ティガは原点です。(ガゾートの話は神作と思うんだよ)
「これが……これが日本が望んだ事だったのだろう? これのために一人の命が喪われた……日本のためにと思っていた行動は全て無に還った……後はもう好きにしろ。俺は好きにした。君らも好きにしろ」
将和はそう言って足早と記者会見を終えて去った。後ろから聞こえる「総理」「総理」という言葉に耳を傾ける事はなく総理官邸に戻り大臣達に内閣総辞職を告げ公邸に戻って夕夏達に一言だけ告げた。
「田舎で暮らそうか」
「そうね……晴耕雨読の生活もしてみたいと思っていたから良いかしらねぇ」
将和の言葉に夕夏は笑みを浮かべシャーリー達も頷く。そして三日後には先に夕夏達が決定した関西地方の田舎に引っ越すのである。なお、将和は残務処理をしてからなので一月後であったが。
その間にも陛下や大勲位、他の閣僚達は将和に慰留を求めたが将和は首を縦に振る事はなかった。
「あれから三年……か……」
将和は関西地方のとある田舎の海岸付近の山の麓に居を構えていた。なお、当初は都会から一族と付近の住人達から思われていた将和達だが夕夏が薙刀でクマを退治した事で住人達からは絶大な評価を得ており将和達の事は口外しない事で一致している程であった。
銃やペンから鍬に持ち替えた将和だが農業等にも興味があったので特に問題はなくむしろ土地を購入して田畑の整備をしていたりする。
「明日は山に行かないかしら?」
「山? またクマ退治でもするのか?」
「やぁねぇ。ここら辺のクマは刈り取ったでしょ」
(齢70にもなる婆さんがどうやってクマを刈り取るんだよ……)
「何か言ったかしら貴方?」
「いえ何も……」
鋭い夕夏の視線に将和はそう答えるのが精一杯である。
「ほら、そろそろマツタケの季節じゃない? マツタケを将弘達に送ろうかなと思ってね」
「あぁ……そういやその季節だな」
季節の背景はそういう季節なのだ。(おい
「ま、構わんよ」
そう言って将和はテレビを付ける。映像はニュースを言いつつも『怪獣』の話をしていた。
「今日は神戸の方に怪獣が出たのね……」
(どう見ても……あれはセブンとキングジョーだよな……)
映像では怪獣ーーキングジョーと戦うウルトラセブンが映っていた。
『このように神戸港に現れた怪獣キングジョーはウルトラセブンとウルトラ警備隊により退治されました』
『いやぁ流石はセブンです』
ニュースキャスター達はそう言い合う。
(まぁ俺には関係ない事か)
将和はそう思いながら味噌汁を啜るのである。翌日、将和と夕夏達はマツタケ狩りに山に入っていた。
「あまり無茶するなよぉ」
「分かってるわよ」
将和はそう言いながらも一人でマツタケを採取していく。そして山の中腹に謎のピラミッドを見つけたのである。
「これは……」
将和は謎のピラミッドに唖然としていた。それはかつて平成の時代の時に自身が小さき頃に見ていた特撮ドラマとソックリだったのだ。
「このピラミッドは……まさか!?」
将和はピラミッドの入口を探して中に入る。そして長い廊下を走り抜けるとそこは光に溢れていた。
「こいつは……」
光の先には一体の石化した巨人が佇んでいた。そしてその石化した巨人に将和は見覚えがあったのだ。
「……ティガにソックリだ……」
『ウルトラマンティガ』それは平成ウルトラマンシリーズの第一作目であり作者が小さき頃に熱中しダントツに好きなウルトラマンであった。(2番目はセブン。それ以外は無し。てかあるわけないだろぉ)
将和は巨人に歩み寄り、足元ではあるが巨人に触れる。冷たい感触はあるが確かにそこには巨人はいたのである。
そして僅かに響く音。地面が揺れていたのだ。
「まさか……ッ!?」
将和は来た道を戻りピラミッド入口に戻る。麓には怪獣がいた。
「あれは……『ゴルザ』!?」
それはティガ第一話に登場した超古代怪獣『ゴルザ』であった。『ゴルザ』は田畑を荒らしながらも将和の山に向かいつつあった。良かった点としては田舎であり人家が非常に少なかった事だろう。
「貴方!?」
「夕夏、シャーリー達も……」
そこへ怪獣の叫び声を聞き付けた夕夏やシャーリー達が駆けつける。
「まさか怪獣が出るなんてな。早く逃げよう」
「夕夏達は早く逃げろ。俺は……やる事がある」
将和はそう言ってピラミッドに視線を向ける。
「こんなところにピラミッド……? あ、将和!?」
「ちょっと貴方!?」
駆け出してピラミッドに入った将和に夕夏達も追いかけるのである。そして夕夏達も石化した巨人を目撃する。
「こ、こいつは……」
「ウルトラマン……? いえ、でも違うわね」
驚く夕夏やシャーリーを尻目に将和は巨人に再度歩み寄り手を触れる。
「お前が何故此処にいるのかは俺にも分からない……けど、今は俺に手を貸してほしい」
