第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP21

 

「向こうの準備が出来るまであいつの注意を引きつけろって?もう十二分に引きつけてるわよ!」

 

 JAMフラッグ車の周囲を限界速度で旋回しながら、艦娘達の砲撃が繰り返される豪雷号の先頭車両でヒュウガが怒鳴り返す。

 メンタルモデル故の直接送信でなければ、通信に支障が出そうな程の轟音が始終鳴り響き、メンタルモデル達は防御に全演算力を注がざるを得なかった。

 

「ヒュウガ、速度は上げられる?」

「お姉さまの頼みでも無理です! これ以上は脱線かレール精製が追いつきません!」

 

 イオナの問にヒュウガは思わず絶叫する。

 

「ただでさえこんな旧式どころか化石みたいな物任された挙げ句、あんなのと艦体も無しにやり合えなんて、無茶もいい所です!」

「そんな事は分かりきっている。第一、このNMRシステムによる列車運用は貴方のアイデア」

「今思いっきり後悔してます………」

 

 ヒュウガが肩を落とす中、イオナが車外を見る。

 

「まずい、相手が地上戦力に砲撃を32%割き始めた」

「どうします? こちらに注意を向かせるには主砲の前にでも出ないとダメかもしれませんが、私達でもアレは………」

「長門、そちらは?」

『これだけ撃っても効果が薄い! このままだと切り札の魔力砲弾を使う事になるぞ!』

『ダメです! 華撃団やウィッチの攻撃も効果が薄い以上、魔力砲弾の使用は無駄になる可能性が高いです!』

 

 長門からの報告にかぶせるように霧島の意見が重なる。

 

「地上戦力への砲撃、更に46%に。これ以上は作戦に支障が生じる」

「でもどうすれば! この列車だって、まともに食らったらどうなるか分かりませんわよ!?」

「群像だったらどうするだろう………」

 

 イオナが考える中、意外な人物からの提案が有った。

 

「アレの注意を引ければいいんだな?」

「出来れば無理しないように」

「分かった」

 

 コンゴウからの提案に、イオナが釘を差すがコンゴウは短く答えただけだった。

 

 

「レトロ金剛、アレをやってみるか」

「オゥ、ミストコンゴウはチャレンジャーね! もちろんOK!」

「アレって何ですか姉さま?」

「ロクでもない事の気がする………」

 

 金剛同士の話に、霧島同士が首を傾げる。

 

「………オーナー、アレはまだ不確定要素が多い。大丈夫なのか?」

「ぶっつけ本番ね! 総員突撃準備!」

 

 懐にいたエスパディアが心配そうに声をかけるが、当の金剛はやる気満々だった。

 

「脚部ロック解除、相対速度対比を演算、準備はいいか」

「イエス!」

 

 金剛の背後に回ったコンゴウがグラフサークルを展開、何かを演算しながら片手を金剛の肩にかけ、ロックを解除する。

 

「それでは」「GO!」

 

 掛け声と同時に、二人は高速で走る貨車から虚空に、無造作に飛び出す。

 

「え…」「は?」

 

 艦娘もメンタルモデルも思わず絶句する中、飛び出した金剛の脚部艤装が、コンゴウの作り出す無数の小さなフィールドで形成された疑似水面をとらえ、滑走を始める。

 

「どうだ?」

「少し重いけれど、so goodね!」

「ダー、予測より安定している」

 

 虚空を滑走する、というあまりに特異な移動に、見ていた者達全員が絶句する。

 金剛がコンゴウの作り出す疑似水面を滑走し、金剛の背後にいるコンゴウが相手の動きに合わせ足元に発生させたフィールドで随伴しながら、疑似水面の微調整を行う。

 二人の呼吸が合ってないと出来ない芸当を披露しながら、金剛の砲塔がJAMフラッグ車を狙う。

 

「反動注意ネ! FIRE!」

 

 JAMフラッグ車も相手が空戦か否かを判断し難いのか、砲撃してこない隙に金剛の砲撃が直撃する。

 それで判断されたのか、狙撃砲がそちらへと向くが、そこにフィールドの剣が複数突き刺さり、他の艦娘達の砲撃もそれに加わる。

 

『コンゴウ、いつの間にそんなフォーメーションを?』

『前にレトロ金剛から相談を受けて、シミュレーションはしていた。実践は初めてだ。だが予想以上に演算力を食う。相手を撹乱出来るのも短い間だけだろう』

 

