果「さて、ネタばらしも済んだところで本格的に今日の話をしよう」
千「とにかく暇だよねこれ」
梨「まあ18時間も移動を続けるわけだし、昨日寝てないし」
善「なんか、どうとでもなるっていうか、何とかなる気がしてきたわ」
果「お、善子ちゃん腹をくくったね?」
善「ここまで来たら逃げ道ないんだし、函館に行くっていう目的が変わってないならあとは成り行きに任せるしかないじゃない」
果「善子ちゃん…立派になって…」
善「騙した側の人間が言うセリフ?それ」
梨「もう少しで高崎に着くけど、高崎もそんなに乗り換え時間ないよね?」
千「お手洗行くくらいしか時間ないね」
果「この間新潟行った時にも同じ電車乗ったけど、それなりに人が乗ってるから出来れば並んでおきたいかなー」
善「何、果南は新潟も在来線で行ったの?」
果「うん、だって仙台より近いし」
善「理由が意味分かんないんだけど」
梨「まあ仙台越えられるかどうかは在来線の旅において大事な所よね」
善「リリーまで何言ってるの?」
千「仙台を制するものは在来線を制す!」
善「マジでバカの集まりだこれ……」
一行、高崎7時11分発、上越線 普通水上行き乗車
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梨「オールロングで水上までって結構長くないかしら?」
果「そう?いわきから水戸までE501系乗ったのに比べたら楽だと思うけど」
梨「あれは事故でしょう……対向はE531系だったんだから」
千「ていうか遠いね」
善「まだ群馬県内よ?この先の事を考えたら序の口にも程があるわ」
果「飽きるものは飽きるよ」
善「はっきり言い切るな」
千「水上の乗り換えはどうなってるの?」
果「うーんと、多分2両編成なんだよね。だから出来れば急いで行ってボックスシートを確保したいところ」
梨「4両から2両って……」
善「それだけ利用客が少ないってことでしょ?」
果「ところがどっこい、18きっぷのシーズンだし意外と上越国境を抜ける人は多いんだよね。長岡にも目当てがあるし」
千「長岡?」
果「それはまたその時に。とにかく、1番前の階段から最速で乗り換えるよ」
梨「それなら善子ちゃんの堕天パワーの見せ所ね」
善「善子じゃなくてヨハネ。まあ走れと言われれば走るわよ、席は大事だしね」
一行、水上8時28分発、上越線 普通長岡行き乗車
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千「善子ちゃんのおかげでボックスシート座れたね」
善「梨子もめちゃくちゃ走ってたわよ」
果「じゃあ善子ちゃん、長岡でも全力ダッシュよろしくね」
善「また走らされるの!?」
果「だって長岡で乗り換えられる列車は私たちが着く前にもういるし、なにより古い電車だからファンの間では人気なんだよ」
梨「さんな?」
果「逢田じゃなくて間だから、言っても分かんないけど」
善「それで、今はどこを走ってるの?」
梨「上越国境攻略作戦は終わったから、新潟県に入った所ね」
千「どおりで田んぼが多いわけだ」
善「ていうか辺り一面田んぼしかないじゃない」
梨「田んぼの様子が?」
千「おかしい!」
善「おかしいのは千歌よ」
梨「そういえば、μ'sの花陽ちゃんってご飯好きだったわよね」
果「お米食べろ!」
善「熱いからやめて」
果「なんか花陽ちゃんって、植わってる苗でお米の品種当てそうだよね」
千「なにその特殊能力」
善「あー、千歌がみかんの木だけで品種当てられるみたいな?」
千「私そんな能力持ってないけど」
梨「果南ちゃんが海の写真を見ただけでどこの海か分かるみたいな?」
果「私もそんな能力ないよ」
千「善子ちゃんが……善子ちゃんが……」
善「無理して特殊能力付与しなくていいのよ!っていうか堕天使って特殊能力が既にあるでしょ!」
梨「それは特殊能力なの?」
千「どちらかといえば属性だよね」
善「属性とかいうな!私は堕天使そのものなんだから!」
果「そんなこと言ってる間に長岡着くよ。善子ちゃん、出番だよ出番」
善「あーもう!相変わらずの扱いね!走ればいいんでしょ走れば!!」
一行、長岡10時29分発、信越本線 快速新潟行き乗車