そして巨人は光に包まれやがては将和の右手に小さく収まりーーあのスパークレンスになる。
「……行くのね」
全てを察した夕夏に将和は頷く。
「……行ってくる……」
将和はそう言って右手にスパークレンスを構えて真上にあげてスイッチを押す。そして将和は光に包まれ夕夏達が上を見上げた時、光の巨人ーーウルトラマンはいたのである。
「ティヤッ!!」
ウルトラマンは下にいる夕夏達を巻き込まないようゆっくり移動してから『ゴルザ』と向き合う。ウルトラマンに気付いた『ゴルザ』は雄叫びをあげて向かってくるがーーウルトラマンは容赦なく攻撃をする。
「シャァッ!!」
右手を少し溜めてから振り下ろすように投げて八つ裂き光輪を出しそのまま『ゴルザ』の首を斬り落としたのである。首を落とされた『ゴルザ』は血飛沫をあげながらゆっくりと倒れたのである。
それを見届けたウルトラマンは光になりそのまま人の姿にーー将和の姿に戻るのである。
『貴方!!』
元の姿に戻った将和に夕夏達は駆け寄り抱き締める。
「ハハ……今度はウルトラマンになっちまったよ……」
「……良いじゃない。貴重な体験よ」
「そう言えるのは夕夏の良いところだよなぁ……」
「それもそうかもな」
将和はそう答えスパークレンスを見る。スパークレンスが消えないという事はまだ役割があるという事なのだろう。
(今度はウルトラマンにしか出来ない俺の仕事という事か……となると……トラウマとかの回避か?)
ウルトラマンシリーズでトラウマといえばやはりウルトラマンレオであろう。だが本当にそうなるかは分からない。
(まぁ……なるようになるか)
そう思う将和であった。そして時は幾分か流れた。
「外宇宙から高速で円盤がこのステーションに……えっ?」
「どうした!?」
「え、円盤が火星軌道上で停止。更なる反応が……」
(何だ、何が起きている……)
『MAC』アジアステーションで隊長のモロボシ・ダンは突然の出来事に唖然としていた。そして火星軌道上では……。
「シャァッ!!」
再度ウルトラマンに変身した将和は円盤ーー円盤生物の怪獣である『シルバーブルーメ』と対峙していた。速攻で八つ裂き光輪を出して『シルバーブルーメ』の触手を全て斬り落とす。
「キエェェェェェェッ!?」
叫び声が悲鳴なのか分からないがそれでも将和は攻撃の手を緩める事なく八つ裂き光輪で『シルバーブルーメ』を斬り刻んでいき最後はあの必殺技を出す。
「フンッ!! ハァァァァァァァァァァァァッ!! ジェアッ!!」
両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜めた後、ウルトラセブンと同じワイドショットと同じL字に構えて放つゼペリオン光線を放ち『シルバーブルーメ』を撃破するのである。
「あ、円盤が撃破されました。ウルトラマンレオ……? でもレオじゃない……」
「……そうか……(何が起きている……?)」
そう思うモロボシ・ダンであったが何が起きたか分からずそのままウルトラマンレオは終わり、時は近未来となる。
「ドキュメントMACによればこの謎のウルトラマンは一度だけしか現れていないそうです」
「そのウルトラマンを探すウルトラマンレオ……か」
「だがそのウルトラマンがいなければ当時の防衛チームは全滅していた可能性が非常に高い……か」
「ミライ、光の国にはそんな奴いなかったのか?」
「……残念ですがその人はいなかったです……」
リュウの言葉にメビウスーーミライは首を横に振ってそう言う。そしてそのウルトラマンが現れたのはーー無かった。
(いやまぁ……今更俺が出ても意味は無い……と思っていたけど、これはある意味の予想外だなおい……)
エンペラ星人にメビウスとゾフィーに負けたのを遠めから見る将和である。
「人は皆、自分自身の力で光になれるんだ。そうだろう?」
将和はスパークレンスを取り出す。将和の問いに答えるようにスパークレンスは光る。
「ならば最後の戦いと往こうか!! 俺には守るものがある…たくさんの仲間が……そして、何よりも大切な人が!!」
そう言って将和はスパークレンスをマドカ・ダイゴと同じ変身ポーズをする。
『何ィ!?』
突如現れた謎の光と共にウルトラマンが現れる。
「あれは……」
「確か謎のウルトラマン……」
地上にいたトリヤマ補佐官とミサキ総監代行がそう話す。
『貴方は……』
『そうか、君がセブンが言っていたウルトラマンか……』
『……………』
メビウスとゾフィーの言葉に将和は視線を向けるも直ぐにエンペラ星人に視線を向ける。
「ティヤッ!!」
斯くして将和の最後の戦いが始まるのであった。
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