 イオナからの概念通信にコンゴウが応えるが、コンゴウの周囲に複数のグラフサークルが浮かんでいる事から、他のメンタルモデル達もそれがかなりの難易度を誇る芸当である事を察していた。

 

「金剛姉さまだけに無理はさせられません! 私達もやりましょう!」

「無茶言うな! お前は私に身を任せられるか!?」

「絶対イヤです!」

「榛名は大丈夫です!」

「すまないが、私にも無理そうだ………」

 

 霧島同士が戦闘そっちのけでケンカになりかけ、榛名同士は互いの呼吸が合いそうにないのでハルナが拒否する。

 

「何でもいいですから、下のが相手の懐に飛び込むまで、粘ってくださいね!」

「金剛達が撹乱してくれている! こちらも撃ちまくれ!」

 

 ヒュウガと長門の指示が飛び交う中、虚空を縦横に滑走する二人にJAMフラッグ車の狙いが向き始める。

 

「ミストコンゴウ!」

「分かってる」

 

 より近距離から放たれる高速砲弾を、コンゴウがフィールドで防御するが、殺しきれない衝撃を金剛がバックステップでかろうじて流し、コンゴウの作る疑似水面でなんとか踏み留まる。

 

「思ってたよりヘビーね」

「だが注意は引けている」

 

 なんとかこらえた二人だったが、続けての砲撃に慌てて防御に専念する。

 

「自由度は増したが、速度は落ちる。現状だと目立つ的でしかない」

「ダー、やはり色々無理がある」

「いつもの事ネ! 金剛級の力を見せてあげ…」

 

 再装填して砲撃しようとした金剛だったが、そこに狙撃砲が二門ともこちらに向けられた事に二人プラス一体は同時に気付く。

 

「跳べ!」

「イエス!」

「ニェット!」

 

 判断は同時に、金剛は発砲と同時に反動を利用して後方に跳び、コンゴウがありったけのフィールドを前面に精製、とっさにエスパディアが投刃・フィラータを砲弾へと向けて射出、そこへ二門同時に放たれた高速砲弾が直撃する。

 同時斉射の破壊力と、演算力の処理限界で思っていた程の数が精製出来なかったフィールドが立て続けに粉砕され、二人が吹き飛ぶ様が皆の目に飛び込んでくる。

 

「金剛姉さま!」

「コンゴウ!」

 

 艦娘とメンタルモデルが同時に絶叫するが、重なって吹き飛ばされた二人の足元に再度フィールドの疑似水面が発生し、二人がかりでなんとかそれに踏み止まるのを見て、なんとか胸を撫で下ろす。

 

「ミストコンゴウ! ダメージチェック! エスパ!」

「問題ない、最後のフィールドがかろうじて持ったが、代りに体勢維持に問題が発生した」

「ダー、一発だけだが直前で弾頭を破壊出来た………」

「こっちも問題ナッシング!」

 

 全身から爆煙を漂わせながら、互いの状態を確認、無事な事を確かめると、再度JAMフラッグ車へと向き直る。

 

「さすがに同時斉射は防ぐのがやっとだ」「かなりヘビーね」

「オーナー、目的は果たせた…」

 

 再度砲撃準備をする金剛だったが、エスパディアが下を見て呟く。

 

「全車、攻撃開始してください!」

 

 豪雷号からの砲撃で注意を引いている間に、懐へと飛び込んだ各戦車隊から、JAMフラッグ車に一斉砲撃が叩き込まれる。

 

「副砲はあちらに任せて、履帯を集中攻撃!」

「大きすぎてどこを狙えばいいのでしょう?」

「履帯の接地してない面を狙えばいい」

「進行を少しでも鈍らせればいいであります!」

「全車に連絡! 履帯の上の方を攻撃!」

 

 あんこうチームが即座に体勢を整え、他のチームにもそれが伝えられる。

 各車からの砲撃が履帯に集中し、狙撃砲が迎撃しようとするが、懐に飛び込まれて狙いが定まらず、そこへ艦娘達の砲撃が更に叩き込まれる。

 

「そろそろだ」

「分かってます…」

 

 サイフォスがみほに注意を促す中、みほは僅かに開いたハッチから慎重に相対距離を図る。

 

「全車停止!」

「全車停止して!」

 

