THE KING OF STREET FIGHTERS   作:本城淳

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覇王丸…サムライスピリッツシリーズ

楓…月下の剣士シリーズ

ソドム…ファイナルファイト

忌野雹…私立ジャスティス学園



サムライチーム

時は江戸……

 

古枯院

 

WARSやバース等による凶事により時を超えて未来に行くことが多くなったナコルルは、知り合いの強豪剣士である覇王丸の元を訪れた。

彼に協力を仰ぐためである。

古寺の本堂でナコルルは覇王丸の前で深々と頭を下げている。

 

覇王丸「困ったなぁ……ナコルル。頭を上げてくれねぇかなぁ……おりゃぁ、人様に頭を下げられるような人生を送っちゃぁいねぇんな。どうにもばつがわりぃんだ」

 

覇王丸は剣士だ。

人斬りでは無いので好んで人を斬ったりはしないが、剣士の性ゆえに勝負は常に命を伴う。

互いに合意だったとはいえ、奪った命は少なくない。業深き商売ゆえにお天道様に顔向け出来るとは考えていなかった。

 

ナコルル「いいえ!協力して頂けると約定してくれるまでいつまでも下げ続けます!お願いします!覇王丸さん!」

 

覇王丸「相変わらず可憐な見た目に反して強情だねぇ。おめぇさんに合力するってんなら、それこそあの南蛮人忍者やニコチンの爺さんにでも頼みゃあ良いと思うんだけどねぇ」

 

ナコルルと覇王丸の付き合いは長い。

島原の凶事にて天草を倒してから幾度となく協力して凶事を解決してきた。

故に覇王丸は知っている。この蝦夷の巫女がか弱そうで可憐な見た目とは裏腹に一度こうと決めたら梃子でも動かないであることを。

そして見た目通りの少女でないことも。

 

ナコルル「覇王丸さんは宿命の青龍魂と半陽の力をお持ちです。その力はきっと世界を救うことが出来ると信じているからこそのお願いです。現に覇王丸さんは天草や羅生神みずき、壊帝ユガなどの夷敵を破ってきたではありませんか!」

 

覇王丸「青龍だとか半陽だとかと言われても俺自身は特に何かの力を持っているわけじゃねぇんだけどなぁ?俺は降りかかる火の粉を払ってきただけだぜ?」

 

覇王丸は自らの氏すら捨ててしまったただの素浪人だ。

生まれだって武蔵の国の貧乏旗本のせがれというだけである。

とてもナコルルの言う御大層な力を持っている訳ではない。

天草を始めとした斬紅郎や羅生神みずき、壊帝ユガやアスラの事だとて諸国漫遊の剣客の旅の中でたまたま居合わせただけである。

ナコルルのように何かの使命をもっていたわけでもなく、ただただ好きなように生きてきた上での成り行きだったに過ぎない。

WARSとかという妙な組織が主催した「ばとる・ころっしあむ」とかという大会だとてその一環だ。

 

ナコルル「それでも!私は覇王丸さんの力が必要なのです!」

 

いくら断っても頭を上げないナコルル。

覇王丸はついに根負けしてため息を吐いた。

 

覇王丸「その、『きんぐ・おぶ・ふぁいったーず』ってやつはかの『ばとる・ころっしあむ』の時みてえに強い奴が出るんだろうな?」

 

覇王丸の質問にナコルルは目を輝かせて頭を上げる!

 

ナコルル「覇王丸さん………それでは!」

 

覇王丸「たまには未来のまだみぬつえぇ野郎に会いに行くのも面白れぇ。連れてってくんな。その仕合によ」

 

ナコルル「はいっ!」

 

 

 

幕末………

 

 

覇王丸の時代より約200後の時代。

楓は世話になっている一条の家に間借りしている一室で眠っていた。

 

雪(楓…)

 

楓(姉さん………姉さんの声がする………)

 

そんなはずはないのに……楓の義理の姉、雪は封印の巫女として地獄門を封じるため、その若き命を散らした。

 

ならば今しがた聞こえた声は夢なのだろうか?

 

雪(楓………あなたの力が必要です。WARSのような組織が現れ、未来で再び地獄門の力が利用されるやも知れません……世は再び青龍の力を必要としています)

 

楓(地獄門が?)

 

地獄門を放置していては雪や師のような悲劇が再び起きてしまう。

あんな悲劇はもう沢山だ。

 

雪(行きなさい!楓!もうひとつの青龍と手を取り合って、凶事を終わらせるのです!)

