第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP22

 

「ワープフィールド解除、目標座標に到達。周辺をアナライズします」

 

 緊急増援依頼により、目標とする世界に転移してきた永遠のプリンセス号、その中枢システムでもあるプリンセス・ミラージュが無事転移出来た事を確認する。

 

「ここは女子高生が戦車で試合してる世界なんだっけ」

「そのようです。詳細は不明ですが、現状ではこの世界の危険な敵性体はいない模様ですが…」

 

 半ば興味本位で付いてきた光の救世主こと神楽坂 ユナが画面に映し出されるこの世界の地球を見る中、NORNの作戦参謀、そしてユナのお目付け役でもある光のマトリクスのリーダー、叡智のエルナーが現状分かっている事をチェックしようとした時だった。

 

「!? 目標地点から高エネルギー反応!」

「目標地点を拡大!」

 

 プリンセスミラージュが異常に気付き、エルナーの指示に目標地点、戦車道試合会場を拡大して、そこにある物に気付く。

 

「大型ビーム砲!?」

「ミラージュ! 防御最大!」

「バリアに全エネルギーを集中! ユナさんは伏せてて下さい!」

「え? え?」

「いいから伏せて!」

 

 未だ状況が理解出来ないユナをエルナーが頭を押して強引に伏せさせるのと、地上のJAMフラッグ車の大型ビーム砲が放たれるのは同時だった。

 その巨体故に回避も叶わず、永遠のプリンセス号は大型ビーム砲からの攻撃を直撃で食らい、バリアに出力を集中させるのも間に合わず、超高出力ビームがその艦体を貫いた。

 

「何が起きてるの!?」

「揺れてるですぅ!」

 

 ユナが行くからと付いてきた妹分のアンドロイド、ユーリィ・キューブ・神楽坂が激しく鳴動する艦内で慌てふためく。

 

「ミラージュ!」

「艦内生命維持装置は大丈夫です! しかし、ジェネレーターが破損! ミラージュ・キャノン使用不可能です!」

「ええ~!?」

 

 

 

「い、今のは一体………」

「さ、さあ?」

「目が………」

 

 JAMフラッグ車から天空へと放たれた、あまりに眩しい一撃に審判席の審判達は目を回していた。

 

「ビーム砲の類のようね」

「しかもかなりの高出力と見たわ」

 

 どこから取り出したのか、ちゃっかりサングラスで閃光防御していた二人の家元が、先程の攻撃を冷静に分析する。

 

「それで、全員無事?」

「! 皆さん損害報告を!」

 

 しほに言われて慌てて職務を思い出した蝶野が通信機に飛びついて通信を入れる。

 

『こちら大洗フラッグ車! かなり振動しましたが、無事みたいです!』

『こちら黒森峰! こっちでも各車の無事を確認した!』

『こちら帝国華撃団、大神! 何機かダメージを負ったが、搭乗者の無事を確認した!』

『こちら第31統合戦闘飛行隊、加東! 退避とシールドがかろうじて間に合って、こちらの無事も確認したわ!』

 

 戦車のみならず、NORNからもダメージ報告が上がり、取り敢えず皆が胸をなでおろしかけた時だった。

 

『上空、永遠のプリンセス号から緊急連絡! 先程の攻撃によりジェネレーターが破損! ミラージュキャノン使用不可! 現在緊急修復中ですが、援護砲撃の目処は立ってない模様!』

 

 後方に控えていたマドカからの緊急報告を、皆が理解するまで少しの時間を必要とした。

 

「つまり、それって………」

「最後の一手を封じられたって事よ」

「まさか、対空兵器どころか対宙兵器まで搭載してるなんて、予想外もいい所だわ」

「あくまで地上戦で片をつけようって事………」

 

 二人の家元が淡々と分析するが、審判達の顔は完全に青ざめていた。

 

「つまり、その、宇宙戦艦すら行動不能にする怪物と、戦車道で戦えと?」

「無理しなくて、こちらに任せてもらった方が」

「相手は戦車道に妙に固執してるわ。それは無理ね」

 

 恐る恐る問う蝶野に、プロキシマが提案するがしほが逆に切って捨てる。

 

「他にそちらに使えそうなのはないのかしら?」

「え~と、蒼き鋼の所属水上艦隊を近隣海域に転移させて飽和攻撃という手も有るけど、ミラージュキャノン以上の被害が周辺に」

「どれだけの戦力持ってるの?」

「その案は却下ね。市街地にまで被害が拡大しかねないわ」

「あの、でもアレをそれこそどうすれば………」

「中継カメラ、二割が焼き付いて使用不能!」

「先程のビーム攻撃で市街地に混乱が広がっている模様です!」

 

 審判達から聞こえてくる被害報告に、家元二人の表情も流石に険しくなる。

 

「履帯の破壊で移動を封じたのはいいけれど、ただの固定砲台になっただけとも言えるわね」

「だが、これ以上何を出してくるか…」

「敵巨大戦車に新たな動きあり!」

「今度は何!?」

 