 目的の距離ギリギリの所でみほの号令を沙織が伝達、戦車が一斉に急停止するが、そこでJAMフラッグ車の表面から無数のメタルストームが一斉に飛び出す。

 

「来ます!」

「伏せて!」

 

 みほの指示でさおりが全車に通信しながら、車内の全員が座席の影に伏せる。

 だがメタルストームから高速散弾が放たれるより早く、それらを穿つ物が有った。

 

「リディニーク!」「オーソレミーオ!」「ARTEMIS SPIRAL!」「ドラマチック・バースト!」

 

 JAMフラッグ車の四方から、氷結の弾丸が、複数の霊子レーザーが、巨大な矢が、複数のホーミングレーザーがメタルストームに一斉に襲いかかり、発射前にことごとくを破壊していく。

 

『こちらマリア、作戦通りです司令』

『ギリギリだったデ~ス』

 

 マリアと織姫がありったけの霊力で必殺技を撃ち込み、作戦が成功した事を確認する。

 

『な、なんとかなったか………』

 

 クリスがタイミングがギリギリだった事に少し冷や汗を流す。

 

「なるほど、前も似たような事やったね」

「確かに飛ばなくても、砲台にはなるからね」

 

 他の三人よりも更に離れた距離から地表すれすれにホバリングしたビックバイパーから全力のDBを放った亜乃亜に、隣でガードにあたっていたエリューが頷く。

 

「敵フラッグ車、近接武装のほとんどを破壊確認! ガンガン作戦成功で…」

 

 みほが狙い通りにメタルストームの破壊に成功したと思った時、残った僅かなメタルストームがJAMフラッグ車の装甲を移動してこちらに向かってくる。

 だがそれよりも早く動いた者がいた。

 

「てりゃああぁぁ!」

「たあああぁぁ!」

 

 それぞれ別方向から飛び出した響とあかねが、シンフォギアとバレットスーツの身体能力で強引に装甲を駆け上り、拳とネイキッド・ラングで真横から残ったメタルストームを次々破壊していく。

 

「なるほど、真横からなら問題無いんだ………」

「残念ながら、こちらには絶対無理で有ります」

「君達はこの間合から動かないように!」

 

 戦車道では絶対有り得ない超近接戦にあんこうチームが唖然とする中、大神を先頭にNORNの戦士達が一斉にJAMフラッグ車へと攻撃を開始する。

 

「狼虎滅却・天地神明!!」

 

 大神機の必殺技がJAMフラッグ車の履帯へと叩き込まれ、そこに他の華撃団機の攻撃も次々と続く。

 

「それじゃあ、こちらも!」

 

 反対側では、アウロラが手にしたスコップを振りかざし、己の身の丈よりも巨大な履帯に突き刺し、真横へと掘り抜く。

 

「デカいから掘りがいがあっていいな!」

「ホントに掘ってる………」

「なるほど、履帯をそう攻撃する方法もあるか」

「出来るの彼女だけらしいからね?」

 

 嬉々として履帯を掘りまくるアウロラを見てシャーロットは絶句し、まほは感心していたがフレデリカは釘を刺す。

 砲の届かない至近距離からの攻撃に、JAMフラッグ車は車体を大きく鳴動させながら加速、こちらを轢き潰そうと迫ってくる。

 

「そう来るか!」

「後退! 速度を向こうに合わせ、砲撃範囲に出るな!」

「は、はい!」

「ユーティライネン大尉!」

「向こうから来るのに、逃げる必要がどこにある?」

 

 ティーガー型ストライカーユニットが慌てて回避に入るが、アウロラはこちらを押しつぶすような巨大な履帯の前に平然と立ちはだかる。

 

「ちょうどいいのもあるしな」

 

 アウロラは腰にぶら下げた大型手榴弾の中から、一際大きくなぜかドクロマークが描かれている物を取り出すと、口でピンを外す。

 

「さて、私も使うの初めてだ」

「何使う気です!?」

「侵食手榴弾」

「何だそれは?」

「………シャーロット!」

「全速退避します!」

 

アウロラの口にした信じたくない兵装にまほは首を傾げるが、フレデリカは顔色を変え、同じく顔色を変えたシャーロットが慌てて反転して退避を図る。

 

「そんなに危険な物なのか?」

「間違っても手持ち兵装にしちゃいけない代物です!」

「誰よ作ったのは!」

「ヒュウガと篠ノ之博士に頼んだら作ってくれたぞ」

 

