THE KING OF STREET FIGHTERS   作:本城淳

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火引ダン…ストリートファイターシリーズ
サイキョー流

ショーン…ストリートファイター3シリーズ
マスターズ流空手

矢吹真吾…KOFシリーズ
草薙流古武術

アリス・ガーネット・ナカタ…パチスロ餓狼伝説、KOF14
流派なし


弟子チーム

ダン「ちくしょう!またなのかよ!」

 

サイキョー流道場にて、ダンは荒れていた。

…と言うのも、KOSFに参加する為のめぼしいメンバーが、みな既にチームを組んでいるか、若しくは連絡が付かないかのどちらかなのだ。

いつもそうだ。世界的に有名な大会、KOFが開催されると聞くたびに、ダンはサイキョー流を知らしめるまたとないチャンスだと思って勢い良くチームを組もうとするものの、毎度招待状が届かなかったり、フリー参加が可能な場合でも、大抵は既にチームを組まれているか、連絡が付かないか、断られるか…。

プライドを捨ててサイキョー流のパクり(と勝手にダンは思っている)極限流道場に頼み込んだ事もあるが…。

 

タクマ「お前と?ふざけるで無いわ!どうしてもと言うならば、極限流の門下に入れ!さもなぐば、覇王翔吼拳を会得してきてから出直せ!」

 

と言われたので、似たような「我道翔吼拳」や「覇王我道拳」を会得して出直してみたものの、タクマ・サカザキからは…

 

タクマ「未熟者めが……貴様が覇王翔吼拳を会得したとしても、極限流に並ぶ事などできぬわ!」

 

と、天狗の仮面を被って言われ、覇王至高拳で吹き飛ばされた。

ならばアンチ極限流チームを作ろうと奔走しても、如月影二や藤堂香澄達からは鼻で笑われて門前払い。

弟子(と勝手に思っている)であるさくらやジミー(ブランカ)はこういう時に捕まらない。

自棄になって無謀にも八神庵に頼めば

 

庵「下らん……お前と組むくらいなら京と組んだ方がましだ。楽には死ねんぞ!」

 

と殺されかけ、更に自棄になって豪鬼に恃めば

 

豪鬼「痴れものが!去ねぃ!滅殺!」

 

と殺されかけ、ギースに頼めば

 

ギース「ふん。良いだろう。だがまずはテストだ。この仕事を上手くこなして見せろ」

 

と、悪事に荷担されかけ、文句を言ったら大西洋に危うく沈むところだった。

 

自分でもあの時はどうかしていたんだと思わなくも無いが、とにかくダンはまともにチームを組めた試しがない。

今回もさくらやかりんを頼ろうと思ったが……

 

さくら「あ、ごめんなさい!既にアテナさん達と組んじゃったんだ!」

 

っとあっさり断られた。安くない電話代を公衆電話に飲み込まれたのに…。

ダンは失意のどん底で渋谷のハチ公前で項垂れていた。

 

 

真吾「そんなぁ!何でですか!草薙さんとチームが組めないなんて!」

 

柴舟「あやつには三種の神器としての使命があるからのう。お前はお前でチームを組んで出れば良いじゃろう」

 

真吾「簡単に言わないで下さいよ!だったら師匠が組んで下さい!」

 

柴舟「残念じゃが、ワシはワシで既にチームを組んでおるんじゃ。悪いが他を当たってくれ」

 

真吾「もう良いっすよ!紅丸さんや大門さんに頼んでみるっす!」

 

泣きながら草薙流道場を飛び出した真吾。何だかんだで面倒見が良い紅丸や大門ならば組んでくれるだろうと考えていたが…。

 

紅丸「悪いな。俺様はもう組んじまってるんだ。京の親父さんに聞いたら、京は既にチームを組んだと聞いていたからな。てっきりお前とゴローちゃん当たりと組むもんだと思ってたから、俺は俺でチームを組んじまったんだよ」

 

大門「ぬぅ?紅丸も京も既にチームを組んでおると聞いておったから、てっきりお主もそのチームに入っていたかと思ったぞ。すまんな…ワシも既に組んでしまった」

 

と、門前払い。自棄になって庵に頼んでみれば

 

庵「今度は貴様か……俺は今、機嫌が悪い。遊びは終わりだ!泣け!叫べ!そして死ねぇ!」

 

と、超必殺技を食らいそうになり、K´に頼んでみても

 

K´「テメェ……正気か?俺一人で充分だ…。シャラァ!」

 

と蹴り飛ばされ、セスに頼んでみれば…

 

セス「良いだろう。で、料金はこれくらいかかるが?」

 

と、法外な料金を請求されかけた。

冷静になって考えれば組織の依頼で動くエージェントが数日間にも及ぶ大会を無償で動いてくれる訳がないし、依頼ともなれば百万円単位の金を請求されても当たり前なので、法外でも何でも無いのだが、そんな当たり前の事も真吾は考えることが出来なかった。

