第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP18

 

「大神司令から増援要請! 重火力陸上戦力の希望有り!」

「シンフォギアチームとバレットチームがいて押されてるんですか!?」

「敵は超巨大戦車との情報有り! 凄まじい対空砲火で航空戦力は近寄れません!」

「豪雷号発射準備! 砲撃車両接続!」

「NMRシステム起動! 転移ホール発生確認!」

「出撃準備完了! いつでも行けます!」

「豪雷号、発進!」

 

 

「砲口がこちらに向いてます! そこの木の陰に!」

「了解」

「やだも~!」

「ショック体勢であります!」

「せめて撃ち落とせれば…」

 

 Ⅳ号戦車の中で悲鳴や絶叫が響く中、JAMフラッグ車の高速砲弾が放たれる。

 だが砲弾は着弾の前に飛び出した影によって弾き飛ばされた。

 

「大丈夫か!」

「大丈夫!?」

 

 とっさに左右から飛び出した大神機と響が、砲弾を弾き飛ばしてⅣ号線車を守るべく立ちはだかる。

 

「まずい、近寄ればますます砲撃が激しくなる………」

「それにあの大きいのが…」

 

 言葉の途中で、巨大過ぎる砲撃音が響き、JAMフラッグ車の主砲弾が発射され、着弾点周辺が軒並み吹き飛ぶ。

 

「! 被害状況は!」

『全車無事ですか!?』

『大丈夫! マーチングバンドの人達がとっさに運び出してくれた!』

『お尻焦げたかも………』

『危なかった………』

 

 大神とみほが同時に確認すると、愛里寿とあかね、わかばから返信が返ってくる。

 

『大神司令、このままじゃ火力で押し込まれるわ!』

『重火砲と精密狙撃の二段構え、どうにか突破する方法は…』

 

 圭子と翼の焦った声が響く中だった。

 

「転移反応確認! 増援よ」

 

 響の肩にいた紗羅檀の言葉と共に転移ホールが離れた平野部分に発生、先端に奇妙な機械をつけた装甲蒸気機関車が飛び出してくる。

 

「豪雷号か!」

「武装列車!?」

 

 大神とみほが同時に声を上げる。

 豪雷号の先端部から取り付けられた機械からは銀色の粒子のような物がこぼれ落ち続け、それがレールを形成して豪雷号はその上を爆走していた。

 

「周辺状況確認、各武装神姫からの情報では死者はまだいない」

 

 先頭車両から、なぜか機関車運転士用の帽子をかぶったイオナが様子を確かめる。

 

「イオナ姉さま! NMRシステムは順調、各車両も異常無しです!」

 

 先頭車両から同じような帽子を被ったヒュウガが豪雷号の状態をチェック、ナノマテリアルでレールを形成しながら目的の場所に進む新システムの調整をしながら目標へと向かっていく。

 

「各車両に伝達、砲撃準備。目標、JAM大型戦車」

「各車両展開、各自照準ね~」

 

 イオナの指示にヒュウガの適当な指示が重なり、轟雷号に接続されていた霊子甲冑搬送用車両が展開、中からは臨戦態勢の戦艦クラス艦娘達が出てくる。

 

「各艦、脚部固定確認! 照準補正、砲撃準備!」

「弾種・徹甲榴弾、全砲座に装填!」

 

 一番先頭にいた長門が号令を出し、それに陸奥が続く。

 

「さあ行くネ、シスターズ!」

「了解です金剛姉さま!」

「たとえ列車の上でも、榛名は大丈夫です!」

「我々の力を見せてやりましょう!」

 

 金剛を筆頭に比叡、榛名、霧島が砲撃準備を進めていく。

 

「砲塔一番二番、装填。測距完了、砲撃準備よし!」

 

 最後尾にいる大和の声と共に、戦艦級艦娘達の砲撃準備が整う。

 

「撃て~!!」

 

 長門の号令と同時に、全砲門が一斉に火を吹いた。

 放たれた砲弾は、目標が巨大ゆえに半数は当たるが、普段とは違う条件、特に速度の違いに残る半数は外れるか至近弾となる。

 

「誤差修正、次弾装填!」

「向こうも狙ってきたネ!」

「来ます!」

 

 反撃とばかりに、JAMフラッグ車の狙撃砲が二門とも豪雷号とその車上にいる艦娘達を狙い、発射される。

 弾速の違いで、瞬時に向こうの砲弾は到達するが、着弾直前で発生したフィールドに阻まれ、ダメージは与えられない。

 

「やはりいい的だな」

「そのために私達が乗っている」

「これ考えた奴はイカれてないか?」

 

 最後尾車両から、普段通りのドレス姿のコンゴウとコート姿のハルナ、そしてぬいぐるみのままのキリシマが出てきてグラフサークルを展開して豪雷号の防御に務める。

 

「目標、ダメージ軽微。火力の増強を考えた方がいい」

「おかしいですわね、明らかに当たったはず………」

 

