かつて、日本を破滅から救った三好将和。その将和もとうとう老いには勝てず、妻夕夏と共に永眠した。
「夕夏、あの世でもよろしく頼むよ」
「任されたわ貴方」
「暫くしたら私もそちらに行きますよ」
息を引き取った二人に美鈴は涙を流しながらそう呟くのであった。
西暦2205年、銀河系中心部の宇宙で大きな異変が生じた。異次元断層から別の銀河が現れ、核恒星系付近で銀河系同士の衝突が起こり多くの星々が消滅したのである。
その謎を探るべく地球防衛軍の指令を受けた宇宙戦艦ヤマトは宇宙災害の調査と友好国である「ガルマン・ガミラス帝国」の本星へと赴くのである。しかし、ガルマン・ガミラス帝国の本星は壊滅しヤマトも正体不明の艦隊からの攻撃を受け一時期は行方不明だったが自動航法装置にて無事に地球へ帰還したのである。
ヤマトからの報告にあった水惑星「アクエリアス」が地球へ接近してきた。地球連邦は直ちに土星や木星に建設していたスペースコロニー等に地球市民を一時的に移住する事を決定。
避難船団の護衛には勿論地球防衛軍の宇宙艦隊が護衛している。
だか地球市民の避難船団にアクエリアスによって母星を失ったディンギル帝国の宇宙艦隊が地球市民を地球に封殺すべく襲い掛かるのであった。
「藤堂長官、冥王星からの通信途絶しました!!」
防衛軍司令部にてオペレーターが藤堂平九郎長官に報告をする。
「海王星の監視衛星が土星宙域に向かう敵艦隊を捉えています!!」
「……土星宙域にいる避難船団には外惑星艦隊が付いているがそれでも非常に危険だ。直ちに全艦隊を土星宙域に集結せよ!!」
「はっ!!」
直ちに地球艦隊は土星宙域に向かう。その土星宙域では避難船団を守るべく地球防衛軍外惑星艦隊の三個艦隊が奮戦していた。
「砲撃だ!! 何としても敵の水雷艇を叩け!!」
外惑星艦隊第二艦隊提督のパエッタ中将は旗艦パトロクロスの艦橋にてそう吠えていた。戦闘開始から一時間、避難船団は粗方地球方面への退避に成功していた。これも第一艦隊からの指示によるおかげだった。
(やはりガミラス戦役からの英雄は凄まじい……)
そう思うパエッタ中将だが不意にオペレーターが叫んだ。
「直撃、来ます!!」
「何!?」
ディンギル艦隊から放たれたガトリングレーザー砲がパトロクロスの艦橋付近を掠めていった。パエッタはその衝撃で床に倒れた。
「ぐぉッ!?」
「提督!?」
副官が慌ててパエッタを抱き抱える。
「だ、第一艦隊旗艦伊勢に通信を……」
「はい。伊勢に通信!!」
一瞬の間を置いてメインパネルに30代程の将官が映り出す。
『パエッタ中将!?』
「み、三好中将……私は重傷だ……第二艦隊の指揮権を貴方に渡す」
『自分にですか?』
「そうだ……ガミラス戦役からの英雄の手腕を見せて……うぅ……」
パエッタはそこまで言って意識を失うのであった。
「よろしい、兎に角第二艦隊の指揮権は俺が引き継ぐ」
外惑星艦隊第一艦隊旗艦伊勢の艦長席で外惑星艦隊司令長官の三好将和中将はそう宣言して艦長席に座り込む。
「今は敵にハイパー放射ミサイルを撃たせない事が優先だ。航空支援も忘れるな」
将和はそう指示を出す。
(全く……リメイク作品と思いきや旧作の世界だとはな……)
将和は転生者である。かつて日本を救った者だが死んで気づけば時は遥か未来のヤマトの世界である。勿論、将和は地球防衛軍に入隊し幾つかの死亡フラグを乗り越えて今は再建途中の外惑星艦隊司令長官兼第一艦隊提督を勤めている。
そしてディンギル艦隊との攻防真っ最中である。
「もう少しだ、もう少し粘れば精鋭の内惑星艦隊がやってくるぞ!!」
内惑星艦隊六個艦隊は西暦2205年に採用されたばかりの艦艇で編成された艦隊である。ちなみに内惑星艦隊は西暦2200年、白色彗星戦役時に活躍した艦艇が大半であった。
「敵艦隊後方から重力震多数確認!!」
「何!?」
重力震が多数、つまり敵艦隊の増援が現れた事を意味していたのだ。
「敵水雷艇母艦多数接近!!」
「……最早此処までか。後退する、ワープ準備急げェ!!」
三個艦隊はワープ準備に移行するがディンギル艦隊はそれを見逃す筈もなく三個艦隊に襲い掛かる。
「巡洋艦クインシー撃沈!!」
「構うな!! このままワープだ!!」
「更に巡洋艦ポートランド撃沈!!」
ハイパー放射ミサイルが巡洋艦ポートランドの側面を食い破りポートランドが爆発する。しかしワープ準備をしていた事でその膨大な量の波動エネルギーが三個艦隊に飛び散りやがては三個艦隊が光に包まれたのであった。