あの時はどうかしていたのだと自分でも思う。

 

真吾「どうすれば良いんッスかー!」

 

思い返してみれば、真吾は草薙流のツテか紅丸のツテでこれまでKOFに参加できていたことに今更ながら気が付いた。

気付かない内に真吾は増長していたのかも知れない。

京や紅丸達とチームを組み、半ばKOFの常連となっている事で一流の格闘家のつもりになっていたのだと。

だが、蓋を開けてみれば誰もチームを組んでくれる者はいなかった。

口ずさまない者に至っては京や紅丸のオプション扱い、酷いときには日本チームの数合わせのオマケや、刺身のツマ合わせ扱いだった。

真吾の格闘家としての評価はこんなものだったのである。

 

真吾は知らない事ではあったが、柴舟は真吾と組んでくれそうなメンバーには心当たりがあったのだが、敢えて紹介をしなかった。

真吾の才能と実力は天才的だ。柴舟が教えられることはもうあまり無い程と言えるくらいに。

格闘技を始めてわずかな期間でKOFという大舞台で活躍出来ているのがその証拠だ。だが、今のままでは京達の陰に隠れてしまい、せっかくの実績も霞んでしまう。

真吾は日本チームの真吾ではなく、矢吹真吾として世に出るべきだ…。

その最初のステップ…それは。

 

「チームを自力で組んで、本当の仲間を作れ」

 

……と言う事。

ネスツとの戦いが終わり、京達に真吾は言われた。お前も本当の仲間を作れと。

その時、真吾は京達が自分を仲間だと思ってくれないのは自分が弱いからだと嘆いていた。だから、それを目にしていた柴舟は真吾を気紛れで弟子にしたのだが、師事してみてすぐにわかった。

京は既に真吾を仲間として認めている。それだけの実力は既にある。足りないのは実績と自信、それと切磋琢磨する存在だ。

それらを得られた時、真吾は………。

 

千鶴「柴舟さん。これで良かったのですか?」

 

柴舟「ええ。誰もが通る道じゃ。真吾にとっては今がその時なのじゃよ。……寂しいものじゃな」

 

そう、これは試練だ……。どんなときでも弟子はいずれ一人前になるときがくる…。人はそれを……。

 

千鶴「寂しい…ですか。確かにそうなのかも知れませんね」

 

柴舟「そうじゃな。弟子の一人立ちと言うのは、師にとっては寂しいものじゃ。そうじゃろ?京」

 

京は既に真吾を一人立ちさせようとしていた。

それを邪魔していたのは自分だ…。今こそ、本当の真吾の一人立ちの時なのだ。

わざわざ東京に出向いてまで千鶴に断られ、項垂れて渋谷のハチ公の前で座り込んだ真吾を、柴舟は隠れて見ていた。

 

 

一方、自称ケンの弟子、ショーンも東京に出向いて来ていた。

ショーンもKOSFに出場したいと考えていたが、師匠であるケンは数日前から仕事をほっぽり出して行方不明である。

ケンの事だから同門であるリュウと共に出場するだろう。もしかしたら最近見つかったケン達の師である豪拳と組むかも知れない。だったら自分も……と考えていたのだが、ショーンの場合は真吾と違ってケンに合格点を貰えるほどの実力はない。

一人立ちどころか、ケンがかつて全米格闘王の称号を得る切っ掛けとなった大会だって、予選大会の1回戦ですら突破したことが無いのだ。

ケンがチームメイトとしてショーンと組むことなどあり得る話ではなかった。ましてや、毎回主催者の思惑が絡み、大会が開催される度に何かしら事件が発生するKOFの流れを汲む大会なら尚更だ。

参加する事自体、ケンがいたら反対していただろう。それどころか、実力が伴わないショーンが出たがるなど、夢にも思ってなかった。それくらいの分は弁えていると思っていたのだが、ショーンは弁えていなかった。

ショーンはケンがいないとわかるや否や、すぐにメンバー集めの旅に出た。

全米格闘王の弟子ともなれば、すぐにメンバーが集まるだろうと甘く考えていたのだ。

手始めに空手で有名な極限流に行ってみれば……

 

マルコ「またケン・マスターズの関係者の道場破りか!覇王翔吼拳!」

 

極限流空手師範代のマルコの一撃であっさり撃沈。波動拳すら満足に撃てないショーンにはどうしようもなく、トラウマを植え付けるだけに終わった。前日にケンが道場破りと間違えられて多数の門下生が逃げられてしまったという不運もあったのだが、結果としては同じだったに違いないだろう。

次に日本へと渡り、竜胆館のまことを頼ったが…

 

まこと「誰じゃおまんは?ケン・マスターズの弟子?嘘つくんじゃなか!正中線五段突きじゃあ!」

 

女の子の拳を貰って一撃KO。

最後にケンがかつて指導したという名門、観月かりんを頼ってみたが……

 

