THE KING OF STREET FIGHTERS   作:本城淳

3 / 57
伝説の餓えた狼
テリー・ボガード…マーシャルアーツ+ジェフ流喧嘩殺法
(餓狼伝説シリーズ、KOFシリーズ)

伝説を継ぐ翼
ロック・ハワード…マーシャルアーツ+古武術
(餓狼MOW)

墜ちた英雄
コーディー…マーシャルアーツ
(ファイナルファイト)

伝説のマッスルボマー
マイク・ハガー…プロレス
(ファイナルファイト)


アメリカンヒーローズチーム

アメリカメトロシティ

 

養子のロック・ハワードを連れてテリー・ボガードはメトロシティに降り立った。

数年前にギャング集団マッドギアが暴れていた街で、お世辞にも治安がいい街とは言えない。

テリーがこの街に来たのは些細な噂が原因だった。

 

テリー「墜ちた英雄が自由気ままに刑務所を抜け出して暴れている…か。会ってみたいな。墜ちた英雄に」

 

ロック「それでまたバトルをするのかい?相変わらずそう言うのが好きだね、テリー」

 

テリー「お前だって嫌いじゃ無いだろ?ロック」

 

改札を出て、しばらく歩く。

 

テリー「ロック…」

 

ロック「わかってる…尾行されている。それも、かなりの手練れ」

 

駅を出た辺りから尾行されていたことには気がついていた。テリー達は尾行に気が付いていないふりをしながら徐々に人気のない路地へ路地へと入っていく。

 

テリー「この辺なら良いだろう。ヘイッ!尾行している奴、出てきな」

 

ロック「もう尾行はバレている。大人しく出てきたらどうだ?」

 

テリーとロックが叫ぶと二人の男が出てきた。

バンダナに禁煙ジャケット、朱色に塗られた三節棍が特徴のギースの忠犬ビリー・カーンが立っていた。。

 

テリー「ビリー…まさかメトロシティでお前達に出くわすとはな」

 

ロック「父の…ギースの差し金か?」

 

ビリー「俺達の尾行に気付くとは流石だな。テリー。そしてロック。相変わらずギース様に楯突こうとしてるのか?まぁ、良い。今日はお前らに素晴らしい祭りに招待しようと思ってな」

 

ビリーが二通の封筒を投げて寄越す。

 

テリー「ザ・キング・オブ・ストリート・ファイターズ?」

 

ロック「またギースの奴が何か企んでいるのか…以前はオロチの力を自分の力にしようとしたらしいけど…」

 

テリー「いずれにしても、こんな大会に参加するつもりはない。そうギースに伝えておけ」

 

ビリー「腑抜けちまったなテリー。ギース様に手傷を負わせたお前はどこに行っちまったんだ?」

 

三節棍を構えるビリー。構えをとるテリーとロック。

ファンファンファンファン…!

 

ビリー「ちっ。ポリスが来たか」

 

バルバルバルバル…

ビリーの上空にヘリが到着し、垂れてきたハシゴロープに掴まるビリー。

 

ビリー「あばよテリー!テメェがしっぽ巻いて逃げるならそれでも良いぜ!ギース様も腰抜けには用はねえからなぁ!」

 

ビリーを回収し、飛び去っていくビリー。

 

テリー「逃げたか…それにしてもギースめ。今度は何を企んでいる…」

 

ロック「それよりもテリー、警官隊に囲まれたぞ。どうする?」

 

テリー「どうする…と言われてもなぁ。拳銃で狙われている以上、抵抗すれば蜂の巣だぜ?」

 

???「こんなところでサウスタウンの英雄に会えるとは思わなかったぞ。初めまして、テリー・ボガード」

 

警官隊の中から、スーツが全く似合わないマッチョな男が現れた。

 

テリー「市長直々に警官隊を指揮するとはね。初めまして、メトロシティの市長、マイク・マッチョ・ハガー」

 

ハガー「それはプロレスリング時代のリングネームだよ、Mr.ボガード。ここ最近、ギース・ハワードのちょっかいが激しくてね。マッドギアの次はハワードコネクションだ。この街は悪人に狙われやすいのかねぇ」

 

ロック「奴の野望はとどまるところを知らない。マッドギアが壊滅した今、空白地帯となったメトロシティにギースは目を付けたんだと思う」

 