 イオナとヒュウガが戦果を確認するが、予想以上にJAMフラッグ車にダメージが無い事に首を傾げる。

 

「試作品の魔力砲弾を使うのはどうでしょうか?」

 

 霧島の提案を長門は首を振って否定。

 

「アレはまだ数が少ない、切り札としてとっておくべきだ。それよりも相手の防御力の正体を探る方が先決だ。次段装填は!」

「もう直完了します!」

「各自、準備出来次第、各個砲撃! 装甲をなんとしても剥ぎ落とせ!」

 

 榛名が妖精達に装填を急がせる中、長門の号令が飛んだ。

 

 

「まさか装甲列車とはな。それに砲撃特化武装を乗せて移動砲台か。面白い」

「それよりも、本当に大丈夫でしょうね!? 振り落とされても責任持てないわよ!」

 

 再出撃したティーガー型ストライカーユニットに搭乗したまほが豪雷号の方を見ながら関心するが、半ば強引に乗ってるまほにフレデリカが怒鳴る。

 

「安心しろ。西住流家元の娘たるもの、騎乗してても戦車から振り落とされるような無様はしない」

「だからストライカーユニットなんですが………」

 

 本来一人乗りのティーガー型に三人も乗っている事に操縦者のシャーロットは困り顔だった。

 

「何か有っても自己責任だ。気にするな」

「現地住民に被害及ぼしたらこちらの責任問題になるわよ!」

「ともあれ、早く合流しよう。それに気になる事が有る」

「何がですか?」

「先程の砲撃、何かがおかしい。バリアのような物は見えなかったが、何かが………」

 

 まほの感じた違和感に、他に気付いた者は少なかった。

 

 

「敵は豪雷号が引き受けてくれる! 今の内に距離を詰めるんだ!」

「全車、こちらはこの距離を保ちつつ、援護砲撃を続けてください!」

 

 大神とみほの指示が飛び交う中、轟雷号から放たれる艦娘達からの砲撃に、JAMフラッグ車はそちらに応戦し、その隙にNORNのメンバー達は速度を上げて肉薄する。

 

「お先に!」

「行きます!」

 

 カンナとわかばが一歩先んじ、一気にJAMフラッグ車との距離を縮めていく。

 

「気をつけろ! どんな近接兵器を持っているか分からないぞ!」

「その前に叩き込む!」

「斬ります!」

 

 大神の警告を聞きつつも、カンナ機の鉄拳とネイキッド・ブレードがJAMフラッグ車の左右から叩き込まれる。

 

「せりゃああぁ!」

「たああぁぁ!」

 

 一撃必殺の勢いが込められた攻撃がJAMフラッグ車へと炸裂するが、そこで全く予想外の事態が起きる。

 放たれた鉄拳は目標の装甲を破るでも弾かれるでもなく、そのままめり込んでいく。

 

「何だこりゃ!?」

 

 戦艦装甲すら切り裂くはずの斬撃は、刀身がめり込んでいき、半ばで止まる。

 

「な、何これ!?」

「二人共離れろ!」

 

 二人の驚愕の叫びに、大神は即座に二人に離脱を指示。

 

「隊長、妙ちくりんな手応えしてる! 硬いような柔らかいような、まるでこんにゃくだ!」

「た、確かに斬れてるようで斬れていない!」

「こんにゃく?」

 

実際に攻撃した二人の奇妙な感想に、大神も戸惑う。

 

「カンナさん、どいてくだサ~イ! オーソレミーオ!」

「そこどけ!」『BILLION MAIDEN!』

 

 今度は織姫機の放つ霊子レーザーとクリスの放つ無数の銃弾がJAMフラッグ車へと炸裂する。

 二種の弾幕の嵐が吹き荒れ、過ぎ去った後にはそれでもなおわずかに破損しただけの装甲が顕になる。

 

「そんな!?」

「なら、もっとでかいので…」

「離れろ!」

 

 織姫が戸惑い、クリスが更なる攻撃を加えようとするが、大神が叫ぶと同時に、装甲の表面を奇妙なボックスのような物が高速で向かってくる。

 

「危ない!」

『INFINITE CRIME!』

 

 とっさに二人のマリアが放った銃撃と短剣がそのボックスを攻撃、装甲から弾き飛ばされたボックスは明後日の砲口に無数の銃弾を吐き出した。

 

「移動型のメタルストームね。あれが機銃って事」

「危なかっ…」

 

 紗羅檀がその正体に気付き、響が胸を撫で下ろそうとするが、JAMフラッグ車の各所から同様のボックスが幾つも飛び出し、こちらへと向かってくる事に顔色が変わる。

 

「一時後退!」

「いかん、距離を取れ!」

 

 大神と翼が同時に叫び、至近距離まで迫っていた者達が慌てて再度離れながらも、移動型メタルストームを迎撃する。

 

「一体どうなっている!? こんな奇妙な装甲は見た事が無い!」

「こちらもだ! どの攻撃も全然通らないだと!?」

 

