Aqoursとifにつながる不思議な扉   作:浦風晴斗

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聖杯合戦 第4話

―聖杯合戦 リンク継続中―

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

善「こっ……のぉぉぉぉっ!!」

 

 令呪により『in this unstable world』の衣装に身を包んだ善子。その戦闘力は数段跳ね上がり、再び鈴を追い詰めていく。

 

鈴「くちゃくちゃ強いぞあいつ!いきなり何があったんだ?」

 

善「無駄口叩いてる暇はないわよ!」

 

 魔力だけでなく身体能力も強化されたことで、善子は苦手としていた肉弾戦もこなせるようになり、二人の戦いはさらに激しさを増す。

 鈴が蹴り、善子が掴む、掴まれた鈴はそのまま地面に叩きつけられるがすぐに起き上がって素早い動きで善子の魔力弾を躱す。

 宝具の再使用まで、残り3分。このままのペースで戦えれば、令呪によって強化された宝具で鈴を倒せる。

 千歌も善子もそう考えていた。

 実際、蹴り技だけを繰り返す鈴に宝具を使用するという頭はなかった。

 マスターからの指示があるまでは。

 

理『鈴!?いくら鈴でも宝具なしで勝てるほど善子さんは弱くないよ!』

 

鈴「理樹、宝具ってなんだ?」

 

理『始まる前に説明したでしょ、30分に1回使える必殺技があるって!』

 

鈴「ライジングニャットボールのようなものか?」

 

理『多分それより強いよ!それよりも鈴、善子さんはあと3分くらいでまた宝具を使えるようになる!鈴が宝具を使うチャンスは今だよ!』

 

鈴「それを先に言えーーーーーっ!!」

 

善「やば、気づかれた!」

 

鈴「よくわからんが使えばいいんだな?」

 

 3連続のバク転で善子から離れた鈴は、目を閉じて魔力を集中させる。

 

善「こうなったら…ってい!」

 

千「よ、善子ちゃん!?」

 

 善子は千歌を抱き上げて、そのまま宙へ放り投げる。

 

善「宝具に巻き込まれたら千歌はやられちゃうでしょ。ほら、曜!近くにいるのは分かってるんだから、千歌を頼んだわよ」

 

 それを見ていた曜は屋上からジャンプして千歌を受け止める。

 

曜「善子ちゃん…」

 

善「勘違いしないでよね、ヨハネが本気を出すには千歌も邪魔だってだけだから」

 

曜「ここは善子ちゃんに任せて行こう、千歌ちゃん」

 

千「善子ちゃん!絶対に、絶対に勝ってね!!」

 

善「当たり前でしょ。あなたも私のリトルデーモンなら、主たるヨハネの勝利を信じなさい」

 

 その言葉を聞いた曜は駆け足で千歌とその場を離れていく。

 宝具再使用まで、残り1分30秒。

 ふいに鈴の体が揺らぐように前のめりになる。

 

鈴「『神速ニャンフ―』」

 

 宝具名をぼそりと呟き、鈴は目にも止まらぬ速さで善子に怒涛の連続蹴りを見舞う。

 対する善子は魔法陣を両手に展開してこれを迎え撃つ。前後左右、全部は防げないがそれでも時間稼ぎにはなる。

 

鈴「ふかーーーーっ!!」

 

 鈴の雄たけび、正面からの蹴りを受け止めたところで善子の強化が解除される。

 普通の制服姿に戻ってしまった善子に、鈴の蹴りを止められる力は残っていなかった。

 それでもなお、善子は掌を鈴に向け続け、唇を動かした。

 

善「解き放たれよ闇の門、我は堕天使ヨハネ、数多のリトルデーモンと共に…」

 

 だがその言葉は最後まで紡がれなかった。

 宝具発動の式句を唱え終わるより前に、鈴の蹴りが善子の指輪を破壊した。

 鈴は善子の指輪を破壊したことを確認すると、そのまま猫のように走り去っていく。

 

善「ちぇっ、ここまでかぁ。あとはリトルデーモンに頼んで、ヨハネは少し休憩ね…」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 マップから善子の反応が消えたことを確認した千歌、そばには西洋風の両刃剣を持った曜もいる。

