THE KING OF STREET FIGHTERS   作:本城淳

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キックファイターズチーム

アメリカ

サウスタウン

 

パオパオカフェは今日も賑わっていた。

今や格闘技のメッカとも言える街。表、裏を問わず連日のように何かしらの格闘大会が開催されているサウスタウン。

この力が全ての街において、ある種のランク付けが存在していたりする。それはある意味で公式であったり、勝手に街の者達が決めた暗黙のルールだったりしている。

例えば裏格闘技場のランク。

例えばKOFの招待状が届く者。

例えばギースからスカウトが来る者。

例えば極限流道場に道場破りをした際、誰が立ち会うかまですらも。

 

最後の2つは命懸けだが、そう言った者が一種のステータスとなっているのがサウスタウンの街である。

中でも顕著なのがこのパオパオカフェだ。

カフェと言いつつも、この店は実際は酒場なのだが、ただの酒場が世界中の格闘家に知られる店であるわけがない。

パオパオカフェには舞台が設けられており、その舞台にはショータイムとして格闘家による試合が行われているのである。

しかし、誰もがその舞台に立てる訳ではない。

オーナーであるリチャード・マイヤー、店長であるボブ・ウィルソンのお眼鏡に叶った者だけがその舞台に立つことが出きる。

前座ですら一流……良くて二流クラス。

メインイベントで一流上位。

リチャードやボブがステージに立った時は超一流と認められた者の称号だ。

パオパオカフェの舞台に立つことが出来るというのはそれだけでも一種のステータスなのである。

近年では迷惑な女性格闘家達が酔って暴れて店を破壊することも少なく無いのだが、とにかくパオパオカフェは格闘家達の聖地の1つなのである。

オーナーであり、1号店の店長のリチャード・マイヤーはそういった噂を否定しているものの、リチャードが舞台に立つに相応しいかを見ていることは確かである。

リチャードも超一流のカポエラ使い。自身が格闘家であるゆえに自分の店で試合をするものの質は選ぶし、判断基準も必然的に厳しくなると言うものだ。

 

リチャード「失礼、お嬢さん。ステージに立って貰えるかな?」

 

ざわ………。

パオパオカフェの店内は騒がしくなる。

リチャードが舞台に立って欲しいと依頼する……これは中々無いことだ。

いつもなら放っておいてもステージに立ちたいという者が後を立たないからだ。

それは判定眼が厳しいリチャードのお眼鏡に叶った超一流の人物であると言うことだ。

 

???「え?私ですか?」

 

その声をかけられたのはショートの銀髪が美しい、首長族の娘である。名はエレナ。世界中を留学して渡り歩いている少女である。

客達の目は見開かれる。何でこんな少女が?と言った感じだ。今回ばかりはリチャードの目も狂ったのでは無いかと誰もが疑った。

 

エレナ「えっと……私で良ければ」

 

リチャード「良かった。君みたいな子を探していたんだ」

 

周囲がざわつく。リチャードはロリコンだったのではないかと。

もちろん、リチャードにそんな趣味は更々ない。エレナの仕草や姿勢、歩き方等から一流の格闘家であることを見抜いた上での誘いだ。

スーツを脱ぎ、バトルコスチュームで向かい合うリチャードとエレナ。

 

リチャード「これは嬉しい。同じカポエラ使いだとは。将来、パオパオカフェの店長として働く気はないかね?」

 

エレナ「えっと……魅力的なお誘いだけど、私はまだまだ世界中を回ってお友達を作りたいから…」

 

リチャード「それは残念だ……ならば今を精一杯楽しもう」

 

リチャードとエレナにとって、至福の時間が始まった。

 

 

 

 

リチャード「いやぁ、実に素晴らしい戦いだった。世界を見終わったなら、パオパオカフェに来てみてはどうかね?その素晴らしい才能、諦めるには惜しすぎる」

 

試合後、リチャードとエレナ、付き添いのディー・ジェイと、子供にしか見えないエレナの友人、桃子は閉店後のパオパオカフェで盛り上がっていた。

 

ディー・ジェイ「良かったな?エレナ。パオパオカフェのリチャードからスカウトを受けるなんて、中々無いことだぜ?」

 

リチャード「正直迷ったがね。ディー・ジェイさん。もしくは桃子さん、誰と戦おうか」

 

ディー・ジェイ「俺と?俺の事を知っているのか?」

 