バーディー「ケン・マスターズの弟子?お前が?誰かわからんが、ケン本人ならともかく、お嬢様がお前なんかとチームを組むわけが無いだろう。マダラチェーン!」

 

と、用心棒らしき男に鎖で巻き上げられ、二回ほど地面に叩きつけられた。考えてみれば世界旅行はおろか、個人で宇宙旅行が出来る財閥の令嬢であるかりんが面識のないショーンを、しかもアポ無しで会ってくれる訳がなく、門前払いされても仕方が無かったのだが、そんな事もわからなくなっているほどショーンは焦っていた。

既にかりんのライバルであり、リュウの自称弟子であるさくらがチームを組んでいたこともショーンが冷静ではなくなっていた理由なのかも知れない。

救いが無いのは真吾は日本チームの腰巾着とかパシリとか言われていても、それなりに格闘界では名前が知れていたが、ショーンに至っては全くの無名であることである。

真吾以上に実績が無いのだ。

 

ショーン「今更実家を頼るわけにもいかないしなぁ…」

 

ショーンは実家の家業を捨て、家出同然にケンの弟子にと飛び出した。今更頼るわけにもいかない。

 

ショーン「どうするかなぁ……イライザさんにKOSF出場するまで帰らないって大風呂敷広げちゃったから、手ぶらで帰るのもカッコ悪いし……」

 

かりんに門前払いされ、トボトボとハチ公前までたどり着いたショーンは、失意のどん底でとうとう座り込んでしまった。無名の格闘家の、ハードルの高い甘い考えから始まった無謀な挑戦は、手痛い挫折で終わろうとしていた。

 

 

アリス「信じられません!舞さんもキングさんも…テリーやロックまでチームを組んでしまっているなんて!」

 

テリーに憧れ、さくらや真吾のように自ら格闘技を始めるようになったアリス・ガーネット・ナカタ。

KOF14が開催された時、女性格闘家チームの若きホープとして本戦に出場できたアリスは、同じノリで舞やキングとチームを組もうとしていたが、世の中そんなに甘くない。

世間のアリスの評価はこうだ。

 

「女版矢吹真吾」「舞やキングのお荷物」「何年かに一人は現れるテリーのおっかけ」

 

である。

実力的には真吾同様にKOFでも渡り会えるだけの実力はあるのだが、いかんせん脇を固めていたのがKOF常連の中でも超一流の舞とキングである。

憧れのテリーにですら舞やキングのお陰で本戦に出場出来たと言われる始末だ。もちろん、そんな彼女が簡単にチームを組める訳がなく……。

 

ユリ「ごめんねぇ。舞さん達の仲間だから協力したいのはヤマヤマなんだけど、ちょっと今回は無理かな?」

 

…と、初代女性格闘家チームの先輩のユリには断られ、舞のツテを頼って香澄を訪ねても…

 

香澄「今回は本気で打倒極限流を掲げてますから、あなたではちょっと…」

 

と、断られ、千鶴や雛子にも断られた。

次に河口湖にある不知火道場を訪ねてみても……

 

アンディ「済まないが、弟子の北斗丸の面倒もあるし、舞にいらない誤解をされたくない。申し訳ないが、他を当たってくれ」

 

と、テリーの弟に断られ、舞の祖父の友人である山田十兵衛を訪ねてみれば……

 

十兵衛「ええぞ?じゃが、まずは組手をして実力をはからんといかんのう?」

 

とか言われて立ち会ってみれば、セクハラのオンパレードだ。流石にこんなスケベジジイなんかとは、例えチームが組めても御免である。

 

アリス「どうすれば良いのかわかりませーん」

 

何故かキム・カッファンの事が頭を過ったが、それはとても危険であるような気がした。

失意のどん底で渋谷のハチ公前で力尽きたアリスは、銅像の前でへたり混んでしまった。

 

 

ハチ公銅像の周りを取り囲む四人の溜め息が同時に出る。

 

ダン、真吾、ショーン、アリス

『大会、どうしよう…出たいなぁ~。KOSF』

 

『え………?』

 

偶然か必然か………

 

リュウやケンの兄弟子、ダン。

草薙柴舟と草薙京の弟子、真吾。

ケンの弟子、ショーン。

自称テリーの弟子、アリス。

 

この四人、成り行き任せの勢いでチームを組むまで、そう時間はかからなかった。




はい、若干二名ほど(ダンとアリス)、弟子とは違う気もしますが、弟子チームです。

有名なのはダンと真吾。

マイナーなのがアリスとショーンってところでしょうか。
実際に使用すると、一番強いのは真吾で後は微妙なチーム編成ですね。
ダンとショーンが鍵を握るといった所でしょう。
本来ならばアリスではなく、作中に出てきた極限流のマルコ辺りを入れようとも思いましたが、マルコは既に師範代をやっているので除外しました。
ダンは……まぁ、性能的にも扱い的にもあれですから違和感はないかと思います。
ネスツ編以降の真吾の方が断然強いですし……。

それでは次回もよろしくお願いいたします。
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