 侵食手榴弾を巨大な履帯へと投じて反転退避するアウロラが平然と言い放つ中、射程範囲内に入った事で狙撃砲がこちらを狙う。

 だがそこで侵食手榴弾が発動、漆黒の渦のような物が履帯の一部を飲み込み、回転する履帯が次々と渦に巻き込まれていく中、渦が消えるとそれに飲み込まれた部分其の物が消失、半ばから大穴の開いた履帯が巨大すぎる自重に耐えきれずに破断、破片を周囲に撒き散らせながら破断した動輪が地面に食い込み、停止する。

 

「なるほど、これは危険だ」

「こちらフレデリカ、目標の左履帯の破損を確認!」

「さて、もう片方はどうなって…」

 

「破邪顕正、桜花天昇!!」

「ブラウアーフォーゲル!」

 

 反対側の履帯、その動輪部分にさくら機とレニ機の必殺技が叩き込まれる。

 履帯も装甲と同等の素材が使用されてるらしいと気付いた大神の判断により、動輪に攻撃が集中され、とうとう限界に達した動輪が崩壊、履帯が自動収縮して自己調整しようとするが、そこへ大剣を始めとしたアームドギアが次々と突き刺さり、履帯を完全に起動不能に追い込む。

 

「こちら大神、目標右履帯の起動不能確認!」

 

 双方の履帯が使用不能になり、轟音を上げて擱座するJAMフラッグ車の様子を見ていたアウロラが、狙撃砲がそれでもこちらに照準しているのに気付いてスコップを構えようとするが、視界の端に映る別の影と響いてくる歌声にも気付いた。

 高らかに聖詠を歌い上げながら、JAMフラッグ車の装甲を駆け上った響が、全力を込めて狙撃砲を真下から蹴り上げる。

 砲身までは装甲がなかったため、ガングニールの渾身の一撃に砲身が大きくくの字に折れ曲がり、そのまま破断する。

 

「こっちも!」

 

 反対側では同じく装甲を駆け上ってきたあかねがネイキッド・ラングを手に、砲身を連続攻撃。

 バレットスーツのパワーが込められた攻撃に砲身がジグザクに変形していき、最後に渾身の一撃が叩き込まれ、砲身が完全に明後日の方向にひん曲がる。

 

「ほう、やるな」

「あそこまで出来る気はしません………」

「しなくていいわよ。貴方までああなったら、私の監督責任が問われるわ」

「そんな物気にしていたら、ウィッチは出来ないぞ」

 

 履帯に続き、狙撃砲まで使用不能にした事にまほは感嘆の声を上げるが、シャーロットとフレデリカは半ば呆れ、当のアウロラは平然としていた。

 

「さて、残るは主砲…」

「おや?」

 

 兵装をことごとく潰し、履帯も両方潰した事で身動き出来なくったJAMフラッグ車に対し、完全に無力化を考える者達が出る中、上空に巨大な渦のような物が発生する。

 

「あれは………」

「時間ね」

 

 フレデリカが軍用腕時計で時間を確認する中、その渦すら覆い尽くす、とてつもなく巨大な影が雲上より上の遥か航空に出現する。

 

「なんだ時間切れか」

「あれがそちらご自慢の宇宙戦艦か」

「ええ、永遠のプリンセス号。あとはあちらに任せましょう」

 

 アウロラがつまらなそうに呟く中、フレデリカはその場からの退避を決断する。

 

「む?」

「どうかしました?」

「何か、様子が………」

 

 退避しようとするティーガー型ストライカーユニットの上で、まほが何か違和感を感じて首を傾げる。

 

「あの主砲、まさか真上に撃ったりとかってないよな?」

「さすがにそこまでは…」

 

 アウロラがふと思いついた事を言う中、JAMフラッグ車に異常が生じる。

 異音と共に主砲塔が突然車体前部へとスライドを始め、その下から巨大なレンズ状の物が出現する。

 

「え?」

「何あれ?」

 

 狙撃砲の破壊というか分解を試みていた響とあかねがそれを見つけ、首を傾げる中、それが何かに気付いたのは上空にいたメイヴだけだった。

 

「全機に警告。目標JAMが巨大ビーム砲を展開。全機退避及び対閃光防御を打診………」

 

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