『三好in○○シリーズ』   作:零戦

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ちょっとリメイクしました


三好in銀英伝(同盟改)

 

 

 

 

かつて、日本を破滅から救った三好将和。その将和もとうとう老いには勝てず、妻夕夏と共に永眠した。

 

 

 

「夕夏、あの世でもよろしく頼むよ」

 

「任されたわ貴方」

 

「暫くしたら私もそちらに行きますよ」

 

 

 

 息を引き取った二人に美鈴は涙を流しながらそう呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 宇宙歴796年/帝国歴487年2月頃、イゼルローン回廊同盟側入口の近傍に位置するアスターテ星域において、ゴールデンバウム朝銀河帝国軍と自由惑星同盟軍との戦闘が行われようとしていた。

 

「どうでしたミヨシ先輩?」

「やはり駄目だ。ムーア中将は余程ダゴン星域の繰り返しをしたいようだ」

「フン、余程ムーア中将はアスターテで彼の世に行きたいようですな」

「おいおいアンドリュー……」

 

 第六艦隊第三分艦隊司令官であるミヨシ・マサカズ少将の返答に第三分艦隊参謀のアンドリュー・フォーク准将はムーア中将を罵倒し参謀のジャン・ロベール・ラップ少佐は肩を竦めながら溜め息を吐いた。

 

(恐らくはパストーレの四艦隊が先にやられると思う……そして次にこの六艦隊だが……原作だと右後背から強襲してくる筈……)

 

 マサカズはそう思いながらも艦隊布陣図を操作する。

 

(第三分艦隊は六艦隊の左翼に布陣している……逃げれる時間は十分にある)

 

「ミヨシ司令官、こうなれば我々が独断で何とかするしかありません」

「ん。参謀長はどう考える?」

「最優先でパエッタ中将の第二艦隊と合流すべきです」

 

 フォークの答えにマサカズは満足げに頷く。フォークの考えは原作のヤンと同じ事だったからだ。

 

「正解だ参謀長、だが軍法会議に掛けられるヘマをしてはならない」

「行うのは前提なんですねミヨシ先輩……」

「当たり前だ。無駄に命を散らしたくないからな。死ぬのは畳の上での老衰と俺は決めている」

「では……」

「ん。敵は恐らく第四艦隊から先に片付けて我々第六艦隊を攻撃するだろう。索敵レーダーから目を離すなと厳命しておけ」

「分かりました」

 

 そして彼等ーー帝国艦隊はやってきた。

 

「これはどういうことだ、敵はいったい何を考えている!? なんたることだ、敵の指揮官は用兵を知らん、こんな戦い方があるか!? 先頭集団、迎撃せよ!! 全艦総力戦用意!!」

 

 第四艦隊提督のパストーレ中将は喚きながらも己の責務を果たそうと迎撃を行うが全ては後手に回っていた。第四艦隊は戦闘開始から僅か四時間で壊滅状態となり敗走するのである。

 パストーレ中将はそれでも尚粘ろうとしていたが、旗艦『レオニダス』艦橋へ飛び込んできた中性子ビーム弾がトドメを刺した。

 パストーレ中将以下、磁力靴を作動させていなかった者はビーム弾で破壊された割れ目から吸い出されてしまったのである。自動修復装置は作動していたが、修復する前にパストーレ中将らは宇宙空間へ吸い出されたのである。主を失った『レオニダス』は会戦が終わるまで戦場を彷徨うのであった。

 パストーレ中将の第四艦隊を撃破したラインハルトの帝国艦隊はそのまま第六艦隊へ向かうのである。

 

「第四艦隊が……壊滅したとの情報です……」

「なら次はこの第六艦隊だな」

 

 通信兵からの報告にマサカズはそう呟く。そして帝国艦隊は第六艦隊の右後背に姿を現したのである。

 

「敵艦隊です!? 右後背からです!?」

「機関最大!! 時計回りに進軍して敵艦隊後方に躍り出るぞ!!」

「命令違反ですなぁ」

「構うものか、勝てば官軍だ」

 

 無論、第三分艦隊の命令違反にムーア中将が激怒したのは言うまでもない。

 

「あの野郎ォ!? 直ちに全艦回頭だ!!」

 

 なお、それでも第三分艦隊は命令を無視して時計回りに進軍する。それを見たラインハルトは感心していた。

 

「ほぅ……敵にも戦術を理解する者はいるらしいな」

「如何なさいますか?」

「回頭する艦を叩く」

 

 傍らに控えるキルヒアイスの言葉にラインハルトはそう答える。斯くして帝国艦隊は回頭しようとする第六艦隊を攻撃、その艦艇を悉く撃破していくのである。なお、降伏勧告を拒否したムーア中将の旗艦『ペルガモン』は原作と同じく撃沈されるのである。

 第六艦隊旗艦が撃沈された事で残存艦艇は遁走を開始する。無論、ラインハルトもそれを逃す事はなく追撃をさせる。

 だが、追撃してきたラインハルトの艦隊に立ち向かったのは先に離脱しながらも態勢を建て直したマサカズの第三分艦隊だった。第三分艦隊は先にスパルタニアンを出して制空権を握る方針だった。