 

雪の幻影から光が生まれ、楓を包み込む。

 

翌朝

 

あかり「楓兄ちゃん!もう朝やで!……っておらん?どこへ消えたんや?」

 

どこかへ出掛けた形跡はない。なのに楓の姿だけが無くなっていた。

 

あかり「あんびりーばるや!うちの陰陽師の勘が言うてるで!………ばとる・ころっしあむみたいなのに呼ばれたんや!こうしてはいられへんでぇ!十三!十三はおらんかいなぁ!」

 

この日、幕末の日ノ本から青龍の魂を受け継ぐ剣士と、未来の天才陰陽師が謎の神隠しに遭った。

なお、巻き込まれた神崎十三の事など誰も気にしてはいなかった。

 

 

アメリカ

 

メトロシティ

 

覇王丸「参ったねぇ……ここは南蛮じゃねぇか」

 

貧乏旗本出身の覇王丸は当然蘭語(オランダ語)は話せない。例え話せたとしてもここはアメリカなので蘭語は通用しないのだが、どっちにしても言葉が通じないことには変わりないのでどうだって良い。

 

覇王丸「ナコルルもどうせなら日ノ本に送ってくれれば良かったのによ」

 

???「Oh!ジャパニーズ、サムライ!」

 

覇王丸「あ?」

 

声がした方を振り向いて見ると戦国の世にいそうな鎧兜姿の男が立っていた。こんな姿は覇王丸の時代でもまったくいない。

 

覇王丸「何だあんた。ずいぶんと傾いたかっこうしてやがるな?」

 

ソドム「マイネーム イズ ソドム!ホワット ユア ネーム?」

 

覇王丸「米ねぇむ伊豆?そどむ?わりぃが分かる言葉でいってくれ。蘭語はわからん」

 

ソドム「Oh ソーリー!ワタシ ソドム いいまぁす!アナタノ ナマエハ ナンデスカ?」

 

聞き取りにくい日本語ではあったが、覇王丸は何とか通じた。ガルフォードなどクセのある日本語のお陰であった。人間何が幸いするか分からない。

 

覇王丸「俺は覇王丸っていうんだ。『きんぐ・おぶ・ふぁいったーず』とやらに参加するために来た」

 

ソドム「Oh!『KOSF』デスカ?ペラペラ」

 

ここから先は覇王丸にはわからなかった。ソドムは興奮していて彼の言葉の配慮をまったく考えていなかったのである。

 

覇王丸(勘弁してくれよ……)

 

?「彼は『KOSF』には四人一組でないと出場は出来ないと言っている。楓、彼で間違いないのか?」

 

また新しい奴が現れた。

今度は異人の格好をした日本人らしき男だ。そして、彼の連れには見知った顔があった。

 

 

WARSが主催した『NEO・GEO バトルコロシアム』で出会った剣士である。

同じ青龍の力を宿すものとして惹かれあった関係から、覇王丸も彼の事は覚えていた。

 

楓「お久しぶりです。青龍の覇王丸さん」

 

覇王丸「楓か!久しぶりじゃねぇか!また会えるとは思ってなかったぜ!で、このバテレンかぶれの男は?」

 

雹「私は忌野雹。訳あって世捨て人をやっていたが、カムイコタンの巫女によって君達を世話するように頼まれていた」

 

忌野……聞いたことがある。風間一族や風魔、不知火のように歴史の裏で動いていた忍者軍団の一つだ。

未来でも残っていたとは意外だった。

 

ソドム「Oh!イマワノ!オヒサシブリデース」

 

雹「ソドム殿か……久し振りだな」

 

覇王丸達はここで互いの自己紹介をする。

 

覇王丸「へぇ………またしても地獄門やアンブロジャが関わるのかい………ナコルルの為にも、こりゃあ頑張らねぇとな。何より、腕が鳴るねぇ?」

 

雹「ならばこの侍達でチームを………いや、組を作ってはいかがかな?間違えた私の人生の償いにもなろう」

 

覇王丸「そりゃ渡りに船だぜ」

 

覇王丸達は雹が隠れ住んでいる屋敷へと身を寄せる。

そこで覇王丸は使用人を呼び止め、持っていた瓢箪に酒を詰めて貰う。

支度といってもその程度である。

 

楓「相変わらずですね、覇王丸さん」

 

覇王丸「おうよ!祭りの始まりだ!今夜は呑むか!」




かなりストーリーは無理矢理ですが、侍でチームを作ってみました。

カプコンの侍には他にビシャモンがいますが、かれはコミュニケーションが取れない怨霊の鎧なので断念しました。

他にもジョジョのチャカもいますが、ジョジョは純粋なカプコン作品では無いので断念しました。

雪ノ○陽乃「何で………すって………」

いや、俺ガイル×ジョジョからもキャラ出しませんからね?

他にもSNKから「天外魔境ー真伝ー」もありますが、同様の理由で却下しました。
地雷也、卍丸、承太郎、ジョセフのチームも面白そうではありましたが………。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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