第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP11

「また何か来ました! ロボットに小型戦闘機!?」

「通信はまだ回復しません!」

「電話も有線だけかろうじて繋がってます!」

 

 次々と虚空から出現する見た事も無いような謎の機体が、襲撃してきた多脚戦車へと攻撃する様に、審判席は更に混乱に拍車が掛かっていた。

 

「ともあれ、状況は好転しているようね」

「一応味方らしいし。ただ………」

 

 唯一落ち着いている二人の家元が、かろうじて稼働している試合用カメラに映し出される、戦車型スーツをまとった軍服姿の少女達や空を舞う巫女装束の少女に顔をしかめる。

 

「随分変わった増援部隊ね」

「そちらの関係者?」

「知った顔でも武装でもない。そもそもこんな物は戦車道に入らないでしょう」

「確かに。戦車っぽくはあるけど」

「失礼、指揮所はここかな?」

 

 しほと千代が冷静に謎の増援部隊を解析する中、響いた声にその場にいた全員の動きが止まる。

 

「今のは?」

「さあ?」

「ここだここ」

「ここって………うあ!?」

 

 声の主を探していた蝶野が、テーブルの上にいるあまりに小さい人影を発見し、思わず声が裏返る。

 

「こちら時空間統合組織《NORN》。ボクは武装神姫ケンタウロス型MMS、プロキシマという者だ」

「小人? 人形? いやロボット!?」

「えっと………」

「一体………」

 

 審判達がプロキシマの姿に驚く中、二人の家元の目はその小さな訪問者に鋭い視線を送っていた。

 

「ノルン、それが今来ている者達という事?」

「正確には、我々は今攻めてきている敵、JAMと呼ばれる存在に対抗するため、幾つもの世界の組織が合同で設立した組織だ。武装がバラバラなのはそのためだ」

「幾つもの、世界?」

 

 プロキシマの説明に、二人の家元の顔つきが険しくなる。

 

「詳しい説明は後だ。ボクのマスターからの指示で、指揮所とコンタクトを取り、通信規格を確認、情報網を確立するために来た」

「あの、家元………」

「すぐにやりなさい。状況は今一理解出来ないけれど、味方だというのなら情報網確立は急務よ」

 

 プロキシマの任務に、すがるような蝶野の視線を受けたしほがすぐにそれを許可。

 急いで審判達がプロキシマと共に作業に入る。

 

「デジタル無線か。音声だけ?」

「試合用なので………通信帯はこちらに」

「すぐに転送する。これならなんとか大丈夫だ。マスターのはもっと古いの使っていた」

「一応聞いておきたいのだけれど、マスターってのは誰の事?」

「あの白い霊子甲冑に乗っている人物、帝国華撃団司令・大神 一郎だ」

 

 作業中のプロキシマに千代が確認すると、プロキシマは画面の一つ、最前線で双刀を奮って獅子奮迅の戦いをしている機体を指差す。

 

「とんでもないマスターですね………」

「頼りにはなりそうだ」

「ええそうね。そちらの指揮系統は?」

「現状だと、ウィッチの加東 圭子少佐とマスターが同列、空と陸で分ける事になる」

 

 蝶野が唖然とするが、しほと千代はこちらも色々と準備に取り掛かる。

 

「通信、繋がりました!」

「オープン回線に」

 

 通信マイクを手にしたしほは一息吸ってから、口を開いた。

 

「現在戦闘中の全ての者達に、西住流家元・西住 しほの名で告げます」

 

 

 

「お母さん?」

 

 あんこうチームはオープン回線の通信に思わず耳を立てる。

 

『現在、襲撃を掛けている者達の名はJAMと呼ばれているらしい。そして、増援に来た者達はJAMに対抗するために作られた統合組織・NORNというらしい』

 

「ノルン? なんかすごい名前………」

「統合組織、という事は幾つかの組織が集まってるという事でありましょうか?」

「道理で、色々なのがいる訳ね………」

「装備も何もバラバラですし」

「静かに」

 