ロックがそう答えると、ハガーは深いため息をついた。

 

ハガー「Mr.テリー・ボガード、Mr.ロック・ハワード。折り入って話がある。私の市長室まで来てもらえないか?」

 

テリー「上等なランチくらいは期待していいのかい?市長」

 

ハガー「ハングリーなのは通り名だけではないようだね?Mr.ボガード。良いだろう。私のお薦めのステーキをご馳走しよう」

 

テリー「OK、昼飯代が浮いたな?ロック」

 

ロック「はぁ…市長にたかるかなぁ…普通」

 

ハガーの案内でテリーとロックは市長専用のリムジンに乗り込み、市の庁舎まで送られて行った。

市長室には食事の用意がされており、テリー達が普段は食べられないようなステーキが用意されている。

そして、そこには囚人服で覇気のない目をした、金髪の男もいた。

 

ハガー「さぁテリー君、ロック君。食べてくれたまえ」

 

テリー「ご馳走になるぜ、市長」

 

ロック「テリー…少しは遠慮しようよ」

 

ハガー「構わんよ」

 

テリー「で、市長。そこの男は?」

 

ハガー「彼はコーディー。コーディー、彼がテリー・ボガードだ」

 

コーディー「……こいつがサウスタウンの英雄、テリー・ボガードか」

 

テリー「こいつが墜ちた英雄…コーディー」

 

コーディー「憐れみか?ハッ!テメェだって一歩間違えればこうなるんだぜ?いつまで英雄でいられるか?餓えた狼さんよ」

 

ハガー「コーディー。ケンカを売るな。済まんな、テリー君、それで、食べながらで構わないので話を聞いて欲しいのだが…」

 

テリー「ムシャムシャ…もう頂いてるぜ?話というのはこれに関係することか?」

 

テリーはビリーが投げ寄越した大会の招待状の封筒をとりだす。

 

ハガー「察しが良くて助かる。いま、このメトロシティはギース・ハワードにちょっかいを出されている状況なんだ」

 

テリー「で、この大会で主催者の一人である可能性が高いギースに近付こうって算段か?過去にギースやルガール、クラウザー…ネスツに対してそうしたように」

 

ハガー「その通りだ。中でも君はその手段で一番最初にギースに近付き、目的を達成したと聞く」

 

テリー「だから今回も大会に出場してギースを倒せと?確かにギースは俺の親父の仇だが…」

 

テリーはロックをちらりと見る。

 

ロック「テリー。俺は構わない。ギースが勢力を拡大させれば、テリーや俺のような奴がまた出てくる。メトロシティを奴の支配下におかれたら、サウスタウンの二の舞だ」

 

テリー「良いんだな?ロック」

 

ロック「俺はもう、ギースを父親だとは思ってない。あいつは……敵だ」

 

テリー「ということだ、市長。俺とロックは大会に出るぜ。で、残りメンバーは?」

 

ハガー「私と…このコーディーで参加しようと思っている」

 

テリー「市長が?正気か?確かに今でも現役のレスラーだとは聞いているけど」

 

コーディー「はぁ?聞いてないぜハガー。そんなことをして俺に何のメリットがあるんだよ?」

 

ハガー「私の権限でお前の減刑を約束する。喧嘩し放題でファイトマネーも貰え、更に減刑。悪くないだろ?」

 

コーディー「刑期なんかはどうでもいい。ムショ暮らしも悪くないし、気ままな生活に満足してるんでな。だが、強い奴とケンカし放題なのは魅力的だ。最近のメトロシティにはハガーくらいしか骨があるのはいなかったからな」

 

テリー「決まりだな。旅費とかはそっち持ちなんだろ?」

 

ハガー「もちろん、こちらから経費として出そう」

 

テリー「よっしゃ!強い奴を認めてストリートファイトの旅先にメトロシティにやって来たが、面白いことになった!首を洗って待ってろよ!ギース!」




というわけで、SNK格ゲー初代主人公テリーと、その後継者ロックのストーリーでした。
一方、同じ街の英雄繋がりでハガーとコーディーをチームメイトに。
何気にハガーはファイナルファイトリベンジ以外の対戦格ゲーには登場してなかったんですよね?キャラ性能がザンギエフと被るからでしょうか?

次は何チームをかきますかね?
ご意見等あればお願いします!苦情はやーよ♪

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。