THE KING OF STREET FIGHTERS   作:本城淳

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ザンギエフ…ストリートファイターシリーズ
流派…プロレス

R・ミカ…ストリートファイターZERO3
流派…プロレス

ライデン…餓狼伝説
流派…プロレス

ラモン…ザ・キング・オブ・ファイターズ
流派…ルチャ・リブレ


プロレスチーム

サウスタウン

ギース・ハワードが私腹を肥やすために始めた大会、ザ・キング・オブ・ファイターズが生まれた場所として、格闘技の聖地となった場所。

 

そんな街であるサウスタウンは、毎日のように大なり小なりの格闘大会が開催されている。

 

この日もある大会が開催されていた。

プロレスの所属団体を抜きにした頂点を決める世界大会。

世界中のプロレスファンには堪らないこの大会も、格闘の聖地サウスタウンならではの大会だろう。

 

その大会には当然のようにこの男も出場していた。

ロシアの赤きサイクロン、ザンギエフ。

世界一のレスラーと謳われている彼がこの大会に出場しないわけがなかった。

既にザンギエフはグリフォン・マスクなどの名高いレスラーを下し、男性トーナメント決勝へと駒を進めており、控室でウォーミングアップしていた。

そこのドアが開かれ、一人の女レスラーが入ってくる。

ザンギエフがその才能を見出だし、自分の後継者と目をかけている女レスラー、R・ミカである。

 

ミカ「ザンギエフ様~!自分、優勝したっすよー!」

 

ミカはそう言ってザンギエフに抱き付いてきた。正直言えば照れ臭い。

 

ザンギエフ「うむ!よく千堂つぐみを決勝で破った!おめでとう!」

 

千堂つぐみ……。テリー・ボガードがギース・ハワードを破ったキング・オブ・ファイターズに参加していた女子プロレス界のホープとされるプロレスラーだ。下馬評では彼女が女性の部では優勝されると言われていたが、思わぬダークホースの登場に会場は揺れていた。

 

ミカ「ザンギエフ様の決勝のお相手はビッグベア選手だとか……楽勝ですね!ハガー市長とかなら分かりませんでしたけれど」

 

ザンギエフ「いや。彼もヒューゴやアンドレ等の強豪を破って決勝に駒を進めている。油断は出来んぞ?」

 

それに、気になる噂もある。

ビッグベアの過去だ。もし、ビッグベアの正体が彼ならば…油断できない。彼はギース主催者時代のキング・オブ・ファイターズでは何度か優勝しているし、件の千堂つぐみを例の大会で負かしたのは彼なのだ。

そして、ザンギエフも彼とは野試合で引き分けた経験がある。

正直言えば、ザンギエフとしてはビッグベアが彼であってほしいと願っていた。

というのも、今回サウスタウンを訪れたのは大会だけが目的ではない。

例のごとく国の偉い人の命令でフリーエージェントと組み、とある大会の調査をするべく訪れたのだ。

「KOSF」

先程から何度も口にしているキング・オブ・ファイターズが母体となった大会だ。

この大会には必ずきな臭い裏側がある。

今まで祖国ロシアはKOFに関与していなかったが、この大会にはついにザンギエフに招待状が届いた。そこで祖国はザンギエフに大会の調査を依頼したのである。

手始めにKOFの発祥の地となったサウスタウンを調査することになったのだか、ザンギエフはサウスタウンを訪れたことはない。

なので祖国はとあるフリーエージェントに協力要請をしたのだ。

協力者は表向きは丁度同時期に世界プロレス大会の出場を名目にサウスタウンを訪れる口実を作ってくれた。

しかも、その大会には彼…ビッグベアが出場するという。

もしかしたら今回のKOSFについて何か知っているかも知れない。

 

 

 

リング

 

互いに向き合うザンギエフと正統派レスラー、ビッグベア。

こうして向き合うと記憶にある彼に益々似ている。

 

ビッグベア「初対決だな。ロシアの赤きサイクロンと戦えるとは光栄だ」

 

ザンギエフ「久しぶりだな………」

 

ビッグベア「………誰と間違えているかはわからんが、俺はリングでは正統派レスラー、ビッグベアだ。さっき言っただろう?初対決だと」

 

ザンギエフ「そうだったな。まずはお互いの力をぶつけ合おう!ビッグベアといったな!シベリアの熊と共に鍛えられた俺にお前の力は通用しないと思え!」

 

ビッグベア「何人も見てきたからな。熊殺しと名乗りながらこの俺にボコられる奴をな。ロシアの赤きサイクロンが噂と違わないことを祈るぜ」

 

ザンギエフとビッグベア。二人の対決がはじまった。

 

……………

 

ミカ「凄かったっす!ザンギエフ様もビッグベアも!あんな人が今まで無名だったなんて信じられないっす!」

 

