第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP24

 

「戦闘可能全車一斉砲撃? それでどうするつもり?」

「さあ………あの子の考えている事の一割も私達には理解出来ないし」

「今回で思い知ったわ、私じゃ彼女にまだ勝てない」

 

 激戦の影響か、目の下のクマが更に黒くなってきたように見えるエリカがみほからの指示に首を傾げつつも従う。

 

「車体へのダメージは?」

「さっきの小型砲弾の影響で、砲塔旋回に異常。砲撃は可能!」

「足回りは問題有りません! ただもう戦闘可能な車両は本機も含めて十両もないようです………」

「負傷者は?」

「軽傷者がそれなりに出ているようですが、致命的な負傷者は出てない模様。NORNとかいう人達に感謝ですね」

「それと特殊カーボンの開発者にね。さあ黒森峰の矜持、見せるわよ!」

 

 半ば自らを奮い立たせ、エリカは最後の作戦を実行させた。

 

 

「距離を取りつつ、断続的に砲撃してください! あくまで牽制だと思わせるように!」

「牽制になるといいのでありますが………」

「車輪は狙っているのですが、効果の程は不明ですね」

 

 みほの指示に従い、優花里と華が矢継ぎ早に砲撃を加えるが、やはりサイズ差と巻き上げる土砂の前に効果の程は認められない。

 

「構いません! 攻撃をしている事がネックです!」

「切り札は最後まで取っておくって事ね」

「問題はその切り札をどうやって使うか」

 

 沙織が各車からの状況報告を確認しつつ頷き、麻子が巧みに距離を取りながら一番大事な事を呟く。

 

「NORNの人達と協力して、特別砲弾使用のチャンスを作ります。作戦は伝わってますよね?」

「一応伝えてはいる。相手がアレ以上何かを仕込んでなければの話だが」

 

 みほの確認にサイフォスが今分かっているJAMフラッグ車のデータを再確認する。

 

「多分無いでしょう。先程のおっきいビーム砲、あの後攻撃力が低下したという事は、あのビーム砲こそが相手の切り札だったはずです」

「なるほど、確かに一理有る。あくまで戦車である以上、上空、更には衛星軌道からの攻撃は天敵となり得る。それを防ぐために、切り札を使った。優位性を崩さないために」

「動力が何かまでは分かりませんが、戦闘力が低下している今こそがチャンスです!」

 

 この状況でもみほが極めて冷静に相手の状態を観察・判断している事にサイフォスはみほの能力を再評価する。

 

(観察眼・戦術眼・人望性、どれもかなりの物。JAMの狙いはこれか)

「敵フラッグ車、こちらに狙いを向けてきてます!」

「砲撃中止、全車全速撤退!」

「了解」

 

 華がJAMフラッグ車がこちらに向けて旋回を開始した事に気付き、みほは予定通りに撤退を告げる。

 

「いかにも大慌てで逃げるように撤退してください」

「大慌ててで逃げてるわよ!?」

「砲塔がこちらに向いてきてます」

「了解、ちょっと揺れる」

「特殊砲弾は落とさないようにしませんと!」

 

 作戦なのか本気で逃げてるのか、車内で若干悲鳴が混じりながらもⅣ号戦車はその場から逃走を開始、入れ違いに霊子甲冑とシンフォギア装者が前へと出る。

 

「主砲以外の武装はほとんど潰した! あとはなんとしてもアイツを足止めする!」

「足止めさえ出来れば、大技も使える! 出し惜しむな!」

 

 大神と翼の指示が飛び交う中、双方残った力を振り絞ってJAMフラッグ車へと攻撃を開始した。

 

 

「全艦、残弾報告!」

「残る1パックくらいね………」

「構わん、全弾敵主砲を狙え! 砲撃をなんとしても阻止するんだ!」

 

 JAMフラッグ車の主砲の範囲ギリギリを旋回する豪雷号の砲撃貨車から、艦娘達が残った砲弾を全て撃ち尽くす勢いで最後の砲撃を開始する。

 

「長門! トランプ使うネ!」

「許可する! 潰せなくても、一時的にでも主砲を機能停止させれば!」

「OKシスターズ! 魔力砲弾装填!」

 

 金剛の提案を長門が許可、金剛型艦娘達がウィッチや華撃団の力を封じた特殊砲弾(※試作品)を砲塔に装填していく。

 

「いいんですね姉様? 一斉射分しかありませんよ!?」

「今がジャストタイミングね!」

「魔力砲弾、全弾装填完了!」

「照準、敵主砲!」

「FIRE!」

 

 金剛の号令と共に、金剛四姉妹の艤装が一斉に火を吹く。

 放たれた魔力砲弾はそのほとんどがJAMフラッグ車の主砲に命中し、内包された力を開放、閃光と共に魔法力や霊力からなるエネルギーを炸裂させる。

 

「ジャストヒットね!」

「ダー、戦果を確認」

 