 

「遠距離砲撃をしつつ遁走する味方艦艇の支援を行う。全艦砲撃始めェ!!」

 

 マサカズの発令と共に第三分艦隊は砲撃を開始する。統制が取れた砲撃にラインハルトは追撃を停止させる事にした。

 

「無駄な戦闘はやめさせよう。奴等はまだ生きている」

「そのように……」

 

 しかし、分艦隊司令官であるエルラッハ少将は追撃停止に反論する。

 

「馬鹿な!? 叛乱軍等全滅に滾るわ!!」

 

 エルラッハ少将は自らの分艦隊約3000隻を率いて進撃、追撃を行ったのである。追撃するエルラッハ少将にラインハルトは無視をした。しかし、その追撃もマサカズは予想していた。

 

「よし、後退しつつ砲撃。いいか、回頭なんぞするなよ」

「了解!!」

 

 エルラッハ少将の分艦隊とラインハルトの艦隊が完全に距離が離れた瞬間、マサカズは叫んだ。

 

「今だ!! 全艦、敵先頭艦艇に一点集中砲火を浴びせろ!!」

 

 分艦隊が一斉射撃をし敵先頭艦艇ーーエルラッハ少将の旗艦に叩き込んだのである。

 

「な、何故だァーッ!?」

 

 エルラッハ少将は己に何が起きたのか理解出来ないまま中性子ビームの光に消えたのである。マサカズの分艦隊はそのままエルラッハ少将の分艦隊を砲撃、指揮官を失い混乱している残存艦艇は攻撃により瞬く間に壊滅するのであった。

 エルラッハ分艦隊の壊滅は直ぐにラインハルトの元に届いた。

 

「何? エルラッハの分艦隊が?」

「はい、生き残りの艦艇からの連絡です」

「……フッ、同盟軍め。ヤン・ウェンリーの他にも楽しませてくれる者がどうやらいるようだな」

 

 ラインハルトの艦隊は現在、パエッタ中将の第二艦隊と交戦中であり両艦隊はいつしか円を組んだ戦闘を展開していたのである。

 

「如何なさいますか?」

「……………」

 

 副官でもあるジークフリード・キルヒアイスの言葉にラインハルトは幾分か悩んだがやがては口を開いた。

 

「全艦撤退する。所定の行動はやれたであろう」

 

 同盟軍の三個艦隊のうち二個艦隊を壊滅的打撃を与え、一個艦隊を半壊させたのだ。その武勲は計り知れなかった。

 

「分かりました。全艦撤退させます」

 

 そしてラインハルトはヤンに勇戦を讃える電文を送り撤退するのであった。

 

 

 

 

「シトレの親父が呼んでるだって?」

「えぇ。直ぐに統合作戦本部にと」

 

 アスターテ会戦から数日後、ハイネセンに帰還した残存第六艦隊は軌道上にあるハイネセン宇宙軍事基地にて修理をしていた。結局、第六艦隊はマサカズの分艦隊の他にも生き残ったのは合わせて4365隻だった。第四艦隊は3294隻が生き残り第二艦隊は8536隻だった。

 

「何だろうな?」

「さぁて……な」

 

 ラップの言葉にマサカズは首を傾げつつも統合作戦本部に向かうのである。

 

「よく来てくれたミヨシ少将」

 

 マサカズを出迎えたのは統合作戦本部長のシトレ元帥本人だった。

 

「君を含めた第六艦隊の者達が無事に帰れたのは喜ばしい事だ」

「いえ、ムーア中将達は戦死なさいましたので……」

「うむ……」

 

 そう言ってシトレ元帥は椅子から立ち上がる。

 

「第四、第六艦隊は解体する。その残存艦艇は糾合して新たに第十三艦隊とする」

「再編すると……?」

「あぁ。その艦隊司令官にはヤン少将についてもらう」

「成る程。成るべくしてなった人事ですな」

「そして第二艦隊だ。パエッタ中将が本会戦で負傷療養に入った……その後釜の司令官として君を任命する」

「自分が……ですか?」

「不服かね? これでもアスターテで敵の分艦隊を壊滅させているのは聞いている」

「光栄ですね」

「その手腕を買っての事だよミヨシ少将」

「……分かりました、最善を尽くします。それと旗艦なんですが~~という事です」

「ふむ、成る程。分かった、直ぐに工廠に問い合わせてみよう」

 

 斯くしてマサカズは第二艦隊提督を拝命するのである。そして初陣は第十三艦隊と共同してのイゼルローン要塞の攻略である。

 

「まさかミヨシ先輩とやる事になるとは……」

「主はお前だ。俺は補佐に回るから思う存分やれ」

「取り敢えずは御茶にしません?」

「ならブランデーをタップリ入れようか」

「そいつは嬉しい事です」

 

 両艦隊の作戦会議でマサカズとヤンはそう話し合う。その様子に第二艦隊参謀長のフォーク准将と第十三艦隊参謀長ムライ准将は溜め息を吐いた。

 

