第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) 作:ダークボーイ
「空戦部隊が砲撃を阻止してる間に、足を止めるんだ!」
大神が半ば叫びながら、JAMフラッグ車への接近を試みるが、巨大な動輪が巻き起こす土砂に阻まれ、近づく事も容易ではなかった。
砲撃を封じられたためか、その動きは更に激しくなり、周辺を凄まじい振動が襲う。
「足止めってどうやってデス!?」
「立ってられない!」
「近寄れば土砂と振動、離れれば土砂がそのまま防壁になる、どうすれば………」
大地震のような振動に切歌と調が喚き、マリア(イブ)がシンフォギアの力でも容易に攻撃出来ない状況に歯噛みする。
「大神さん! 私がなんとか活路を開きます!」
「さくら君、頼む。オレが合図したら全力で一撃を」
「はい!」
霊子甲冑の重量でも立っているのがやっとの中、大神は双刀を構えて機を待つ。
(一、二、三、一、二、今!)
「さくら君!」
「はい! 破邪剣征・桜花天昇!!」
さくら機の全力の一撃が、吹き上げる土砂を貫き、そこに空いた穴を大神機が加速して突っ込んでいく。
「マジですか!?」
「この振動の中!?」
「いや、振動を完全に読んでる………」
切歌と調が驚愕する中、半ばで燃料を使いきったブースターがパージされた大神機が振動する地面を的確に蹴って更に加速する様に、翼もさすがに絶句する。
「狼虎滅却・天地神明!!」
文字通り壁が上下するような巨大さの動輪に、間近まで迫った大神機が全力の一撃を動輪の一つに叩き込む。
ありったけの霊力と共に叩き込まれた双刀の斬撃は、巨大な動輪を貫き、そしてそれを粉砕した。
「さすが………」
「防壁に穴が空いた! 我々も続くぞ!」
動輪の一つの破損により生じた隙間を見た翼が、胸元のペンダントを手に取る。
「イグナイトモジュール、抜剣!」『ダインスレイブ』
翼はシンフォギアの切り札の一つでイグナイトモジュールを起動、ペンダンドが変じた光の剣が胸を貫き、彼女のシンフォギアが黒く変じていく。
「切歌、調、あなた達はそのままサポートを!」
「分かったのデス!」
「突破口さえ開ければ!」
続いてマリア(イブ)もイグナイトモジュールを起動、シンフォギアを黒く変じさせつつ翼に続く。
「帝国華撃団! 装者を援護!」
大量に霊力を消費した大神が後方へと飛び退りながらの指示に、他の霊子甲冑も一斉に動く。
「織姫!」
「了解デ~ス!」
マリア機と織姫機の銃撃とレーザーが巻き上げる土砂を撃ち抜き、粉砕していく。
「それ~!」
「アイリス、そのまま維持」
アイリスがテレキネシスで土砂を停滞させ、レニがランスでそれを突き崩す。
帝国華撃団の連続した攻撃により、薄くなっていた土砂の防壁に動輪へと続く空白が生まれる。
「狙いは二つ目!」「OK!」
『蒼刃罰光斬!』
『SERE†NADE!!』
イグナイトモードで強化された二つの斬撃が、JAMフラッグ車の動輪に炸裂、大きくヒビが入ったかと思うと、崩落していく。
「続けて行くぞ!」
「行けるかしら」
連続で必殺技を叩き込もうとする翼とマリア(イブ)だったが、そこで突然JAMフラッグ車の方から凄まじい熱風と土煙が吹き付けてくる。
「何だ!?」
「翼、上!」
翼が思わず目をかばった時、マリア(イブ)が叫び、上に目を向けた翼は、そこに先程まで目の前に有ったはずの動輪がある事に気付く。
「何だ!?」
「危ないデス!」「逃げて!」
一瞬判断に迷う翼だったが、そこで切歌と調の声に、二人は同時に飛び退き、直後に動輪が先程までいた位置に降ってくる。
直後に今までとは比べ物にならない激震が走り、装者は愚か霊子甲冑すらその場に倒れ込む。
「何が起きたの!?」
『あの戦車、腹の下にブースターを付けてる! 信じられないだろうけど、今一瞬片輪走行したわ!』
