『三好in○○シリーズ』   作:零戦

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前後編になっちった……


第九話(三好inガルパン)

 

 

 

 

 

かつて、日本を破滅から救った三好将和。その将和もとうとう老いには勝てず、妻夕夏と共に永眠した。

 

 

 

「夕夏、あの世でもよろしく頼むよ」

 

「任されたわ貴方」

 

「暫くしたら私もそちらに行きますよ」

 

 

 

 息を引き取った二人に美鈴は涙を流しながらそう呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でTSしてるんですかねぇ……」

「何か言ったか和夏?」

「何もないぞ里子ちゃんや」

「私の事はエルヴィンと呼べと言っているだろう」

 

 20××年、将和こと三好和夏はTSして県立大洗女子学園に入学して今は入学式の最中である。

 

(はぁ……まさかガルパンの世界に転生するとは……しかもTSしてるし息子は消えて娘になっているし……)

 

 和夏はそんな事を思いつつ学園長の言葉を半場無視していた。

 

(エルヴィンが同級生という事は西住らとも同級生か……原作一年前だなぁ……)

 

 入学式が終わり、教室で教師からの話も無視しつつ和夏は思案する。

 

(うーん……戦車道部作るか)

 

 将和は悩んだ末にそう決断した。

 

(もしかしたら文科省も戦車道大会に出ていたら廃校の話も出てこんとは思うし……それに原作組も初めから戦車道部があればやりやすいだろう。後、俺も戦車乗ってやりたいし)

 

 そう思う和夏は直ぐに行動を開始した。

 

「戦車道部?」

「あぁ、里子もやろうよ」

「エルヴィンだ。しかしカエサル達と忍道を履修すると……」

「掛け持ちも可」

「うーん……」

「戦車にドイツ戦車があれば里子に乗せてやる」

「乗った!!」

 

 エルヴィンを通じて和夏は歴女チームを確保した。更に和夏は生徒会に新部活を申請した。

 

「戦車道部ねぇ……部費を出せる余裕は無いし同好会ならいいよ」

 

 生徒会の角谷は和夏に告げると和夏も頷いた。

 

「それで構わないわ」

 

 

 

 

「戦車のレストア?」

「良いね、面白そうだ」

「レストアした戦車に乗ってもいいぞ」

「OK」

 

 自動車部も確保して大洗戦車同好会が発足した。発足と同時に和夏は駐車場にある三式中戦車『チヌ』と倉庫にある四号戦車と長砲身、M3リー中戦車、38t、三突を確保してレストアに充てた。

 

「やっぱりバイトしか無いよなぁ……」

 

 戦車のガソリン代等予算が無いので和夏は必然的にバイトをしてバイト代をそれに宛てる事にする。また、それを知ったエルヴィン達も少しだが出してくれた。

 

「戦車道大会に出たいな……」

「面白そうぜよ」

「何れは部に昇格して部費も手に入るかも……」

「やりましょうよ和夏殿!!」

 

 あれよあれよと戦車道大会に出る事が決まる。ちなみに秋山は最初は物陰に隠れていたが和夏に見つかってそれ以降は同好会入りをしている。

 また、ねこにゃーこと猫田達ネトゲチームもいたりする。

 

「……やるのはいいけど人数がギリギリね」

「一車両に最低三人はいないと……」

「出るのは決定なのか……」

「狙うは優勝!!」

「お、燃えるねぇ!!」

 

 斯くして大洗戦車道同好会は第62回戦車道全国高校生大会に出場するのであった。

 

「大洗女子学園ね……」

「どうしたのエリカさん?」

「戦車道同好会が大会に参加するなんてとんだ茶番劇ね」

「そ、そうかな……?」

「そうよ」

 

 大会の組み合わせに訪れていた西住みほと逸見エリカはそう話す。

 

「ま、どうでもいい事ね」

 

 そう吐き捨てるエリカだった。そして和夏達の一回戦はというと……。

 

「BC自由学園かー」

「どんな高校なんだ?」

「まぁ医科にもおフランス!! という高校だな」

「使用する戦車もルノーFTとS35の混合だな(ARL44いなくて助かった……)」

 

 内心、そう思う和夏だった。それは兎も角、大会は始まるのであった。

 

「戦車前進!!」

 

 人数が13人しかいない同好会は結局、三人・四人での運用となった。

 

 四号(和夏・秋山・おりょう)

 三式(ネトゲチーム)

 三突(カエサル・エルヴィン・左衛門佐)

 M3(自動車部)

 

『それでどう動く和夏?』

「ここはアルデンヌといこうじゃないか」

『……心得た!!』

 

 和夏の言葉に察したエルヴィンは喜ぶ。

 

「単独行動は禁ずる。三突は四号、三式とリーで行動。左右から迂回し敵を発見次第通報、付かず離れずを維持してもう片方の来援まで待機せよ!!」

『了解!!』

 

 斯くして試合が始まる。

 

『和夏!! 見つけたぞ!!』

「よーし、先の命令通りな」

『任せろ!!』

 

 合流して叩く、ww1辺りの戦車だったルノーFTを蹂躙し敵フラッグ車を撃破するのであった。

 

『大洗女子学園の勝利!!』

(……何とか勝てたか……)

 

 和夏は溜め息を吐いた。

 

(さて、何処まで行けるかな……)

 

 しかし、和夏の予想を裏腹に二回戦のアンツィオ高校にまでも勝利した。次は聖グロリアーナだった。

 

「たった四両の戦車で此処まで来れた事は評価に値しますわ。ですが貴女達は此処までの事」

「はいはい、さっさとやるわよ」

「……いい気にならない事ね」

 

 ダージリンはそう言ってチャーチルに向かう。

 

「チャーチルを見つけたら重点的に狙え。目標は前面だ」

「和夏殿って以外と根に持つタイプですか?」

「紅茶飲みながらああ言われたらムカつくわ。それに紅茶はブランデー入りのが好きよ」

「……今の発言は危ないぜよ」

 

 なお、チャーチルは集中砲撃されて撃破される。聖グロリアーナにも勝つがそんなある日、和夏は生徒会に呼ばれた。

 

「次の試合、棄権するから」

「……何故ですか?」

「有無は言わさないよ。棄権は大洗女子学園で決定済みだよ。既に大会本部にも通達している」

「ふざけるなァ!!」

 

 角谷の言葉に和夏は吠える。しかし、角谷は有無を言わさず退出を命じ更に和夏を同好会から追放までさせたのである。

 

「三好和夏は同好会から追放、同好会は部に昇格させる」

「待ってください、和夏が何をしたんですか?」

「君達から集めた資金を流用して自身の私腹に入れていたんだよ」

 

 そう言われてはエルヴィン達も何も言えなかった。和夏への接触も禁止を言い渡された。

 

「……私は何をしたかったのかな……」

 

 和夏は自宅でそう呟く。和夏自身、何れは西住みほに譲るつもりだった。しかし、これは何だ?

 

「……もうどうでもいいや」

 

 和夏はそう呟いたのであった。そして生徒会等の思惑が全て判明するのはプラウダ戦の時だったのは誰も知らない。

 

 

 

 




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