 審判からの報告に蝶野が思わず問い返し、近隣でかろうじて生きているカメラの映像が映し出される。

 そこには、左右の履帯が破壊され、移動不能になっていたJAMフラッグ者の動輪が上下に動き始め、それが前後にも動くと、動輪を地面にめり込ませながら、その巨体が再度動き出す。

 

「動輪を足にして動く、か。さすがにこれは考えた事も無かったわ」

「まるで多足動物ね。動きは更に遅くなったけど」

「足が生えてこなかっただけマシでしょうか………」

 

 家元二人は冷静な中、蝶野は今日すでに何度めか分からない常識崩壊を感じていた。

 

「厄介な副砲も近接兵器も封じたけれど、まだ主砲と対空兵器が残っているわ」

「他になにか武装を隠している可能性もあるわね」

「対空兵器は今潰しているみたいだけど………」

 

 試合場を映す画面には、身軽なシンフォギアチームが中心となって装甲を駆け上がり、対空ビーム砲を次々破壊する光景が映っていたが、奇怪な移動をするJAMフラッグ車の激しい振動に苦労しているのが見て取れた。

 

「あの装甲、アレをどうにか出来れば………」

「砲撃も近接攻撃も効かない特殊装甲よ。どう突破すれば…」

『ほ~い、そんな時のために私が来てるよ~』

 

 悩む家元達だったが、そこでいきなり画面に束が映し出される。

 

「どちら様?」

「NORNの技術班の篠ノ之 束博士です。少し、いやかなり問題が有る人らしいのですが…」

 

 能天気そうな束にしほが首を傾げるが、プロキシマが説明する。

 

『やっとあの装甲の特性が解析できたから、対策が出来たよ!』

「子供までいるの?」

「あの子も技術班の刑部 蒔絵。NORNの技術班は優秀な人ばかりです。若干マッドが混じってる人が多いのがアレだけど………」

 

 束の隣に映る蒔絵の姿に、千代も眉根を寄せるが、プロキシマがあまりフォローになってないフォローを入れる。

 

『衝撃耐性も温度耐性も完璧に近いけど、ある一定程度の振動を加えれば、限度に達する計算になるね』

『だから、こちらで特製の振動弾頭を今作ってる最中! これを四方から同時に目標に命中、特殊振動を一斉に発生させる事でキルトアーマーの振動限界を飽和、限界点を攻撃すれば、あの装甲を破壊出来るはず!』

『問題は、どうやって四発同時に撃ち込むかですけど』

『バレたら、大砲の的かも』

 

 そこでマドカとひまわりも注釈を入れてくる。

 家元二人はその説明を無言で思案する。

 

「その砲弾、どれくらいの大きさなの?」

『好きな大きさに工作出来るよ。もっとも、それこそ戦車砲並の口径は必要だけど』

「戦車砲、並ね」

 

 束の言わんとする事を、家元二人は即座に理解する。

 

「つまり、こちらでその砲弾を撃ち込め、と」

「それくらいなら、お安い御用ね」

「待って下さい家元方! 今でさえ押され気味なのに、これ以上の負荷をあの子達に…」

「他に手は無いのね」

『無い事は無いけど、侵食砲弾作るにはタナトニウム足りないし』

『さっき使ってたみたいだけど、どこからだろ?』

「どの道、向こうが戦車道にこだわっている限り、ここから逃げ場は無いわ」

「なら、迎え撃つだけよ」

『それじゃあ、口径の都合が有るからそちらで四両、砲撃役選んでくれる?』

「四両…」

 

 束の言葉に、家元二人は顔を見合わせた。

 

 

「分かったお母さん! つまり、その特殊な砲弾を撃ち込む車両をこちらで選べばいいんだね?」

 

 母から伝えられた作戦概要を、みほは復唱確認する。

 

「四両、しかもなるべく砲の大きい車両でありますか………」

「さらに同時に撃ち込むという事は、腕のいい砲撃手がいる奴」

「つまり、今ここにいる戦車で最強の四両を選べって事?」

「そうなりますわね」

 

 あんこうチームが伝えられた内容を解釈する中、皆が悩む。

 

「最強の四両………取り敢えず一両はこのⅣ号でありますな」

「だとしたら後は…」

『みほ、一つはこちらで受け持とう』

「お姉ちゃん!」

『こちらの車長から同意は取り付けた。なにより、その作戦で一番重要なのは同時砲撃のタイミングだ。選別は慎重に行う必要が有る』

「確かにそうだけど、だとしたら…」

『みほお姉ちゃん! こちらで一つ受け持つよ!』

 

 まほの指摘にみほがうなずいた所で、愛里寿からの通信が響いてくる。

 

「妥当な所でありますな」

「まほさんと愛里寿さんなら安心出来るでしょうし」

「じゃああと一両、どこに?」

『は~い! こちらでやるネ!』

『あら、精密狙撃ならこちらでも』

『任せてミホーシャ!』

『しまった~! こちらには砲塔が無い!』

『く、知波単のでは砲塔が小さいか………』

『こちらもね。援護するから好きに選んで|~』

 

 残っている各車両から立候補や辞退の通信が届く中、みほは考える。

 

(今使える車両で、口径が大きく、砲撃手の腕が良くて、なによりタイミングが合わせられる車両があと一両………だとしたら!)

