Aqoursとifにつながる不思議な扉   作:浦風晴斗

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第1章 少し先の未来

 ―ifの扉、起動―

 ―接続年月日 2022年3月4日

 ―接続場所 浦の星女学院 中庭

 ―接続対象 Aqours

 ―接続注意事項 年齢基準となる年月日を2017年12月30日に設定し、Aqoursはそのまま年齢を重ねたものとする

 

 ―接続に対する全設定の完了を確認、チェック…オールグリーン

 ―ifの扉、接続準備完了

 

 ―「少し先の未来」リンク・スタート―

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

鞠「2年ぶーりデスか?」

 

果「いや、もっと経ってるよ」

 

ダ「4年とちょっと…ですわね」

 

 錆びてしまった門扉を前に、3人は少しだけ暗い表情を浮かべる。

 浦の星女学院が統廃合されてから4年と少し。校舎はまだ残っているものの、もう当時の面影は薄くなっていた。

 

ダ「1年生の頃から頑張っていれば…こういう結果にはならなかったかも知れないですわね」

 

果「それでも、私は楽しかったよ?そりゃ千歌たちに「浦の星」を卒業させてあげられなかったのは残念だけど…」

 

鞠「千歌たちは本当に頑張ってくれたわ、そうでなかったら学校の名前すら残らなかった」

 

果「過去は変えられない、だから前を向いて今を進むしかないんだよ」

 

ダ「果南さん…」

 

鞠「さ、感傷に浸るのはここまでデース!今日はうんと楽しまないと!」

 

果「そうだね、みんなで集まるのも久しぶりだし」

 

ダ「成人したみんなに会うのも初めてですわね」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

千「あ、来た来た~。おーーーい!」

 

果「千歌は相変わらずだねぇ」

 

千「え、そうかな?これでも少しはおしとやかになったんだよ?」

 

曜「旅館の手伝い頑張ってるもんね」

 

梨「毎日ドタバタしてるけど」

 

千「梨子ちゃんそれは黙っててよ~」

 

ダ「ほーら、今日はあなたたちが主役じゃありませんのよ?」

 

曜「はーい、分かってまーす」

 

花「3年生のみんなも来てくれたずら!?」

 

鞠「モチロン!だって今日でみんなが20歳以上になる日ですヨ?」

 

果「だから…これも解禁だよね!!」

 

 果南が持ってきた袋の中にはお酒がいっぱい入っている。

 

千「果南ちゃん、これ全部お酒?」

 

果「ん?ソフトドリンクも入ってるはずだよ?」

 

ダ「でも果南さん、さきほどひたすらアルコールを買っていたような…」

 

果「細かいことは気にしないの、ほら。早く乾杯しないとぬるくなっちゃうよ!」

 

 果南だけでなく、みんなが持ち寄ったお菓子や飲み物がシートいっぱいに広げられる。

 1杯目は、という果南の押しにより、みんな手にはお酒を持っている。

 

ル「それでは、花丸ちゃん誕生日おめでとうございます!!」

 

皆「かんぱーーい!!」

 

 ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ

 

果「ぷはぁ~~っ!!うーん、小春日和の中で飲むのはやっぱいいねぇ」

 

千「果南ちゃん親父臭いよ」

 

花「初めてのお酒ずら~~、おいしいずら~~」

 

善「ずら丸のそんなに強いやつじゃないでしょ?」

 

ル「最初は弱いものから試した方がいいよ、じゃないと…」

 

花「ルビィちゃんは最初からストロングなんて飲むから倒れるずら」

 

果「なに、ルビィは最初倒れたの?(ゴクゴク)」

 

ダ「大変だったんですのよ…一気飲みはしてませんがいきなりぐいっと飲むんですもの」

 

鞠「ルビィらしいといえばルビィらしいネ。他のみんなはどうだったのかしら?」

 

曜「私は弱めのチューハイだったなぁ、ほろ酔い気分で楽しかった」

 

梨「私はビールだったんだけど…苦くてよく分からなかったわ」

 

果「え~あののどごしがいいんじゃ~ん(ゴクゴク)」

 

千「私は曜ちゃんに教えてもらったやつのみかん味を飲んだよ」

 

花「千歌ちゃんはほんとにみかんが大好きずらね」

 