「お互い……苦労しますな」

「困ったものだ……」

 

 それを横目で見ていたのは後方主任参謀のアレックス・キャゼルヌ少将であった。

 

「というよりお前さんら、副官はいないのか?」

「あぁキャゼルヌ先輩。どうもまだ決まっていなくて……むしろ先輩が選んでくれませんか?」

「仕方ないなぁ……ミヨシは?」

「あぁ、もう決まっていますよ。多分そろそろ来ますので」

『来る?』

「マッサカズー!!」

 

 そう言って部屋の扉を開けて入ってきたのは一人の女性尉官だった。

 

「お、いたいた。シャーロット・ロボス大尉、只今着任しました!! そしてそのまま抱きつくぞォー!!」

「お、おいシャーリー!?」

 

 そのままゴロニャンとイチャイチャする二人に周り(第十三艦隊の面々とキャゼルヌ)は唖然とするがフォーク准将は深い溜め息を吐いた。

 

「ロボス大尉、そろそろ離れては如何か?」

「おりょ? そいつは失礼したわ」

 

 ヒョイッとマサカズから離れてシャーロット・ロボス大尉は改めて自己紹介をする。

 

「では改めて……本日付を持ちまして第二艦隊提督副官を拝命しましたシャーロット・ロボス大尉です」

「というわけなんで自分の副官は大丈夫ですよキャゼルヌ先輩」

「分かった分かった。ならヤンだけだな」

「ところで……ロボス大尉、ロボスというネームは……」

「えぇ。宇宙艦隊司令長官のロボス元帥が私の父です」

「……もしや、今回のミヨシ少将の艦隊提督就任って……」

「いえ、父は何も関与してません。むしろ関与したのは副官就任をシトレ元帥に頼んだくらいなので」

 

 怪しむムライにシャーリーはそう告げる。告げられたムライも釈然とはしない表情だったがそれでも頷いた。

 

「申し訳ありません、ミヨシ少将の実力は我々も認知していますが……つい……」

「いえ、仕方ない事ですよ」

 

 謝罪するムライにマサカズは苦笑する。

 

「それでイゼルローン要塞攻略の話に戻るが……当てはあるのだろうヤン?」

「勿論です先輩。というより主力は彼等になりますので」

 

 なお、イゼルローン要塞に関しては原作と同じく『薔薇の騎士連隊』が投入され奪取に成功するのである。

 

(問題はこれからだよなぁ……)

 

 マサカズは帰還する第二艦隊旗艦『D-78』の長官室でベッドに寝ながらそう思う。なお、隣にはシャーリーが爆睡しており両者とも裸である。

 

(まぁ原作と違うのはフォークが綺麗で此方側にいる事だし……ヨっさんと相談してみるか)

 

「ヌフフフ……マサカズぅ……」

「……はいはい」

 

 寝言を言いながらマサカズに抱きつき体温を感じて笑みを浮かべるシャーリーにマサカズは苦笑しながらも頭を撫でるのである。

 数日後、第二艦隊と第十三艦隊は首都惑星『ハイネセン』に帰還する。その夜、マサカズは私服で変装しながらもとある居酒屋を訪れていた。

 

「やぁ此処だよマっちゃん」

「やぁヨっさん」

 

 二人は握手をし取り敢えず酒を頼み腹にアルコールを入れる。

 

「カァーッ!! やっぱこれだよ。仕事で飲む酒も良いがこうやって下で飲む酒も美味いものだよ」

「そういう事だなヨっさん」

 

 幾分か飲んでいた二人だが不意にイゼルローン要塞の話を切り出したのはマサカズからだった。

 

「……同盟がイゼルローン要塞を占領した事で漸く民生にも力が入れる……そうは思わないかヨっさん?」

「……分かっている……分かっているさマっちゃん……だが他の議員……特にサンフォード議長は自分が座る椅子に熱心だからな」

「イゼルローン要塞が占領された事で支持率はアップしませんかね?」

「アップはしたさ……多少な。だが奴等、来年にある選挙で頭は一杯だ」

 

 ヨっさんーー国防委員長のヨブ・トリューニヒトは溜め息を吐きながらも残りのビールを飲み干し、店員にもう一杯頼む。

 

「やはりか……」

「イゼルローンで10年は粘れば民生も回復する……議長はその気持ちらしいがウェンザー議員がな……」

「あのクソババアか」

 

 トリューニヒトの言葉にマサカズは顔を歪める。

 

「取り敢えず此方は裏から手を回すようにしてみる。マっちゃんも軍部の方は頼むよ?」

「努力はするが限りがあるからな」

 

 マサカズはそう呟くが意外にも軍部も腐っているのは確かなのである。

 

「取り敢えずは死なないでくれよマっちゃん?」

「無論だよヨっちゃん。俺はまだ死ぬ気は無いさ」

 

 マサカズはトリューニヒトにニヤリと笑いそう言うのであった。なお、これからどうなるかはマサカズも予知出来ない程であるのは言うまでもなかったのであった。

 

 

 

 

 

 




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