『現状、こちらの装備でJAMの対処は困難です。全戦車は以後、NORNの援護に当たり、指揮はまほとみほに任せます。NORN各員に通達、こちらの戦車は全て戦車道試合用の物であり、搭乗しているのは軍人ではなく、学生です。攻撃力においては軍用程高くありません。よって、そちらには全戦車の搭乗員の安全確保を最優先としてほしい。その件さえ守ってもらえるなら、以後ここでの戦闘行為の全責任は私が持ちます』

 

「確認しておきたいんだけど」

 

 マウスの影にいたⅣ号戦車のハッチを圭子が開けて顔をのぞかせてくる。

 

「西住、って事はあなたの血縁者?」

「はい、お母さんです」

「全責任取るとか言ってるけど、本当かしら?」

「あの、西住流は自衛隊とかにも影響力が有るので、多分………」

「自衛隊、確か20世紀後半からの軍の名称ね。じゃあ後の事は大丈夫そうね」

「陛下、問題は今だ」

「サイフォスはそのままこの子達に付いててあげて。大神司令、こちらのウィッチと組んで防衛重視。流れ弾を漏らさないようにして」

『了解した! だが少し数が多い』

「上空の人達を一度高空に退避させてください! 全戦車仰角最大、NORNの人達の頭上を超えて後方の敵を撹乱砲撃してください!」

 

 圭子と大神の通信を聞いたみほは、即座に全戦車の援護を要請、それを聞いた圭子の眉が僅かに跳ね上がる。

 

(なるほど、リーダーって事はあるようね。こちらは任せてよさそう)

「マルセイユ! 他の子達と上空に退避! ジオール隊長も!」

『了解した』

『こちらも上空からの爆撃攻撃を行うわ!』

 

 航空ウィッチ達が上空へと退避し、Gの天使達がRVのシールドでそれを援護しつつ、ミサイルを真下のJAM陸戦ユニットへと攻撃をお見舞いする。

 そこへJAMから放たれた対空レーザーが投下されたミサイルを迎撃、目標到達前に爆散させる。

 

「撃ち落とされた!」

「守りが固いわね」

 

 自機の放ったミサイルが撃墜された事に亜乃亜が驚き、エリューも唇を噛みしめる。

 

「戦車のも来る」

「もっと高度を!」

 

 ティタの呟きにジオールの指示が飛び、天使達の足元をかすめて砲弾が着弾する。

 

「試合用ってのは本当ね。思ってたより破壊力が低い。これで私達到着までどうやってしのいだんだろ?」

 

 直撃弾が数発出たが、食らった陸戦ユニットが損傷レベルで済んでいるのにマドカが首を傾げる。

 

「余程リーダーの指揮能力が高いのだろうだが…」

「何かおかしくない?」

 

 エスメラルダとポイニーが、指摘するように、誰もが違和感を感じ始めていた。

 矢継ぎ早に叩き込まれる戦車からの砲撃で足を止め、地上部隊がJAMの戦力を削っていくが、上空では高出力の対空レーザーが空中部隊を狙い撃ち、ウイッチや天使達はそれを回避やシールドの防御に追われていた。

 

「妙だな。なぜ陸と空でここまで反応が違う?」

「そなたもそう思うか?」

 

 対空攻撃が激しすぎて中々降下に入れないマルセイユがボヤいた所に、たまたま居合わせた華風魔が同意する。

 

「ネウロイだってここまで極端な戦い方はしない。こいつらは、まるで…」

「横手から回ります!」

 

 マルセイユがある事に気付きかけた時、ココロが大きく旋回しながら急降下していく。

 

「BEAM WHIP セット! いけぇ!」

 

 螺旋機動を描きながら降下するココロのRV、スタウロスから放たれる鞭がごときしなりを帯びた湾曲レーザーがJAMの陸戦ユニットを地面ごと薙ぎ払っていくが、次の瞬間、周辺の陸戦ユニットが一斉にスタウロスへと対空レーザーを放ってくる。

