Aqoursとifにつながる不思議な扉   作:浦風晴斗

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聖杯合戦 第2話

 ―「聖杯合戦」リンク継続中―

 

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 ライダー=能美クドリャフカを倒したAqours。

 表面上は人数の有利不利がなくなり、互いのチームは作戦の変更をはじめていた

 

理「クドが倒されて残り8人、向こうには復活枠があるからどちらかというと僕たちが不利か…」

 

恭「最強クラスと言われるセイバーにあの2人を擁したんだ、力の差としてはそんなにないはずだが」

 

理「でも向こうは想像以上のチームワークがある。やっぱりラブライブ優勝を目指すスクールアイドルなだけあるね」

 

恭「このあとは?」

 

理「唯湖さんにはキャスターの捜索を優先させてる。さっき宝具を発動してるから30分は発動出来ないけど…」

 

恭「浮かない顔だな」

 

理「いや、唯湖さんのことだからかわいい女の子とか見ると別の意味で襲いかかるんじゃないかと思って」

 

恭「……今はあいつを信じよう」

 

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千「花丸ちゃん!」

 

花「千歌ちゃん、善子ちゃん!こっちずら!」

 

善「だからヨハネよ!それで、このあとはどうするの?」

 

花「善子ちゃんと千歌ちゃんは私が守るよ。なんてったってマルはセイバーずら!」

 

 花丸は右手に握った剣を試しに一振りする。

 ビュンと小気味いい風切り音を発するが、見た目はのっぽぱんである。

 

善「ちょっとずら丸、その見た目どうにかならないの?」

 

花「ならないずら、マルの剣はのっぽけんずら」

 

善「どうも調子狂うわね…」

 

唯「だがそれがいい、訛りといい見た目といい、私の好みだ!!」

 

善「って誰!?」

 

唯「通りすがりのお姉さんだ。さて、君がクドリャフカ君を倒したキャスターか。それにそこにいるのはマスターの高海千歌で間違いないか?」

 

 突如現れたお姉さん―来ヶ谷唯湖(くるがやゆいこ)は千歌たちを一瞥してそう問うた。

 

善「そうだったらどうするのよ」

 

唯「無論、斬る」

 

 唯湖は腰に下げた日本刀を抜き、千歌達に向けて構える。

 

花「2人共マルの後ろに。強そうずら」

 

唯「宝具の使えないキャスターとマスター、2人を庇って私から逃れられると思わない方がいい」

 

花「マルだってやる時はやるずらよ」

 

 花丸はそう言ってもう片手にのっぽぱん、もといのっぽけんを握る。

 

唯「二刀流か…少しは楽しませてくれ!」

 

 唯湖が一歩踏み込んで袈裟斬りを放つ、花丸はそれをクロスさせたのっぽけんで凌ぎ、片方の刀身で流しつつもう片手で逆袈裟斬りで応戦する。

 

唯「その剣の見た目に惑わされてはいけないな、だが!」

 

 唯湖は受け流された斬撃の慣性を使って前のめりに転がり、花丸を抜かして善子に肉薄する。

 

善「やばっ、千歌は逃げて!」

 

千「善子ちゃん!?」

 

善「あんたがやられたらヨハネ達は負けなのよ!分かってるでしょ!」

 

唯「そう簡単に逃がすつもりはないがな!」

 

花「させないずらぁっ!!」

 

 花丸はのっぽけんを唯湖の背中に投げつける。

 剣とは言え、形はのっぽぱんそのものなので先端が刺さるわけではないが、それでも唯湖の意表を突くには十分だった。

 

唯「パンにここまでの威力が!?」

 

 背中にのっぽけんの直撃を受けた唯湖はそのまま前に倒れ込む。

 

善「千歌、今のうちに逃げるわよ!」

 

千「えっ、でも…」

 

善「ここはずら丸がなんとかしてくれるわ、それよりも宝具をチャージする時間を稼ぐ方が先決よ!」

 

千「わ、分かった。花丸ちゃん、ここは任せたよ!」

 

花「任せられたずら!」

 

花丸はさらにもう一本のっぽけんを出現させ再び両手で構える。

 

唯「君の剣は無限にあるとでもいうのかね」

 

花「マルとのっぽぱんは切っても切れない存在ずら、これがある限り…マルは負けない」

 

 睨み合う花丸と唯湖。先に動いたのは花丸だった。

 軌道の読みにくい二刀流の斬撃を易々とさばく唯湖、だが早い剣戟は唯湖の反撃を封じている。

 

唯「早いな…それに重い。それほどまでに君たちが聖杯に懸ける願いも大きいということか」

 

