THE KING OF STREET FIGHTERS   作:本城淳

2 / 57
メンバー

燃え上がる紅蓮の炎
草薙京…草薙流古武術+我流喧嘩殺法
(KOFシリーズ)

復讐の紫炎
八神庵…八神流古武術+本能
(KOFシリーズ)

武神の影あり
ガイ…武神流忍術
(ファイナルファイト)

悲劇のソウルパワー
ローズ…ソウルパワー
(ストリートファイターZEROシリーズ)


三種の武神チーム

日本

大阪 草薙流道場

 

草薙京は久々の帰国を果たし、実家の草薙流道場へと足を踏み入れた。

 

京「親父、帰ったぞ」

 

真吾「草薙さぁん!待っていたんすよぉ!」

 

京「うぜぇ…うりゃあ!」

 

京は抱きついて来る真吾を百式・鬼焼きで引き剥がし、自分をわざわざ国際電話で呼び出した父、草薙柴舟の元へ急ぐ。

 

柴舟「帰ったか、京」

 

京「なんだよ親父。わざわざ国際電話までしてきて」

 

柴舟「京、まず座れ。まずはワシとお前宛にコレが届いた」

 

京「あ?なんだこれ。KOFの招待状?」

 

柴舟「似たようなものだな。ただ、きなくささはいつも以上じゃと神楽殿から聞いている」

 

京「神楽から?なんだよ。またオロチ関連じゃないだろうな?」

 

柴舟「わからん。ただキナ臭いとだけしか言ってきておらん…神楽殿もこの二人をワシら草薙に紹介しただけのようだしの。入ってきて下され」

 

柴舟に言われて入ってきたのは赤い忍者装束を着けた男と、どこか神楽と雰囲気が似た外国人の女性だった。

 

柴舟「人の世が乱れるとき、武神の影あり。草薙1800年の歴史の中でも、何度も協力しあってきておるからわかるな?彼は当代の武神流継承者のガイ殿だ」

 

ガイ「武神流継承者のガイでござる。この、きんぐ・おーぶ・すとりっと・ふぁいたーずーなる大会は何か人の世を乱す存在が関わっている。殺意の波動、オロチ、さいこっぱわー。それぞれが複雑に絡んでいるでござる」

 

京(今時ござる口調かよ。女の方も八神みたいに前髪がびよーんと出ているし)

 

京「親父、この人は?」

 

柴舟「元々はシャドルーのベガの弟子だったらしいが、今はベガと対立してガイ殿の協力おるそうだ」

 

ローズ「ローズと申します。普段は占い師をしております」

 

京(うさんくせーな)

 

柴舟「それで、ローズさんとガイ殿が言うには、此度の騒動には封ずる者の力が必要だということじゃ」

 

京「封ずる者って…」

 

ガイ「そう、八神殿の事でござる」

 

京「よりにもよってまた八神かよ。遥か地より出る者の時といい、何度アイツと組まなくちゃいけないんだ?この際、親父で良いだろ。丁度四人いることだし」

 

京と庵は何度も組んできたが、オロチ、ネスツ、遥か地より出る者の時など、これまでもそうだったように、それは仕方なく組まざるを得ない状況だったに過ぎない。互いに相容れないものは相容れないと京は思っているし、おそらく庵もそうだろう。

 

京「俺はおりさせてもらうぜ。八神と組むなんて金輪際ごめんだ」

 

柴舟「ならばこの招待状は渡せんな。武神流と草薙は昔から強い協力体制にあったんじゃ。オロチ関連でもな。なのに、それを断ったとあっては我が流派にも武神流にも顔向けができん。どうしても出たければ武神流の言うとおりにすることじゃな」

 

京「ああ、そうかよ。別に俺は出ても出なくてもどちらでも良いんだ。あばよ」

 

ガイ「京殿!」

 

京「あばよ」

 

京は家を出てバイクに跨がり、どこかへ行ってしまった。

 

ローズ「追わなくても良いわ。やる気の無いものに頼ったところで足手まといにしかならないわ」

 

柴舟「あのバカ息子…すまんのう。ガイ殿、ローズ殿」

 

ガイ「お気になさらず。柴舟殿。拙者の勘が言っているでござる。いずれは交わるところに交わると」

 

 

岬の墓場。

お墓に供えられている煙草の前で、自身も煙草を吸う八神庵。

そこに草薙京が現れる。

 

京「線香代わりのつもりか?」

 

庵「前にもそんな事を言ったな?」

 

京「そうだったか?」

 

庵は煙草を揉み消し、新しい煙草をくわえる。京はジッポに火を付け、庵の煙草に火を付けようとするが、庵はそれを拒否し、自前のジッポで火をつけた。

 

京「前にも聞いたが、必要か?それ」

 

庵「貰い物だ。前にも答えたがな。貴様、もう何年も前になるかなど、聞くまいな?」

 

京「ああ、それも前に聞いたっけな?」

 

それから二人はしばらく黙る。

 

庵「貴様の客人が毎日うるさい。何とかしろ」

 

京「あれは親父の客人だ。前はパシリで今回は客人かよ。シャドルー、ハワードコネクション、R&B社、観月財閥、ガルシア財団…色々な思惑が絡んでいるようだな」

 

庵「どこの誰が何を企もうが関係ない。俺は貴様だけを殺せればそれでいい」

 

京「そうだったな?」

 

庵「用件はそれだけか?今日は興が乗らん。貴様の命は次に預けておく。首を洗って待っていろ。京」

 

庵は愛用の単車に乗り、墓場を去っていった。

 

京「そう言いながら、結局は前もチームを組んだよな?俺達」

 

京は庵が投げ捨てた煙草の吸い殻に目をやる。以前とは違い、その吸い殻に血は付着していなかった。

 

大会当日。

 

ローズ「本当に来るの?草薙京と八神庵は」

 

ガイ「来る!拙者の勘に間違いはない!」

 

根拠もなく言い切るガイにローズがジト目を向ける。

一回戦開始まであと30分。

二人の元に金日蝕環の黒ジャケットを着た男と、三日月のジャケットを着た赤髪の男が現れるのは時間ギリギリのタイミングだった。




次回はアメリカンヒーローズチームです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。