 

「!?」

「ココロ殿!」

 

 違和感を感じていた華風魔がとっさに己のRV、波動剣を対空レーザーの間に潜り込ませ、防護ビットの守り玉が軒並み弾け飛びながらも何とか防ぎ切る。

 

「上へ!」

「はい!」

 

 慌てて距離を取る二機に放たれる対空レーザーが後を追うが、何とかそれを回避する。

 

「危な~………二人共大丈夫!?」

「心配ござらん」

「お陰で………」

 

 亜乃亜が声を掛けてくるのを、華風魔とココロは返答する中、その様子を見ていた者達はある事実に気付いていた。

 

「こいつら、地上戦に異常にこだわっている」

「他でも有ったが、JAMはこちらの戦い方にわざと合わせて来るクセがあるらしいな」

 

 エスメラルダとマルセイユが、先程の集中攻撃に一つの結論を導き出す。

 

「何がなんでも、戦車と戦うつもりらしい」

「ケイ! 相手の対空防御が激しすぎる! 爆撃も無理だ!」

『こちらでも見えたわ! 陸戦ウィッチと華撃団が頑張ってるけど、狙撃機が邪魔して苦戦中!』

『狙撃機は戦車を優先して撃ってきてるわ! こちらは防御に回る!』

『相手の動きが予想以上に早い上に的確だ! 突出するとすぐ死角に回り込まれる!』

 

 圭子に続いてマイルズと大神からの通信が響き、マルセイユは思わず舌打ちする。

 

「本部に増援要請! 陸戦のパワー型のチームに転移を…」

 

 ジオールが激しさを増す対空攻撃をときにかわし、シールドで防ぎながら通信を入れている最中、上空で転移ホールが開く。

 そこから高速で漆黒の影が飛び出す。

 

「あ」

「JAMを確認。最上位目標、JAM殲滅。FRX―00、交戦開始(エンゲージ)」

 

 飛び出してきた戦闘妖精・メイヴが宣言するや、急降下を開始する。

 

「待ちなさ…」

 

 ジオールの制止も聞かず、メイヴはJAMへと向かっていくが、それを狙って無数の対空レーザーが放たれる。

 メイヴは驚異的なマニューバーでそれらを回避しつつ、クラスター爆弾を投下。

 それが撃墜される直前に無数の小爆弾がばらまかれるが、そのほとんどが対空レーザーで撃破されていく。

 メイヴは旋回を続けながら、次々と爆弾を投下していくが、それらはことごとく撃墜され、奥の手のサーモバリックまでもが投下と同時に撃墜、周辺を爆炎で盛大に照らし出す。

 

「JAM対空攻撃の効果大。現存兵装による対処は困難。フリップナイトシステム起動を本部に要請」

『出来るか! そもそも出撃許可は出してないぞ!』

 

 メイヴは戦闘妖精の奥の手の使用を打診するが、次元間通信で隊長のブッカー少佐からの怒声が返ってきただけだった。

 

 

「………お姉ちゃん今の見た?」

『クラスター爆弾だな。国際条約違反だ』

「いや、それも有るけど………」

『あれだけの爆撃攻撃が効かないとなると、空中からの援護は無理だろう。戦車の弱点を完全にカバーしているな』

 

 西住姉妹がJAMの異常とも言える対空攻撃の徹底ぶりに、戦慄と共に抱いていた違和感が確信へと変わっていた。

 

『何が何でも、私達と決着をつけるつもりか』

「そうみたい。けど…」

『あの狙撃機をどうにかしないと、身動きが取れん』

「………私に、考えが有ります」

 

 考えたみほは、少しうつむいてから口を開く。

 

「サイフォスさん、でしたね」

「何用か?」

「そちらの人達に、私の作戦を伝えてほしいんです」

 

 車内にいたサイフォスにみほは自分の作戦を伝える。

 

「名付けて、こいこい作戦です!」

 

 

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