 

千「善子ちゃん…」

 

曜「この結果は善子ちゃんにも分かってたと思うよ、それでも通したい何かがあったんじゃないかな?」

 

千「通したい何か?」

 

曜「堕天使の意地ってやつかな、千歌ちゃんを守ってみせるっていう」

 

千「私は…守られるような存在じゃないよ」

 

曜「千歌ちゃんはAqoursのリーダーで、仲間でしょ?仲間を守るのは普通の事じゃないかな?」

 

千「仲間…」

 

曜「ほら、行こう千歌ちゃん。合戦はまだ終わってないよ。みんなの動きは?」

 

 千歌はマップを出現させ、Aqoursの位置を表示させる。

 が、そこに交戦中のメンバーはいない。

 

千「今は誰も戦ってないね、また探索しないと」

 

曜「なら、さっきの校庭の近くに行こう」

 

千「校庭?」

 

曜「善子ちゃんと戦ってたからアサシンはきっと遠くまで逃げてないはず。戦うなら今だと思う」

 

千「そうだね、善子ちゃんの敵討ちもしないと」

 

 曜と千歌は校内から校庭へ向かう。その途中、昇降口付近を歩いているときだった。

 

?「ほわわぁぁぁ!」

 

 すっとんきょうな声の後にドシャッ!という音が響く。

 

?「ふぇぇ…痛い…」

 

 廊下の陰から千歌と曜がそーっと音のした方を覗き込むと、そこにはセーターを着た女の子がお菓子をばらまきながら転んでいた。

 

曜「えぇーっと…誰?」

 

千「リトルバスターズのキャスターだね、神北小毬(かみきたこまり)ちゃん。それにしても…何もないよね、あそこ」

 

曜「うん」

 

千「なんであの子転んでるの?」

 

曜「うーん…持ってたビニール袋の端っこを踏んじゃったとか?」

 

小「なんでビニール袋の端っこ踏んじゃったのかな~」

 

曜「当たってた!」

 

小「あ、お菓子が散らばっちゃってる~~」

 

 小毬が自分の周囲に散らばったお菓子を回収している様子をじっと伺う二人。

 

 

小「あ、そんなところにまで飛んでっちゃった」

 

 小毬が少し離れた所にあるお菓子に視線を向け、そのまま近づいてくる。だがそのお菓子にいの一番に反応したのはなんと千歌だった。

 

千「みかんどら焼きだよ!」

 

曜「ちょっと千歌ちゃん!?」

 

小「ほえ?」

 

 小毬が声に気付き、廊下の陰に隠れていた二人を見つける。

 

小「ほわわわわわ!?」

 

千&曜「うわわわ!?」

 

 三人は驚き飛び退いて、千歌達は上手く着地するが、小毬は壁に背中を打ちつけてしまう。

 

小「あ~う~痛い~」

 

曜「今思いっきり打ってたよね」

 

千「あれは痛いと思うよ…角っこだし」

 

小「いたたた~。あ、あなた達は誰ですか?」

 

千「Aqoursだよ!」

 

小「あくあ…?あくあ、あくあ…あーっ!」

 

 小毬はすくっと立ち上がってボクシングの様な構えを取る。

 

小「わ、私達の対戦相手ですー!」

 

 シュッシュッと両手を前に出して小毬は威嚇するが、二人には全く伝わっていない。

 千歌はそんな小毬に対し、落ちていたみかんどら焼きを差し出す。

 

千「はい、これ。あなたのでしょ?」

 

小「ほえ?う、うん。あり…がとう?」

 

千「おいしいよねーみかんどら焼き。私もついつい松月さんに行くと買っちゃうんだよ~」

 

小「わー、それじゃああなたもお友達。みかんどら焼き友達だね~!」

 

 小毬は無邪気な笑顔で千歌と握手を交わす。

 そこへ、窓を蹴破って人影が乱入する。

 

鈴「小毬ちゃん、あぶない!」

 

 校庭から姿を消した鈴が窓から現れ、小毬から千歌を引き剥がす。

 

鈴「ん、お前…さっきもいたな」

 

千「棗鈴…!」

 

小「ほわわ、鈴ちゃん?」

 

