第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) 作:ダークボーイ
「現地からの誘導ビーコンに座標位置固定!」
「ワームホール、発生確認!」
「マイルズ隊、突入します!」
「パットンガールズ、GO!」
「第31統合戦闘飛行隊、発進!」
次元間大型転移装置に発生した渦、異なる世界へと繋がるワームホールに、臨戦態勢のウィッチ達が次々と突入していく。
次元を超える特有の不快感にウィッチの何割かは不快な顔をするが、程なくして目的の世界へとたどり着く。
まず目の前に飛び込んできたのは、幾つもの戦車、森林、そして縞模様に鳴動する、もう見慣れてきた敵、JAMの姿だった。
「パンツァー・フォー!」
先陣を切ったブリタニア陸軍 第4戦車旅団C中隊 隊長、セシリア・G・マイルズ少佐の号令と共に、陸戦ウィッチ達が破損した戦車の間を縫い、JAMへと対峙する。
戦車から顔を出し、その様子を見ていた少女達が唖然としているのに気付いた、陸戦ウィッチ隊の殿にいた扶桑陸軍の北野 古子軍曹が思わず足を止めて声を掛ける。
「大丈夫ですか!? 増援に来ました! 後は私達にお任せを!」
そう宣言しつつ、古子もJAMへと向かっていく。
そこへ続けて航空ウィッチ達も転移し、JAMへと向かっていく中、ウィッチ隊の指揮を取る加東 圭子少佐はハッチから見を乗り出してる少女達へと近寄る。
「そこの貴方達!」
呼びかけられた少女達は、圭子の姿に驚くが、構わず圭子は続ける。
「この部隊の指揮官はどこ!?」
「えと…」
「前方のⅣ号戦車!」
「ありがと!」
とにかく、この戦車隊の指揮官に話をつけるべく、圭子は一番先頭にいるⅣ号戦車へと向かっていく。
「にしても、見覚えのある戦車ばかりね………その割には国がバラバラだけど。こちら同様の統合部隊かしら?」
「陛下、それなのだが、使われている無線はすべてデジタルだ。電波形式からここは21世紀初頭頃と推測される」
「………どういう事かしら?」
肩に居たサイフォスが周辺をサーチしながらの報告に圭子は首を傾げるが、聞けば分かると思って目的のⅣ号戦車へと近寄る。
「この部隊の指揮官は!?」
「私です!」
ホバリングしながらの圭子の問に、ハッチから身を乗り出していた少女が答える。
「あら若いわね。私は第31統合戦闘飛行隊隊長、加東 圭子少佐よ。そちらの所属と階級は?」
「大洗学園戦車道チーム、隊長の西住 みほです!」
「学園? 戦車道?」
名乗った少女、みほの言葉に、圭子は改めて背後の戦車群を見る。
「これ、ひょっとして学校の試合か何か?」
「はい! 大洗学園と黒森峰女学園の練習試合だったんですが、いきなりあの変なのが攻撃してきて………」
「今、応援に来ていた他の学園の戦車道チームも参加して応戦している。私は黒森峰女学園前リーダーの西住 まほ、みほの姉だ」
みほの説明に隣りにいたまほが追加した所で、圭子がどこか釈然としない顔で頷く。
「つまりここは女学生が戦車で試合する世界なのね」
「そのようだ、陛下」
「おいそこのお前!」
そこへようやく合流したヘッツァーから桃が身を乗り出してくる。
「何者だお前! それ以前に何が起きてるか知ってるなら説明しろ! あいつらは何だ! 宇宙人でも攻めてきたのか!?」
「あらよく分かったわね。その通りよ」
「………へ?」
「え?」
「は?」
一気にまくしたてた桃に、圭子があっさり認めた事に桃だけでなく西住姉妹も思わず間の抜けた声をあげる。
「う、うう、宇宙人だとっ~~~!!」
「ちょ、なにそれ!」
「どういう事ですか!」
桃の絶叫に、他の戦車の搭乗者達からも声が響き渡る。
「正確にはあやつらの名はJAM、惑星フェアリィから来た謎の存在。目的は種々の世界の特殊戦闘能力者から戦闘データを得る事」
サイフォスからの説明に、西住姉妹は唖然としたままだったが、聞こえてきた戦闘音に我に帰る。
「詳しい話は後! 交戦が無理なら、私達に任せて下がりなさい!」
「残念だが、黒森峰にそんな戦術は無い」
「たとえ相手が宇宙人でも、私は私の戦車道で相手するまでです!」
「おい西住! 分かっているのか!? 宇宙人だぞ、エイリアンなんだぞ!?」
「無理なようなら下がっててください!」
みほは狼狽する桃に告げながらハッチを閉める。
「そちらのサポートに徹する。周波数を合わせられるか?」
「サイフォス」
「すぐに合わせます、陛下」
まほも圭子に確認しながら、ハッチを締めて戦闘態勢へと戻る。
(まさか、継続の隊長が知らせていたのは彼女達の事か?)