「ウワアァァァァァァァァァァァ!?」
そして残ったのはディンギル艦隊だけであった。多少は混乱したディンギル艦隊だがやがて内惑星艦隊が到着する報を受けて統制が回復、内惑星艦隊へハイパー放射ミサイルの乱打をするのである。
その後、地球防衛軍は外惑星艦隊の全滅と判断、戦闘詳報にも「最後は全滅するも外惑星艦隊は斯く戦えり」と記したのである。
しかし外惑星艦隊は全滅していなかったのである。
「長官、長官」
「む……」
副官に起こされた将和は目を開ける。気づけば艦長席に突っ伏していた。
「生きて……いる……?」
「どうやらそのようです」
将和はゆっくりと起き上がる。そして前方の宇宙を見るがいつも見ていた宇宙とは異なっていた。
「なんだこの宇宙は……」
「分かりません……」
将和らは皆を起こして周囲の状況を確認する。
「第一、第二、第五艦隊は健在です」
「第五艦隊提督のビュコック中将より通信です」
「メインパネルに切り替えろ」
『やぁ三好中将、生きていたようじゃな』
「どうやらまだ死神には嫌われているようです」
将和はメインパネルに映る第五艦隊提督のビュコック中将と話をする。
『儂もつい気が付いたばかりじゃて。どうするか困ったものじゃな』
「とりあえず周囲を探索しましょう」
『それが良いな』
そして三個艦隊は周囲を探索する。そして第一艦隊は前方宙域に何かをレーダーが捉えた。
「メインパネルに切り替えろ」
「これは……」
見れば一隻の戦闘艦艇が炎上しながら敗走していた。それを追うのはあのディンギル艦隊である。数は凡そ20隻あまり。
「空母加賀に連絡!! 直ちに攻撃隊を出してディンギル艦隊を撃破、炎上艦艇を保護せよ!!」
将和はそう指示を出しつつある事を思う。
(あの艦艇……何処かで見た気が……)
そう思いつつも攻撃隊はディンギル艦隊を攻撃し敗走させる事に成功した。しかし、炎上していた艦艇は動力部を停止させて漂流を始めた。
「駆逐艦を横付けして救助だ」
「分かりました」
救助された艦艇の乗員が面会を求めてきたので将和は艦長室で会うが入ってきた女性に唖然としたのである。
「この度は誠にありがとうございます。時空管理局本局の総務統括官リンディ・ハラオウンです」
「……地球防衛軍外惑星艦隊司令長官の三好将和中将です(リリなのの世界かァァァァァァ!!)」
表面上はにこやかに接する将和だが内では絶叫していた。
(リリなのの世界にディンギル艦隊もいるし……あっ、これ盛大な死亡フラグになりそう……)
そう思う将和であった。そして時空管理局と外惑星艦隊の三個艦隊は侵攻してくるディンギル艦隊に対し手を結び抵抗をするのである。
「本日付で旗艦伊勢乗員となりました機動六課です」
「……いや陸戦は最後の最後だろ」
八神らの機動六課乗り込みに頭を抱える将和。
「ですから貴方方の艦艇では到底ディンギル艦隊に抵抗は……」
「何を馬鹿な!! 必殺の信念があればこそだ、それにアルカンシェルを大量に撃ち込めば都市衛星なんぞ木端微塵だ!!」
「馬鹿じゃねーの」
そして始まるディンギル艦隊の侵攻。
「さぁ機動六課よ!! 特と見ろ、これが宇宙戦争だ!!」
「ハイパー放射ミサイルを発射する前に叩け!!」
「人があっという間に散っていくの……」
「目を逸らすな八神はやて!! 指揮官という選んだ道を逸らすな!!」
「うぅ!?」
「距離四万二千宇宙キロ!!」
「撃てェ!!」
水惑星アクエリアス。
『行きなさい、此処に貴方方が求める物はありません……』
(うるせぇ……)
都市衛星ウルクへの突入。
「都市衛星に突っ込むぞ!! 何かに掴まっとけ!!」
「はいッ!!」
「……何で俺を抱き締める八神……」
「魔法か、魔法を使えても人を殺めるのは許せぬか。笑止」
「ぼん!?」
「はやてお姉ちゃん……ぼく、地球で偉い事をしたんだよね……?」
「ぼん!? しっかりしぃ!! ……これが人のやる事なんか!! 父親がやる事なんか!! 答えるんやルガール大総統!!」
ミッドチルダに迫るアクエリアス。
「私が残るよ長官」
「ビュコック中将!?」
「儂はもう短い命じゃしな、儂はもう満足じゃよ……」
「発射ァ!!」
「リオ・グランデが……」
残された者と歩み出す者。
「さて、新たな出発だな」
「せやな。あ、機動六課はまだ伊勢付やからな」
「私もいますよ」
「ア,ハイ」
歴史は語るのである。
パエッタとビュコックは名前が浮かばなかったから拝借しました