鈴「小毬ちゃん大丈夫か?痛いことされてないか?」

 

小「う、うん。私は大丈夫だよ?」

 

鈴「ならよかった。それでも…お前達はここで成敗する」

 

 ゆらりと足を上げ、臨戦体勢に入る鈴。それを見た曜も剣を構え、千歌を下がらせる

 

曜「よかった、やる気みたいだね」

 

 鈴を見据える曜の相貌はとても険しい。

 

鈴「なんだ、新しい仲間か」

 

曜「新しいも何も、私はAqoursの初期メンバーだよ?それに…あなたがさっき倒した善子ちゃんは、ユニコーンブリザードの相棒。相棒がやられて黙っていられるほど…」

 

 曜は驚異的なジャンプ力で鈴との距離を詰め、足元に剣を降り下ろす。

 切っ先は当たりこそしなかったが、廊下に深い穴を穿つ。

 

曜「私は大人じゃないんだ」

 

 そこからの曜の攻撃はまさに「鬼神」と呼ぶにふさわしいほど激しいものだった。

 肉弾戦をそれなりにこなせる鈴ですら、今の曜の前には全くと言っていいほど手が出せない。

 

鈴「こいつもくちゃくちゃ強いぞ!」

 

小「ほわわわぁ!鈴ちゃん大丈夫!?」

 

鈴「しょーじきに言うと大丈夫じゃない」

 

小「わ、私も何かしなきゃ…ようし!」

 

 小毬が腕を振るとそこにドーナツの形をした魔力の塊が出現する。

 

小「え、えーーい!」

 

 小毬はそのドーナツを曜に向けて投げつける。

 

曜「それで足止めのつもり?」

 

 曜はそのドーナツを容赦なく半分に斬り裂き、そのまま小毬に向かって突撃する。

 

鈴「小毬ちゃん!」

 

 その間に割って入る鈴だが、曜が繰り出す袈裟斬りをまともに食らってしまう。

 

鈴「うわあああっ!」

 

小「鈴ちゃん!」

 

鈴「小毬ちゃん、宝具を使ってくれ!」

 

小「わ、分かったよ!―私の幸せ、あなたの幸せ、甘い甘いお菓子が叶えます。『とっておきのお菓子の魔法』―!」

 

 宝具を発動させた小毬の回りには数々のお菓子が舞い、それぞれが意思を持つように曜に襲いかかる。

 そのお菓子に触れた者は戦意を喪失するというなんとも平和な宝具だが、曜はもちろんその効果を知らない。

 だが、この時の曜の戦意は簡単に消えるものではなかった。

 鈴に対するある種の怒りを持って、曜は剣を真横に構える。

 

曜「―突き進め、仲間と共に。あの子と一緒に、同じ場所で輝くため、歩みを止めるな。今こそ『全速前進であります(ヨーソローヨーソード)!』―」

 

 刀身に青い魔力を帯びた剣を握り、曜は鈴と小毬に向けて地を蹴る。

 すれ違いざまに刀身から魔力が迸り、斬撃となって二人を巻き込んでいく。

 曜はそれでも足を止めず、ターンして再度すれ違いざまに斬撃を繰り出す。

 そして二人から少し離れた所で止まり、肩の高さで剣を持って、一気に突き出す。

 

曜「やぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 突き出された剣の先からは魔力がビームのように発射され、斬撃で動きを止められていた二人を貫いた。

 もちろん二人とも指輪を破壊され、戦闘不能となる。

 

鈴「くっ…あっという間にやられてしまった…」

 

曜「これで二人撃破っと、ちょっとやり過ぎちゃったかな~ごめんね?」

 

 

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聖杯合戦現状

 

Aqours脱落者 セイバー・ランサー・キャスター・アサシン

リトルバスターズ脱落者 セイバー・ライダー・キャスター・アサシン・バーサーカー

 

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大変長らくお待たせいたしました、第4話です
善子・曜の地元愛コンビの活躍はいかがでしたか?

善子はやられてしまったものの、理樹くんのアドバイスがなければあのまま勝っていたかも知れませんね。

次なる戦いはそんなに長くならず、そのあとから熱い戦いが続く…!かも!?
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