 大神と翼が目の前で起きた光景に驚愕する。

 

「戦闘データを解析班に送ります! ひまわりちゃんなら何か分かるかも!」

「とにかく攻撃を続行だ! まずは相手の正体を探る!」

「とりゃあぁ!」

 

 わかばが即座に情報収集へと変更、大神もそれに続き、先陣を切るようにあかねがネイキッド・ラングを投じる。

 

『こちらも続きます! 全車は狙撃砲と車体を交互に狙ってください!』

 

 通信を聞いたみほもそれに続き、JAMフラッグ車に各種攻撃が叩き込まれていくが、どれも装甲を破壊するに至らない。

 

「これは………」

 

 大神もどう攻めるべきか困惑する中、艦娘達の一斉砲撃が再度JAMフラッグ車に叩き込まれる。

 直撃した砲弾が炸裂する直前、刹那の間に装甲が波打った事に、大神は気付いた。

 

「今のは………」

 

 

「何これ何これ」

「スキャンできればいいんだけど、JAM相手には出来ないからな~」

 

 エネルギー切れで前線基地に後退したひまわりとマドカが、送られてきたデータからJAMフラッグ車の装甲の秘密を探ろうとする。

 

「金属なのは間違いない。けどこんな奇妙な金属知らない」

「こっちも。でも何か………」

 

 有数の頭脳を持つ二人が解析を進める中、突然大量のデータが送られてくる。

 

「上空からの詳細観測データ、メイヴから」

「さすがに本来は観測機だけあって仕事が速い」

 

 ただ一気対空攻撃を掻い潜り続けているメイヴが送ってきたデータを解析した二人は、ある事に気付く。

 

「この異常な弾性、これがポイント」

「全く破損してないわけじゃないけど………これ!」

 

 マドカがメイヴから送られてきたデータの中から、艦娘の砲撃後の弾痕の映像を拡大。

 その破孔が、まるでほつれた繊維のようになっている事に気付く。

 

「何これ………」

「キルトアーマー!? まさか全体に!?」

「キルト、そっか!」

 

 正体に気付いた二人は即座に通信を入れる。

 

 

『相手の装甲の正体が判明! 通称キルトアーマー、特殊金属や複合素材を繊維状にし、複数素材を編み込んで構成された特殊装甲!』

『なるほど、だから弾性に優れ、複数の攻撃への耐性も持ってる』

『ホンマか!? だったら霊子やシンフォギアの攻撃も効かないのも納得や! その中に鉛か、シルスウス鋼が混ざってるはずや!』

 

 マドカとひまわりからの報告に、それを聞いた紅蘭が補足する。

 

『けどすごい手間とコストがかかる装甲材! RVにだって一部しか使われてないのに!』

「それで、対策は?」

『使われてる素材までは断定出来ない以上、高エネルギー攻撃しか対策方法は………しかも対艦クラスの………』

「永遠のプリンセス号の転移予定までは!?」

『あと10分前後、けどあれを吹き飛ばすほどの砲撃したら、周辺もタダじゃすまないね』

 

 大神の確認にプロキシマが報告するが、付随報告に大神は思わず奥歯を噛みしめる。

 

「こちら帝国華撃団司令、大神 一郎。周辺の戦車隊の撤退を進言する」

『こちら西住流家元、西住 しほ。進言を了解。みほ、順次撤退を用意』

『でもお母さん!』

『もはや戦車道では通用しない相手に、被害者を出すわけにはいかない。これは戦車道を預かる者としての命令よ』

『お待ち下さい、お母様』

 

 大神に促され、しほが撤退を決定した事にみほは反発するが、そこにまほが待ったをかける。

 

『あと10分あるのなら、その間に倒せればいいはずです』

『まほ、何か方法はあるの? 戦車砲が効かないのよ?』 

『それは装甲にです。装甲がダメなら、狙う所は幾らでもあります』

『しかし、あの巨体相手に試合用の砲弾が通じるかも…』

『転移反応! こちらの増援が更に到着する!』

 

 親子の議論の最中に、プロキシマが声をあげ、程なく転移ホールから巴里華撃団の装甲列車、エクレールが飛び出してくるが、豪雷と違い、後方で停車。

 

「お待たせ!」

「さあて、今度はどんなのかな~?」

 

 エクレールに接続された万能工作車両・《パンドラ》から蒔絵と束が顔を出し、それを見たサポート部隊が顔をしかめる。

 

「蒔絵ちゃんはともかく、篠ノ之博士まで来たの?」

「まあ頼りにはなりますが………」

 

 琴音とクラリッサが渋い顔をする中、当の束は手製の万能双眼鏡を手にJAMフラッグ車を観察する。

 

「それじゃあ五分でアレに効くの作るよ~、手伝って~」

「OK!」

「解析ならなんとか…」

 

 束に促され、マドカとひまわりも車内へと飛び込む。

 巨大な敵に対抗するための英知が、結集されようとしていた。

 

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