花「マルたちは誰一人欠けても夢は叶わないずら。マルたちは自分たちのために、Aqoursを創った千歌ちゃんのためにも、負けるわけにはいかないずら!!」

 

 花丸は再度のっぽけんの投擲体制に入る。

 その一瞬の隙を唯湖は見逃さなかった。

 花丸がモーションに入った瞬間めがけ、唯湖の瞬歩とともに振り抜かれた剣が花丸の体を斬る。

 

花「い、痛いずらぁ…」

 

唯「おっと峰打ちのつもりだったが思いのほか強く当たってしまったな」

 

 今の一撃で両手ののっぽけんを落としてしまった花丸、反撃のために取り出そうとした予備ののっぽけんも周囲に散らばっている。

 

唯「君に恨みはない。むしろ可愛くて愛でたいところだが…それと勝負は話は別だ。君を倒し、そのあとでゆっくり愛でるとしようか」

 

花「マルは…まだ…戦えるずら…」

 

 花丸は唯湖に向かって掌を広げる。すると、周囲ののっぽけんがまるで意思を持ったように浮かび上がり唯湖にその切っ先を向けた。

 

唯「何…?」

 

花「無限のぱん製(アンリミテッド ノッポブレッド ワークス)!」

 

 花丸の唱えた式句に呼応したのっぽけんは、ぱんの雨となってそのまま唯湖に飛んでいく。さすがの唯湖も四方八方からの攻撃には防戦一方にならざるを得ない。

 

唯「なるほど、これが君の宝具…ならば私も宝具を以って君を倒すとしようじゃないか!」

 

 唯湖は襲い来るぱんの雨の中で刀を鞘に納め、目を瞑る。

 精神を集中させ、ぱんの合間を縫う軌道を読んで唯湖は踏み込んだ。

 一方、花丸は唯湖の突撃をある程度予想し、一本ののっぽけんを掴んだ。

 「無限のぱん製(アンリミテッド ノッポブレッド ワークス)」は宝具のような印象を受けるが、あくまでものっぽぱんを愛する花丸の気持ちが具現化した「能力」に過ぎない。

 花丸の持つ宝具―それはかつて騎士王と呼ばれた人物の、その剣をのっぽけんに置き換えた、まさにセイバー最強の宝具である。

 

花「『勝利を掴むマルの剣(のっぽカリバー)』!!」

 

 黄金の輝きに包まれるのっぽけん、聖剣エクスカリバーをそのままパンにしたような形のそれを花丸は両手で握り、振り下ろす。

 怒濤の魔力が、斬撃の軌道がそのままビームのように飛んで行く。直線距離にして数km、ステージの端まで届いた刃は触れたもの全てを消していく。

 

唯「ーーーーっ!!」

 

 唯湖もその刃に巻き込まれるも、その脚を止めない。

 

唯「ここは、私の距離だ!」

 

 全身をボロボロにしながらも、唯湖はその刀の範囲に花丸を捉える。

 目にも止まらぬ速さで上段・下段からの突きを繰り出し、最後に振り抜きの一閃。

 

唯「…『安心しろ、模造刀だ』」

 

 宝具名と共に唯湖は刀を鞘に納める。チン、という音と同時に花丸の指輪が割れる。

 

花「負けちゃったずら…体中痛いずらよ…」

 

唯「む、少々やり過ぎたか?」

 

花「でも、思い切り戦えてマルは楽しかったずら」

 

唯「私も楽しませてもらったよ、Aqoursのセイバー」

 

花「マルは負けちゃったから、ここでのっぽぱん食べてるずら~~」

 

唯「切り替えが早いな!?」

 

 花丸のご飯タイムに少々戸惑う唯湖、そこへドドドと駆け足で近づいてくる影が一人。

 

葉「あーねごー!!はるちんが加勢に来ましたヨ…ってボロボロじゃないですカ!」

 

 現れたのはピンクの髪をサイドでまとめた女の子、リトルバスターズのバーサーカー・三枝葉留佳(さいぐさはるか)だった

 

唯「相手はAqoursのセイバーだぞ?無傷で勝てるほど甘くない。それと葉留佳君、もう少し静かに出来ないのか?これでは相手に居場所を……」

 

果「全くもってその通り。声につられて来てみたら…」

 

花「その声は、ばーさーかなんちゃん!」

 

唯「ちっ…まずいな」

 

 葉留佳と唯湖の元にやってきたのは果南だった。

 

果「手負いのセイバーとよく分からないバーサーカー、うん、相手にするにはちょうどいいね。それと花丸、ばーさーかなんちゃんって何かな?」

 

花「バーサーカーの果南ちゃんだからばーさーかなんちゃんずら!」

 

