『三好in○○シリーズ』   作:零戦

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前中後編の予定


三好in種 前編

 

 

 

 

 

 かつて、日本を破滅から救った三好将和。その将和もとうとう老いには勝てず、妻夕夏と共に永眠した。

 

「夕夏、あの世でもよろしく頼むよ」

「任されたわ貴方」

「暫くしたら私もそちらに行きますよ」

 

 息を引き取った二人に美鈴は涙を流しながらそう呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかこの世界とは……」

「はぁ……はぁ……た、助かったのか……?」

「まだ顔を出すなよアズラエル理事さんよ。どうも奴さんらが狙ってるのはアンタだよ」

 

 デトロイトにある高層ビルのパーティー会場だった場所。そう、だった場所だ。先程まではだ。何故なら数分前にパーティー会場が爆発して瞬く間に廃墟と化したのだ。そしてテーブルを盾にして将和はFNブローニング・ハイパワーの弾倉を装着して薬室に9ミリパラベラム弾を装填する。パーティー会場の入口には複数人の男達がいたがどうも救助隊ではない。

 口々に「アズラエルを探せ!!」「ナチュラルなんぞクソ食らえだ!!」とアズラエルを殺す言動を言っていたのだ。

 

「救助隊は要請したが……阻まれてそうだな」

「まさか……コーディネーターの奴等が……ッ」

「さて、そのナチュラルにも敵を多く作ってたような気するが?(ひぃ、ふぅ、みぃ……6人か)」

 

 段々と近づいてくる男達の隙を突いて将和は起き上がり一番近い奴にハイパワーを構えて照準する。

 

「なーーーッ」

「悪いな……やられる覚悟はあるだろ?」

 

 そして将和は引き金を引いたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 C.E.70年2月11日、地球連合がプラントに対して宣戦布告し月面基地のプトレマイオス基地から地球連合軍の宇宙艦隊が出撃した。この際、モビルアーマー母艦『ルーズベルト』に、とあるブルーコスモス派将校の独断で極秘に1発の核弾頭ミサイルが持ち込まれた。

 そして同年2月14日、ザフトは地球軍プトレマイオス基地艦隊及び艦載モビルアーマー「メビウス」部隊の攻撃をモビルスーツ部隊によって迎撃し、これらを殲滅する。しかし、『ルーズベルト』に1発持ち込まれていた核ミサイルを搭載して発艦した「メビウス」は攻撃行動に成功し、これがユニウスセブンに命中した。

 これにより、パトリック・ザラ国防委員長の妻レノアを含む24万3721名の人々が犠牲となり、ザラ委員長を筆頭とするコーディネイター強硬派の敵意と憎悪は頂点に達し、オペレーション・ウロボロスに代表される報復攻撃を招いたのである。

 そんな中での2月16日、東アジアにある日本国に一人の地球連合士官が日本宇宙軍を訪れる。

 

「此処がフジヤマ……」

 

 サングラスをかけた士官は部屋に案内された従兵に礼を言ってソファに座る。数分後にノックがされ扉が開けられると一人の日本宇宙軍士官が入ってきた。

 

「待たせて済まない。丁度『隼』での訓練をしていたところだったものでな」

「いえ、此方こそ急で申し訳ありません」

 

 そう言って地球連合士官ーー女性ーーは敬礼をする。

 

「地球連合軍第八艦隊所属ナタル・バジルール少尉、本日付を以て日本宇宙軍観戦武官として赴任しました」

「ん。日本宇宙軍第一特殊師団第334機動大隊隊長の三好将和少佐だ。そちらの言い方だとマサカズ・ミヨシだな」

「ハッ。宜しくお願いします」

「まぁそんな固くならなくていい。今日はゆっくり休んでくれ。明日からはまぁうちの大隊のMSを見学してもらう」

「ありがとうございます」

 

 そう言ってナタルが退出すると将和は溜め息を吐いた。

 

「ムルタの野郎……よりにもナタル・バジルールを観戦武官として出してくるとは……」

 