桃子「桃子の事を知ってるの?」

 

リチャード「サバットの達人、ディー・ジェイさんの事を知らない私ではないよ。パオパオカフェで店長をやるということは格闘家の情報を漏らさない事も必須な事だからな。それに桃子さん。あなたはKOFでサイコソルジャーチームのメンバーとして出場している。KOFの情報を私が知らないわけが無いだろう?私はKOFの古参出場者だ。ましてや君は女性格闘家チームの面々とこの店でトラブルを起こしている。知らないわけが無いだろう?」

 

パオパオカフェには多種多様の格闘家が集まる。リチャードはそういう情報を常に集めていた。

また、桃子は一度、この店でトラブルを起こした事がある。あの時は片付けが大変だった。

 

ディー・ジェイ「嬉しいことを言ってくれるぜ!今日はジャンジャン頼むぜ!エレナもドンドン頼め!」

 

エレナ「ワァオ!嬉しいです!頑張った甲斐がありました!」

 

盛り上がる3人。しかし、ここで嫌なニュースが飛び込む。

 

常連「大変だ!リチャードさん!2号店が……ボブさんの店が!」

 

リチャード「何っ!ボブの店が!?」

 

リチャードは慌てて店を店員に任せ、2号店へと急いだ。

 

 

 

2号店

 

リチャード「ボブ!どうした!何があった!」

 

2号店は荒れており、その中でリチャードの秘蔵っ子である店長、ボブ・ウィルソンが倒れていた。

 

ボブ「すみません………リチャード……不覚を取りました……ビリーが………私にこれを置いて……」

 

それはKOSFの招待状だった。

 

リチャード「ギースめ………前々から店に嫌がらせをしてきていたが、とうとう直接やってくるようになったか……」

 

前々からパオパオカフェはハワードコネクションの嫌がらせを受けていた。

リチャードの勧誘も兼ねて。

 

ディー・ジェイ「ついでに客寄せパンダとしても利用する気満々だぜ?パオパオカフェのリチャードと言えば、知る人ぞ知るカポエラ使いだからな」

 

最近巷を騒がせている大会。それに参加しろということなのだろう。出なければ逃げ出したと判断され、嫌がらせはなお酷くなる。

 

リチャード「ギースめ……」

 

エレナ「リチャードさん!私も手伝います!」

 

桃子「同じカポエラ使いとしては見逃せないよね!」

 

ディー・ジェイ「HEY!こんなのはスマートじゃねぇぜ!カポエラ使いじゃないが、俺も行くぜ!」

 

リチャード「皆さん……今日会ったばかりなのに…」

 

エレナ「一回試合をすれば私にとってはみんな友達でーす!だから、私とリチャードさんはもう友達!リチャードさんが困っているならば、助けるのが友達というヤツではないですか?それに、大会に出れば友達がもっと増えまーす!楽しみでーす!」

 

リチャード「ふ………まるでテリーのような理屈だな。だが、有難い……頼むぞ?君達……」

 

エレナ「決まりでーす!やっほー!」

 

リチャードは最近顔を見せなくなった友人の姿をエレナから感じとる。

 

リチャード(そうだな……私も丸くなりすぎてしまったようだ…。テリーなら、逆に乗り込んでギースを黙らせるだろう。たまにはヤンチャに戻るのも悪くない。こんな少女に教えられるとは…私もまだまだだな)

 

リチャードの目に、若き日の闘志が蘇った瞬間だった。




リチャード・マイヤー…カポエラ
餓狼伝説、KOFMI2

桃子…超能力&カポエラ
KOF11

ディー・ジェイ…サバット
ストリートファイターシリーズ

エレナ…カポエラ
ストリートファイター3シリーズ


CAPCOMsideからもう一人カポエラ使いが欲しかった所ですが、いないものは仕方がありません。
しかしながらそこでディージェイを投入することでスパ2を含めたスト2はコンプリートとなりました。

さて……皆さん薄々は感じておられたかと思いますが、そろそろチーム編成の組み合わせが限界です。
できてもあと二、三チームです。
今まで無理矢理組ませて来ましたが、さすがにそろそろネタが尽きました。出したいキャラは沢山いるのですが、ストーリーが思い付かない状態です。残るはエディット専用等で考えるしかありません。
申し訳ありませんが、そこらでそろそろチーム紹介については打ち切ろうかと思います。

それではあと二、三チーム。お付き合い下さい。
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