僅かな疑念は、間近で響いた着弾音で思考の隅に追いやる。
更に背後から、反転してきたらしい他の戦車の駆動音を聞いたまほは僅かに笑みを浮かべる。
「反撃を開始する。黒森峰の戦闘可能全車は増援部隊の援護を!」
「そちらは軽装ですけど、大丈夫なんですか!?」
「多分、そっちよりもね」
みほからの問に圭子が苦笑しながら、手にしたウィッチ用試作機関銃のセーフティーを外した。
「FIRE!」
一方、前へと出た陸戦ウィッチ達は陸戦ウィッチを束ねるマイルズの号令と共に、一斉に手にした重火器を斉射する。
魔法力の込められた砲弾や銃弾が次々とJAMの陸戦ユニットへと炸裂し、そのボディを大きく穿ち、複数の直撃弾を食らった物は大破、その場に擱座する。
「何アレ!? 何使ってんの!?」
「明らかにこっちより破壊力有るね………」
その様子を観察した継続チームが驚く中、ミカだけは平然とカンテレを鳴らしていた。
「なかなか面白い事になってきたね。さて向こうはどう出るかな?」
ミカの呟きに続くように、JAMの側も砲撃を繰り出すが、それはウィッチ達の張ったシールドに阻まれる。
「バリア! バリア張ってる!」
「何がどうなってんの!?」
「さてどうなってるんだろうね?」
アキとミッコが更に驚愕するが、そこで通信が入る。
『こちら第31統合戦闘飛行隊隊長、加東 圭子少佐! 敵、JAMの攻撃はこちらで防ぐ! そちらは私達より前に出ないように! 他の増援部隊もすぐに到着するわ!』
「………他のだって」
「どんなのだろ?」
「さあてね………」
驚愕を通り越して多少顔が引きつる二人を差し置き、ミカは通信機を手に取る。
「え~と加東少佐? 敵に精密狙撃型がいる。それと結構強力な対空装備持ってるから、気をつけて」
『了解。っていうかもう始めてるわね』
ミカからの警告を聞いたのかどうか、すでにJAMの上空に達した空戦ウィッチ達は放たれる対空レーザーをかいくぐり、交戦の最中だった。
「行くぞライーサ!」
「はい!」
第31統合戦闘飛行隊きってのエース、ハンナ・ユースティーナ・マルセイユ大尉と、その相方、ライーサ・ペットゲン少尉が揃ってJAMの陸戦ユニットへと急降下していく。
放たれる対空レーザーをライーサはシールドで防ぐが、マルセイユは驚異的な機動でそれをかわしながら肉薄し、お返しとばかりに銃撃を叩き込んでいく。
集中連射を食らったJAMの陸戦ユニット一体が大破するのを見届けながら、マルセイユは再度レーザーをかわしながら上昇していく。
「こいつらはコアが無いから、弾を食ってしょうがないな」
「新型の徹甲炸裂弾は効果出ています!」
「だが数が多すぎるな! 増援到着までここで食い止めるぞ!」
「はい!」
二人のウイッチは上空へと舞い上がると、再度急降下を開始した。
「全車、必要以上に前に出ないように! 防衛に徹してください!」
「今他の部隊も来るから、それまで絶対無理はしないように!」
みほと圭子の指示が響く中、反転してきた戦車達が一斉に砲撃を開始する。
「一応聞いておくけど、そちらの攻撃、効いてる?」
「集中砲火すればなんとか撃破出来ます! けど、あの数相手は………」
「サイフォス、増援更に依頼して。向こうは多い上に硬いとも付けて」
「了解した、陛下」
砲声が轟く中、みほがハッチから顔だけ出して圭子とサイフォスを見る。