 将和は数日前に来たムルタ・アズラエルからの私的テレビ電話の内容を思い出す。

 

『そういえばマサカズ』

「ん、どした?」

『地球連合の方でもMSの開発が決まってね。それでナチュラルで唯一無二と言っていい日本に技術者と観戦武官を派遣する事になったよ』

「そうなのか?」

『序でに言えば君のところに行くように調整はしといたよ』

「オイオイ……せめて綺麗なお姉ちゃんで頼むよ」

『仕方ないねぇ……』

 

 

 

「確かに俺は綺麗なお姉ちゃんと言ったが……何で原作キャラなんかなぁ……」

 

 そう溜め息を吐く将和であった。そして地球連合とプラントの戦争は遂に地球本土の戦いとなる。プラントは2月18日に南アメリカへの侵攻、2月22日の世界樹攻防戦、3月8日の第一次ビクトリア攻防戦を経て3月15日に『オペレーション・ウロボロス』が可決され4月1日に発動された。後に言われる地球圏で発生したエネルギー危機を指す名称となる『エイプリル・フール・クライシス』であった。

 このニュートロンジャマーの散布に日本も含まれていた。日本はプラントに宣戦布告はしておらず中立であったものの日本の強大な軍事力がプラントに向けられるのも時間の問題とパトリック・ザラ等は踏んでいたので日本にも奇襲同様で散布される事になったのである。

 しかし、日本は2日前の3月30日にそれを読んでいた。

 

「成る程の。プラントは余程ワシらを怒らせたいようじゃの」

 

 日本の上空にザフトの艦隊が航行してくるのを察知した日本国総理の三好正信は決断した。

 

「プラントに宣戦布告をする。ニュートロンジャマーの散布を防ぐのじゃッ」

 

 直ちに四個軍は動員が発動された。そして4月1日のニュートロンジャマーの散布に宇宙軍は9個艦隊でザフトの艦隊を出迎えたのである。

 

「何で日本の奴等がこんなにいるんだよ!!」

『知るか!! 早く散布するんだ!!』

 

 ザフトの艦隊、MS等からニュートロンジャマーが日本の地表に向けて散布される。だが地上には日本宇宙軍のMSである3個特殊師団を筆頭に日本軍が待ち構えていたのである。

 

「ニュートロンジャマーの散布、来ます!!」

「コメンス、撃ェ!!」

「PAC5、発射ァ!!」

 

 海上では日本海軍のイージスミサイル巡洋艦群から地上では日本空軍のペトリオットミサイル等が次々と発射されて日本国内でのニュートロンジャマー散布を阻止しようとする。その中でも将和の第334機動大隊も地上でニュートロンジャマーを迎撃していた。

 

「クッ、弾切れだ」

 

 先程まで撃っていた75ミリ高エネルギービームライフルはビーム切れとなったので新しいビーム弾倉に交換して大気圏を突入してくるニュートロンジャマーに照準する。

 

「全機、何としても撃ち落とせ!! このままじゃ核の冬が来るぞ!!」

『了解!!』

 

 なお、この迎撃で日本に落とされたニュートロンジャマーは10数個が迎撃出来ずに散布されてしまったがそれ以外は迎撃に成功したのである。特に将和の第334機動大隊は将和だけでも138個も迎撃し大隊でも389個も迎撃したのである。

 

「これが日本軍のMSの運用ですか……」

「まぁな」

 

 ナタルはニュートロンジャマーの散布で直撃を受けた建物を見ていた。建物の瓦礫をMSが動かして退かしていた。

 

「災害であれば使えるモノは何でも使う。日本はそういうところだな。要は臨機応変かな」

「成る程……」

 

 将和の言葉にナタルは頷く。軍事用と目されがちのMSも運用を変えてみたら何でも使えるのだ。ちなみに将和もニュートロンジャマー散布を大量に阻止したので二階級昇進は決まっていた。(昇進のやり方はヤン・ウェンリーと同じ)