 金剛が喝采を上げる中、エスパディアがセンサーを最大にして効果を確認する。

 閃光と爆炎が晴れると、そこには各所が損壊している物の、原型は保っている主砲の姿が有った。

 

「ダメージ確認、使用の不可は不明」

「普通ならばとても撃てない状態だが………」

 

 エスパディアの報告に長門が目を凝らしてJAMフラッグ車の様子を確認するが、あちこち欠けている主砲がこちらに向いた事で、楽観を却下した。

 

「全速回避!  耐衝撃態勢!」

 

 長門が叫び、艦娘達がしゃがみながら艤装を盾のようにかざした直後、JAMフラッグ車の主砲が発砲された。

 

「アレで撃てるんですか!?」

 

 霧島の驚愕の声は半ばから砲声で消され、轟雷号の遥か後方を通り過ぎた砲弾が予想よりも近い場所に着弾、すさまじい爆風が豪雷号を襲う。

 

「くっ!」

「うわわ!?」

「何としても脱線を阻止して」

「フィールド全開だ! 横転するぞ!」

「狙われたな」

 

 貨車に固定状態の艦娘達はかろうじてこらえるが、豪雷号の方が大きく傾き、メンタルモデル達が演算力を最大にして強引に車体を制御する。

 

「まさか、炸裂弾か!? 今まで通常砲弾だったのか!?」

「一体何種砲弾を持ってきてるのやら………」

 

 吹き抜けていく爆風の凄まじさに長門は焦り、陸奥も驚愕を隠せなかった。

 

「なんとか持ちましたイオナ姉様!」

「被害報告」

「機関車、砲撃貨車双方無事。ただし今のでレール用のナノマテリアルをかなり消費した」

「地上部隊も回避して無事だ! 最初からこちらを爆風に巻き込むのだけが目的だったようだな」

 

 ヒュウガがなんとか走っている豪雷号を立て直し、イオナからの指示にハルナとキリシマが報告する。

 

「どうやら、レトロ金剛達の攻撃は無駄ではなかったようだ」

「どういう事?」

 

 コンゴウが冷静に告げるのをイオナが聞き返すが、その意味はすぐに知れる事となる。

 

「オーナー、目標主砲に亀裂発生を確認」

「Really!? ダメージは与えたね!」

「しかし、もう魔力砲弾は有りません!」

「徹甲弾装填! 主砲に向けて照準!」

「そっちももう殆ど残ってないけどね!」

 

 主砲に明らかにダメージが入っていた事に、長門が主砲に総攻撃をかけようとする。

 だがそこで、突然豪雷号が激しく振動を始める。

 

「何だ!? 何が起きた!」

「さっきの爆風でかろうじて車体は持ったけど、NMRシステムに異常発生! 空中走行に支障あり! 着地するわ!」

「着地じゃなくて不時着っていうんじゃ!?」

「飛んでない列車はなんて言うんでしょうか?」

「後だ! 全艦目標敵主砲! 撃て!」

 

 ヒュウガからの報告に皆が慌てる中、まだかろうじて空中にいる間に長門の指示で全砲門が火を吹く。

 だが激しく鳴動する貨車上では照準は定まらず、そのほとんどが外れるか見当違いの場所に着弾する。

 

「こんな安定しない状態じゃ無理よ!」

「だが地上からでは更に狙うのが難しくなる!」

「長門! 残弾がリトルね! これ以上はバッド!」

「致し方ない………後退だ!」

「言われなくてもそうするわよ!」

「こちらイオナ、空中走行困難。後退する」

 

 長門は歯噛みしつつも後退を指示、ヒュウガが半ば怒鳴るようにしながらも不安定になった轟雷号の安定に全演算力を注ぎ、イオナは冷静に後退を報告する。

 

「後は任せろ!」

「攻撃ポイントが出来れば!」

 

 入れ替わりに、マルセイユ達ウィッチ隊と亜乃亜達天使隊が前へと出る。

 JAMフラッグ車の残った対空レーザーが迎撃しようとするが、それはそれぞれのシールドに阻まれた。

 

「確かに威力が落ちてる! これなら行ける!」

「PEジェネレーター出力全開! ドラマチック・バーストスタンバイ!」

 

 マルセイユが対空レーザーをシールドとマニューバーで交わしながら魔導レールガン(※試作品)を連射、亜乃亜は必殺の一撃を叩き込むべく、チャージに入る。

 

「前に出過ぎないように! 対空攻撃が無くなったわけじゃないわよ!」

「二機以上で相互カバー! シールドを途切れさせないで!」

 

 後方に控えている圭子とジオールの指示が飛び交い、それを肯定するかのようにJAMフラッグ車の対空攻撃が激しくなる。

 

「破損箇所を狙え! 相手がどんなに頑強でも、一度破損すれば後はもろい物だ!」

「了解!」「けど狙いが…」

 