「決めた! 最後の一両は…」

 

 

「戦車乗ってる子達に振動砲弾を!? 篠ノ之博士は本気なの!?」

「いや、JAMが目をつけただけあって、戦車道、だったか? かなり練度が高い。それに、こちらのメンバーで撃とうとしたら、すぐに気付かれる。妥当な判断だと思うわ」

 

 前線基地を試合場ギリギリの所まで後退させた琴音とクラリッサが、伝えられた作戦に賛否を述べる。

 

「問題は今作ってる振動砲弾をどうやって届けるかね。バカ正直に運んでたら狙い撃ちよ」

「なるべく怪しまれないようにとなると…」

「私達が行きます!」

 

 そこで立候補する声に振り向いた二人は、居並ぶウサギさんチームに気付く。

 

「要は、あの対巨大戦車用の砲弾を持っていけばいいんですよね」

「私達の戦車は試合で撃破判定されただけなので、もう応急修理も終わってます!」

「このまま隊長達が苦戦してるのを見てたくないんです!」

 

 まだ見た目が幼い一年生チームの訴えに、琴音とクラリッサは少し考える。

 

「確かに、この世界の子達なら、臨時補充に来たとごまかせるかもしれないわね」

「けど、あの主砲を食らったら!」

「その辺は一郎ちゃん達に任せましょう。他に動ける戦車はある?」

「あと少しだけ待って下さい!」

「もう二両くらいならなんとか!」

 

 撤退していた大洗、黒森峰ならず、その場にいた各校の戦車道部員達までも協力して、損傷した戦車の応急処置が行われているのを見た琴音は一つの作戦を思いつく。

 

「この子達だけでなく、他の動ける戦車も利用して、砲弾補充のふりをして振動砲弾を運ばせましょう」

「しかし、砲塔が損傷している車両も有るぞ。さすがに丸腰では…」

「斧彦」

「お任せよ~!」

 

 琴音の指示に、どこから持ち出したのか白兵戦用アーマー(何故か花柄)にリニアキャノンを二丁持ちした斧彦が名乗り出る。

 

「この大砲、少なくてもここの戦車よりは威力あるでしょう?」

「分かった、一両には私がISでデサントする」

「あとは誰か手空いてる子は…」

「お~い、戦車用の燃料って本部にあったかいな?」

 

 悩む琴音に、パンツァーにセットフォームして修理を手伝っていたのぞみが声をかけてくる。

 

「いたわね」

「ええ」

「はい?」

 

 

「じゃあ準備いいわね!」

「はい、ちゃんと砲弾その他積みました!」

「エンジンも履帯周りも大丈夫です!」

 

 車長の梓の確認に、M3中戦車内のウサギさんチームが元気よく応える。

 

「いい? 戦闘は一郎ちゃん達に任せて、危なくなったらすぐ逃げるのよ? 私が乗るのは念の為だという事忘れないでね?」

「分かりました!」

 

 ハッチからデサント状態の斧彦が念を押すのを、ウサギさんチームは素直に聞き入れる。

 

 

「状態確認!」

「エンジン、なんとかいけそうです!」

「履帯修理も完了!」

 

 黒森峰のパンターGの車内で、搭乗員達が各種確認を進めていく。

 

「無理はするな。パンターGは確かに我が国屈指の名戦車だが、二次大戦時の話だ。もっとも今更に古い機体が最前線で活躍しているが………」

「あ、ドイツの人?」

「ドイツ軍特殊部隊シュヴァルツェ・ハーゼ、通称黒ウサギ隊の所属だ」

「本物の軍人とは………」

 

 ISをまとったクラリッサがハッチから注意してくるのを聞いた黒森峰の生徒達が思わず顔を見合わせる。

 

「ISの機動性は生かせないが、防御には徹する! 貴官達は作戦に重視!」

「こっちも軍人だと思われてる!?」

「と、取り敢えず了解」

 

 少し顔がひきつる中、黒森峰の生徒達が敬礼したのに満足したクラリッサがハッチを締めた。

 

 

「修理完了確認!」

「前線戦闘車両補給のため、突撃であります!」

「あんたら、作戦分かっとるんか?」

 

 知波単の九五式中戦車の車内で、知波単の生徒達がどこか不穏な事を言うのを、ハッチからのぞみが心配そうに覗く。

 

「念の為言うとくけど、ウチは戦闘力低いからサポート班やってるんやで? あっちで暴れてる連中と格好似てるからって一緒にせんでな?」

「大丈夫、無駄な突撃はしないと西住隊長から教わりました!」

 

 車長の福田が応えるが、のぞみは心配そうな顔のままだった。

 

「それでは補給作戦、開始であります!」

 

 切り札となりうる振動砲弾を持った3両の戦車が、一斉に動き始めた。

 

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