 また、日本も他の国と同様にニュートロンジャマーの影響で原発が使用不能となったが日本で数基のニュートロンジャマーを捕獲に成功しており後々にニュートロンジャマーキャンセラーというシステムを日本科学技術研究所の愉快な研究者達が開発するのである。

 なし崩し的にプラントに宣戦布告をした日本だが、日本も狙われる理由はあった。日本にもマスドライバーが存在したのだ。しかも種子島と台湾に一基ずつあったから余計に太刀が悪い。ザフトがこの2基を破壊しようとするのは当然であり実際、ザフトは軌道上での三回の海戦(種子島上空海戦等)や海中からのMS隊を発進させてのそれぞれ三回の攻略作戦が発動されるがどれも全て敗北、しまいには全滅する程であった。

 

「コイツで最後ォォォォォ!!」

 

 種子島の防衛に第334機動大隊も参戦して将和も指揮官自ら戦場に出ていた。今も最後のザフトのMSであるジンを対艦刀で真っ二つにして撃破したのである。

 

「はぁ……他の敵は?」

『何とか撤退したようだな』

「もう来んな……」

 

 僚機の清が乗る『隼』が近づく。他の機も近づくがどれもこれも満身創痍である。

 

「取り敢えずは帰ろうか」

『早くバジルールちゃんのたわけが聞きたいからか?』

「よーし、そこを動くなよ清。対艦刀で真っ二つにしてやるからな」

『冗談だっての!!』

 

 将和の『隼』が対艦刀を構えて逃げる清の『隼』であった。なお、プラントーーザフトはこの攻略作戦を機に日本への手出しをあまりしなくなる。当たり前だ、万全の状態で行ったら大損害で帰還してくるのだ。しかも宇宙艦隊も一国の国ながら9個艦隊も保有しており戦力差は歴然であったのだ。

 その為プラントはより地球連合軍と対峙するのである。そしてデトロイトにあるアズラエル財閥のムルタ・アズラエルはバジルールや他の技術者ーーマリュー・ラミアス等ーー等からの情報にホコホコ顔であった。

 

「流石は日本だ。これ程までのMSを作っていたとは……」

 

 報告書を見ながらアズラエルはそう呟く。日本を侮るなと父親から常々言われていたが……これ程までのMSを作って実戦配備していたのは予想外だった。

 

「これもマサカズのおかげかもしれないな……」

 

 あの暗殺未遂の時、マサカズは増援が来るまで一人でアズラエルを守り通した。恩義を感じたアズラエルはそれ以後は何かと将和とつるむようになったりする。将和も将和でアズラエルの事は嫌いな部類ではなかった事もあり(ジブリールやクルーゼは別)父親の正信の許可を貰って軍事交流やデータを渡したりしていた。

 

「だからこそ……マサカズとは良い関係を続けたいモノだな……」

 

 そう思うアズラエルであった。そして一方の将和はというと……。

 

 

 

「え~と……バジルール少尉?」

「……ナタルと呼んで下さい……そう言ったではありませんか」

 

 エンデュミオン・クレーターの戦いから宇宙母艦『鳳翔』に帰還したら出会い頭に抱きつかれた将和である。なお、顔真っ赤なナタルである。

 

(フラグは……フラグ何処で建っていたんだ……)

 

「死なないで下さい……」

(………ふぅ……)

 

 クルーゼと戦っていたという報告を戦闘中に聞いていたナタルは気が気でなかった。そして将和が帰還した事でこれまで溜めていた思いが溢れ出すのである。なお、ナタルの問いに将和は抱き締めてキスで返すのであった。ちなみにそれを目撃した清は直ぐに写真に納めて機動大隊のパイロット達に配るのであった。

 

「テメェ清!!」

「ハーハッハッハッハッハ!!」

 

 釘バットで清を倒そうとする将和と逃げる清である。なお、この直ぐ後に数人増えるとは知らない二人であった。

 

 

 

 

 

 




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