試合はザンギエフの判定勝ち。

今回のルールには引き分けはない。必ず勝敗は付く。

今回はザンギエフが勝った。しかし、彼にとっては満足の行く戦いではなかった。

もし、戦っていたのが彼だったのならば…負けていた。

ルール無用のストリートファイトならば…。

そんな事を考えていると、来客が来た。

 

???「せっかくお膳立てしたのに、収穫なしかい?ミスターザンギエフ」

 

ザンギエフ「おおっ!ラモン君!済まん済まん!ついつい試合を楽しんでしまったわ!」

 

立っていたのは何故彼がこの大会に出場しなかったのだろうかと不思議でならない最強の人類と称されるメキシカンプロレスラー……ルチャドールの達人、ラモンだった。

彼もザンギエフと同様に世界を又にかけたエージェントである。今回は彼と組んでKOSFの裏を探る任務を受けていた。

 

ラモン「なにやってるんだ?同じプロレス好きなら怒部隊のクラーク中尉の方が役に立つぜ?」

 

ついつい叱られ、ザンギエフは小さくなる。

 

ザンギエフ「むむぅ……そうだな。目的は大会の優勝ではなく、KOSFの情報だったのだからな」

 

ラモン「だろうと思って、連れてきたぜ。目的の人物をな」

 

ラモンがそう言うと、突然ドアが開かれ、強烈なタックルがザンギエフを襲う。その男は……

 

ザンギエフ「ビッグベア選手!」

 

ビッグベア?「ビッグベア?違うな。さっきも言っただろう?それはリングの上だけの名前だ!」

 

ビッグベアと距離を取り、その顔を見ると……覆面を着けていた。その顔には見覚えがある。

元ギース・ハワードの部下である伝説の悪役レスラー…その名は……

 

ザンギエフ「ビッグベア。やはりお前が彼……いや、伝説のヒールレスラー、ライデンだったか!」

 

ライデン「ガハハハハハ!俺はリングの上ではビッグベアだが、リングの外では今でも悪役レスラーのライデンだ!KOFの舞台や異種格闘大会、ストリートファイトではな!久しぶりだな、ザンギエフ!」

 

噂は本当だった。プロレスラーの世界で囁かれるビッグベア=ライデン説。

ザンギエフは早速ライデンにKOSFの裏のことを尋ねようとしたが……。

 

ライデン「すまねぇが、俺からお前らに話せることは何もねぇ。俺は既にギースとは手を切っている。今でもリングの外ではライデンと名乗っているが、それは名前の上であって、悪事から完全に足を洗ってるんだ」

 

そう。ライデンはテリー達が表舞台に立ったKOF以来、裏社会からはキッパリ決別していた。

リングの外でライデンと名乗っているのもプロレス協会がビッグベアとしてではなく、ライデンならばギリギリ黙認できる条件として提示されているだけにすぎない。

 

ザンギエフ「むう……やはり大会に出場してベガやギースの動向を探るしかないか…だが、メンバーが」

 

ライデン「ならばこの女子プロレス大会の覇者と俺をメンバーに加えてはどうだ?」

 

ミカ「じ、自分もっすか!?ザンギエフ様の足手まといになりかねないっすよ!?」

 

突然自分に白羽の矢がたち、戸惑うミカ。

だが、ライデンはザンギエフ同様に彼女の才能には可能性を見出だしていた。

彼女が決勝で下した千堂つぐみは異種格闘大会にも通用する実力者である。ギースの配下時代に彼女と戦ったライデンは、その実力を認めていた。

その千堂つぐみに勝ったミカならば、KOFの大舞台でも通用するだろう。

 

ラモン「今回はプロレスラーと組むのか…ま、セスからは最悪大会出場も視野に入れろと言われてるし?俺は構わねぇぜ」

 

ザンギエフ「うむ!ライデンとミカならばこころ強い!よろしく頼むぞ!」

 

ロシアの赤きサイクロン、ザンギエフ。

伝説のヒールレスラー、ライデン。

人類最強のルチャドール、ラモン。

女子プロレスの期待の超新星、レインボー・ミカ。

 

プロレスラー達の夢のチームがKOSFに参戦!

このニュースに世界中のプロレスファンがわいた!




はい、今回はプロレスチームです。

久々のビッグベアの名前が世に出たと思います。
ビッグベアは餓狼伝説2及びspecialに登場した正統派レスラーのライデンです。

そして名前だけの登場ですが、千堂つぐみをご存知の方はいますでしょうか?
千堂つぐみはポリゴン版の餓狼伝説「餓狼伝説WAB」に登場する女性プロレスラーの卵です。
WABは初代餓狼伝説とはストーリーが同じの言わばパラレルワールド的な作品のキャラクターです。初代餓狼にも出場していた設定で今回は書きました。

チーム編成はグリフォンとヒューゴを当初考えていたのですが………
キャラクターが被りすぎているのでグリフォンをラモンに、ヒューゴをミカに変更しました。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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