「その小さいの、ロボットか何かですか?」
「武装神姫よ、こっちに来てない?」
「いえ………」
「じゃあ、ここにはまだ…」
「陛下!」
圭子の言葉の途中でサイフォスが叫び、その意図に圭子が急上昇、その足元を超高速砲弾が通過していく。
「レーザーサイティング確認! 陛下、狙われている!」
「あら、顔覚えられたかしら………」
「あのバリアみたいなの張れないんですか!?」
「悪いけど、もう使える歳じゃないのよね………」
「! こちらの後ろに付いてください! 直撃は防げま…」
「緊急回避!」
みほが盾になろうとした時、サイフォスが車内に飛び込みながら叫ぶ。
「全力信地旋回!」
とっさにみほも叫び、麻子がペダルを踏みながらレバーを引き、急旋回するⅣ号戦車のキャタピラと前部装甲を超高速砲弾がかすめていく。
「この戦車も狙われている! JAMは目標を各部隊のリーダーに変えたようだ!」
「な、なんでありますか、このしゃべる人形!?」
「まあ可愛い」
「ロボット!?」
「取り敢えず、次の指示を」
あんこうチームがいきなり飛び込んできたサイフォスに驚くが、麻子は冷静に車体を動かし続けながら問いかける。
「とにかく、なんとか砲撃から身を隠せる場所に…」
「一箇所しかないぞ、いいのか?」
みほが周囲を確認し、麻子の指摘するのがどこかを悟る。
「しかし…」
『西住 みほ! 構わないからこちらの影に! もう少しなら持つ!』
唯一の避難場所、連続の超高速砲弾の砲撃で半ば擱座しているマウスから、車長が自らを盾にするように提案が来る。
「しかし!」
「迷っている暇は無いわ! 指揮官を失えば、部隊は混乱し、蹂躙されるわ! それに…」
迷うみほに圭子からの叱責が飛ぶが、その口調が途中から変わる。
「増援は、私達だけじゃないから」
「破邪剣征・桜花天昇―!!」
圭子の言葉が告げる通り、背後から裂帛の声と共に、膨大なエネルギーの斬撃波が通り過ぎ、飛来していた超高速砲弾を飲み込み、吹き飛ばす。
「え!?」
みほが思わず振り向くと、そこには種々の色合いの装甲を持ち、排気管から蒸気を吹き出す霊子甲冑の姿を見て仰天する。
『帝国華撃団、参上!』
「大神司令! 敵は陸戦中心、ただし対空能力高し! 長距離狙撃機が厄介よ!」
『了解した! オレとカンナで前衛を務める! 紅蘭と織姫君はサポート、マリアはレニとさくら君で相手の横手を狙ってくれ!』
『了解!』
圭子の情報から、大神は即座に陣形を組み換え、JAMへと向かっていく。
「マルセイユ! 狙撃機を狙えない!?」
『狙ってるが、対空防御が激しい! 近寄るのは困難だ!』
『それなら、助太刀します!』
マルセイユの声に答えるように、上空に次々とRVが転移してくる。
「〈G〉グラディウス学園ユニット、これより交戦状態に入ります!」
「よおし、行くよ~!」
ジオールが宣言する中、亜乃亜が先陣を切ってビックバイパーを加速させてJAMへと向かっていく。
「ロボットに、戦闘機? 一体………」
「西住殿! 狙撃が止んだようですが!」
次々と来る増援にみほは唖然とするが、優花里の言葉に我に帰る。
「まだ完全に停止したわけじゃ有りません! 狙撃機の撃破確認と同時に、こちらも前進します!」
みほの指示が飛び交い、車内がにわかに忙しくなる。
戦いは新たな局面を迎えていた………