かつて、日本を破滅から救った三好将和。その将和もとうとう老いには勝てず、妻夕夏と共に永眠した。
「夕夏、あの世でもよろしく頼むよ」
「任されたわ貴方」
「暫くしたら私もそちらに行きますよ」
息を引き取った二人に美鈴は涙を流しながらそう呟くのであった。
『色は匂へど散りぬるを』
気付いた時、将和は電車に乗っていた。その電車は将和もよく知る電車だった。
「これは……103系じゃないか」
将和が最初にいた平成の時代でも関西(奈良線等)でまだまだ活躍している車両だった。
『我が世誰そ常ならむ』
「ふむ、103系であの世に送られるのも悪くはないかな……」
「残念だけど……貴方が行くのはあの世じゃないわ」
将和の正面にいたのは一人の女性だった。
「貴女は……」
「残念だけど……この姿は八雲紫ではあるけれど私は八雲紫ではないわ」
女性ーー八雲紫はフフッと笑う。
「仮の姿……というわけか」
「その通り」
そして電車は走る。
『有為の奥山今日越えて』
「貴方にやってほしい事がある」
「……内容次第かな?」
「なに、簡単な事よ」
徐々に八雲紫の姿がぶれていく。
『浅き夢見じ酔ひもせず』
「私が作った幻想郷を守ってほしい」
その言葉と共に将和の意識は闇の中へと落ちていった。次に気付いた時、将和は布団の中で横になっていた。
「此処は……」
「あら、気付いたのね」
将和に声をかけたのは巫女だった。その巫女は将和がかつてPCや同人誌から見ていた人物にそっくりだった。
「君は……」
「私は博麗の巫女。と言ってもそろそろ巫女の役目は終わるんだけどね」
手や脚等、肌が見えている部分は傷だらけの巫女は苦笑しながらそう答えるのである。
そして博麗の巫女は語り出す。
「此処は幻想郷……妖怪が妖怪であるための最後の楽園……」
「その結界は此処、博麗神社の巫女が代々行ってきた……けど。その固有結界の力も薄くなってこの幻想郷自体も危うくなってきたのよ」
「成る程な……」
「そう。だからこそ日ノ本の守護神の力が必要……」
現れたるは妖怪の賢者、八雲紫であり八雲紫の口から語られるは幻想郷の現状である。
「だから貴方を此処に呼び寄せた」
「君がかな?」
「いいえ……幻想郷がよ」
そして崩壊から防ぐために将和は幻想郷に協力をするのである。
「妖怪が異変を起こす……それは構わないわ。だけど、妖怪を恐れる人間も異変を解決出来る力……ルールが必要……」
「そのためのスペルカード……」
「その通りよ」
将和は動き出す。幻想郷が何故自分を呼び寄せたのか……。
「一面の向日葵畑……か……」
「あら、人間が太陽の畑に来るなんて……私を退治しに来たのかしら……?」
「ゆう……か……」
「あら、私を名前呼ばわりなんて……万死に値するわね!!」
そして太陽の畑で将和は幻想郷最強とも言える花の妖怪とどつき合いを始めるのである。
「これよ……これよ!! この血と血を流す拳……そしてェ!!」
「取り敢えずはさ……俺と結婚してくれ!!」
そんなこんなの物語……なのかもしれない……?
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