第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP23

「主砲の正面に出ないように、距離を保って断続的に砲撃してください!」

「けど、さすがに残弾が少なくなってきてるであります!」

「さすがに戦闘が長引きすぎたようですね………」

「弾切れ報告も上がってきてるよ!」

「相手の動きも読みにくい。速度は遅いが、奇妙な信地旋回を多用してくる」

 

Ⅳ号の車内で各所から上がってくる報告に、みほは顔を曇らせる。

 

「戦闘に支障が出そうな車両は後方に下がらせてください! NORNの方々に後退援護を要請したいのですが………」

「言われなくても、現地民の保護は最優先事項だ。だが、現状でこれ以上の戦力を投入すれば、文字通りの殲滅戦になる」

 

 みほからの依頼にサイフォスは頷くが、同時に戦火の拡大を懸念していた。

 

「その新型砲弾とかいうの、本当に効くでありますか?」

「さあ………試合では使えない物なのは確かでしょうけれど」

「とにかく、砲弾が届くまでなんとか持たせないと」

「みんなショック態勢」

 

 みほがなんとか持たせようと考える中、麻子が呟きながら車体を急加速、直後に間近にJAMフラッグ車の砲弾が着弾し、車体が大きく揺れる。

 

「きゃあぁ!」

「うわあ!」

「あう!」

「麻子さん!」

「任せて」

 

 車体が派手に揺れる中、麻子は必死にステアとスロットルを操作、なんとか強引に横転を防ぐ。

 

「し、試合ならあの衝撃だけで撃墜判定が出そうでした………」

「その前にあんなの食らったら、私達戦車ごと木っ端微塵よ!?」

「まあ、それはお掃除が大変ですね」

「それ以前の問題」

「………なかなかタフな仲間だ」

「いやまあ………」

 

 どこかずれた事を言うあんこうチームにサイフォスが感心すべきか呆れるべきか呟く中、みほも言葉を濁す。

 

「む、本部から通信だ。永遠のプリンセス号損傷の報を受け、機械化帝国の攻撃艦隊が準備に入ったそうだ」

「攻撃艦隊?」

「完全に最終手段だ。大気圏外からの攻撃艦隊の飽和攻撃で目標を殲滅する。永遠のプリンセス号の攻撃よりも周辺被害は甚大な物となるだろう」

「そ、それは絶対ダメであります!」

「しかし、こちらとしても本当に最終手段のため、今から準備に入って転移してくるのにかなり時間を要する。その前に目標を倒せれば………」

「何とかしてみます!」

「まずはその特別砲弾が届くまで持ちこたえる事だな」

 

 サイフォスが険しい顔をする中、みほは策を練ろうとするが、麻子が呟きつつも戦車を急加速、再度着弾の衝撃で車体が大きく揺れる。

 

「持つのこれ!?」

「少し難しいでありますな………」

「各車やNORNの方々の攻撃も効果薄そうですし。でも皆さん頑張っておられますが」

 

 沙織が悲鳴を上げ、優花里も顔を引きつらせる中、照準を覗いていた華がJAMフラッグ車を駆け上る影に気付く。

 

「どりゃあああぁ!」

「うりゃあああああぁ!」

 

 響とあかねが、再度JAMフラッグ車の装甲を駆け上がって主砲の破壊を試みようとするが、先程以上の振動に登るだけでも相当な苦労をしていた。

 

『無理をするな立花! 下手に落下して踏まれたらシンフォギアでもタダですまんぞ!』

『あかねちゃん無茶しないで! 危ないよ!』

 

 翼とあおいが心配して声をかけるが、身体能力に自身の有る二人はそれでも駆け上るのを止めようとしない。

 

「あっ!」

「あかねちゃん!?」

 

 主砲までもう少しという所であかねが足を踏み外し、落下しそうになる。

 思わず態勢を立て直そうとしてホバリングした所へ、JAMフラッグ車の対空ビームが一斉に狙いをつける。

 

「え…」

「あかねちゃん、ごめん!」

 

 自分のミスをあかねが悟った瞬間、一気に跳び寄った響があかねを蹴り飛ばし、代わりに自分が対空ビームの直撃を受ける。

 

「響さん!」

 

 あかねが叫びつつも地面に激突し、後を追うように響も落ちてくる。

 

「立花!」

「救護班! すぐにこっちに!」

「救出を!」

 

 誰もが慌てる中、あかねのそばに落ちた響に、あかねが慌てて抱き起こす。

 

「響さん! しっかり!」

「大丈夫だよ………」

 

 やや弱いが、反応のある事にあかねが胸を撫で下ろす。

 

「ライフチェック、生命維持に問題無し。かろうじてシンフォギアが持ってくれたけど、無茶しないでマスター」

「へへ、ごめん」

 

 とっさに懐でかばわれた紗羅檀が響のダメージを確認するが、傷が予想以上に軽い事に気付く。

 

「みんな、あのビーム攻撃、弱くなってる。多分さっきの太いの出したせいでエネルギーが…」

「しゃべらないで! みんな手貸して!」

「こっちです!」

 

