Aqoursとifにつながる不思議な扉   作:浦風晴斗

19 / 20
渡辺ようでしょう 第4話

 村上ニューデイズ事件を乗り越えた一行は北上を続ける。

 

果「海だーーー!!」

 

善「日本海だから内浦とは繋がってないわよ?」

 

果「何言ってるの?津軽海峡とか関門海峡を渡れば太平洋に抜けられるんだから内浦に繋がってるじゃん」

 

善「こいつ海バカだった…」

 

千「あの海沿いの道ってもしかして」

 

果「そろそろあの事件の現場だよ」

 

善「あー、あのウィリー事件ってやつ?」

 

果「動かないからあれって思ってギアいじったっけロー入っちゃってもうウィリーさ……世界に誇る名言だよね」

 

梨「世界まで行くの?」

 

果「あの企画から全てが始まったも同然だからね、私たちのこの旅行だってあの企画があったからこそだよ。あ、DVD持ってきてるから函館で見ようね」

 

千「準備いいなぁ果南ちゃん」

 

善「あれ、トンネル入る」

 

果「え、もうすぐそこなんだけど」

 

梨「線路沿いだけど真横ってわけじゃないのね」

 

果「はぁぁぁ、やっとこの目で見れると思ったのに」

 

善「まあまあ、近くを通っただけいいとしましょ」

 

果「こうなったら次回は……」

 

善「ろくな事考えてない顔してるわよ、誰か止めて」

 

梨「こうなった果南さんを止められると思う?」

 

千「善子ちゃんは分かってないなぁ」

 

善「分かってるけど止めなさいよ、巻き込まれるのは私たちなのよ」

 

果「んー、まあいいか。もうすぐ山形県だね」

 

善「いや元に戻るんかい」

 

梨「山形っていえばさくらんぼって印象が強いわ」

 

千「みかんは?」

 

果「ない」

 

千「はい」

 

善「さくらんぼって福島県寄りって印象があるんだけど」

 

梨「山形新幹線にさくらんぼ東根って駅があるくらいだからそうなのかも」

 

千「じゃあ日本海側には何があるの?」

 

果「田んぼ」

 

千「結局田んぼじゃん!!」

 

善「さすがに苗を見て品種は分からないけど、つや姫とか育ててるのかしらね」

 

果「新潟のコシヒカリ、山形のつや姫、秋田のあきたこまち、羽越本線はお米とともにある!!」

 

千「そうだ!!」

 

果&千「お米食べろ!!」

 

梨「静かにね?」

 

果&千「はい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

果「あ、ちょうど半分くらい来たね、あと9時間だよ」

 

千「新潟県入ってからどれくらい経った?」

 

善「4時間くらいは走ってるんじゃない?」

 

千「山形は?」

 

果「もうすぐだよ。あと2駅で山形県に入る」

 

梨「県境付近で半分……この先を考えると新潟県の長さがよく分かるわね」

 

善「さすが景色がこうも変わらないと飽きてくる……」

 

千「左は海、右は田んぼ。私しばらく海見なくていい」

 

善「実家帰ったら目の前海でしょ、諦めなさい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 山形県をひた走る列車。酒田駅での乗換こそあったものの、秋田県に入っても景色が変わらず。一行の疲れは最初のピークを迎えていた。

 秋田駅まであと1駅、というところでこの旅で最大の事件が起こる。

 

車掌「間もなく秋田、秋田、終点です」

 

果「やっと秋田か…」

 

梨「さすがに遠かったわね」

 

千「善子ちゃん寝ちゃってるよ。おーい、善子ちゃーん、秋田着くよー」

 

善「んん…あきた…秋田…あ、来た?」

 

果「……」

 

梨「……」

 

千「……」

 

善「な、何よみんな黙りこくって。秋田でしょ?」

 

千「善子ちゃん」

 

果「秋田にあ、来た?」

 

梨「帰る?ていうか帰って」

 

果「東京行きの新幹線なら最終が残ってるからさ」

 

善「ここにきて帰京命令はやめなさいよ!!」

 

 これが後に語られる「津島善子帰京命令事件」である。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ここで夕飯の時間になるのだが、駅弁はとうに売り切れており、一行は駅そば屋で夕飯を済ませて本州最後の乗換駅、新青森を目指す。

 

果「さあ、今回の最長区間、秋田~新青森に突入するよ!かかってきなよ奥羽本線!!」

 

善「ここにきてテンション上がる意味が分かんないんだけど」

 

千「あれ、この電車さっきも乗らなかった?」

 

果「え、701系?嘘、ここから2時間46分もかかるんだよ?そこをオールロングで行くの?」

 

善「あ、果南のテンション下がった」

 

果「梨子ちゃんならこの苦しみを分かるはず…」

 

梨「夜の山線でオールロングとなると、常磐線より苦しそうね…」

 

善「ちょっと、経験者二人にそんな反応されたら私たちどうすればいいのよ」

 

果「耐えて」

 

梨「もう戻れないから、耐えて」

 

千「時間だけが全てを解決してくれるみたいな投げやりな回答ありがとう」

 

果「正直夜だし、静岡抜けるよりきついのは明白」

 

梨「山陽本線に匹敵しそうね…」

 

善「でも行くしかないんでしょ、ほら乗るわよ」

 

 

 一行、秋田19時25分発、奥羽本線 快速青森行き乗車

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

果「辛い」

 

善「さすがの果南もここまでの長旅は堪えるのね」

 

果「だってずっと100km/hで走ってるのに2時間以上かかるってどんだけ遠いのさ」

 

千「いや私たちもう600km以上移動してるんだけど」

 

梨「それにこのあとまだ新幹線が残ってるわよ?」

 

果「新幹線なんて秒で終わるからいいの、気がついたら青函トンネル入って、気がついたら抜けてるんだから」

 

善「距離的にはほとんど変わらないって分かってる?」

 

果「分かってるよそんなの、ちゃんとキロ程まで計算してるんだから」

 

千「え、これちゃんと計算してるの?」

 

果「そりゃそうだよ。ちゃんと時刻表見ながら営業キロ足して移動距離出してるよ」

 

梨「そもそも時刻表でキロ程見るってあんまりしないわよね」

 

善「果南って実は電車好きだったの?」

 

果「伊達にHAPPY PARTY TRAINでセンター務めてないから」

 

善「それを言われるとぐうの音も出ないわね」

 

車掌「まもなく、津軽新城に到着いたします」

 

千「え、武蔵新城?」

 

梨「千歌ちゃんしっかりして、これは南武線じゃないのよ」

 

果「ホームシック?」

 

千「ちなみに帰れるの?」

 

果「歩けば帰れるよ」

 

善「素直に終電終わってるって言いなさい」

 

梨「私たちにはもう函館に行くしか道は残されていないわ」

 

果「もう全行程の2/3は越えてるからね、新青森に着きさえすれば私だって復活するよ」

 

善「ちなみにあとどれくらい?」

 

果「あと1駅」

 

善「いやすぐじゃない」

 

果「やっっっっっっと終わるよ、地獄の奥羽本線が」

 

梨「果南さん、今度夜の山陽本線に連れてくからね」

 

果「山陽本線は地獄通り越して虚無なんでしょ、話は聞いてるよ」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。