善「私は堕天使特製カクテルを飲んだわ。あの血のように濃い赤、それでいて後を引くおいしさ、まさに堕天した私にぴったりの…」

 

ル「善子ちゃんはカシスオレンジだったよね」

 

善「最後まで言わせなさいよ!あとヨハネ!!」

 

ダ「カシスオレンジは私も好きですわ。大学の集まりでは大体一度は頼みますわ」

 

千「ダイヤさんってそういうカクテルっぽいのも飲むんですね、てっきり日本酒一筋かと」

 

ダ「千歌さんの中で私がどんな感じなのかある程度想像出来ますわね…」

 

果「私はなんでも飲むなぁ(ゴクゴク)」

 

曜「てか果南ちゃん、それ何本目?」

 

果「まだ二本目だよ?」

 

善「早っ!」

 

果「いやーこれくらい普通だって~。ね、ま~り~!!」

 

 二本目の果物系チューハイを片手に果南が鞠莉に抱き着く。

 

鞠「Oh!果南、急にハグはびっくりするネ!!」

 

果「いいじゃんいいじゃん」

 

ダ「始まってしまいましたわ…」

 

花「始まった?」

 

ダ「果南さんは酔い始めるとやたらハグをしにかかるのですわ。私も何度もハグされましたわ」

 

果「次は千歌だぞ~~」

 

千「えっ?わぁぁ!!」

 

 千歌に覆いかぶさるようにして果南はハグをする。

 それでも片手の缶は落とさない。

 

千「果南ちゃん、重いって~」

 

果「あはは、昔からそんなに変わってないぞ~」

 

千「変わってるってばぁ!!」

 

曜「ほら果南ちゃん、落ち着い…」

 

果「次は曜にヨーソロー!」

 

曜「へ?うわぁぁ!」

 

 果南の餌食になっていくAqours、10分もしないうちにみんなハグされてしまった。

 

果「ふー満足満足」

 

 みんなをハグして回りながらさらに1本飲み干した果南は酔いが回り始めたのか、シートの上にあぐらをかいて座り込む。

 

花「マル、もうお嫁にいけないずら…」

 

ル「ピ…ピギィ…」

 

ダ「相変わらず力加減も強烈ですわね…」

 

果「さーてお次はっと(プシュッ)」

 

梨「って、まだ飲むんですか!?」

 

果「なんだ桜内、文句あるっていうの~~?」

 

梨「さ、桜内?」

 

果「桜内は桜内でしょ~?」

 

梨「ま、まあそうだけど…果南ちゃん、なんか変じゃない?」

 

千「やばいかも、これ」

 

善「もしや、アルコールの摂取により眠っていた裏の人格が目覚めたとか!?」

 

花「そんなわけないずら」

 

千「いや、そんなことあるんだよ」

 

善&花「あるの!?」

 

曜「前に果南ちゃんが20歳になったお祝いで千歌ちゃん宅で集まったんだけど」

 

千「思い出したくないね」

 

ル「そんなに大変だったんですか!?」

 

曜「大変どころじゃないよ、だって…」

 

果「おーいそこで何をコソコソしゃべってんのー!」

 

千「やば」

 

果「せっかくのパーティーなんだからぁ、もっと楽しまなきゃでしょー?てことでぇ、黒澤妹!」

 

ル「ピギッ!!」

 

果「なんかおもしろいことやれ」

 

ル「お、おもしろいこと…?」

 

果「ほら、早く早く」

 

ル「え、えぇ~とがんば…」

 

果「あ、がんばルビィ系は禁止な」

 

ル「はうっ!」

 

果「なんかないのか~?」

 

ル「お、おねえちゃ~~~ん!!」

 

果「あ、逃げられた。あー、じゃあ次は…」

 

 果南の視線が品定めをするように8人に向けられる。

 

果「津島!と桜内!!あんたたちリトルデーモンとかリリィとかやってるけど、他に何かないわけ?」

 

善「突然の無茶振り!」

 

梨「私は別にリリィとかそんなにやってないです!」

 

善「私だって普通に過ごそうと思えば過ごせるって!2期9話のワンシーンを見ればわかるでしょ!?」

 

果「むー」

 

ダ「千歌さん、曜さん、この場を収める方法はないんですの?」

 

千「ないよ、果南ちゃんが力尽きて寝ちゃうまであんな感じ」

 

