色んな世界を見てはお気に入りの武器を揃える俺を誰だと思ってやがるッ!!」
「他にもあるのかッ!?」
「俺について来いッ、秘蔵のコレクションを見せてやるぜッ!」
その日の夜は朝を迎えるまで、武器の解説と自慢話を延々と天龍にしてやった。
天龍も興味津々な様で、見せるたびに素振りを所望していた。
そして翌日、目が覚めたのは正午を回ったのだった。