マリア(イブ)も状況を理解出来ない中、離れていたために何が起きたかを見ていたマリア(タチバナ)の通信が入る。
「あの巨体で片輪走行だと!? 本当に戦車か!」
「下手に近寄ったら踏み潰されるって訳ね…」
『だったら、方向を変えればいいだけ』
装者達が攻めあぐねる中、マリア機はJAMフラッグ車の後方に回り、20mm狙撃ライフル「リュミドラ」を構える。
「静寂が支配する銀の楽園、リディニーク!」
マリア(タチバナ)のありったけの霊力が込められた弾頭が、弾道上を氷結させながらJAMフラッグ車の後方の動輪に迫り、炸裂。
霊力と相まって氷結破砕していく動輪に、更に別方向から飛んできた巨大な矢が炸裂、動輪を完全に破砕する。
『同じ事考えてたみてえだな』
「ええ」
マリア(タチバナ)が矢の飛んできた方向を逆算すると、そこにイグナイトモードで矢を放ったクリスの姿を見つける。
片側の動輪を3つ失い、JAMフラッグ車の動きが鈍ってくる。
「あと一息だ!」
「みんなどいて! わかばちゃん!」
「分かったわ!」
「オペレーション」「ビビットグリーン!」
大神が鼓舞する中、あかねとわかばがドッキング、残ったエネルギー全てを使って巨大化したネイキッドブレードを横構えに構える。
「ビビットブレード、セーフティ解除! エンジン出力、120%! 150% 180%!」
『臨界突破! 出力200%!』
『ファイナル・オペレーション!!』
臨界に達したネイキッドブレードから光刃が発生、一気に横薙ぎに放たれた一撃が、残った動輪をまとめて斬りつける。
「やった!?」
「いえ、抜けてない!」
ドッキングが解けたあかねが戦果を確認するが、わかばは手応えから不完全だったと直感する。
「もう一撃…」
「無理よ! エネルギー切れ! 後頼みます!」
ネイキッドラングを構えるあかねを半ば引きずるようにしてわかばがその場を離脱する中、入れ違いに向かってくる者達がいた。
「総員構え!」
「全車照準!」
「FIRE!!」
残っていた陸戦ウィッチと戦車が一斉に方向を傷ついた動輪へと向け、多数の砲口が一斉に火を吹いた。
放たれた砲弾が次々と動輪に当たり、一部は外れたり土砂に阻まれるが、砲火は止まらない。
「全弾撃ち尽くして! ここ以外で私達の攻撃は効かない!」
「榴弾でも徹甲弾でも構わない! 撃ちまくれ!」
マイルズとエリカの号令が飛ぶ中、文字通り全弾撃ち尽くすような砲撃が続く。
JAMフラッグ車は残った動輪で方向転換しようとするが、とうとう限界に達した動輪が次々と破断、その場に擱座する。
「やった!」
「敵フラッグ車擱座確認…」
皆が歓声を上げかける中、JAMフラッグ車は底面ブースターで強引に車体を持ち上げ、バランスを取ろうとする。
だがブースターが噴煙を上げる中、突如として爆発が生じる。
「え?」
誰かが間抜けな声を上げる中、爆発が次から次へと生じ、耐えきれなくなったブースターが一基破損して停止する。
「よし、この調子だ!」
「ハイ次!」
その時になって、いつの間にかJAMフラッグ車の近くまで来ていたアウロラが、背後にいる斧彦が持ってきた試作N2投擲弾(※アウロラ以外使用禁止)を次々ブースターの方へと投じていく。
陸戦ウィッチでも有数の腕力で投じられたN2投擲弾は高速で飛んでいき、ブースターの噴煙に触れると爆発を起こす。
「向こうから弱点をさらけ出してくれるとは面倒が無くていいな!」
「まあそう言えなくもないのだけれど」
ロケットがごときブースターの吹き上げる噴煙がこちらにも吹き付けてくるのにも構わず、アウロラはありったけのN2投擲弾を投じていき、次々とブースターは破損してとうとう限界に達してJAMフラッグ車は完全に擱座する。
「今です!」
その機を狙っていた四両の戦車が、一斉にJAMフラッグ車の四方に配置しようとしていた。