あかねが響を抱え、ビビットチームとシンフォギア装者が一緒になってその場から響を連れ出していく。

 

「立花の穴は私が塞ぐ! 雪音は一色と一緒に立花を救護班へ!」

「分かった!」

「相手の対空攻撃力が落ちてる! シールドの頑丈な子なら上空援護が可能かもしれないわ!」

「ひまわり! 戻ってこれる!?」

 

 全員が手早く響を後方に下げつつ、陣形を組み直していく。

 

「ビームが弱くなったなら、私達も!」

「ジェネレーターの状態を確認。オーバーヒート気味だったら不許可よ」

「大丈夫、まだいける」

「プラトニックエナジーの残量も注意して」

 

 響からの身を呈した報告に、後方待機していたGの天使達が再出撃するべく機体の状態を確認していく。

 

「新型の魔導レールガンとかいうのが有ったはずだ。出してくれ」

「試作品って書いて有るけど、大丈夫ですか?」

 

 前線基地で補給を終えたマルセイユが、火力不足を補うべく手頃な武装を探し、菊之丞がコンテナの中から見つけ出した物を渡す。

 

「真美の88mmでも効くかどうかの相手だ。これくらいのがいる」

「使用にはかなりの霊力、そちらだと魔法力がいると説明書に書いてますよ?」

「問題ない。私を誰だと思っている」

「問題はそこじゃないけどね」

 

 準備を進めるマルセイユに、圭子が半ば呆れた声をかける。

 

「弱くなったと言っても、あの対空攻撃は驚異よ。ライーサと真美は武装を最小限にして三人でフォーメーションを展開。攻撃はマルセイユに一任、二人は護衛に専念して」

「了解!」

「あとは…」

「すいません! 急患です!」

「治せる奴! 早く!」

「だからそこまでひどくは…」

「それはこちらで判断します」

 

 そこへ響が担ぎ込まれ、白香が駆け寄って治療を始める。

 

「シンフォギアが持ったお陰で、見た目ほどひどくは無いみたいです」

「良かった~」

「無茶するからだ!」

「ごめん………すぐに戻るから」

「だから傷は治せますけど、ダメージが完全に無くなるわけじゃありません!」

「いいから大人しくしてろ!」

「後は任せて!」

 

 治療を任せ、クリスとあかねは再度戦線に戻ろうとするが、そこに10式戦車が接近してきて急ブレーキをかける。

 

「おわ!?」

「何っ!?」

「来たみたいですね」

 

 治療を続けながら、白香は到着した10式戦車の方を見る。

 

「例の物、受け取りに来たわ」

 

 ハッチから顔を覗かせた人物に、クリスとあかねは唖然とした。

 

 

「動きを止めるな! 砲弾の届かない位置から動輪を破壊するんだ!」

「距離を見極めて! 近すぎても危険よ!」

 

 大神とマイルズの指示が飛ぶ中、華撃団と陸戦ウィッチが中心となって動輪の破壊を試みるが、タダでさえ巨大な動輪が上下左右に動き、周辺の土砂を撒き散らしながら動く状態に攻撃も思うように届かなかった。

 

「ただ動いてるだけなのに、これは…」

「巻き上げた土砂がそのまま防壁になっている。これでは届かないぞマスター!」

 

 地面を盛大にえぐり飛ばしながら進むJAMフラッグ車に、マイルズとフォートブラッグは必死に砲撃を加えるが、全てが巻き上げられた土砂に阻まれていた。

 

「これじゃあ近寄れません!」

「これならどうだ!」 『蒼ノ一閃!』

 

 とても近接攻撃など出来ない状況にさくらが攻めあぐねるが、翼が巨大なエネルギー刃を打ち込む。

 放たれたエネルギー刃が土砂を斬り裂き、動輪の一つに突き刺さる。

 

「もう一撃!」

 

効果有りと判断した翼が二撃目を放とうとするが、そこでJAMフラッグ車の主砲が、本来の戦車なら有り得ない高角度を取る。

 

「どこ狙ってんデスか!?」

「まずい、曲射だ! 総員、砲塔と反対方向へ…」

 

 切歌が明後日どころかほぼ真上を向いている砲塔を見て首を傾げるが、それが意味する事を悟った大神が退避を指示した時、JAMフラッグ車の主砲が発射される。

 

「どこを狙っている?」

「いや、そもそも弾速が遅い。これでは…」

 

 やや遠巻きにしている豪雷号の貨車から、砲撃を見ていた艦娘やメンタルモデルが首を傾げる。

 放たれた砲弾はかなりの高度まで上昇した後、降下へと入る。

 その直後、砲弾から無数の小型砲弾が発射された。

 

「三式弾!?」

「地上部隊に退避を!」

 

 それが戦艦の対空砲弾として開発された物だと知っていた艦娘達が驚愕し、メンタルモデル達が慌てて退避を促す中、無数の小型砲弾は真下に居た者達へと降り注いでいった。

 

「全車回避を!」

「真上からの攻撃なんて、戦車道に有りません!」

「砲弾が垂直に降ってくる! どう避ければ…」

「そのまま下がれ!」

 