 暴走する果南を見かねたダイヤが千歌に尋ねるが、帰ってきた答えでは手の打ちようがない。

 

鞠「まさに地獄絵図ってやつデスね」

 

果「あ、小原!!」

 

鞠「What?」

 

果「どうしていつもそう…カタコトで…すんごくお嬢様なのさ!!」

 

鞠「怒るとこそこデスか!?」

 

果「私だって女の子っぽくしたいのに、なんかもう小原も黒澤もお嬢様でさぁ、根本から勝てないじゃん!」

 

千「とりあえず女の子っぽくしたければその男勝りな飲みっぷりをなんとかした方がいいと思う」

 

曜「それは言えてる」

 

花「ずら」

 

ダ「こうなったら仕方ありませんわ」

 

千「ダイヤさん?」

 

ダ「寝るまで収まらないというなら、無理やり寝させてしまえばいいだけのことですわ!!」

 

 すでに350ml缶を3本飲み干し、4本目すら残り1/3まで減らした果南。ダイヤはそこへ最終兵器を投入する。

 

ダ「これでおやすみなさい!!」

 

 プシュッという小気味いい音と共に開けられた500mlのストロング缶をダイヤは果南の口に持っていく。

 

果「さすが黒澤は気が利くねぇ、いただきまーす」

 

 ダイヤの手から缶を受け取った果南はそのままゴクゴクと飲み始める。

 が、3口ほど飲んだところで動きが止まった。

 

果「はぁ~すんごいいい気持ち~~」

 

 そのまま後ろに倒れこんだ果南はすぅすぅと寝息を立てて眠りにつく。

 

ダ「いくら果南さんでも、あれだけ飲んだ後にストロングは耐えられませんわね」

 

善「寝たの?」

 

花「完全におやすみずら」

 

千「そんな倒し方があったなんて」

 

ダ「花丸さん、せっかくの誕生日会で騒ぎすぎてしまって申し訳なかったですわ」

 

花「あ、マルは楽しかったからいいずらよ~、こうしてAqoursのみんなともまた会えたずら」

 

梨「それで、果南ちゃんはどうするの?」

 

鞠「こうなるかもって予想はしてたから、今日はホテルの部屋を借りてマース!!みんなもそこで休んでいってネ!」

 

千「じゃあここは片づけて、鞠莉ちゃんのおうちにお邪魔しますか!」

 

皆「はーい!!!」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 Aqoursの9人は鞠莉の部屋で一夜を明かした。

 次の日、窓から差し込む朝日で目を覚ましたダイヤは部屋に果南がいないことに気づく。

 

ダ「果南さん…?」

 

 そこへ、ちょうどランニングから帰ってきた果南が入ってくる。

 

果「ほらーみんな気持ちいい朝だぞー!早く起きないとホテルの人に迷惑かけちゃうよー!」

 

ダ「その様子だと、昨日のことはなんにも覚えていないようですわね」

 

 ぺちっとダイヤのデコピンが炸裂する。

 

果「あたっ、もー、いきなりなにするのさー」

 

ダ「ふふふ、昨日の仕返し、ですわ」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 ―以上をもって、「少し先の未来」への接続を解除する

 ―ifの扉、接続解除

 

 ―リンク・エンド―




読んでいただきまして、ありがとうございます。と、いうわけで…第1章「少し先の未来」は終了です

内容の方ですが
タイムトリップとはまた違うんです、Aqoursの時間をそのまま進めたという設定でのお話です
先日沼津へ旅行に行った際に現地でオフ会になりまして、そこで「果南ちゃんにはジョッキが似合う」「果南ちゃんは酒癖が悪い」「酔うと人を名字で呼ぶ」「無茶振りする」「起きた時には酔ってる記憶がない」とア〇ハラ・パ〇ハラ上等上司という裏設定が誕生しました。
それを基に今回の話を書かせていただきました。
あくまでif、もしもの世界ですが、これはこれで楽しそうです。

またお気づきの方もいるかと思いますが、ifの扉の細かい年月日設定は少しばかり仕込ませていただきました
基準日の2017年12月30日は、サンシャイン2期の最終回が放送された日
接続日の2022年3月4日はそこから月日を重ね花丸ちゃんが20歳になる日を計算しました。
計算合ってますよね?間違っていたらごめんなさい。


それでは、次回は第2章をお送りしたいと思います
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