 動輪の振動で細かく上下するJAMフラッグ車に、真美が破損箇所を狙おうとするが狙いが定められない。

 

「ふん、こうすればいい」

 

 そこでマルセイユが魔導レールガンを構えると速射、全弾が見事にヒビの箇所に命中し、ヒビが更に広がる。

 

「動くなら動きの分を計算して撃てばいいだけだ」

「そんな芸当出来るの大尉だけです………隊長の作戦通り、私達はなるべく防御に専念しましょう」

 

 自信満々のマルセイユに、ライーサが思わず苦言を呈する中、真美と二人でシールドに魔法力を注ぐ。

 

「プラトニック・エナジーチャージ完了! 行くよ!」

「待って! こちらもガードフォーメーションよ!」

「あい」

 

 ドラマチック・バーストを放とうとする亜乃亜の両脇をエリューとティタが固め、準備万端で亜乃亜はトリガーを引く。

 

「それじゃあ、ドラマチック・バースト!」

 

 放たれたサーチレーザーが的確に主砲の破損箇所を狙い、ヒビを更に拡大されていく。

 

「効いてる! もう一発!」

「いえ、一度引いてチャージを待つわ」

「難しいかも」

 

 亜乃亜が再度ドラマチック・バーストを放とうとするが、エリューがたしなめる間に、ティタがぽつりと呟く。

 JAMフラッグ車の主砲が仰角をどんどん増していく事にその場にいる皆の顔色が変わる。

 

「まずい! さっきのを撃つ気だ!」

「うわわわ! ヤバイ!」

「地上部隊も総攻撃の最中だ! 2発目は何としても!」

 

 天を向こうとしている主砲が先程の拡散砲弾の発射準備だと悟ったウィッチと天使が慌てるが、そこで二機のRVが飛び出す。

 

「まだるっこしい、主砲を破壊すればいいのだ」

「どうするの?」

 

 エスメラルダのジェイドナイトとポイニーのファルシオンαが主砲よりも早く上昇し、そこで機体を急降下、砲塔の最大の弱点とも言える砲口内を直接狙い、スプレッドボムとローリングミサイルを撃ち込む。

 

「狙い通り!」

「これで!」

 

 直後に砲塔内から爆炎が上がるが、それでも主砲の上昇は止まらない。

 

「何!?」

「なんで!?」

『上空から確認、爆発は砲身中央部、薬室まで届いていない。恐らくは砲身内にシャッターの類有り』

 

 エスメラルダとポイニーが必殺を狙った攻撃の効果が無かった原因を、上空から観察していたメイヴが告げてくる。

 

「砲塔内にシャッター!? どこまで非常識な!」

「だがアイデアは悪くないな」

 

 ポイニーが思わず声を荒げるが、それを見ていたマルセイユが入れ替わるように急上昇する。

 そしてよりにもよって砲口の真正面にホバリングすると、砲口内に向かって魔導レールガンを速射する。

 

「大尉! 危険です!」

「もし撃たれたらマルセイユ大尉のシールドでも!」

「こいつは撃てない。なぜならシャッターを開放した瞬間、私の弾丸が砲弾を誘爆させるからだ」

「あ…」

 

 ライーサと真美が慌てるが、当のマルセイユは平然とした顔で銃弾を撃ち込み続ける。

マルセイユの言う通り、JAMフラッグ車は主砲を動かし、車体を揺らしてマルセイユを振り払おうとするが、機敏に動くマルセイユは砲口内を狙い続け、当人の言う通り砲弾は発射されなかった。

 

「なんだ、こんな簡単な事を今まで思いつかなかったとは!」

『ちょっとマルセイユ! ティナ! 正気!? 砲弾が誘爆する物ばかりとは限らないわ! もし徹甲弾の類に交換されたら!』

「その時は私が吹っ飛ぶだけだ」

 

 圭子が必死になって止めようとするが、マルセイユは不敵な笑みを浮かべたまま砲口の前から離れようとしない。

 

「ライーサ! 真美! そっちの得物も寄越せ! 弾が足りない!」

「は、はい!」

「でも本当に大丈夫ですか!?」

 

 ライーサと真美が手にしていた長銃をマルセイユに手渡し、代わりに弾丸が尽きた魔導レールガンを受け取る。

 

「何、私だけじゃない」

 

 マルセイユがありったけの魔法力を込めて連射するそばを、RVが通り過ぎていく。

 

「砲身を攻撃し続けるのだ! 中だろうと外だろうと、大筒は壊れれば撃てん!」

「残った対空レーザーはこちらで潰します!」

 

 華風魔とココロがそれぞれ砲身と対空兵器に攻撃を開始、他の天使達もそれに続く。

 

「砲撃はこちらで抑えます! なんとか動きを止めてください!」

 

 ジオールは地上部隊に通信しつつ、残ったプラトニック・エナジー全てをRVに注ぎ込んだ。

 

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