 あんこうチームのみならず、その場にいた戦車のどの車内でもパニックになりかける中、翼がⅣ号戦車の上に駆け上り、アームドギアを構える。

 同様に他の戦車の車上にも近くにいた者達が駆け上り、防御態勢を取る。

 

「来るぞ!」

 

 翼が叫んだ直後、一発一発が通常の戦車砲並の威力の小型砲弾が雨のように周辺に降り注ぐ。

 

「全員にショック体勢を!」

「言うけど聞こえるのこれ!?」

「私達も!」

 

 砲弾の降り注ぐ轟音がしばし響き渡り、そして途切れる。

 

「ぶ、無事なの私達」

「そのようであります………」

「さっきの人は!」

 

 車内で全員の無事を確認した所で、みほが慌ててハッチから顔を出す。

 

「そちらは無事か」

「はい、皆さん大丈夫です! でも…」

「問題ない、これくらいいつもの事だ」

 

 Ⅳ号の車上で、肩で大きく息をしながら警戒を解かない翼に、みほも驚く。

 

「ぜ、全部斬ったんですか!?」

「それが仕事だからな。今この戦車を失うわけにはいかないようだ」

「そう言えば他の車両は…」

 

 そこで改めてみほが周囲を見回す。

 他の車両も同様にそばにいた者がガードしていたが、多少ダメージを受けている車両も少なからず有った。

 

「グロリアーナとBCが車両破損で戦闘続行困難! プラウダはかろうじて無事、黒森峰も残存車両は半分になったみたい!」

「すぐに退避させてください! もしもう一発同じのを撃たれたら…」

「その心配は無さそうだ………」

「主砲がこちらに向き始めてます!」

 

 沙織からの報告にみほが慌てる中、翼の言葉に続けて華が慌てて叫ぶ。

 

「退避を!」

「了解」

 

 みほが更に慌てる中、麻子が機敏な運転で先程の三式弾砲撃で穴だらけになっているその場から脱出していく。

 

「先程の散弾ならともかく、あの口径の砲弾はさすがに防げん!」

「これ以上無茶はしないでください! 照準が遅ければ、十分避けられます!」

 

 翼がJAMフラッグ車の主砲を警戒して睨みつけるが、みほはそれを制しようとする。

 そこへ狙いを逸らそうと、艦娘達の砲撃が主砲に次々撃ち込まれる。

 

「撃て! 撃ちまくれ! これ以上の砲撃をなんとしても食い止めろ!」

「NO! これだけヒットしてるのに、ブレイクしないなんてどんな砲塔!?」

「あの砲塔も特殊材質か。私の船体も呼ぶか?」

「それこそいい的です!」

「そもそも我々の船は陸上運用不可能だ!」

 

 長門の号令の元、艦娘達がありったけの砲弾を叩き込むが、JAMフラッグ車の砲撃をかろうじて妨害は出来ても、主砲の破壊には至らない事に焦り始めていた。

 

「効果は二の次でいい! 下の補給が済むまでの時間を稼ぐのだ!」

「本当に効くんでしょうね? その新型砲弾」

「主設計はあの篠ノ之博士だ。ヤバい代物なのは確かだな」

 

 長門が率先して砲撃を続ける中、陸奥とハルナは真下を通っていく特殊振動砲弾を積んだ戦車を見送る。

 

「砲身が焼き付くまで撃ちまくれ!」

「焼き付いたら明石に怒られるわね………」

「その時はみんなでソーリーするね」

 

 こちらに向かって旋回してくる主砲から逃れるように動く豪雷号の後部車両から、艦娘達の必死の砲撃が続けられた。

 

 

「向こうで時間を稼いでくれている! 急げ!」

「うさぎさん、今どこですか!?」

『もうすぐそこ、見えました!』

 

 艦娘達の援護砲撃を遠目に見ながら、振動弾頭を受け取るべく合流を急ぐあんこうチームの前に、うさぎさんチームのM3中戦車リーが見えてくる。

 

「麻子さん!」

「分かってる」

 

 互いに高速で接近し、完全に隣り合う形で停止させた所でハッチからうさぎさんチームがこぞって一発の砲弾を差し出す。

 

「西住隊長、これを!」

「優花里さん」

「受領するであります!」

「発射速度から何から、そちらに合わせてあるそうよ。ただ、今の所一発ずつしかないそうだから」

「分かりました」

「作ればまだ出来るだろうが、その一発で決めないと向こうにその砲弾の存在がバレる。決められるか?」

 

 車上で護衛をしていた斧彦(花柄パワードスーツ姿)の説明にみほが頷くが、翼が釘を刺す。

 

「大丈夫です! いまここにいる戦車道女子で最高のメンバーを選びました!」

「他の車両から連絡! 新型砲弾、全車で受け取ったって!」

 

 力を込めて言うみほに続けるように、沙織からの報告が重なる。

 

「それでは行きましょう! これが最後の作戦、名付けてバンバン作戦です!」

 

 乾坤一擲を賭けるはずの作戦名に、翼と斧彦は思わず顔を見合わせた………

 

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