Aqoursとifにつながる不思議な扉   作:浦風晴斗

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聖杯合戦 第9話

 ―聖杯合戦 リンク継続中―

 

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 カイザの力により、セイバー=謙吾を倒したライダー=鞠莉。

 だがまだ、戦いは終わらない。

 

鞠「さて、とりあえずは曜と梨子をチカっちの所に連れていかなくちゃね~」

 

?「おっと、それはちっとばかし無理な話だな。そもそも脱落者は歩けるだろ、自分の足で行ってもらえ」

 

梨「あなたは…」

 

?「俺か?俺は井ノ原真人、この世界で最強の人間さ!」

 

曜「この人が噂の筋肉さん?」

 

真「おうよ、筋肉と言えば俺、俺と言えば筋肉だ」

 

鞠「最強という割に頭は最弱そうだけど」

 

真「頭最弱とか言うな!俺は…最強だぁっ!!」

 

 大きく振りかぶって真人は拳を地面に叩きつける。すると地面がクレーターのように凹み、コンクリートにヒビが入る。

 

鞠「つまりはバーサーカーってコトね…曜、梨子、悪いけどチカっちの所には二人だけで行ってもらえる?マリーはこの人を止めるわ」

 

梨「鞠莉ちゃん…」

 

曜「無理だけはしないでね、いくらライダーの力があったとしても、さっきの戦いで消耗してるんだから」

 

鞠「大丈夫よ。それと…果南によろしく伝えておいて」

 

 鞠莉はそう言うと、後ろを振り返らずに変身コードを入力する。

 

鞠「変身!」

 

 再び仮面ライダーカイザの姿へとなった鞠莉、対する真人は身じろぎひとつせず鞠莉を見据える。

 

真「俺はそこの剣道バカのようには行かねぇ、この拳でたっぷり分からせてやらぁっ!」

 

鞠「さすがは筋肉ね、だけど、その威勢がどこまで持つかしら?」

 

真「るせぇっ!」

 

 真人はフルパワーで正拳突きを繰り出す、だが大振りな突きは鞠莉を捉えることは出来ない。

 

鞠「そんな大振りじゃ隙しかないわよ」

 

 鞠莉はカイザショットにメモリーを挿し、真人の脇腹めがけパンチを繰り出す。

 だが鍛えられた筋肉相手には鞠莉のパンチは対した威力がない。

 

真「は、そんな程度かよ。そんなんじゃ何発当てても俺は倒せねぇな!!」

 

 相変わらず真人のパンチは大振りなので鞠莉に当たることはないが、威力の低い鞠莉のパンチでは決定打を生み出せない。

 

鞠「こうなったらやるしかないわね…」

 

 謙吾との戦いで必殺技を使いすぎたため、今の鞠莉には1・2回分しかエネルギーが残っていない。

 倒すならゴルドスマッシュ2発、そう読んだ鞠莉は腰からカイザポインターを取り外す。

 ショットからメモリーを挿し変え、脚に装着する。

 

Exceed Charge(エクシードチャージ)

 

 ポインターにエネルギーが送られ、必殺技の準備が整う。

 

鞠「はぁっ!」

 

 水平に上げた足先から、真人に向けて黄色いマーカーが出現する。

 

真「来いやぁっ!」

 

 黄色いマーカーめがけて、飛び蹴り。

 だが、その蹴りは真人がクロスさせた腕を貫けない。

 

鞠「お願い、通って!!」

 

真「おらぁっ!」

 

 半ば乱暴にマーカーの拘束を片手だけ破った真人は、ついに鞠莉の脚を掴む。

 

真「ようやく捕まえたぜ、悪いな!!」

 

 掴んだ脚をそのままスイングさせ、鞠莉を吹き飛ばすと真人はそのまま鞠莉の背中に飛び蹴りを入れる。

 

鞠「がはっ!」

 

真「ふんっ!」

 

 宙に浮いた鞠莉の体を拳で叩き落とす真人。その眼は戦いに飢えた獣のようにギラついている。

 

鞠「ゲホッゲホッ…ゲホッ…」

 

真「なんだよ、カイザとか言う割には弱いじゃねぇか。んまぁ謙吾と戦ったあとだから仕方ねぇのかも知れねぇが…手加減しねぇぞ?」

 

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 遠くで繰り広げられる戦いの気配を、果南は敏感に感じ取っていた。

 

果「ダイヤ、アレを貸して」

 

ダ「ですが…あれはライダークラスでないと扱うことが…」

 

果「バーサーカーにはある程度の適応力がある。それに、今行かないと鞠莉を助けられない」

 

善「なんの話?」

 

千「鞠莉ちゃんが、危ないんだね?」

 

果「そう、もう迷ってる暇はない。復活権を私に使って千歌」

 

千「うん、分かった」

 

 千歌はマスター権限の画面をだし、復活権行使の対象に果南を選択する。

 そして令呪の宿る腕を果南に伸ばす。

 

千「令呪を以て松浦果南に命ず、持てる全力を持って小原鞠莉を傷つけるものを倒せ」

 

 令呪に言葉が乗り、果南に力が注がれる。

 ダイヤから受け取ったアタッシュケースにも光が宿る。

 

果「この身に誓って必ず」

 

 そう言って果南は鞠莉の元へと飛んで行った。

 

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 真人の圧倒的とも言える筋肉の前に、鞠莉は為す術もない。

 先ほどのダメージで必殺技を放とうにも力を出せず、どうにか逃げ回るのが精一杯だった。

 

真「ちょこまかちょこまか、逃げ足は速いな!!」

 

鞠「はぁっ、はぁっ…このままじゃどうしようもないネ…」

 

 鞠莉は腰のホルダーに入っているカイザショットに目をやる。

 正面を切ってのパンチでは意味が無いが、背後を狙ったグランインパクトであればあるいは…

 

鞠「もう少し付き合ってね、カイザ」

 

 鞠莉はフォンからメモリーを外し、ショットに装填する。

 真人との距離を慎重に測り、鞠莉は走った。

 

真「こいやぁっ!」

 

 正面からの殴り合いを想定した真人は右腕を引き、ストレートパンチを放とうと力を込める。

 だが鞠莉は地面を蹴って横に飛び、真人の背後を取った。

 

鞠「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 背後から腰を狙って、鞠莉は渾身のグランインパクトを叩き込む。

 かなりの衝撃が真人の背中を襲い、その体勢が崩れる。

 

鞠「やった!?」

 

 仰け反りながら前に傾く真人、だが真人は倒れなかった。

 ドン!!と片足を出して踏ん張り、それを軸足に一回転しながら仕返しとばかりのパンチを繰り出す。

 当てずっぽうではあるが、その拳は真っ直ぐベルトに向かって伸び…鞠莉の体が宙を舞う。

 それと、果南が戦いの場に着いたのはほぼ同時だった。

 

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聖杯合戦現状

 

 

Aqours脱落者 セイバー(2名)・アーチャー・ランサー・ライダー・キャスター・アサシン

 

リトルバスターズ脱落者 セイバー(2名)・ランサー・ライダー・キャスター・アサシン・バーサーカー

 

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