果「…ばーさーかなん。って、それじゃ私が常時バーサーカーみたいじゃん!」

 

花「果南ちゃんはAqoursの中でも屈指のパワーキャラずら」

 

果「新しい属性を付けない!」

 

 ふぅ、とため息をついた果南は視線を唯湖と葉留佳に向ける。

 

果「さて…宝具が使えない所悪いけど、花丸の敵をここで討たせてもらうよ、リトルバスターズのセイバー」

 

唯「来い、ばーさーかなん。葉留佳君、私を気にせず思う存分やるといい!」

 

葉「おうともさ!くらえ、はるちんボンバー!」

 

 葉留佳は制服のポケットに手を突っ込み、指の間にビー玉を挟んで投げつける。

 

果「Aaaaararararararararararararara--------i!」

 

 果南はビー玉をものともせず、逆に葉留佳に突撃する。

 襲い来るビー玉の雨の中を突撃する様子はまさにばーさーかなんだった。

 

葉「この人強いですヨ!」

 

唯「はぁっ!!」

 

果「なんのっ!」

 

 葉留佳に突撃する果南に対し、唯湖は横から模造刀を振るう。

 が、その刀身を果南は素手で掴み、逆に模造刀を奪って唯湖を袈裟斬りで斬り伏せる。

 

唯「くっ…なんて強さだ」

 

果「だって模造刀なんでしょ?それなら痛いだけで掴めるじゃん」

 

葉「理論がよく分かりませんネ」

 

唯「とにかくやばいやつだ。葉留佳君、撒けるか?」

 

葉「やりますよ、くらえーはるちんスモーク!!」

 

 葉留佳はポケットから黒板消しを取り出し、これまたポケットから取り出したチョークで黒板消しを汚す。

 黒板消しを地面に叩きつけるとチョークの粉で視界が悪くなる。

 だが果南は二人が逃げたであろう方向を睨み、狂犬の如く吼える。

 

果「Uuuuurarararararararararararara--------!」

 

 自らチョークの煙に突っ込み、感じ取った気配を頼りに模造刀を振るう。

 何かに当たった感触が果南の手に伝わる。だがそれ以上刀が進まない。

 チョークの煙が晴れた時、真剣白刃取りの様に刀身を挟む唯湖と模造刀を振り下ろす果南の姿が現れる。

 

唯「くっ…うっ…おおお!」

 

果「ふっ…うううう!!」

 

葉「姉御、今助けますヨー!『はるちんの悪戯カーニバル』!」

 

 葉留佳はポケットからありとあらゆるイタズラ道具を取り出し、手当たり次第に投げたり鳴らしたりとやりたい放題の宝具を発動させる。

 

果「うるさいなぁ、もう!」

 

 果南は白刃取りされている模造刀の柄から片手を離し、唯湖の指輪目掛けて爪先で蹴りを繰り出す。

 蹴りがピンポイントで指輪に当たり、唯湖の指輪が破壊される。

 そして唯湖の手が模造刀から離れた瞬間を見逃さず、果南は模造刀を半回転させて近づいてきた葉留佳を縦一閃で迎撃する。

 

葉「ぎゃわー!もはや人間業じゃありませんよ!」

 

果「私は人間だってば!」

 

 倒れ込んだ葉留佳に跨がり、果南は葉留佳の指輪を破壊する。

 

果「指輪さえ壊せばこっちの勝ち。花丸の敵は討たせてもらったよ」

 

 ニコッと葉留佳に笑いかけ、果南は花丸に顔を向ける。

 

果「花丸が脱落したのは残念だけど、花丸の分まで私は頑張るよ」

 

花「はひはほーふら~」

 

 花丸は口一杯にのっぽぱんを頬張ってそう答える。

 

果「まだ食べてたの!?」

 

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聖杯合戦現状

 

Aqours 脱落者 セイバー

リトルバスターズ 脱落者 セイバー・ライダー・バーサーカー

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読んでいただきましてありがとうございます
第2話、いかがでしたでしょうか?

花丸と唯湖の戦いは当初唯湖の圧倒的勝利を描こうと思っていたのですが、のっぽけんを書くのは楽しかったので熱い戦いにさせてもらいました。
また、そのあとの間髪入れない果南の戦い、とにかく果南をばーさーかなんとして書くのが楽しすぎるのです。
第1章の果南に繋がるようなバーサーカーっぷりをこのあとも書いていきたいと思います。

さて、第2話にしてリトルバスターズが3人脱落してしまいました、が、バスターズが誇る男性軍団が活躍する回があるはずです!

それでは、また次話もよろしくお願いいたします!
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